自民党の谷垣禎一総裁は5日、河野太郎衆院議員の幹事長代理起用や若手を積極登用する「政権力委員会(ネクスト・ジャパン)」の新設を決め、中堅・若手の間に強い執行部批判をかわそうとした。しかし、批判の的となっていた大島理森幹事長や川崎二郎国会対策委員長らの交代を改めて否定したことで、党内からは早くも「中途半端」(山本一太参院議員)との批判が出ている。与謝野馨元財務相らに続く離党者を食い止め、夏の参院選に向けて党内の一致結束を図れるかは依然不透明だ。

 「近々選対本部を作る。その中で、次の世代が育っていると十分表したい。必要があれば執行部も強化する。きゅっと求心力が出る形に必ずしていきたい」

 5日の臨時役員会に先立ち開催された前議員や参院選候補者らとの懇談会で、谷垣氏はこう力説した。怒号が飛び交っていた会場はようやく静まり、拍手に包まれた。

 選対本部の拡充は、谷垣氏が党内の不満を沈静化させる「切り札」として、約1カ月前から構想を練ってきた。「政権力委員会」のトップには、政策に精通する若手を起用し、選挙戦を通じて、積極的に討論会などに出席することで、政権公約(マニフェスト)をアピールする「スポークスマン」となる。

 その象徴が47歳の河野氏の抜擢(ばってき)だった。谷垣氏は5日夜のNHK番組で「河野氏は若手の感覚を代表しているところがある。そういう声を自民党執行部に取り入れなければならないと考えている」と説明した。河野氏は昨年の総裁選に出馬し、一定の支持を集めた。河野氏の執行部取り込みで、党内の批判を和らげたいとの意図が見えてくる。

 ただ、この日の懇談会で前議員らが訴えたのは、あくまで執行部を大胆に若返らせることで、党のイメージアップを図ることだった。

 坂井学前衆院議員は「地元では、現執行部は駄目だという声ばかりだ。もっと若手に出番を与えるべきだ」と指摘。今津寛前衆院議員も「人事で工夫が必要だ」と注文をつけた。「新人にとって大変な荒波だ。挙党一致で頑張ってほしい」(山梨選挙区候補の宮川典子氏)との声も出た。

 谷垣氏は記者会見で参院選について「国家の危機を乗り越えるため、自民党を再生する真剣勝負だ」と意気込んだが、党の混乱が収まるにはなお時間を要しそうだ。

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