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授業で出会った子供達の言葉、表情、そして児童文学の紹介など、
小学生をお持ちのご家庭に情報を提供していきます。
また、子供達の社会環境や自然環境についても発信し、皆さんとご一緒に、子供達の生きていく時代を考えていきたいと思います。

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昨年93歳で他界した父は、終戦の前年に満州鉄道に派遣され、そのまま極寒の地シベリアに抑留された経験を持つ。多くの戦友が命を落とす中、20歳を超えたばかりの父はシベリアで2年間を生き抜き、祖国に戻った。


生前の父は、私達家族に「シベリア」を話すことはなかった。

その父が、9年前に「シベリア抑留記」を書いた。

私達は、初めて父達の過酷な体験を知らされた。


父の残した「シベリア抑留記」を、是非多くの皆さんにも知って頂きたいと思い、連載することにした。今回は、その9回目。最終回になる。父が祖国に帰還したときの感慨を綴ったものである。

(父の表現には、今の時代に不適切なものもあるが、敢えて父の言葉通りに転載したい)


                      *   *   *   *   *   *   *   *   *


帰還



ダモイ(帰る)と言われたのが5月半ば。日本に着いたのは7月17日。収容所から港まで列車で1日くらいだろうが(?)、途中で停車するたびに検査検査と、あるいは使役に駆り出されるなど、長い長い2ケ月だった。


民主化されていない者は、あるいは隊は、帰れないと言われ(事実これによりどこかに送り返された部隊もあった)、気疲れの辛い2ケ月でもあった。民主化されていないと言われないように、行動や言葉に気をつけ、冷や冷やの毎日だった。特にナホトカの港の税関では3ケ所あって、合格する度に一つずつ移動する。ここでは、密告やお世辞など、日本人同士の汚い姿を嫌というほど見せつけられたものである。極限の状態における人間の姿を見てきた。


帰還船の甲板に昇って、日本人の看護婦さんを見た時、初めて涙が流れ落ちた。これで家族にも会える。教科書を持って独りで登った岩殿山や水泳をした天神様の下の桂川の澱みの影が浮かんできた。今からどんな苦労の生活に出会っても、俺は挫けないぞと鼓舞したものである。

 船が公海に出るまでは、気を緩められない。船が戻されたら終わりである。現実に戻された船があったと聞いたので、デッキで赤旗を振り、「スターリン万歳」「ソ連万歳」と繰り返し声を枯らして叫んだものである。それは、真実の叫びであろうと、偽りの叫びであろうと、なんとしても帰国の切符を手にするための精一杯の努力であった。



私は、健康体で帰国した者の中でも、一番早いほうであった。22年7月17日、信洋丸で舞鶴港に帰る。家族を驚かしてやろうと思って、電報も打たず突然我が家の玄関を開けた。丁度、母替わりの姉が生花を教えていたところで、慌てて中止し、父や姉が「沢山一度に食べては駄目だ」と言いながら白米を探してきて炊いてくれた。妹や弟達と家族揃って食卓を囲んで、やっと抑留生活が終わったと感じたものである。

                            *


恋も愛もなく、唯食べることに汲々とした、これが我が青春である。 

あの状態での浅ましい人間の姿は見たが、どうあろうと、独りでは決して生きてはおられなかったであろう。あの状態を切り抜けられたのも、多くの仲間の力を借り、互いに支え合ったからであろう。

人は独りで生きているものではない。 鉛色の空の下に広がると凍土と雪のシベリア。夏は炎熱と白夜、食べ物のない重労働。よくぞ生きてきた。シベリア時代を思えば、何事も出来ないことはない。



シベリア抑留生活を体験した、かつての部隊長だった某氏は「人間は自分ひとりで生きられるものではない。多くの人々の力を借り、互いに支えあいながら生きていくものである。だから、一人の人間の歩んだ足跡(抑留体験)は、その人だけのものではない。支えてくれた人々のお陰で印したものである。この体験は大切な預かり物である。体験から得た物は後世の人々にお返しすべき物である」と。とにかく、人間は独りで生きているなんて思い上がっては駄目だ。すべて生きるのも、自分の幸せも、社会と共にあることを忘れてはいけない。




          *   *   *   *   *   *   *   *   *


84歳になっても、まだこれだけ鮮明に抑留生活を記憶していた父。

言葉では言い尽くせぬものがあったと思う。

父の言葉を読み返すたび、生前の父の生き様の根底に、この「シベリア抑留」があったのだと思える。          
戦争体験者の言葉を聞く機会は、どんどん少なくなっていく。

二度と、父たちの世代の苦しみを繰り返さぬためにも、こうした「体験記」伝えていきたいと思う。


9回に亙る連載を読んでいただいた方々に心から感謝申し上げます。



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この抑留記、誰かの何かの足しになれば幸せである。(当年84歳)
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