いわゆるスーパー銭湯を利用したところ,レジオネラ菌に感染したとして,利用者がスーパー銭湯を運営していた会社に対し利用者の生命身体の安全を確保すべき義務を怠ったとして損害賠償請求したという事案です(判例時報2148号 前橋地裁平成23年11月16日判決)。




利用者は昭和18年生まれの男性で土木建築などの会社の代表者を務めていました。




スーパー銭湯は,平成12年に開設されましたが,平成21年には閉鎖されています。



平成20年2月5日に,保健所がスーパー銭湯に立ち入り検査したところ,基準値を超えるレジオネラ菌は検出されなかったものの,同月29日に改め検査としたところ,大浴場から条例で定られた基準値を大幅に超えるレジオネラ菌が検出されました。



そして,利用者は,平成20年2月26日,入院して検査を受けたところレジオネラ菌が検出され,重症のレジオネラ肺炎と診断されます。そして,利用者の痰から検出されたレジオネラ菌は,スーパー銭湯から検出された前記のレジオネラ菌とDNA切断パターンが一致しました。




利用者は,その後,起き上がることができなくなり,発熱,著しい脱力感,筋力低下,呼吸苦などの症状を訴え,意識がはっきりせずつじつまの合わないことを言う,栄養摂取用の胃のカテーテルを外すなどの行動をとるようになったと認定されています。




結局,利用者は一命は取り留めたものの,平成20年5月に呼吸器機能障害で身体障害者一級の認定を受けるに至ります。





裁判所は,利用者のレジオネラ菌による発症は,スーパー銭湯の利用によるものであると認定したうえで,スーパー銭湯を運営していた会社は,循環ルートにおける集毛器を設置していなかったばかりか,滅菌器をろ過機の前に設置していなかったためろ過機に湯が入る前に塩素消毒や毛髪の除去の除去をしておらず,月1回ろ過機やフィルターの清掃をしていたにすぎないなど,条例や厚労省のマニュアルに定められた基準も満たしていなかったなど,利用者の生命身体の安全を確保すべき義務を怠ったと判断しました。




そして,利用者に対して約3493万円の損害賠償を命じました。





本件は,控訴審で和解が成立し終了したということです。






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