もう一つの現場から・・・
どうも
今日は現場から・・・・・
水族館で働く者にとって現場とは水槽裏だったり
プール内、もしくは事務所だったりするわけですが
個人的には自然の中も大切な現場
という事で、この間久々に干潟でカニを観察してきました
(わたくし、頻繁に自然の現場に出ないと・・・たぶん弱ります)
干潟は初夏から秋にかけてが最も賑やかになります
気温が上がり潮が大きく動く事も関係していますが
カニたちの元気の良さは見ているこっちも
元気になるほど
今回は採集道具を一切持たずじっくり観察してきました
場所は南紀では有名な観察ポイント
内之浦干潟
いろいろな観察会が行われる半人工干潟ですが
カニの生息数はピカイチです
個人的に大好きなチゴガニ
体長2cmにも満たない小さなカニですが・・・・
ウェービングと呼ばれるハサミを振り上げる仕草は豪快です
狭い範囲に高密度に生息しているので一斉にウェービングすると
地面が波打っているように見えます
ドロドロ大好きヤマトオサガニ
今回の目的はこのカニ
そしてこのカニ
やっぱりドロドロ大好きヒメヤマトオサガニ
少し色が違いますが一見すると同じ種に見えます
しかしこのカニがそれぞれ別の種だという事を
めちゃくちゃ有名な生物学者の先生が観察から
発見したというのは、業界では有名な話
それがこれ
ヤマトオサガニのウェービングは目の高さまでしか
ハサミ脚を上げません
一方のヒメヤマトオサガニは高く振り上げバンザイ
写真で見ると一目瞭然ですが広い干潟の中で警戒心の強い
カニのこうした行動を詳細に観察することは非常に難しい
現場に行って実際に観察して初めて
発見した研究者の凄さが分かります
ちょっと暑い日もありますが
元気なカニや生物を観察するには絶好の季節到来です
涼しい建物内もいいんですがたまには泥だらけ
びしょ濡れになって自然観察はいかがでしょうか
図鑑や論文、本などで知識を得ることはとても大事な事ですが
やはり現場で自ら観察して今後の飼育や
レクチャーにつなげていく事も大切だと考えている
かに座でした
すさみ町周辺の干潟や河口で寝そべって死んだように動かない
リュックサックを背負った怪しい人がいても温かく見守ってください
おそらく・・・・私です(笑)
このようなシーンは最低1時間ぐらい粘らないと撮れません(汗)