「えいちゃんが走ると、お人形さんが泣くよ。」
テーマ:ライティング・リテラシー まもなくわたしの道は右へ折れて、その親子と別れたが
「えいちゃんが走ると、お人形さんが泣くよ。」
といったあのことばは、わたしの心からはなれなかった。
~ 西尾 実 『日本人のことば』 ~
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ある日の夕方、年若いお母さんに手を引かれ白いセーターを着た
四つくらいの女の子が歩いていました。
しかし、それは歩いているというよりまるで走っているようでした。
お母さんは夕食の支度を急ぐためか、はたまた家に赤ちゃんでも
残してきたのか、手を引き歩くスピードをゆるめようとしません・・・。
「えいちゃんが走ると、お人形さんが泣くよ。」
女の子のほうを見ると、女の子の右わきには
きれでつくった人形の足が二本、うしろに突き出ています。
その先には赤いくつ下がはかせてあって、
女の子が走るにつれて人形がピーピーと声を立てています。
「えいちゃんの手がお人形さんのおなかをおしているんですもの。」
お母さんは、幼な子の心の訴えに焦点を合わせるのを
避けるかのように、おざなりな答えを繰り返します。
“そんなに早く歩けない・・・”
“もっといろんなことを話しながら帰りたい・・・”
“周りの景色や人の様子、空気を感じられるスピードがいい・・・”
そんな幼な子の気持ちは、急ぎすぎる社会の変化に対する
私たち大人自身の気持ちのように思えます。
「えいちゃんが走ると、お人形さんが泣くよ。」
あなたは、どう感じますか?
みなさんのご意見をお聞かせください。





