http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161227/k10010821551000.html?utm_int=news_contents_news-main_006

 

 

全国でコメダ珈琲店を展開する名古屋市の会社が、和歌山市の喫茶店の外観や席の配置などが極めて似ているとして、店舗の使用禁止を求める仮処分を申請したのに対し、東京地方裁判所は、申し立てを認める決定をしました。(12月27日NHKニュースウェブから一部引用)

 

名古屋市の会社が和歌山市の会社を相手取った手続きで東京地裁が決定を出す,ということになっているわけですが,裁判所の管轄がどのようになっているのかということが問題となります。

 

この点,今回,差止めの保全処分根拠となっているのは不正競争防止法に基づく差止め請求権や意匠権と言ったことが考えられますが,保全処分の管轄裁判所は,本案(保全処分はあくまでも仮の処分ですので,権利関係を確定させるためには「仮」ではなく本訴を提起する必要がありますが,本訴のことを本案訴訟といいます)の管轄裁判所又は係争物の存在する場所を管轄する裁判所ということになっています(民事前法12条1項)。

 

 

民事訴訟の原則的な管轄裁判所は被告の住所地を管轄する裁判所になりますので(民事訴訟法4条1項),本件では和歌山市に本店がある会社なので和歌山地裁ということになりそうですが,管轄にはいろいろと特則があり,民訴法5条9号では「不法行為に関する訴え」については不法行為地を管轄する裁判所が管轄裁判所とされています。

 

 

差止請求のような訴訟について,「不法行為に関する訴え」の規定が適用されるかについては判例は肯定しています(平成16年4月8日最高裁決定 岐阜の会社が大阪の会社に対して名古屋港から商品が出港されているとして名古屋地裁で提訴したという案件)。

 

 

本件で「不法行為地」というのがどこなのかは分かりませんが,最近はコメダ珈琲店を都内でもよく見かけますので,東京地裁が管轄しているということは,都内のコメダ珈琲店の店舗に関して損害という結果が発生している不法行為地としたうえで,管轄を持ってきたということなのかな・・・などとこのニュースを見て頭の体操をしたのでした。

なお,全国各地に店舗がある筈ですが,一つの店舗に関して管轄が発生していれば,他の店舗に関しても併合して審理されるということになっています(民訴法7条)。

 

 

或いは,当事者同士が管轄に合意すれば当該裁判所で本案訴訟することができるので(合意管轄),本件について東京地裁とする合意が成立し,その関連で保全処分も東京地裁となってということも考えられます。