2005-11-13 20:00:54
テーマ:ケルト

ジュリアン・クレール&A-MUSIK「ロンドン・デリー」


Julian Clerc
Preferences

坂本龍一+土取利行
ディスアポイントメント - ハテルマ

 ケルト文化について 研究を進めつつある。2005年7月28日、IRA(Provisional Irish Republican Army、アイルランド共和国軍暫定派) は武装闘争の終結を宣言したものの、分派によるテロ活動は今も続いており、アングロ・サクソンによるケルトの土地への侵略問題は約10世紀を経た今もなお現在進行形の問題である。


 1972年1月30日の日曜日、ノーザン・アイルランドの第2の都市デリーにて、市民権拡大を求めるカトリック信者のデモ行進に対して英軍が発砲、一般市民13人が死んだ。この事件を題材にケルトのミュージシャン達は幾つかの曲を書いている。バラッドは「事件を口承で伝えるための歌」である伝統的なバラッドの手法を用いて。


 最も有名なのがU2 の「ブラディ・サンデー(Bloody Sunday)」。「こんな歌をいつまで歌いつづけなければならないのだろう?」とボノは悔しげに歌う。そして、フランスのジュリアン・クレール(Julian Clerc)が1972年11月に発表した「ロンドンデリー(London-Derry)」。この曲は、日本のバンド、アームジーク(A-Musik)により邦訳されている(コチラで視聴 )。


 作曲:Julian Clerc

 作詞:Etienne Roda-Gil

 訳詞:竹田賢一


【A-1】
歌の無い メロディ  壊れた ピアノ 
|4/4 Gm7 |D7/F# |Eb |Bb|
アイルランド 共和国軍  はらわたのぬ くもりを 
|Eb |Dm7-Gm7 |Cm7 |D7|

 バース。キーはBbメジャーで、


 Ⅵm7-Ⅲ7-Ⅳ-Ⅰ

 Ⅳ-Ⅲm7-Ⅵm7-Ⅱm7-Ⅲ7


という進行。



【A-2】

与えて くれるは  髪なびく 娘 
|Gm7 |D7/F# |Eb |Bb|
薄暗い居 酒屋のなかに  赤いシミを ひろげる 言葉
|Eb |Dm7-Gm7 |Cm7 |F7-Bb|

 【A】パート繰り返し。8小節のみⅤ7-Ⅰとドミナントモーションになる。


【B-1】

を奪わ れた 夢 の恋 路は ケル
|Bb |Eb |Eb |Bb|
ト族の 娘  歌はロンドンデリー  言葉
|C7 |F7-Edim |Eb |F7|

 サビ。


 Ⅰ-Ⅳ-Ⅰ-Ⅱ7-Ⅴ7-#Ⅳdim-Ⅳ-Ⅴ7



【B-2】

を奪わ れた 夢 の恋 路は カト
|Bb |Eb |Eb |Bb|
リックの 娘  歌はロンドンデリー  
|C7 |F7-Edim |Eb |F7-D7|

 血塗られた民族抗争の歴史が、曲に描かれているのが判るだろう。帝国主義侵略史は隣国韓国や中国と日本の関係を見ても解るように、決して終わったわけではない。ポピュラー音楽を聴いていても、ふとした瞬間に、その悲壮な歴史の一幕に私たちは触れることが出来る。そのようにして伝えられる人々の怒り、悲しみを私たちは心から受け止めなければならない。


 A-MUSIKは大正琴奏者パフォーマー兼音楽評論家の竹田賢一氏と、元ダウンタウン・ブギウギバンドの千野秀一氏がリーダーとなるバンドで、世界の民衆の歌を収集、演奏している。メンバーには町田町蔵バンドなどで活動したベースの小山哲人、コンポステラの中尾勘ニ(ドラムス)、シカラムータの大熊亘(クラリネット)らが参加しており、かつては篠田昌己(サックス)もメンバーだった(参照 )。またごく初期にはメジャーデビュー以前の坂本龍一氏が参加していたこともある。デビューアルバムは入手困難だが一聴の価値があるだろう。


■関連リンク: ロンドンデリー

■関連記事: シン・リジー「ウイスキー・イン・ザ・ジャー」   クレツマー


[ このコンテンツは批評目的によるジュリアン・クレール氏、竹田賢一氏の音楽の引用が含まれています。音楽の著作権は著作権者に帰するものです。また、個人的耳コピのため音楽的には間違った解釈である可能性もあります。著作権者主体者の権利、音楽の美学を侵害した場合いかなる修正・削除にも応じます】

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2005-11-12 18:00:53
テーマ:ケルト

シン・リジー「ウイスキー・イン・ザ・ジャー」


Thin Lizzy
Vagabonds of the Western World



Thin Lizzy
Whiskey in the Jar


Thin Lizzy
Vagabonds Kings Warriors Angels



Thin Lizzy
Dedication: The Very Best of Thin Lizzy

メタリカ
Garage Inc.



