【コラム】 チューニング④
テーマ:営業トークのテクニック 今回は、恋の三角関係の話です。
一人の男の子に、二人の女の子が同時に恋をしたとします。二人ともこの男の子のことがすごく好きで、なんとかこの男の子の恋人になりたいとがんばっています。
物語の中だと、この二人の女の子は目から火花を散らし合ってライバル関係になります。陰で意地悪をしたり、恋敵の女の子の悪口を男の子に囁いたり。そして実際、そうなることも少なくは無いだろうとも思います。
ですが、物語とはまったく違う展開になることもあります。恋のライバルだったはずの二人がすごく仲良くなって、まるで親友のようにいつも一緒に行動するようになったりします。私はそういう例を幾つも見てきました。
いったい彼女たちは何を考えているんだろう。私は当初、これはお互いを牽制し合っているのかなと思っていました。相手が自分を差し置いて抜け駆けをしないように、そばに居て見張っているのかなと。あるいは、恋敵と親友になることで、相手と男の子が今どんな状態なのか、情報収集をしたいのかななどと考えてみました。恋敵の女の子も受け入れる広い心を見せて、自分が良い子であることを男の子にアピールしているのかなとも。
今思うと、こういう想像は全部、男性論理に従った勝手な理屈だったような気がします。女性論理に立ってみれば、結論は明らかなのです。
思うに、彼女たちにこういう行動をさせる、男に問題があるのです。この男の子は、A子さんが自分のことを好きなのだと知っていながら、平然としてA子さんの目の前でB子さんと仲良く話をしている。逆に、B子さんの目の前でA子さんと仲良く話をする。そういうことを平気でしていたのではないかと思います。
結果、A子さんは、あ、この人はB子さんと仲良しなんだと思います。B子さんも、この人はA子さんと仲良しなんだと思います。
親和的関係を重視する女性にとって、仲良くなりたい相手にチューニングをすることは当たり前の話です。二人の女の子は、大好きな男の子と仲良しの女の子と自分も仲良しになることで、男の子との親和的関係を築こうとしているのです。
相手の好きな人を好きになり、相手の嫌いな人を嫌いになる。そうすることで、相手と自分の自我はどんどん近付いていき、不可分の世界にまで行き着いてしまうかもしれません。そうやって、相手と自分を親和的に結んでいくことで、男の子の心を掴もうとしているのです。
彼氏だけではありません。親が子どもの悪口を言う。子どもが親の悪口を言う。兄弟姉妹の悪口を言う。こういう時は、真に受けて同調していたら酷い目に遭います。
女性が恋敵と親友になる真意は、私が考えているような姑息な戦略ではありませんでした。自分の全存在を賭けて好きな男と自分を同化させていき、最後は男を飲み込んでしまおうという、凄まじい荒業だったのです。
ということで、早くも結論ですが。
あなたが女の子と親しく話していたのを見た後、急にその子と仲良くなっていった女の子が居たら、その子はあなたのことが好きなのかもしれません。ちょっと注意して観察してみてください。
ただし、ここで注意点が一つ。
いくら親和的な関係を好む女性だって、本当は恋敵のことが好きなはずはないのです。自分のことを愛してもらうために、あえて自分の感情にふたをして、大嫌いなはずの相手を好きになろうとしているのです。
当然、そうしている彼女の気持ちには大きなストレスがかかっています。そんな苦しい関係を長期に渡って強いていると、疲れ果てた彼女はあなたへの愛情を次第に感じなくなってくるかもしれません。
ですから、もしどこかの女の子があなたが親しい女の子と急に仲良くなって、あ、この子は僕のことが好きなのかなと思ったら、そしてあなたもその子のことを憎からず思っているのなら、早めに彼女に、あなたの方から告白してあげてください。蛇の生殺し状態を長く続けるのは可愛そうですから。
逆に、女の子に。
男性に、この親和的アプローチは分かりにくいんです。誰か好きな人が居るなら、彼の親しい女性に端から焼餅を焼いていく方が、男性にはストレートに通じます。
まあ、匙加減が難しいでしょうが。うるさがられない程度に焼餅を焼き、いやな奴だと思われない程度に恋敵の悪口を言う。その方が、男性には伝わりやすいと思います。
男と女の間には、深くて暗い川がある、というお話でした。
コラムの目次
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