保釈請求に対する検察官意見

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捜査が終わり起訴されると,保釈請求をすることができるようになります(刑訴法88条1項)。




保釈請求にも第一回公判前の保釈請求と第一回公判後の保釈請求があります。前者については,公判担当裁判所に予断を与えないという趣旨から,起訴が係属した裁判官とは別の裁判官が保釈の可否を判断するということになっています。




東京地裁の場合,第一回公判前の保釈請求については,保釈請求書と身元引受人の身元引受書を刑事14部に提出します。建物1階の隅っこの奥の方にあるなんとなく薄暗い感じの場所にあります。いつも気分が滅入ります。





保釈請求書類を提出してもすぐに判断されるわけではなく,裁判所から検察官に書類が回されて求意見という手続がとられます(刑訴法92条1項)。保釈請求に対して検察官としてどのような意見か求めるというわけです。




返ってくる意見の中身としては「相当」「しかるべく」「不相当」の3つのうちのどれかですが,「相当」(保釈してもよい)という意見が返ってくることはまずありません。




「しかるべく」は裁判所にお任せしますという意味で,これが返ってくると,保釈が認められる可能性が高いといえます。




「不相当」の意見が返ってくると,検察官としては保釈に反対ということなので,保釈が認められる確率は厳しくなります。別に,検察官が反対だからといって,判断するのは裁判官がそれに従う筋合いは全くないのですが,残念ながら,実務的には検察官の意見が通ってしまっているのが実情,感覚です。






検察官の意見が返ってくるのは,早くて保釈請求した日かの翌日,遅いと3日後くらいになることがあります。検察官の意見が返ってこないと,裁判官と面接するなど,保釈の手続が全く進みませんので,意見が返ってくるのが遅いと(嫌がらせ)かと思います。




大きな事件などで,保釈請求したその日のうちに保釈で出ていたりする場合がありますが,ああいうのをみると,ヤメ検弁護人と検察官の談合ではないかと疑ってしまいます。公平は維持してほしいもんだ。

とはいえ,ヤメ検さんたちが,元の職場である検察庁に対してどこまで影響力を行使できるのかについてはよく分りませんね。役人の世界で一番嫌われるのは,役所にいた時はエラかったのかもしれないが,ヤメた後まで我が物顔で影響力を行使しようとすることだと聞いたことがあります(「アンタがエラかったのは役所にいた時までだよ」ということでしょう。役所にいた際の人徳も影響するのかもしれませんが,そうだとすると,我が国は本当に「法治主義」なのかということにもなりかねません)。

まあ,ものすごいトップのお偉いさんの影響力というのがどこまでのものかなんていうことについては,私ふぜいには窺い知ることもできませんが。。






裁判所に返ってきた検察官の意見は,裁判所で閲覧することができます。ただ,お役所の縦割りで,閲覧するための手続は,東京地裁だと14階にある記録係で申請しなければなりません。記録は申請すればすぐに見れます。





「不相当」の意見であっても,鉛筆で2~3行テキトー(な感じ)に記載してあるだけのものと,「不相当であり却下すべき」と書かれていて別紙まで付けて長々と反対意見が書かれているものとがあります。後者の方が,「絶対に保釈は認められない」という検察官の強い意思を示しているといわれています。鉛筆書きでさらさらと書いてあるものを見ると,弁護人が一生懸命申立書を出しているのに,こんなんでいいのかよと文句の一つも言いたくなります。




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