2006/12/23, , 日本経済新聞 朝刊, 14ページ


 年末商戦が本番を迎え、液晶やプラズマなど薄型テレビの販売合戦が一段と熱を帯びている。需要好調の一方で店頭での販売価格は下げが加速、家電各社の収益への影響が注目されている。薄型テレビ商戦と収益動向について、シャープCFO(最高財務責任者)の佐治寛副社長に聞いた。
 ――液晶テレビの年末商戦での動向は。
 「市場の需要に供給が追いつかないのが現実だ。特に欧州は伸びが強く、ユーロ高なのに思うように供給できないのがつらいところだ」
 ――思い切った価格政策で台数を伸ばしているのか。
 「価格引き下げが販売好調の原因ではない。我々が今年、力を入れている米国ではプラズマ、液晶に限らず価格が下がっているが、我々の段階で卸値は全く変えていない。収益重視がうちのやり方。低価格で攻めようとしても採算が合わない。品質で勝負する」
 ――昨年末はパネル不足から米国でシェアが低下した。今年はどうか。
 「まだ分からない。潤沢に商品が流れるようになってまだ間がない。今年は米国を中心に商品供給体制もきちんと整い、宣伝活動も大規模に実施した。昨年は全世界で一時、シェアが一〇%を割った。今期は三月には単月で一五%を取りたい」
 ――今期の販売台数目標(六百万台)引き上げの可能性は。
 「好調だとは思うが、まだ分からない。画面の大型化が進んでおり、金額ベースの目標(五千五百億円)は多少上回るだろう」
 ――増収に伴って在庫も増えているようだが。
 「世界に液晶テレビの加工工場を建設していることに加え、太陽電池も増産しており在庫高は確かに増えている。ただ、危険水準とは考えていない。生産現場の歩留まり向上や仕掛かり在庫の期間短縮など、在庫削減努力は続けていく」
 ――白物家電の収益性は低迷している。
 「健康や安全など、手掛けられるテーマは多くある。従来の白物家電分野とは違った技術者を投入することで、より用途を広げることは可能だろう。きちんとした指針なしに技術者だけを移しても効果はない」
 ――中期的な経営指標の目標は。
 「以前から株主資本利益率(ROE)一〇%を目標に掲げていた。前期は八・四%で、今期はこの数字を若干上回るだろう。二〇〇九年三月期の一〇%達成を目指したい」


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