おはようございます。

 

ロームシアター企画の現代音楽のコンサートを見に行ってきました。

 

アルディッティ弦楽四重奏団。

 

現代音楽を演奏するカルテットとしては、相当老舗なんだそうです。

 

私も若い頃はけっこう現代音楽好きな連中とつるんでいたので、けっこうこういうのをよく見に行ってたんですが、最近はさっぱりなので楽しみでした。

 

お客さんはちょっと知的な感じの人が多かったです。ふだんからこういうのを聞いているのかなあ。しばらくすると4人のおじさん達が拍手に迎えられて入ってきました。

 

年齢は30代~60代くらいかな?リーダーっぽい人はずいぶん年配な感じ。あの年まで第一線で音楽やれてるなんていいなあ。

 

そんで、まー当たり前といえば当たり前なんですけど、演奏がとにかくめちゃめちゃうまい・・・。フォルテシモや微音、ピチカートや特殊奏法、どれも完全にこなれているし、音が耳に痛くない。弦楽器もあれぐらい上手いと、難しい現代音楽も、全然耳障りじゃないんですね。

 

四人の弓がサムライソードのように動いて、まるで剣戟を見ているかのようでした。

 

前半ではクルターク、細川俊夫、リゲッティの曲をやったんですが、正直どれもおんなじように聞こえました。自分があんまり詳しくないというのもありますが、それだけ演者の個性の方が際立っていたんだと思います。

 

自分が気持ちいいなと思ったのは、ギュワーっと弾いたあとに突然音が止まって、でもよく聞くとごく小さな持続音が残っているとき。これがすごく良い音なんですね。生演奏ならではのダイナミクスが生かされていて、贅沢だなと思いました。

 

また、曲の終わり方でテープデッキを止めたときのような感じにちょっと全体のピッチが下がりながら、でも全員がピタっと止めるところも良かった。

 

自分はこんなふうにどうしても、電子音楽とのアナロジーで聞いてしまうんだけれども、この日のアルディッティの演奏が自分の知っているもので何に一番近いかというと、モジュラーシンセの即興に似ているな、と思いました。

 

とにかく情報量が多いですよね。緊張感もハンパないです。私は帰ってからぐったり疲れました。

 

それにしても弦楽四重奏団という一つのバンドの形式が、モーツァルトとか古典派ぐらいからですかね?ヨーロッパでずっと続いていて、やがて20世紀後半でこんな楽曲が作られるようになり、現在演奏されているというのは、何だか不思議な気がしました。

 

ヨーロッパ人の生真面目さというか。気が長いというか。

 

それで、今回のツアーの中で、京都だけの特別企画として、後半にはダンサーの白井剛さんとのコラボレーションがありました。

 

曲はクセナキス。前半よりも少し動的な楽曲でした。

 

ダンスは、音楽の内容を衒いなく身体の動きに翻訳したような感じ。特に驚くようなところはないのですが、ダンサーの日ごろの鍛錬と安定感が感じられる、非常に高いレベルの内容だったと思います。

 

シンプルだけど効果的な照明や舞台効果がよく練られていて、演奏者とダンサーの高い技術と相まって、非常にハイエンドな出し物を見せられている、という充実感がありました。

 

豊かな時間でした。

 

帰りには心なしか、ロームシアターのスタッフさん達が「ドヤァ」という顔をしているような気がしました。

 

いや、本当に情報量の多い体験でしたね。やっぱりパソコンばっかり見てちゃダメだ。

 

こういう音楽って、今となっては一番贅沢というか、一見一番無駄な(経済から遠い)感じがするんだけど、こういうところにしかない静けさというものがあって、忘れちゃいけないな、と思いました。

 

金儲けとか、そういうことも大事だけど、そればかり考えてたら貧しくなるよね。今回も「げんがくしじゅうそう」と入力して、最初に「減額四重奏」と出てきてちょっと悲しくなりました。

 

そもそも自分達は何をやろうとしているのか。

 

今回アルディッティのコンサートでは、そういう根本的な動機を問題を思い出させられたような気がしました。

 

 

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