猫の後ろ姿 1458 なんたる卑怯! | 「猫の後ろ姿」

猫の後ろ姿 1458 なんたる卑怯!



  昨日の朝は京都にいた。地元新聞を開いて、その一面に「集団的自衛権に信任」という大きな活字が躍っていた。そんなはずはない。国民の少なからぬ数の人が自民党・安倍政権を選択したのだろうが、「アベノミクス」とやらの空手形に期待を寄せているだけで、「集団的自衛権」までに信任を与えているわけではないはずだ。
 おととい、テレビで安倍首相は次のように言った。
 「この選挙はアベノミクス選挙でもありますが、集団的自衛権などの国の安全保障の在り方を問う選挙でもありました。この選挙でわれわれの主張が信任され、約束したことを進める義務があります。」

 選挙戦の最中には、一切「集団的自衛権」等には言及せず、「アベノミクス」だけを語り、景気を回復させると大見えを切って見せた。国民の多くはその大見えに儚い期待をかけたのだろう。しかし、その甘いエサで政権を確保した瞬間に、「集団的自衛権」も「原発再開」も信任されたのだとにこやかに言ってのけた。なんたる卑怯! 言ってもいないことに信任を与えることなどできないはずなのだが、自民党を支持した人々は、そんなことは百も承知で、自民党・安倍に票を投じたのだろうか。
 3割の票を取れば、6割の議席を確保できるのが今の日本の選挙制度なのだそうだ。この3割の人々の「意志」が、いまこの国を誤った方向に押し出そうとしている。

 もうひとつ。16日朝の「京都新聞」の一面に踊る、「集団的自衛権に信任」の文字は何ということか。「経済最優先を強調」したがゆえの安倍自民党の勝利ではないか。なぜ、「集団的自衛権に信任」を与えてものではないと主張しないのか?
 新聞・テレビは選挙前から、安倍自民党の圧倒的勝利を予想し、国民をこの方向に誘導しているように見えた。選挙が終わった今もマスコミは自民党の「大勝利」を強調しているが、その実態は違う。
 少数者による国論の支配をマスコミは「大勝利」と表現して、実態から目をそらさせようとしている。心して彼らの報道ぶりを見つめたい。