<*この記事は会社から投稿しています*>
ガンドリルにより明けた穴径精度は通常なら1/100㎜台が限度であるが
1/1000㎜台の交差内に収めるにはどうしたらよいのか?
現在、依頼を請けている仕事で
2㎜(+0.006~+0.016)
3㎜(+0.006~+0.016)
4㎜(+0.01~+0.022)
5㎜(+0.01~+0.022)の範囲に収めなくてはならない物がある。
単純にこの交差範囲だけで考えれば
2㎜3㎜は0.01、4㎜5㎜は0.012と1/100㎜台の交差と言えるが
実際に加工した穴は±どちらに振れるか判らないので
この中間を狙い半分の精度で明けなくてはならない。
つまり、±0.005、±0.006の交差である。
そこで交差の中間サイズのガンドリルで加工を行なったが
安定して1/1000㎜台の精度は得られず良品と不良品とが50%:50%であった。
明けた穴を調べてみると二つの要素が大きく精度に影響しているようだ。
一つは入口から最深部に掛けて穴がテーパーになっていること。
これは穴明けの性質上、必然なのだがテーパー化を最小限に抑えられれば
より安定した精度が得られるだろう。
もう一つは穴の面粗度である。
切削加工中にドリルが暴れる事で
穴の面が荒れ穴径が途中で縮小、拡大してしまう。
どちらも様々な要因が考えられるが切削抵抗による影響が大きいと思われるので
「如何に切削抵抗を抑えられるか?」が課題となる。
簡単な方法は下穴を明ける事で本加工の切削抵抗を抑えられるのだが
通常、ガンドリル加工は下穴不要、センターレスで行えるもので
下穴が明いていると切屑が絡みやすく色々と不具合がある。
しかしここはあえて下穴加工を行いガンドリル加工を試みた。
まず、φ5㎜の加工で試してみた。
φ4㎜の下穴を明け、φ5.018㎜で本加工。
結果は100%とは言えないが80%近くは範囲内に収められた。
加工径より1㎜程小さい径で下穴を明けると良いのだろうか?
次にφ4㎜の加工を行なった。
φ3㎜の下穴を明け、φ4.018㎜の本加工。
しかしこれはφ5㎜程の成果は得られなかった。
もしかしたら1㎜小さい下穴が妥当ではないのか?
φ5㎜のときを考えてみると約1㎜マイナスの径であったが
別の見方をすると加工径の80%の径とも言える。
そこでφ4㎜の80%、φ3.2㎜で下穴を明けて加工してみる。
結果、90%良品であった。
納期の関係上、もう一度φ5㎜の加工を最初と同じように
φ4㎜で下穴を明け、φ5.018㎜で本加工を行った。
今度は100%良品であった。
下穴無しの状態で明けた時よりも格段に良品率は上がっているが
まだテーパー化、面の荒れが手で感じ取れる程なので
さらにプラスαの方法も考えてみることにした。
切削加工中は熱膨張しているが瞬時に収縮が始まる。
この性質とガンドリルのバニシング力を活かし
加工終了時にドリルを回転させたままドリル原点位置まで戻せば
面粗度は良くなるだろう。
全体的に径が拡大してしまう不安もあるが
リミットオーバーしない程度であればこの方法も使えるだろう。
続きは明日検証してみよう。