$世界にエレガントな秩序を-zappos

誰からも強制されていないのに、自発的に様々な衣装にコスプレして、1日に3回ぐらい社内でパレードが開催される会社って、相当珍しいですよね?

自社で在庫がなかった靴でも、顧客からの問い合わせがあれば、他社の在庫を調べて、購入してあげて、顧客が旅行中のホテルにまで自らお届けしてしまうまで、ホスピタリティあふれる顧客サービスを提供する会社も、相当めずらしいのではないでしょうか?

この会社は、アメリカ最大のオンライン靴屋であるザッポスです。昨年アメリカのザッポス本社・コールセンターを見学されたカングロ株式会社の藤井社長が開催されているザッポスセミナーに参加しました。

ザッポス
http://www.zappos.com/


■特徴

・ネット上でお試し履きを実現
返品を自由とすることで、オンラインで難しいと思われていた靴のネット販売で成功しています。365日以内であれば、手数料無し・返送料無料でいくらでも購入した靴を返品できるため、顧客は試し履きをする間隔で靴を購入できます。2008年度は、返品総額は売上の38%の3億7900万ドルであったそうです。返金は靴の返送を確認後なので、キャッシュフローにも余裕がでます。

・ロイヤルカスタマーを生む顧客サービス
上記のような手厚い顧客サービスも特徴です。自社で在庫が無い場合は、他社のECサイトをコールセンター担当が調べて顧客に伝えますし、靴に全く関係ないことでも顧客の要望・質問にとことん付き合います。顧客対応時間には制限はなく、2010年時点の最長記録は7時間28分通話したケースもあるそうです。コールセンターにはマニュアルはなく、オペレーターに大幅な権限委譲がなされています。

・厳しい採用による選別
会社としての同じDNAを持てるように、採用で相当厳しく選別しています。合格率は約1%、新人研修中に遅刻すると首で、コールセンター担当でなくとも、全職種の人に対してコールセンター・物流センターのトレーニングを実施します。ザッポスを買収したアマゾンから送り込まれたCFOも、もれなくコールセンターでの顧客対応トレーニング、物流センターでの仕分・配送トレーニングをうけたそうです。このへんは、アパレルECの勝ち組企業が、繁忙期に役員が梱包・配送作業を手伝うのと似てますね。顧客志向のマインドを体で覚えられ、かつ何が売れているか肌で感じられますし。

研修中に退職すると4000ドルの退職金ももらえます。このような工夫で、自社文化に合致するDNAを持つ人を増やしていっています。

・自前主義
勝ち組のEC企業の特徴だと思いますが、コールセンター・物流機能を自社で保持しています。顧客に提供する価値を、自社で的確にコントロールするためですね。アマゾンも自社物流機能持っていますね。


上記特徴により、Life Work Balanceではなく、Life Work Integrationを実現している会社だと言えます。ビデオに映っている社員は、本当に楽しそうに仕事していますね。給与水準は決して同業他社より高いものではなく、同程度のようです。おそらく離職率も低いので、トータルの教育コストはリーズナブルな水準に収まっているかと想定しています。

また、グルーポン等の破滅的安売りサービスが流行していますが、ザッポスは比較的に値引きが少ないようで、それでも手厚い顧客サービスにより、ロイヤルカスタマーを多数生み出すことに成功していると言えます。

企業文化をつくることは相当大変ですが、その苦労は十分に報われるということではないでしょうか。

顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか
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