宮崎県で口蹄(こうてい)疫が拡大している問題で、西日本の各府県にも影響が広がっている。「神戸ビーフ」「松阪牛」などブランド牛を抱える近畿の各府県では、風評被害が最大の懸念となっている。一方、感染を防ごうと懸命の近隣県。一部では市場休止による収入減への不安も出ている。

「神戸ビーフ」の素牛(もとうし)であり、松阪牛などの「ブランド牛」にも肥育される但馬牛を飼育する兵庫県。同県立農林水産技術総合センター(加西市)で一元管理している種牛約30頭の一部を北部農業技術センター(朝来市)に移すことにした。

松阪牛の地元、三重県松阪市農林水産課は、価格の下落や風評被害は今のところないという。三重県農畜産室は「農家への経済対策は、風評被害が出る可能性があるので現段階ではあえて行っていない」など、ブランド牛を守るために工夫を凝らす。

「近江牛」で知られる滋賀県は、3月以降宮崎県から購入した牛を4月20日から調査。口蹄疫の潜伏期間とされる3週間、担当者らが現地を訪れたが異常はなかった。

「飛騨牛」の産地、岐阜県も消毒の徹底と牛舎への立ち入り制限を要請。同県高山市で28日に予定していた飛騨牛の種牛候補選抜会を中止した。

鹿児島県では17の家畜市場でこの1カ月間、競り市が休止されたまま。同県の農業産出額(平成19年約4千億円)のうち、5割超(同約2300億円)を畜産が占めており、長期化すれば、県内農業全体へ大きな影響を及ぼす。

子牛1頭あたりの平均価格は約35万円。農家にとっては大きな現金収入だ。さらに、子牛の出荷適齢期は9~10カ月で、競りが再開されたとしても、時期を過ぎた子牛の売値は大きく下がる可能性がある。

福岡県は21日、家畜伝染病予防法に基づき、知事命令による農家での消毒作業を始めた。同県筑紫野市の農家では、県職員が1カ月分の消石灰と塩素系消毒薬(各約20キロ)を配布。農場関係者が畜舎周辺や農場入り口に散布した。

佐賀県も5月下旬から、消石灰計1万袋を無償で配布。宮崎県から入った牛、14戸184頭すべてで異常がないことを確認した。

「アグー豚」などブランド豚を持つ沖縄県でも1日から家畜競り市場を中止し、関係者以外の農場へ立ち入りを制限するよう通達を出した。

四国各県は、「8週間分の消毒用石灰の支給」(香川)「宿毛港に大分県からフェリーで到着した車両の消毒」(高知)「全農家に消毒剤を配布」(徳島)「ブランド豚の種豚を今月中にも県畜産研究センターから生産農家へ移動」(愛媛)-などの対策を進めている。

徳島県は獣医師資格を持つ県職員53人を国内で重大な家畜伝染病が発生した場合などに派遣する態勢を整えた。

山口県では、16日に下関市の住吉神社で営まれた「御田植祭」で牛が田んぼを耕す代かきを自粛する余波まで出た。

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