http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150220/k10015608661000.html


 

 

安倍総理大臣は衆議院予算委員会の基本的質疑で、朝鮮総連=在日本朝鮮人総連合会の中央本部の土地と建物が転売されたことに関連して「商行為と日朝の交渉は全く別のものだ」と述べたうえで、拉致問題などを巡る北朝鮮側との協議と、中央本部が継続して使用されることは関連させない考えを示しました。

この中で、民主党の前原元外務大臣は朝鮮総連=在日本朝鮮人総連合会の中央本部の土地と建物が競売で落札した高松市の会社から山形県の会社に転売されたことについて、「山形県の会社が朝鮮総連と賃貸契約を結べば、朝鮮総連がビルを引き続き使える。競売の脱法行為ではないか。転売の間に入ったとされる元参議院議員は『朝鮮総連が継続使用できれば日朝関係が進展し、国益にかなう』と言っている」と指摘しました。
これに対し、安倍総理大臣は「商行為と日朝の交渉は全く別のものだ」と述べたうえで、「当然、違法行為があれば違法行為に目をつぶって交渉を進めるということは安倍政権においてはありえない」と述べ、拉致問題などを巡る北朝鮮側との協議と、朝鮮総連中央本部が継続して使用されることは関連させない考えを示しました。(本日配信のNHKニュースウェブから引用)。




別に、朝鮮総連の肩を持つわけではありませんが、競売というのは、債権者が債権を回収するための手続きであって、物件に入居している債務者を追い出すことを目的とした手続ではありません。

物件を競落した競落者は、結果として、物件を占有している債務者に対して立ち退きを求めることはできますが、それはあくまでも競落者の選択であって、立ち退きを求めずに、賃貸借契約を締結して賃料を請求することでその競落者が満足するのであれば、そのことに口を差し挟むべきことではないでしょう。




民事執行法で禁止されているのは、債務者自身が競売の買受人となることですが(同法68条)、これは、他に買受人がいない場合に、安価な申し出をした債務者がそのまま競落してしまうことで、債権者が僅かなお金しか得られなくなることを防止し競売手続きの公正性を確保するためです。




前原さんの言っている「脱法行為」というのが、競落者が債務者の傀儡のようなペーパー会社であるというような場合にはそのような表現もあると思いますが(実際に、本件ではモンゴルの会社が競落したものの手続き的な問題などで無効となっており、朝鮮総連とその会社の関係はよく分かりませんが、もしも総連と関係があるということなら、まさに脱法行為として問題視されてよいと思いますが)、今回は、適正な競売手続きのもとに落札され、それが転売されるということなのですから、脱法行為という言い方は不適切であるということになるでしょう。




世論受けしそうな問題で取り上げているのだと思いますが、きちんと法制度に対する理解を前提とした質問をするべきなのではないかと思いました。







■着手金の簡易見積フォーム
(弁護士江木大輔の法務ページに移動します。)


■弁護士江木大輔の法務ページに移動します。