観光庁は3月29日、「インバウンド医療観光に関する研究会」(座長=上松瀬勝男・日大名誉教授)の第3回会合を開き、医療ツーリズムを目的とした外国人旅行者を増やすための戦略などについて意見を交わした。今回は、同庁の取り組みを推進するための先駆的な実証事業として実際に外国人旅行者を受け入れた医療機関や旅行会社の関係者が、事業の検証結果や課題を報告した。
                             
 観光庁では、昨年12月から医療ツーリズムを実施する医療機関の受け入れ準備を進める一方、各国の医療機関や旅行コーディネーターのネットワークを通じて旅行者を募集した。その結果、実証計画書を策定した7つの医療機関のうち4医療機関に、いずれも3月に入って中国やインド、韓国から計6人が訪れて内視鏡検査などを受診した。
 このうち、中国から1人を受け入れた国立国際医療センター戸山病院(東京都新宿区)では、人間ドックとPET検査を日帰りで実施した。今回の受け入れについて木村壮介院長は、受け入れる医療機関側が多言語化に対応する必要があるとし、「サービスとしてのドックや検診は、何の症状もない人から病歴などを積極的に聞き出さなければならず、微妙な症状を聞くということにおいて、(多言語化は)非常に大きな課題」と述べた。
 また、国内の仲介会社の医療通訳などを利用して中国から1人を受け入れた伊藤病院(東京都渋谷区)のケースについて、仲介を行った吉田一正氏(日本エマージェンシーアシスタンス株式会社社長)は、受診者の感想として、「日本の病院の清潔さや丁寧さが事前の期待以上だったようだ」と、高い評価を得たことを報告。さらに「(日本の医療の質の高さが)来てみて初めて分かったという声から、(帰国後の)口コミが非常に重要」と述べた。しかし一方で、病院でのマナーや国民性の違いにどう対応するかが課題とし、「(対応によっては)日本人の患者とあつれきを生むことにもなりかねない」との懸念も示した。

 このほか出席者からは、▽MRIやCTの保有率が医療先進諸国と比べても高いが、海外諸国に認識されていない▽国際的な医療水準の指標となるJCIの取得が圧倒的に遅れている▽医師の間に国際競争力を高めようという意識が浸透していない―など、医療ツーリズム推進をめぐる問題点を指摘する声が上がった。研究会ではこうした意見を踏まえて、今後は医療現場の国際競争力をいかに高めていくかを多角的に検討していく。


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