ピュリツァー賞特別賞を受賞したり、ノーベル文学賞候補としても話題になっているボブ・ディラン(68)が新作を発表-。といっても曲ではなく、今回は絵本。名曲「フォーエバー・ヤング」を題材にした「はじまりの日」が岩崎書店から刊行された。

 物語は、息子のジェイコブが誕生した際に作った1974年のヒット曲「フォーエバーヤング」の歌詞とともに、ボブ・ディランの半世紀の足跡をたどる。絵はニューヨーク・タイムズなどで活躍するイラストレーター、ポール・ロジャース。日本語訳は、中原中也賞などを受賞している米国人の詩人、アーサー・ビナードが担当した。

 《きみが 手をのばせば しあわせに とどきますように/星空へ のぼる はしごを 見つけますように…》。息子を思う温かで切ない歌詞が胸に響く。一方で、絵はユニークだ。

 ウディ・ガスリーやビートルズ、キング牧師など、さまざまな人物がさりげなく登場する。「ライク・ア・ローリング・ストーン」という歌に出てくるシャムネコのほか、移動レコード屋にブルースのロバート・ジョンソンのレコードが売ってあったり…。ちりばめられた“遊び心”を探し出すのも楽しい。

 岩崎書店の河本祐里さんは「翻訳は難しい作業だった。タイトルをはじめ“意訳”も多いが、新鮮だ、という声が多い。ボブ・ディランのファンから、子供まで幅広く楽しめる一冊では」と話している。(宮田奈津子)

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