稲嶺進・名護市長「こんにちは。鳩山総理大臣、自ら名護市にお越しいただいたことについて、名護市長として敬意を表します。ようこそおいでいただきました。本日は普天間飛行場の移設問題についての政府の考え方を鳩山首相自らお聞かせいただける場を設けていただきましたが、きょうの日を迎えるまで、名護市民は期待と不安、不信が交差する中で、疑心暗鬼の日々を過ごしてまいりました。私は先ほどの昼食懇談会でも申し上げましたとおり、さる1月14日の市長選挙において、辺野古の海は元より、陸上にも新たな基地は作らせないと訴え、当選することができ、その信念を貫き通して行きたいと考えております。名護市長選挙の結果や、4・25県民大会の成功は、県内移設NOの意思をはっきり示したものであると認識しております」

 「知事や基地所在市町村長との意見交換会の場での内容は、すべての県外移設は難しい、沖縄の皆様にまたご負担をお願いしなければならないというふうに、号外で報道されております。このことが辺野古を意味するものであるならば、到底受け入れるものではありません。2000日以上も座り込みを続けて反対を貫き通してきた辺野古のおじい、おばあ達に、これ以上つらい思いはさせたくありません。大勢の名護市民の見守る中ではありますけれども、そのことをしっかり斟酌(しんしゃく)していただきたい。そのように考えております」

 鳩山由紀夫首相「私の方からお礼かたがた稲嶺市長さんはじめ、みなさん方にこのような場をお作りいただいたことにまず心より、感謝を申し上げたいと存じます。先ほど私も辺野古の海を改めて拝見をしてまいりました。とても干潮ではありましたけれども、きれいな海でありました。何度かこちらにおじゃましてまいりました。かつてもまいったこともございまして、今お話がありましたように、2000日もという話がありましたが、この辺野古の海を汚してはならないという一念でがんばっておらられるおじいちゃん、おばあちゃんに、激励におじゃまをしたこともございました。今、改めて稲嶺市長からその話を伺いながら思いだしておったところでございます」

 「きょうも美しい海を長めながら、この海を汚したくないという思いは当然のことながら、人間ですから私の心の中にも大変強く存在しております。そのことも正直に申し上げたいと思います。そして、選挙の時に申し上げた言葉の重みも理解をしているつもりでもございます。県民のみなさんが4月25日に最低でも県外だと、国外が望ましという大集会を開かれたことも、よく存じ上げております」

 「先ほど普天間の第二小学校のところで、住民のみなさま方との対話集会を行ってまいりました。その席でも一方では普天間の、早く基地を移してもらいたいと。難聴になって大変だという、騒音の問題も含めて、危険の除去に関しては一刻も早く行わなければならない。これを13年も14年も延び延びにしてしまっている政治の、政府の責任というものを痛感をいたしたところでございます」

 「ただ同時に、その方々の要望の中には必ずやはり、県外、最低でも県外を実現してほしいという話も聞かせてた抱いたところでございます。それが両立でき得れば、当然の事ながら鳩山自身としてもその道を模索してまいりたいと思いますし、そのことを実現してまいりたいと今でもっております。きょうから日米でご案内の通り、協議が始まっておりまして、私どもとすれば政府の主張というものを、しっかりとアメリカ側に伝えて、日米同盟というものを確かなものにしていくためにも、沖縄のみなさま方の過重な負担をできる限り軽減をさせていただくことが大事なんであるということの論調の中で議論を進めていきたいと考えているところでございます」

 「ただ、私ども、将来的に、それこそいつになるかということ、分かりませんが、将来的にはグアム、テニアンへの完全な移設ということもあり得る話かとは思っておりますが、現在の北朝鮮をはじめとする、いわゆる北東アジア情勢、あるいはアジアの情勢を鑑みたときに、やはり日米同盟を維持していく中での抑止力の観点から、沖縄のみなさん、あるいは沖縄の周辺のみなさま方に引き続いてご負担をやはり、お願いをせざるを得ないという状況になってきていることも、これは政府としても考え方として申し上げなければなりません。その意味で、私どもとして県外をさまざま模索をしてまいってきたところでございますが、やはり陸上部隊との共同訓練、あるいは共同行動というものの歩調がどうしても必要だという議論が先方からなされている中で、あまり遠いところに移設地を求めるということができないという事実も、私どもの交渉の中で出てきているところでございます。私はきょうここで辺野古の海を見させていただいて、改めてこの海を汚したくないという思いに駆られております。でき得れば、したがいまして、できる限り環境というものに配慮していくことはいうまでもありませんが、海というものを汚さないような形での決着というものがないものかどうかということを模索してまいることも非常に重要なことだと考えておりますが、しばらくの間沖縄の県民のみなさま方にまだこの抑止力の観点からの基地に対するご負担を一部お願いをせざるを得ないという状況も、きょうは仲井真知事はじめ、みなさん方にも申したところでもございます」

