判例時報2150号で紹介された東京地裁平成23年9月13日の判決例です。




東京都区部の区立小学校で,授業の休憩時間中,5年生の児童が同級生に投げ飛ばされて,床に落下したため頭蓋骨線状骨折,急性硬膜外血腫の怪我を負ってしまいました。




事故が起こった場所は,学校の多目的ホール又はエントランスホールと呼ばれる場所で,事故がどこの地点で起こったのかについては争いがあったようですが,いずれにせよ,怪我をした児童側は,児童が遊ぶような場所に使用される床の材質として不適切なものであったなどの主張をして,学校設置者である区に対して200万円の損害賠償請求訴訟を提起しました。





児童側は,事故があったと主張するエントランスホールの床はフローリング敷きであって滑りやすく,その下にはコンクリートが敷いてあるため転倒して頭部を床に打ち付けて怪我をする可能性が高かったこと,休憩時間中にホールで゛児童が遊んで頭部を打ち付ける事故が発生していたことなどを主張しました。





しかし,裁判所は,児童側の主張を退けて請求棄却としました。




理由としては,問題とされた床の材質については,一般に国交省が公共建築工事標準仕様書で定めている床材であること,文科省が定めた小学校施設整備指針に規定する内部仕上げの材質に関する要件も満たしていることなどを挙げました。また,仮に,児童が休憩時間中に遊ぶような場所であったとしても,他の小学校と比較して安全性の面で問題があったとは認められないとも指摘しています。




また,本件事故前にもホールで起こっていたという事故についても,学校側の事故の内容を記載した記録などから,床が原因で起こった事故が多発していたとは認めれないとしています。




屋内,屋外を問わず,公けの施設内で怪我をしたとして損害賠償請求ができないかという相談はたまにあります。




怪我が深刻なケースもあり,なかなか悩ましい問題です。




なお,本件は控訴されています。





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