内縁関係にある男女においては,民法768条の財産分与に関する規定が類推適用されると考えられています。




したがって,法的に婚姻していなくても,内縁関係にあった男女が別れる際には,内縁期間中に二人で形成した財産について清算を求め,裁判所の手続をとることができるということになります。




内縁関係にあった女性が男性に対して家庭裁判所に対し財産分与を求める調停(話し合い)を提起したが,不調に終わり,審判手続(裁判官が一方的に判断する手続)に移行して,審判が出る前に,義務者である男性が死亡した場合,女性は男性の相続人に対して引き続き財産分与を求めることができるかということについて判断したのが大阪高裁平成23年11月15日もの決定です(判例時報2154号)。ちなみに,財産分与の調停がうまくゆかず,話し合いがつかなかったときは,自動的に裁判所が審判してくれるということになっています。もっとも,現行の家事審判法では,調停不調後に,いつ審判がされるのか期日の明示がされず,なかなか審判がされなくてイライラするということもあります(平成25年1月から施行の家事事件手続法ではこの点について期日が明示されるなど改善されることになっています。)。




それはそれとして,前記の件で,大阪高裁は,財産分与の審判手続き中に義務者が死亡した場合,その義務は相続人に相続されると判断しました。





なお,この点で,問題となったのが最高裁の平成12年3月10日の決定ですが,この件では,財産分与の調停(審判)の手続をとる前に義務者が死亡してしまい,義務者の死亡後に相続人に対して財産分与の請求をした事案でしたが,このケースでは,最高裁は財産分与の請求をすることができないと判断しました。

義務者が死亡した後の財産の清算は「相続」の問題であって,内縁関係に在った者には相続権はないというのが一貫した裁判所の立場ですので,その立場に沿って判断したということです。





内縁関係にある者が高齢である場合に,財産分与を請求しておきたいのであれば,早く当事者間で具体的に合意しておくか,裁判所の手続を申し立てて請求しておかないと,相続が発生してしまい,内縁関係に在った者は保護されないということになってしまいますので気を付けましょう。





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