2008-10-19 03:10:59 echigoya-smwriterの投稿

【コラム】 チューニング②

テーマ:営業トークのテクニック

 今回の話は、けっこうみんな知っている話なんですけどね。

 女性から相談を受けました。あなたが男性だったとして、どう答えますかという話です。

 前に書いた通りに、男性の論理は基本的に差別化の論理です。誰かが誰かに相談をする場合、相談する側は、相談される側の下に立つことになります。少なくとも、相談された方の人間は自分が偉くなったような優越感を感じます。

 そこで、こうしたら良いんじゃないかというアドバイスをする。この時、相談された側の男性の発言は完全に上から目線です。そのアドバイスに相談した側が従えば、上下関係は固定化されていきます。アドバイス通りにしてうまくいったりしたら、この上下関係は完全に固定化されてしまいます。

 女性が誰かに相談する時、基本的にそこに上下関係はありません。あるのは、親和的関係を求める感情です。その感情に応えてやらなければ、その女性はあなたの答えに満足してくれないでしょう。

 結論から言うと、女性に何かを相談された場合、結論は出さないのが一番良い方法です。

 まあ、女性にも色々なタイプがいますから、男性的にズバッ、と実務的な判断を要求してくる女性も居るでしょうけど、多くの場合、相談を持ち込んできた女性の求めているものはそういうものではありません。

 彼女は、親和的な関係を求めているのです。彼女がつらい、苦しいと思っていることに対して、分かってくれる相手が欲しいのです。

 もしそこで何か、アドバイスを返したとします。こうしたらどう? そんなことするのは止めたら?

 どんなアドバイスを返したとしても、今の彼女にアドバイスの余地があるということは、今の彼女の言動に間違ったものがあったと、そう考えていることになります。あなたと私は違う。そういう意思表示となってしまいます。それでは彼女の求めている、親和的な関係が与えられません。

 相談されたことに対して、アドバイスは要らないのです。ただ、彼女がつらいと言ったことに対して、
「それはつらいよねえ」
 彼女が苦しいと言ったことに対して、
「それは苦しいよねえ」
 彼女が迷って決められないと悩んでいることに対して、
「ううん、それは難しいなあ」
 とにかく、彼女の感じた気持ちに、チューニングしてやることです。そうして、女性の感情に親和的に同意してやることで、彼女の心は癒されるのです。その癒しこそ、彼女の求めているものなのです。

 昔、ある女王様が愚痴をこぼしていました。

「M女って決断力が無いのよ。プリンを食べたいっていうのに、どのプリンにするか、なかなか決められないのよ。で、私に決めてくれって言うの。ならこれにしなって決めてやると、でも、それは、って文句付けてくるしね。なら自分で決めなって言うと、やっぱり決められないのよ。本当に厄介だわ」

 思うに、この女王様、性格が男なんです。助けを求めるM女に対する返事の仕方が、まるで男性です。

 なら、この場合、どう答えてやるのが正解かと考えてみました。

 キーワードは、親和感情です。この場合、彼女と親和的な関係を結ぶとすれば、どのプリンもおいしそうで選べないという感情にチューニングしてやることでしょう。

「本当に、色々な種類があるんだね」
「どれもおいしそうだね」
「いっそ全部買ってしまいたくなるよね」

 そうやって、相手の子が迷っている感情にチューニングしてやるのが正しいやり方だと思います。

 その中で、あなたはチョコレート・プリンが食べたいと思ったとします。

 すでにもう彼女の感情にチューニングしてあるのですから、素直にそれが食べたいと言えば決まるかもしれません。でも万全を期すなら、チョコレート・プリンがおいしそうだというあなたの感情に対して、相手の子の感情をチューニングさせるのがよいかもしれません。

「ねえ、チョコレートは嫌いなの?」
「ううん、大好き!」(もし嫌いだったら、ご愁傷様)
「だったら、このチョコレート・プリンなんておいしそうじゃない?」

 相手の子に、チョコレートが好きと自分で言わせることで、チョコレート・プリンがおいしそうという結論は、あなたと相手の子が親和的に共有する結論になる訳です。あなたが上から目線で決めてやるよりも、こちらの方がずっと素敵な結論になります。

 女の子の相談に答える前に一手間掛けろ。そういう話でした。




コラムの目次

http://echigoya.h.fc2.com/kurumaya/kurumaya.html

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