核持ち込みなど日米間の「密約」について、衆院外務委員会(鈴木宗男委員長)は19日午前、東郷和彦元外務省条約局長ら4人を参考人として呼び、質疑を行った。東郷氏は条約局長在任中に「密約」問題に関する重要文書58点を五つの赤い箱型ファイルにまとめ、99年に後任局長の谷内正太郎元事務次官に引き継いだと証言した。またその文書の一部が廃棄された可能性があるとして、外務委員会に調査を要請した。

 参考人はこのほか森田一元運輸相、西山太吉元毎日新聞記者、斉藤邦彦元外務事務次官。「密約」の実態について、関係者が国会で証言するのは初めて。

 東郷氏は、重要文書をまとめて保管した理由について「当時は日米ガイドラインの周辺事態法案が最大の問題だった。国会答弁の内容と実態に大きな乖離(かいり)があり、いずれこのままでは済まなくなると考えた」と語った。

 99年当時に存在した重要文書が廃棄された可能性については「(密約を調査した)有識者委員会の報告書では、赤ファイルのすべてが公表されたわけではなかった。二重丸を付けた最重要資料16点のうち、8点がない。同省の内情をよく知る人から、(01年の)情報公開法施行前に関連文書が破棄されたとの話を聞いた」と述べた。

 また東郷氏は1960年の日米安保条約改定時の「核搭載艦船の寄港・通過」を事前協議の対象外とする密約について、米国が91年に米艦船への戦術核配備を廃止した政策を今後変更する可能性もあると指摘したうえで「非核二・五原則に立つことが最善」と述べ、「非核三原則」の「持ち込ませず」の見直しを検討すべきだとの認識を示した。

 一方、西山氏は、沖縄返還時に「有事の際の沖縄への核再持ち込み」を認めるとした佐藤栄作首相とニクソン米大統領による「合意議事録」を密約と認めなかった有識者委の判断について「誤認だ」と批判した。同時に、米公文書で判明した、物品・役務で負担する基地施設改善移転費6500万ドルを日本側が支払ったという「密約」について「78年4月から始まった『思いやり予算』につながる最大の密約だ。国会で調査してほしい」と要請した。

 自民党歴代政権は密約の存在を否定してきたが、今月9日に有識者委が公表した報告書で、▽日米安保条約改定時の核持ち込み▽朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行動▽沖縄返還時の原状回復補償費肩代わり--の三つの密約を認めた。こうした検証を受け、衆院外務委は、国会での実態解明が必要として参考人招致を決めた。【中澤雄大】

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