判例タイムズ1430号で紹介された事例です(大阪家裁平成28年2月1日決定)。

 

 

本件は,曜日や時間帯を定めて子ども(7歳)と月2回の面会交流を行うことを命じる審判が確定した後,同居親が面会交流のために子どもを連れて行こうとしたところ子どもが嫌がったという理由で連れていくことができず面会交流が図られなかった事案において,面会交流を求める親が,間接強制(面会交流が1回できなかったごとに8万円支払えとする内容のもの)の決定を求めたというものです。

 

 

同居親側からは,面会交流に行こうとしたが子どもが嫌がっている状況を録音したテープも証拠として提出されましたが,裁判所は,約2年前の面会交流においては子どもが楽しそうに面会交流に応じていたこと,約1年前に子どもと面接した家裁調査官の調査報告においても早期の面会交流が望ましいとの報告がなされていたという事情などから,同居親が適切な指導・助言をすることによって面会交流を行うことは可能であるとし,子どもが嫌がったから履行できないという反論は認めず,間接強制の決定(但し不履行1回について4万円としました)を行いました。

 

 

同居親自身が面会交流を拒否しているのであれば間接強制が命じられることはもちろんですが,子どもが嫌がっているというのであれば同居親としては自分自身の意思ではいかんともすることができず,面会交流が実施できないことについて責任を問われるのはおかしいと考えることもできますが,この点について,最高裁平成25年3月28日決定は,そのような場合はもともとの面会交流の定めがおかしいのであるからそちらを取り消すなり変更すべきであって間接強制を命じることの妨げにはならないとしています。つまり,一度決められたことは子どもに対して適切な指導・助言をすることで面会交流が図られるように努力すべきである,それができないというのであれば,面会交流の在り方自体についてもう一度話し合うべきであるという考え方かと思います。

 

 

本件においては,間接強制が申し立てられた段階で同居親(間接強制を申し立てられた方)に対して意見の照会(審尋)がなされることが普通ですので,決められた面会交流ではとても守ることができないという状況なのであれば,間接強制決定の手続きで争うのではなく,面会交流の条件変更や取り消しの審判を求めるべきであったということがいえそうです。