婚姻届を出されてしまったが,その届出が無効であるとして戸籍法114条に基づく戸籍訂正の許可を家庭裁判所に求めたが,却下されたという事例です(家裁月報64巻3号)。




本件は,内縁関係にあった男女において,内妻が勝手に婚姻届をしたとして,戸籍上夫になってしまった男性が戸籍の訂正を求めたという事案です。




男性は,婚姻届出前に戸籍法27条の2第3項に基づく届出不受理の申し出を行っていましたが,この戸籍不受理の申出は原則として本人が出頭しなければならないところ(戸籍法施行規則53条の4第1項),郵送で送ったために受理が留保されてしまいました。




そのため,その後に提出された婚姻届出が受理され,戸籍上,夫婦として登載されることになりました。




その後,男性は,婚姻届出の偽造などを理由として警察に告訴状を提出しているようです。




戸籍法114条は,「届出によつて効力を生ずべき行為について戸籍の記載をした後に、その行為が無効であることを発見したときは、届出人又は届出事件の本人は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍の訂正を申請することができる。」と規定しています。

一方で,戸籍法116条は,「判決」の確定によって戸籍を訂正する手続を定めているため両者の関係が問題となりますが,裁判所は,戸籍法114条は行為の向こうが戸籍の記載自体や届出書自体が明白である場合,訂正すべき事項が警備であって訂正の結果が身分法上重大な影響がない場合に限定されるとしました。





そして,本件では,そのような場合に当たらないとして,戸籍法114条に基づく戸籍訂正は認められないと判断しました。




本件では,婚姻無効の確認か婚姻自体は受け入れて離婚請求といった手続きによるしかないということになります。




ちなみに,戸籍不受理の申出は,申出をする者が疾病その他やむを得ない事由により自ら出頭することができない場合には,本籍地の市町村長に第二項の書面を送付する方法その他これに準ずる方法によりすることができるとされています。本件で男性が受理申出を郵送した際には入院中であったようです。

但し,この場合には,公正証書(代理人の嘱託により作成されたものを除く。)を提出する方法その他の方法により当該申出をする者が本人であることを明らかにしなければならないともされています(戸籍法施行規則53条の4第4項)。




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