判例時報2151号に載った最高裁平成24年4月27日の判決です。




無保険車傷害保険というのは,自動車保険に付帯されていることがある特約で,交通事故の被害に遭った場合に加害者量が無保険であったときに加害者(賠償義務者)に代わって損害を填補するというものです。




本件では,無保険車による交通事故に遭った被害者が頚椎損傷による四肢麻痺などで後遺障害が残ってしまいました。




加害者量は無保険でしたが,幸い,被害者自身が加入していた自動車保険に無保険車障がい条項の特約が付いていたので,被害者側が,保険会社に対して保険金の支払いを求めたのですが,その際に争いになったのが,遅延損害金まで保険金によってまかなわれるのかということでした。





無保険車傷害特約の約款では,「支払われる保険金の額は,損害の元本から自賠責保険等からの支払額を差し引いた額」とされています。

ここで,仮に損害元本が1億円,遅延損害金が500万円(交通事故による損害賠償請求債務は事故日から遅滞となり遅延損害金が発生します),自賠責保険からの支払額が3000万円とした場合,自賠責保険の3000万円はまず遅延損害金500万円に充当し,残金2500万円を元本に充当した後の残額7500万円が保険金として支払われるとすると,無保険車傷害保険の保険金は遅延損害金を填補するのと同じことになります。





本件の一審二審はこのような考え方を採りましたが,最高裁は,遅延損害金については考えないで,シンプルに元本だけの差し引きをすればよいとしました。文言に忠実に解釈したということになります。




最高裁の考え方によると,先程の例でいえば損害元本1億円から自賠責支払い分3000万円を差し引いた7000万円が無保険車傷害保険の支払い保険金額になります。遅延損害金については,加害者が無資力である以上,被害者が泣くということになります。





また,保険会社の無保険車傷害保険金の支払い債務は保険契約に基づくものであり,商法514条に基づき,遅延損害金利率は年6分ということも判断されています。






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