今までよく知らなかった、アフガニスタンという国について注目する機会を与えてくれた、
映画「君のためなら千回でも」(過去記事リンク) と、その原作「The Kite Runner」(過去記事リンク) は、すばらしい作品でした。
The Kite Runner の作者によるこちらの本もまた、夢中になって読んでしまいました。
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A Thousand Splendid Suns
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The Kite Runner が父と息子を軸に、アフガニスタンにソ連が侵攻して以降の話が展開したのとは対照的に、こちらの本では、アフガニスタンの女性 の話。
主人の子供を身ごもり、住み込みの勤め先を追い出された母親に人里離れて育てられたマリヤム。
時々訪ねてくる父親を心から慕っていたのだけれど、母親が死んでしまうと14歳で無理やりにヤモメの中年男、ラシードとの縁談をまとめられてしまう。
このラシード、結婚して初めのうちこそ、それなりにマリヤムに優しい態度も見せるのですが、身ごもった子供を何度も流産してしまううち、段々と冷たい態度に豹変し、暴君へと変わっていきます。
マリヤムは、夫から言葉の暴力と肉体的な暴力の両方を受けることが日常化していくのです。
一方、カブールのこの夫婦の近所に生まれ育った、美しい女の子ライラ。
高校教師をする進歩的な考えの父親は、女の子でもしっかりとした教育を付けて将来アフガニスタンの国の役に立つ人間になるように、とライラを育てます。
ところが、当時の内戦で、両親と家を突然爆撃により失い、自らも傷を受けたライラは、ラシードとマリヤムの家で介抱されます。
実は、ラシードは親切心でライラの面倒を見たわけではなく、どさくさにまぎれて、このキレイな若い女の子を自分の妻としたいという魂胆だったのです。
初めは今更こんなに若い女の子を二番目の妻として受け入れることに対して激しく抵抗し、ライラにも距離を置いていたマリヤムは、いつしかまたとない絆を彼女と結んでいくのです・・・・。
激動のアフガニスタンの歴史を背景に、そこで生きた女性達。
特に、タリバンが政権を握って以来、それまで比較的進歩的だったカブールまでが、途端に今までとは違うルールに支配されて、女性達の人生は恐怖に満ちたものになったことがわかります。
現代を生きる私には、彼女らの受けたあまりにも理不尽な扱いを読むことが、苦しくてなりません。
ラシードの暴力から妻二人が、逃亡を試みる場面があります。
決死の覚悟で家を出、パキスタン行きのバスに乗ろうと乗り場に行くのですが、女性だけではバスの切符を買うことさえ許されていないのです。
切符売り場の付近に集まっている多くの人々の中から、親切そうな風貌の男性を選んで、自分たちのことを親戚だということにして、一緒に並んでもらえるように頼むのです。
けれど、この男はタリバンに報告し、彼女らはラシードの元に返されます。
読みながら、彼女らの一か八かの賭けがうまくいかないであろうことは予感されているのですが、それでも
どうか、無事にバスに乗れますように
と、ドキドキしながら祈らずにはいられない、緊迫した場面です。
どんな理由があっても・・・・
たとえ暴力を振るわれて死にそうな目に合ってさえ・・・
女性が夫の元から逃げるという選択は、違法なのです。
さらに、タリバンの政権下で、女性たちは医療を受けることさえ困難になっています。
出産が始まりそうなライラを受け入れてくれる病院がなく、たらいまわしにされたあげく、女性を受け入れる数少ない病院はひどい状態。
帝王切開をするにも、麻酔さえないのです。
この不条理!!
しかし物語は、読むものの心を締め付けながら、美しさも十分に味あわせてくれました。
生まれたときから、望まれなかった子 とされ、存分に心から愛し愛される幸せと縁の薄かったマリヤムの最後。
無念ながらも、彼女の人生に幸福があったこと、彼女の存在を心から愛おしんだ人に大切に思われ続けたこと、その人のためならどんな不条理も喜んで受け入れた尊い行いで、救われました。
また、
アフガニスタンの国の役に立つ人間になれ
という父の言葉を忘れず、一度はパキスタンに逃れながら、再び国に帰り復建に尽力するライラの姿も希望に溢れています。
まだまだ現在も、難しい状況にあるアフガニスタンですが、これらの強い精神を持った人々が常に頑張っているのですね・・・・。






1 ■苦しかった…
有閑マダムさん、こんばんは!
読んで良かったと思う本ですが、しかしこれ程苦しい読書も久しぶりでした。
最後の方、ぼろぼろ泣きながら読んでたので、体力的にも消耗しましたし。笑
それでも、マリアムの思い出の中のヘラートとか、マリアムが口ずさむヘラートの歌とか、ライラとタリークの絆とか、色々美しいところがありましたね。
アフガニスタンに早く平和が訪れますように…。