留置場・拘置所内での撮影

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以下の【      】内は8月26日配信のNHKwebニュースの記事の一部引用です。



拘置所で接見した弁護士が、記録のため被告を撮影したことに対し、東京拘置所が「内部の規則に違反する」として、東京の2つの弁護士会に懲戒処分を求める異例の申し立てを行ったことが分かりました。日弁連=日本弁護士連合会は「法律上の規定はなく、必要な弁護活動だ」と強く反発していて、接見の録音・録画を巡って双方の対立が深まっています。申し立ては東京弁護士会と第二東京弁護士会に対して行われたもので、東京拘置所の所長が合わせて3人の弁護士を懲戒処分するよう求めています。申し立てなどによりますと、3人は去年からことし3月にかけて、拘置所で被告と接見中にデジタルカメラで写真を撮ったり録音や録画をしようとしたということです。拘置所長は、「カメラの持ち込みは施設の管理者として定めた内部の規則に違反するものだ。警備に支障が出るほか、被告のプライバシーが侵害されるおそれもある」と主張しています。これに対し、弁護士は答弁書などで、「撮影は被告の姿ややり取りを記録するためであり、拘置所が決めたという規則に法的な根拠はない」などと反論しています。拘置所の所長が弁護士会に懲戒を申し立てるのは異例で、日弁連は法務大臣と東京拘置所長に先月申し入れを行い、「弁護士の撮影を制限する法律上の規定は存在しない。憲法で保障された必要な弁護活動の一環だ」と強く反発しています。一方、拘置所を所管する法務省は「弁護士であっても接見中の撮影は認めていない。同じ行為を繰り返さないようにするため、懲戒処分を申し立てることは適切だと考えている」としていて、録音・録画を巡る双方の対立が深まっています。】




被疑者,被告人が警察の留置場や法務省管轄の拘置所に拘束されている場合に,弁護人として被疑者・被告人の写真や動画を撮影したいということはよくあります。




一つは,被疑者が顔面や身体に青あざなどを作っていて,それが取調べ中の暴行であるというとき,又は,そうではなくても,被疑者の身体にそのような傷があること自体が後々重要な証拠となるというようなとき,或いは,犯行時の再現などを被疑者や被告人自身にしてもらって証拠化したいというようなときです。私自身には経験がありませんが,上記NHKの記事にあるように,その時点での精神状態を記録化しておきたいというときにも必要になるのでしょう。





ずいぶんと以前のことですが,私自身も,警察で接見した際に,被疑者がものすごい青あざをつくっていたのでどうしたのか尋ねたところ,逮捕される際に警察官に殴られたといっていたので,留置場内で写真を撮ったことがあります(こんなこと書いたら懲戒請求されるのかな。。




ただ,この時は,その場でカメラを持っていなくて,翌日カメラをもって撮影に行ったところ「たった一日でこんなにあざってなくなるのかよ」というほどあざが消失していて,インパクトのある写真を取ることができませんでした。

ちなみにアクリル板越しで撮影の際に光が写りこんでしまい,かすかなあざ自体もうまくとることができませんでした(反省

撮影する際は,フラッシュとかたかない方がいいです。




それ以来,接見に行く際にはカメラを必ず持参しています。今ならカメラ付き携帯がありますが,警察署によっては接見室に入る前に携帯を預かるというところがありますので,携帯だけ持参すると危険です。




警察よりもうるさいのは記事にもある拘置所でしょうね。

接見室の小窓からハエのように,接見の様子を覗き回っています(これも接見交通権の侵害では?




そりゃ,弁護人が関係のない施設内の設備を撮影したり,撮影した画像などを弁護活動以外のことに使ったというなら,懲戒されても仕方ないのでしょうが,弁護活動の一環として必要なのですから,拘置所側の言い分は全く納得できません。




被疑者・被告人のプライバシーを理由にしていることに至っては,意味が分かりません(本人がいいと言っているのだからプライバシーも何もないだろう







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