2005年03月29日(火)

僕と彼女の恋の道。

テーマ:f-log
自慰の回数が増えてそれに虚しさを覚える頃になると僕は

ベッドルームとバスが併設された不思議な空間が恋しくなる。

とくにベッドからなかなか抜け出せない朝を迎える季節に。

僕が風俗に向かうのは彼女のいない今に限られていて、

足を運ぶ店も選ぶ姫も決まっている。

職場の同僚と飲み会の流れで初めて足を踏み入れて、

自分の性欲を簡単に満たせる遊びがあることを知った。

後腐れなく、誰にも知られずに。



あたしなんかの体に高いお金払う男って、バカだな。

あたしは奇怪な形の椅子に座って煙を吐き出しながら思う。

歯を磨いて消臭スプレーを振りまいて

すっかりとヤニの匂いを消したら

あたしはフロントにコールして、

何度も指名してくる、この上なくバカな男を迎え撃つのだ。

あたしの無防備な笑顔で敵はきっと油断するに違いない。

その隙間に潜り込んで息の根を止める。イチコロダ。



湯気に満ちた部屋で乾いた肌に触れると

僕は彼女の首を絞めたくなる。

心も体もこんなに乾いてしまうまで放っておいた彼女の首を。

四つん這いにさせてお尻を剥き出しにしても、

僕は腰を揺らす彼女を見ていることしか出来ない。

彼女が不思議そうに首を傾げても僕の上に乗りかかってきても、

僕は彼女の湿り気を持った部分には触れることさえもう出来ない。



この男はあたしを思い出しながら家でオナニーしてるに違いない。

あたしは目一杯男に擦り寄り甘えて挑発するのに、

男はちっとも反応しない。

前に来たときにはいけないあたしを差し置いて、

2回も発射したフライングマンのくせに。

無理やり犯してやろうと馬乗りになったら、

あたしじゃなくて天井見てて、あたしの方まですっかり萎えた。

消化不良で便秘になりそうだ。



彼女が僕の渡した名刺に連絡をくれたのは、

僕のことを気に入ったからだと思うのは時期尚早かもしれない。

彼女はまた会いたいと言ったけれど、それが営業であることは

明確だからだ。

僕はもう彼女のいるあの箱に向かうつもりはない。

そこで彼女を抱くことが僕にはもう出来ないからだ。



ホテルできっかり2時間。店と同じ金額を男はくれた。

律儀に縦長の白い封筒に封までして。

どうせ男は立たないのだから、

休みの日にこづかいを稼ぐにはうまい話かもしれない。

と思って会ったら、まんまとやられた。

ちんちんの固さはいまいちだけれども、

男の射精のタイミングは思ったより悪くない。



彼女の言葉は、時々僕をはっとさせるけれど、

希望の光は幻覚でしかなくて彼女の真意はいつまでも見えない。

彼女が見ず知らずの男たちと粘膜を合わせている間、

僕は頭を掻きむしり本を壁に投げつけて彼女の写真を焼いてみる。

けれども僕らが抱き合うときにそれらの嫉妬は、

セックスのスパイスにしか成りえない。

彼女にお金を渡すことを僕は止めようと思っている。

少しづつ金額を減らしたら彼女はどう思うだろうか。



壁一面の鏡には

両足を広げられでんぐり返しの無様なあたしが映ってる。

いつものおじさんのいつもの舌の感触にいつものように濡れない。

この禿げ頭をサッカーボールのように蹴り飛ばして、

ついでに熱湯の湯船にシュートしたい。

昨日、帰りのタクシーで男からの封筒を開けたら一枚足りなかった。

ちんちん舐めなかったからかな。

なんて考えてる内に頭にきて

タクシーのクラクションを後ろから長押ししてみた。



彼女はまた会ってくれるだろうか。

という心配は瞬時に晴れたけれど、即座に

彼女の笑顔を見ることが出来ない。

という心配が僕を襲った。

それから彼女はいつも不機嫌で、しかも会うたびにそれは

ひどくなる。

次に会ったら、僕は空の封筒を手渡すことになる。

僕はすべてを彼女に託した。



今月指名トップだよ。頑張ったね。

なんてオーナーに言われてもちっとも嬉しくない。

ちんちん舐めたのに一枚減ってた。

手抜きしても、おもちゃ持参して縛られてみても、

毎回一枚づつ減ってる。

それなのに男のちんちんはどんどん固くなってる気がして

むかついてイラついて吐きそうになる。

今度会って封筒だけになってたら、

男のちんちん噛み切ってやろうとあたしは決意してる。



彼女が僕の前で空の封筒を開けたとき、

僕は彼女の凶暴さを思い知ることになった。

彼女は僕をぶって、僕を蹴り飛ばし、

ベッドに沈んだ僕に泥棒!と叫んだ。

そして僕の股間に勢いよく飛びかかり、

彼女は歯を立てて僕を愛撫した。

痛みに堪えながら彼女の首元に触れたら、

僕は彼女の肌が潤っていることに気付いた。
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2005年03月26日(土)

