【コラム】 逆調教
テーマ:SM談義 前回、調教とSMプレイはイコールではない、調教は、未熟なMと経験豊かなSが出会った時のみに可能な、贅沢なプレイなのだという話をしました。
では、逆の場合はどうなんでしょう。未熟なSと、経験豊かなMが出会った場合は。
その場合、前回とはまったく逆のことが起こるのでしょう。
調教とは、経験豊かなSが未熟なMを自分好みのMに育てていく行為でした。今回は逆に、経験豊かなMが未熟なSを自分好みのSに育てていくということになります。
このような現象を、逆調教というそうです。ある女王様の言によると、プロのエスさんの中には、初期に逆調教を受けてSMに開花した人がたくさん居るということです。
そう考えていくと、SMの主従関係なんて、単なる役割分担に過ぎないという気がしてきますね。経験豊かなMが教師として、未熟なSを指導していく。それでもプレイの最中は、未熟なSが主人で経験豊かなMが奴隷なのですから。
それにしても、逆調教というのは必ずしも幸せなプレイではないという気がします。Sはプレイの最中だけでなく、日常の中でもMを支配したがるものだと思いますし、Mもまた、プレイを離れた日常の中でもSに支配されたがるものだと思っていますから。逆調教の関係は、SにとってもMにとっても不満足な関係なのではないでしょうか。
私の周りに、経験豊かで、ですがパートナーの居ないM女さんがたくさん居ます。パートナーが居ないと言ってもプレイの相手はいくらでも居るのです。そしてそれなりに満足しているようですし、相手のS男性にも大切にしてもらっています。
でも、どのSさんも、彼女にとってのパートナーではないんですね。彼女のお相手の中には、彼女が相手に心を許せば、いつでもパートナーになってくれる男性がたくさん居ます。でも、そんな相手の誰も、本当の意味での彼女のお相手ではないのです。
もちろん、理由はたくさんあると思います。女性にとって、パートナーとの相性はプレイの相性以上に人間としての相性であるはずです。プレイの相性は良くても、プレイを離れて魅力を感じる男性ではないという理由もきっとあるでしょう。
でも、こんな理由もありそうな気がします。逆調教的な関係では、もう一つ満足できない。
M女さんの経験値が上がるに従って、相対的に自分よりも経験豊かなSさんは減ってきます。周りは自分よりも経験の浅いS男性ばかりになってきます。
緊縛や吊りの時、ベテランのM女さんが相手だと楽です。こちらの吊り方のバランスが多少ずれていても、自分の体重移動で修正してくれます。多少きつめの縄でも我慢してくれますし、危険な縛りや吊りをしようとしている時は、予め注意して止めてくれます。
でも、本人は、本当はそういう気を使いたくないんじゃないでしょうか。何も考えずに相手に身を任せ、狂わされる快感を味わいたいのじゃないでしょうか。
鞭や蝋燭を使った時、感じた振りをしてくれるM女さんもけっこう居ます。普通の夫婦生活でも、相手の男性に気を使ってそれほど感じていないのに感じた振りをする、あの感じです。
でも、本当はそんな振り、したくないですよね。声を出すまいとしても声が出る。体を動かすまいと思っても動いてしまう。そんな状態に追い詰められたいじゃないですか。
もちろん、彼女をそういう状態に追い詰めてくれるSさんも居ます。でも、そういうSさんの周りにはいつも多数のM女が群れ集まってきています。その男性とパートナー・シップを結ぶということは、たくさんの取り巻きの中の一人に甘んじるということです。
そこには愛が無いって感じでしょうか。
そんなこんなで、M女としての経験値が上がれば上がるほど、パートナーを捜すのが難しくなってくるのだろう。私は、そのように解釈しています。
Мは未熟な方が良い。Sは経験豊かな方が良い。というのが、結論でしょうか。
経験豊かなSと経験豊かなМのプレイは、調教ではないSMプレイか、過激な調教プレイ。経験豊かなSと未熟なМのプレイは調教プレイ。未熟なSと経験豊かなMのプレイは逆調教プレイ。
では、未熟なSと未熟なМのプレイはなんなんだろうと言うことですが……。
あまりに恐ろしくて考えたくないです。
コラムの目次
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