 「きょうは名護市長、稲嶺市長さんが選挙の時に公約とされたことをお守りなさるということは政治的に正しいご主張だということも十分存じております。その思いも十分に学ばせていただく中で、できる限り、トータルとしての沖縄の県民のみなさん方のご負担が軽減される道はないものかということを交渉の中で求めてまいりたいと思っておりまして、きょうは基本的には市長さんのお気持ちを学ばせていただく場という形でおじゃまを申し上げた次第でございます。ご理解をいただく中で、しばらくの間、稲嶺市長さんはじめ、名護市のみなさま方のご見解もうかがわせていただければ大変ありがたいと思っております。すでに市長さんからは海も、さらに陸の部分も不可能だという話もいただいておりますので、そのお気持ちのお話をいただくことになるだろうと思っておりますが、改めて市長さんに私からも今の政府の立場というものをどうしてもまだ不十分ではございますが、ご説明を申し上げたいという思いで、きょうは名護市におじゃまをいたしたこと、どうかご容赦を願えればと思っております。いろいろときょうも反対の、反対というか、市民のみなさん方の気持ちが外で伝わっています。そのことも私としてもしっかりと旨に受け止めていかなければならないことだという理解はいたしておりますことも付言させていただきとうございます」

 市長「先ほど首相から沖縄県民の負担軽減のお話がございました。その負担軽減が片一方ではまた負担の増になる。このようなことがあってはいけないと思っております。さらに、抑止力のこともおっしゃっておりましたけれども、抑止力のことでありますならば、それは日本国民全体を守るということでありますならば、そのことについては日本国民全体でそのことを考えていただくという環境をお作りになっていただかないと、私たち、こんなに小さな島にこれ以上の新しい基地ができるということは、もうこれは、限度を超えている。また、これ以上そこに新しい基地を持ってくるということになりますと、これは県知事さんからもありましたけれども、1つには沖縄に対する差別でもあるのではないか。こんな話もありましたように、私ども沖縄県民は本当にこれ以上の基地の負担はもう認められませんというのが4月25日の県民大会の思いでありますし、きょうここに集まっている名護市民の思いでもあります。しっかりと首相ご自身の目でごらんになった上で、ご自身の耳で名護市民の声を聞いていただいて、そのことがしっかりと県外移設。県内移設はだめですよということにつながるように、選挙で公約をされたことをしっかりと実現できるように決断を、英断をお願いしたい。このように思っております」

 首相「確かに抑止力の話は、日本の国民すべてにとってのメリットの話であります。日本の平和を守るためでありますから、当然のことながら、沖縄のみなさん方ばかりにご負担をお願いするというのは筋違いであるというのは、よく理解をしております。その通りだと思っております。まして、極力沖縄のみなさん方のご負担を、前政権の時の環境よりもかなり負担を軽減させていくことは、これは当然物事を進めていく上で不可欠な要員だと思っておりまして、その思いは何としても実現をもう斎下タイト思っておりまして、トータルの中でのご負担の軽減というものは、何としても果たしてまいりたいと思っております。まだ政府として最終的な考え方をまとめているという状況ではございませんので、これ以上のことを申し上げる術がないことを申し訳なく思っておりますが、したがいまして、きょうは今、外で活動しておられる方々の思いというものも勉強させて、拝見させていただきながら、また政府がアメリカともしっかり交渉できる態勢を作る一助にしてまいりたいとも考えております」

 市長「以前に首相が申し上げたことに、辺野古の案はなくなりましたというような内容の話もあります。最近マスコミではくい打ち桟橋方式などと言うようなことが出たりすることで、名護市民は本当に不安の中で過ごしている状況であります。いかなる施設であっても、これ以上の基地負担は受け入れられないというのが名護市民の切実なる思いでございます。また辺野古に戻ってくるというようなことが絶対にあってはならないというふうに、強い思いでございます。首相におかれましては最後まで県外、国外を模索する、あるいはそのことを導き出すようにご努力をしっかりお願いしたいと思っております」

 首相「稲嶺市長のお気持ちはよく学ばせていただきました。ありがとうございます」

 市長「最後にもう一度。辺野古に戻ってくるようなことが絶対あってはならない。このことだけはしっかりとお聞き取り願いたいと思います」

 首相「きょうはありがとうございました」

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