三重県名張市の名張毒ぶどう酒事件(61年)で死刑が確定した奥西勝死刑囚(84)の第7次再審請求で、審理を名古屋高裁に差し戻した5日付の最高裁第3小法廷決定は名古屋高裁に農薬の再鑑定を命じる一方、弁護側が主張した別の「新証拠」の価値を認めなかった。

 7次請求で弁護団は(1)混入された農薬は奥西死刑囚が所持していたニッカリンTではない(2)別の人物がぶどう酒に農薬を混入する機会があった(3)ぶどう酒瓶の王冠に付いた傷は歯形ではなく自白と矛盾する--との新証拠を提出。最高裁は(1)の検討が不十分として高裁に審理を差し戻した。高裁による再鑑定では自白などに合う条件でニッカリンTを混ぜた検体を作り成分反応実験を試みるとみられ、混入農薬がニッカリンTではないとの結果になれば再審開始の道が大きく広がる。

 一方で最高裁は「奥西死刑囚が公民館にぶどう酒を持ち込んだ時から人が集まるまでの間に毒物混入が行われたとみるのが相当」と指摘し(2)を新証拠と認めず、別の人物に混入の機会がなかった可能性を示唆。(3)についても弁護側主張を退け、弁護側には楽観できる決定と言い切れない面もある。【伊藤一郎】

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