避妊リング。

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行きつけの産婦人科に予約電話を入れた。

そういえば、あたしのオシゴト暦を一番深く知っているのは

実はここの院長かもしれない。


「普通はもう沢山子供を産んだ女性なんかがするんだけどね」

と言いながら、彼は避妊リングを差し出した。

付き合いが長くなってるから、

あたしが堅物だと知っているのだと思う。

「ピルという選択肢もあるんだよ」

という言葉も、説得のために使うんじゃなくて

取って付けたように一応の説明はしたという証明のために

使用されている気がする。

数十分の施術で終わるけれど全身麻酔が必要なことも、

定着するのに数週間かかることも、

不妊というリスクがあることも、どれも同じだ。


「自分の体内に入るものは、自分の目で確認したい」

そう言ったら院長は袋に入った小さなリングを見せてくれた。

こんなもので99%以上の確立で妊娠を阻止しちゃうのだ。


別に大きな決断ではなかった。

体内に異物が入ることについても抵抗なんてない。

それどころか、清々しい思いすらして不思議だ。

子供は苦手だけれど、嫌いなわけではない。

いつかその時がくれば、

あたしにも子供が出来るとどこかで確信している。

軟らかく白くまだ何も知らない首元を鷲掴みにして

握りつぶしたい感覚が襲うこともあるけれど、

あたしはそれを現実にはしない。


麻酔から目を覚ます瞬間。あの不快感があたしは好きだ。

大抵麻酔中には夢を見て、それは必ず性的な夢で、

目を覚ました後もそれを引きずっている。

引きずっているのだけれど子宮を熱くしたその夢を

思い出そうとしても少しも思い出せない。

一生懸命物事を考えようとするのに頭はちっとも働かない。

上下左右の感覚もまだつかめずにベッドの上を

ぐるぐる回ったりなんかしてる。

頭を持ち上げると実はそれが石のように重たいことを知って、

ベッドにぼとんと落としたりしている。

看護士は「もう少し横になっててね」とやさしく言いながら、

あたしに布団をかけて押さえつける。

目だけ覚まして頭はまったく覚醒していない、

いかれたあたしが面白い。


どれくらいそうしていたのかも分からないけれど、

頭がすっきりし始めてからあたしは、楽しい不快な時間が

「あぁ、もう終わっちゃった」と落胆する。


終わってしまえばリングが埋まった実感なんてちっともない。

ただ、あの小さな異物によってあたしの子宮にはバリアが

張られた気がして、頑丈な鉄の盾で心が防御できたような気がして、

あたしは晴れ晴れとした顔で産婦人科を後にする。
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2005年03月24日(木)

オナニー盗み見された時。

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地震か?

と思って目を覚ましたら揺れは微妙で地震じゃない。

規則正しいその揺れは、隣に寝てるパートナーのオナニーだった。

いいおじさんのくせに元気がよろしくて、嬉しくてあたしは微笑む。

その揺れの中であたしは思い出すのだった。


小学生だったあたしはパパの部屋にこっそり入って、

エッチな本を眺めてはオナニーしてた。

今思えばパパのベッドマットの間に隠されていたのは

投稿もののSM本だった。

クロゼットに掛かったスーツたちの奥に潜んでいるのは

ノーマルなHビデオとコンドームと奇妙な頭の付いた紫色のバイブ。


最初は衝撃を受けたような気もするけれど、

パパの部屋に潜り込んだ目的は

元々如何わしいもの探しだったはずで、

案の定見つけたあたしは探してた宝物を見つけた探険家気取りで

わくわくしながらそれらを眺めたものだ。


何度目かの潜入捜査の後、ついにあたしは行動に移した。

Hビデオを流しSM本を広げてコンドームの袋を破いてバイブに装着。

ビデオにはバイブを挿入してる様子がモザイク越しに理解できたけど、

とりあえず挿入は試みず、うぃんうぃんと動くバイブをあててみた。

想像していた気持ちよさには遥かに遠くて、

でもその物足りなさがよくて、あたしは随分と長い間、

バイブを股間に押し当てていた。

バイブの電池がキレ、あたしはちょっとがっかりしながら

全てを元通りに片付けたのだった。


翌日も同じように潜入して、

電池切れのバイブを恨めしく思いながら、ビデオを流して

オナニーにいそしんだ。

ふと悪しき気配を感じてそちらを見ると、

カーテンの隙間からママの目が。

目が合うとママは得意げにしかも嬉しそうに言った。

「何してるの?」



小動きだったパートナーの揺れは、

あたしへの気遣いをすっかり忘れて随分と図々しくなってゆく。

あたしはシーツに潜り込み、宝探しに出かける。
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2005年03月03日(木)

