休みの国/中島らも | デジタル編集者は今日も夜更かし。

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もし雑誌をやっていたら記事にしたかもしれない様々なネタを、ジャンルにこだわらずコラム風に書いてみる。アナログ志向のデジタル編集者は、相も変わらずジタバタと24時間営業中!


休みの国


この文庫、
表紙が今日、2007年4月3日(火曜日)の日めくりだ。
そしてフツーの日なのに、祝日扱いなのである。
フツーの日とはいえ、
今日も「日本橋開通記念日」で、「清水寺・みずの日」「いんげん豆の日」「ペルー日本友好の日」で、さらに「愛林の日」(どうやら妖しい記念日ではなく植樹関連らしい)なのだが、そんな事とは関係なく、作者・中島らも氏が1952年のこの日に生まれた、つまり誕生日だから、ということらしい。


前書きによれば、年365日に記念日が五百数十あるという。
法で定められた国民の休日でもなく、国連で決議されたわけでもないそんな非公式の「記念日」の設立には、ギョーカイやら協会の思惑が見え隠れするのである。
本書は、そんなこんなを考察したり、疑ったりのエッセイ集。


ちょうど1年前からボクの隣に座っているアシスタントは、仕事で毎日ブログを書いているのだが、そうそうネタがあるわけではない。
そんなとき、厳しい(?)ボクのチェックを受けるために申し訳なさそうに探してくるテーマが「記念日」なのだ。何せ、ほとんど毎日、何かしらかの記念日なのだからネタには困らない。いままでに登場したのは、2月25日の「笑顔の日」や、12月21日「回文の日」やらの罪のないダジャレ系が多いのだが、彼女もボクも、特に記念日好きなワケではない。乱立する記念日とその日に行われる“祭”には懐疑的な立場なのだが、この本は、皆が共有できないグループローカルな記念日をキッチリと茶化してくれている。


しかしまあ、この文庫が特別に面白かったわけでもない。
先日たまたま、Amazonの送料を無料にしようと1,500円の帳尻合わせに買ってみたら、偶然表紙が今日の日めくりだった。なので、写真を撮ってみた。
それだけのことなので、明日、アシスタントの在籍1年目のプレゼントにしてしまおう。


ちなみに短くも破天荒な人生を駆け抜けた中島らも氏が亡くなった7月26日は、“幽霊の日”。
才能ある人は、人智を越えて選べないはずの自らの命日さえも選ぶ。