http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161219/k10010812791000.html?utm_int=news-social_contents_list-items_012

 

 

採取はトイレの中で行われ、警察官は近くにいましたが、手元ははっきり見えていなかったということです。その後、鑑定を行った結果、覚醒剤の陽性反応が出たことなどから、警視庁は、先月28日に覚醒剤を使用した疑いで逮捕しました。
一方で、ASKAさんは、逮捕後の調べに対し任意提出した液体について「あらかじめ用意したお茶を尿の代わりに入れた」と説明するなど、一貫して容疑を否認していたということです。
通常の鑑定では、採取した液体が尿であることを前提に、覚醒剤の成分が含まれているかを判別します。このため、液体が尿であるか、お茶であるかはわからず、また、採取した尿は量が少なく、再鑑定はできなかったということです。

(12月19日NHKニュースウェブから一部引用)

 

薬物事件において、当該薬物等に関する押収の手続きが違法であるとか、押収した薬物等の保管状況が杜撰で誰の尿であるのか不明であるといった反論が被疑者・被告人側から提示されるということがあります。

 

 

本件においても同様ですが、特徴的なのは、提出したが尿ではなくお茶であったということで、一般的に言って、この弁解は「やってないのなら素直に尿を出せばよいのになぜお茶にすり替えたんだ」とか「いくら手元をよく見ていなかったとはいえお茶を持ち込んで尿であるかのように装って提出することなどができるのか」といった疑問が生じることになります。ただ、前者については「やってもいないのに警察に疑われ心外だったので意趣返しのつもりだった」というのも一つのあり得る可能性だと思いますし、後者については、本来であれば採尿の様子などをきちんと写真撮影などで確保しておくべきところを怠っていたのだから警察の落ち度であり被疑者側に不利益に推認することは許されないだろうとも言えることになります。

 

 

提示されている尿が自分のものではないということであれば、尿のDNA鑑定を行ない、尿の本人性も併せて鑑定すればよいだろうとも思われるところですが、通常、薬物事件の鑑定においてDNA鑑定などはしていませんし、また、鑑定書には「試料については全量費消しました。」と記載があり、(本当かどうかはわからないけれども)全部使ってしまっているようなので、今回も再鑑定するようなことはしなかったし、できなかったということなのだろうと思います(今回、本当に全部使っているか残った分は捨てているんだ、と思いました)。

 

 

試料の全量費消というのは、後から検証不可能になるということであまたの冤罪事件などでも問題となっているところですが、試料が残っていなくてほぞをかまされるのはたいてい弁護側なのですが、今回は警察側だったということになります。