風俗嬢の彼。

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大好きなの。

見知らぬ男に抱かれながら、心の中で祐介って叫んでる。

太ももをなぞる手を、祐介の手だと思い込ませて、

胸元に這う唇も、祐介の唇だと思い込ませて、

あたしは自分を騙し騙し、お仕事してるの。


祐介のおちんちんから膿が出て、その話を聞いたとき、あたしはぞっとした。

吐き気をもよおしてトイレに駆け込んだ。

罪悪感とも嫌悪感とも違う、あたしはただただ自分を呪った。


「いつまで続けるの?」

なんて聞かない祐介は優しい。

「あと三ヶ月でやめる」

ってあたしは自分で祐介に約束した。

あと三ヶ月だと言い聞かせて、あたしは働き続けた。

祐介に会う度に、仕事が苦しくなってくる。

祐介を好きになるほど、仕事に向かう足が重くなる。

祐介があたしを好きなほど、客に触れられるのが嫌になる。

無断欠勤した。

その分、長く続けなきゃいけなくなっちゃった。

「約束、守ってくれなかったね」

祐介は悲しそうにつぶやいた。

あたしは言い訳なんてしない。

悲しそうな祐介を見て、ほんのちょっと嫌われたら、その分あたしは仕事が楽になる。


「嘘をつかれるのは一番嫌だ」

祐介は正直な人だ。

だけど、あたしは祐介に嘘をつかなければならない。


「明日、会える?」

「仕事なの」

一日に稼ぐ倍の金額をもらって、客とホテルにいるのに。


「このバッグどうしたの?」

「客が持ってきてくれたの」

店の外で寝て、その対価に買ってもらったのに。


「どうして僕とセックスしないの?」

「お仕事で疲れてるから」

祐介に抱かれたら、他の男に抱かれたくなくなるからなのに。


祐介とあたしとの間に隙間が出来れば出来るほど、

あたしは張り切って店に向かう。


「祐介、あたし他に好きな人が出来たの」

あたしはまた嘘をついた。

ごまかしのきかない、大きな嘘を。

【この物語はフィクションです】
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2005年02月25日(金)

いつかセレブに。

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――いつになったらセレブな生活を送れるのかしら。

りょうこがずっと考えてきたことだ。


風俗で働くことに限界を感じ始めたのは32歳を目前とした頃だ。

目も当てられないくらいすっかり落ちぶれて、

店に必要とされなくなってから、仕方なく引退・・・

そんな無様な引き際は演じたくなかった。

一回りも年が違うのではないかと疑いたくなるような新人が次々と入店してくる。

まだ常連客もいて、指名の数もそこそこ取れている内に、惜しまれながら辞めていきたい。

そんな幻想を抱いて店に辞めることを伝えたら、あっさり受け入れられて、底なしに落ち込んだ。

底を確認するまもなく生活費の方が底をつき、年をごまかして潜り込んだラウンジで、今の夫を見つけた。

決して、妥協したわけではない。打算はあった。

製薬会社の営業で、店ではいつも医者の接待だったけれど、同伴しても金回りは悪くない。

探りを入れたら収入だって申し分なかった。

――潮時。

それがりょうこの出した答えだ。

りょうこの思い描いていた’セレブ’とは違うけれど、’安定・安泰’そんなものは手に入る気がした。

34歳になる春、りょうこは花嫁になった。


――いつになったらセレブな生活を送れるのかしら。

りょうこは今も考えて続けている。


夫には借金があった。

前の女と別れる時に持ち出された預金通帳から預金は全額引き落とされ、

カード類は限度額いっぱい使用されていた。


――いつかセレブな生活を送れるはずだわ。

りょうこは今も信じている。

熱い湯でローションを溶かしながら、

見知らぬ男の精液をかき出しながら、

50%オフの牛肉を買い物カゴに入れながら、

りょうこは今も信じている。


【この物語はフィクションです】
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