破産の申立を行う場合,東京地裁民事20部(破産再生部)では即日面接といって,申し立てた当日(又は申立日から3日以内)に,代理人である弁護士が担当裁判官と面接し,申立書類に基づいて,裁判官から問題点などの説明を求められ,弁護士がこれを説明し,同時廃止でよいのか,少額管財にすべきなのかという振り分けを行うという運用になっています。




私が弁護士になった10年前にはすでにこの運用でした。




最近は破産事件自体が減少傾向にあるとも聞き,また,債務整理案件が専門の大規模事務所に流れているということもあってなのか(弁護士会のクレサラ相談所も廃止縮小が続いています),私自身の債務整理案件の取扱いはぐんと減ってしまい,20部に申立てに行くということ自体がそれほどなくなってしまいました




それでもたまに20部に破産の申し立てに行くこともあるのですが,ここ数年で,裁判所の申立代理人を見る目がとっても厳しくなったなあという印象です。このことは,破産関係の研修会などに出席した場合にも特に感じるところです(「申立代理人の責任」「申立代理人がきちんとした申立てをすること」ということをしつこいほどに言われます)。




聞くところによると,10数年前に,破産分野で高名であった20部の部長が,それまで裁判所に納付するお金が多額であったものを,特に問題がなく1回の債権者集会の期日で終了できるような案件であれば,20万円の納付でよいとする少額管財という運用を発明したとのことで,この運用の基礎にあるのは申立代理人に対する信頼ということです。




裁判所の申立代理人に対する見る目が厳しくなったということは,申立代理人たる弁護士への信頼が低下しているということの裏返しなのだと思います。





昔であればそれほど目くじらを立てられなかった債権者一覧表の記載の一部不備とか通帳に記載されているとても細かな金額の引落しなど,最近は,とても厳しくチェックされています。





20万円という低額になったとはいえ,それでも,破産する人にとっては大金なので,なるべく,そのお金が不要な同時廃止にしたいという希望は多く,昔は,申立代理人の腕として同時廃止手続に回してもらうように裁判官を説得してナンボというような風潮もあったように思うのですが(それは,事実を隠したり,ウソをつくということではなくて,事実を示したうえで同時廃止で問題ないと裁判所を説得するという意味です),最近は,無理に同時廃止に持って行くよりも正々堂々と少額管財手続にしてもらって,きちんと免責を取りに行った方が良いと思っています。そんなに甘く同時廃止に回してもらえるということはなく,すこし前に20部で裁判官と面接していたところ,別の面接をしていた裁判官が大声で「これ,取下げでーす!」と書記官に指示していました。おそらく,納付金の準備もなく,同時廃止で希望したところ,裁判官から厳しく問い詰められて,進退窮して取下げという結果になったものだと思われます。





私の感覚では,グレーゾーン金利が廃止となった時期から,裁判所の態度が変わってきたというような気がしています。私なりに考えるに,金利規制により貸金業者に厳しい規制となったバランス上,破産する方に対しても厳しいバランスを取ったという裁判所ならでわのバランス感覚が発揮されたのも一因ではないかと思っています。勿論,一部の弁護士に観られたルーズな申立というのも大きな動機にはなっていたのでしょうが。





ちなみに,昔は,北海道から沖縄まで,どこに住んでいようと,東京地裁で破産の申し立てを受理していましたが,あまりに目に余ったのでしょうか,最近,東京と関東近県に住んでいる債務者のみということで制限されてしまいました。




また,昔は,東京地裁の同時廃止の免責審尋期日では裁判官から破産者に対して質問がされるということはなかったと思うのですが,最近では,全員というわけではないですが,質問がされるということもあります。




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