職業柄、さまざまな受験生を抱えた親御さんとコンタクトをとることがある。


あちらにとっては子供の数×受験の回数の経験しかないが、こちらは毎日が“受験”なこともあり


特別な感覚はない。




幼稚園受験や小学校受験はともかくとして


中学・高校・大学ともなれば親の出る幕なんてのはほとんどなく


合否は本人の成績と人物次第。


学校側だって親の熱意やら職業なんてほとんど眼中なく(寄付金には興味あるかもしれないが)


親が出てくればくるほど子供は×のことが多いのは経験的に知っている。




今や、説明会をすれば50%は親の同伴


母と娘が40%、母と娘+父が20%、母と息子が30%、母と息子と父の組み合わせが10%


といったところか。




父がついてきた場合は、一家言持ったエリート父であることが多く


「あれはどうですか、これの対策は?比率で言うとどれくらい?」などと


突っ込んだ質問をする自分の姿を家族に見せ付けて


(どうだ、父さんはすごいだろ)と自慢するために来ているようなもの。


一緒にいる娘の場合は(自分の印象がさがるのではないか)と疑念を持っている様がありありと顔に出る


息子の場合は無視している。そんな親父の思いなど俺には関係ないから・・・と言わんばかりの態度。




母がついてきた場合はもっと悲惨で


ほとんど自分の受験かと思うほどの入れ込みよう。


娘に付いてきた母はまだましだが


息子についてきた母は「あなたが受験されるのですか?」と聞きたくなるほど熱心なのである。




しかも翌日にはママからメールが来る。


お礼と称するゴマすりメールがわんさと届く。


小学校お受験などでは、「公開行事に参加したらその後に封書(鳩居堂製)で礼状を出すこと」なんぞの指導が


なされていることもあり、その延長線上でママからお手紙が舞い込んでくるのだ。


勘弁して欲しい。


こちとら受験料は欲しいからお相手はするし、ママの熱意を褒め称えるリップサービスはするけれど


子供については不必要なほど色眼鏡で見ることになる。


(こんなママに育てられた子供をとって、後々大丈夫か???)という視点でである。




子育ては難しい。


しかし、子供が自分でやるべきことを代わりにやってやることが子育てだと思っているならば


それは大間違いなのだと、誰も教えてあげないのだろうか。




あと2年もすれば、リクナビの就職セミナー申し込みに


子供の代わりに徹夜で入力を続ける母たちの姿が、ドキュメンタリーで放映される日が


必ずやってくる。




入社式に同伴する母、


昇進試験の日に控え室でじっと待っている母、


息子のデートに同伴する母・・・・・




友人の結婚式で、新郎新婦と同じ回数お色直しをする両家の母をマイク握ってご紹介し


「お色直しを済まされた両家の御母堂様が入場いたします。大きな拍手でお迎えください!」


という原稿を提案されたときは腰が抜けそうになったし、


その二人がデュエットでザ・ピーナッツを歌ったときには眩暈が止まらなかった。




高砂の席で微笑む新郎新婦がモスラに見えた。

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