Various Artists
Whiskey in the Jar: The Very Best Irish Pub Songs

茂木 健
バラッドの世界―ブリティッシュ・トラッドの系譜

 再三、「ケルト音楽」が現代ポピュラー音楽に与えた影響の大きさを書いているのだが(参照1参照2 )、ちょっと念入りにケルト音楽について研究していきたいと思う。紀元前にアイルランドとブリテン島に住み着いたケルト人が、ゲルマン民族(アングロ・サクソン族)の大移動により支配下におかれ(参照 )、母国語(ゲール語)を奪われてたりしながらも、長い歴史の流れのなかで培ってきたケルト文化(アイルランド、スコットランド、ウェールズ文化)への敬意を表しつつ)。


 1973年3月、アイリッシュ・バラッドを歌う一枚のシングル盤がイングランド・チャートに登場、6位まで上昇した。アイルランド人の母とブラジル人の父をもつ、フィル・リノット(Phil Lynott)のバンド、シン・リジー(Thin Lizzy)の「ウィスキー・イン・ザ・ジャー(Whiskey in the Jar)」だ。


 「バラッド」とは、中世イングランドから伝わる、基本的にはある物語を語る詩、もしくは歌のこと。テーマとしては、殺人、災害、戦争、恋愛沙汰などを採り上げており、TVやラジオのない時代、口承で伝えられる重要なニュースであった。この形式は後にアメリカにて「フォーク・ソング」として、あるいは「カントリー・バラッド」、「カントリー・ブルース」として継承され、ロック音楽の成立に大きな役割を果たすことになる。


 極端な話、「ある事件を伝える弱強格4行詩行形式の歌が」クラッシック音楽や教会音楽の伝統には存在しない。それはケルト文化の遺産であり、私たちは現在のポピュラー音楽を聴くことで、確実にケルト音楽の恩恵に預かっているのだ。


 「ウィスキー・イン・ザ・ジャー」は、恋人に裏切られるハイウェイマン(馬を操る追剥ぎ)を歌ったもの。音源と歌詞がコチラのページ で研究されているので参照してみよう。キーはCメジャー。



【A-1】

As I was going over the far famed Kerry mountains. met with captain Farrell and his money he was counting.
|4/4 C |Am7 |F |C-G7|

 コード進行はⅠ-Ⅵm7-Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ7の循環コードj変型版。ブリテンのハイウェイメンは鉄道の成立(1900年ごろ)まで、馬に乗って街道に出没、このように金品を旅行者から巻き上げていたという。彼らは「ジェシー・ジェイムス」のように金持ちをターゲットとして強奪を繰り返す、一般大衆のアウトロー・ヒーローでもあった。



【A-2】

I first produced my pistol, and then produced my rapier Said stand and deliver, for I am a bold deceiver,
|C |Am7 |F |C-G7|

 【A】パートの繰り返し。


【B】

musha ring dumma do damma da whack for the daddy 'ol whack for the daddy 'ol there's whiskey in the jar
|G7 |C |F |C-G7-C|


 サビ。1,2,3小節目はゲール語なのだろう。ちょっと意味がわからない。バラッドはこのように【A】×2、【B】という単純な構成であることが多い。旋律のスケールは、


 C,D,E,F,G,A,B,D(どれみふぁそらしど)


のイオニアンスケール。ケルト音楽は基本的に、イオニアン、ドリアン、ミクソリディアン、エオリアンスケールしか使わない。


 シン・リジーのヴァージョンはキーGメジャーで演奏されており、イントロが|Em|Em|G|G|の繰り返しで、


   Em
   +   +   +   +     +   +   +   +
e:-----------------|-----------------|
B:----------------7|-8---7-----8-----|
G:-----------7-7-9-|---9---7-9-------|
D:-----------------|-----------------|
A:-----------------|-----------------|
E:-----------------|-----------------|
   G
   +   +   +   +     +   +   +   +
e:-----------------|-----------------|
B:----------------7|-8---7-----8-----|
G:-----------7-7-9-|---9---7-9-------|
D:-----------------|-----------------|
A:-----------------|-----------------|
E:-----------------|-----------------|
   Em
   +   +   +   +     +   +   +   +
e:-----------------|-----------------|
B:----------------7|-8---7-----8-----|
G:-----------7-7-9-|---9---7-9-------|
D:-----------------|-----------------|
A:-----------------|-----------------|
E:-----------------|-----------------|
   G
   +   +   +   +     +   +   +   +
e:-----------------|-----------------|
B:-8\--------------|-3---------------|
G:-----------0-0-24|---0-2-0-4-------|
D:-----------------|-----------5-----|
A:-----------------|-----------------|
E:-----------------|-----------------|


 という印象的なギターソロが入る。このシン・リジーのヴァージョンに基づいてメタリカ(Metallica)も同曲を録音している。


 ギターのエリック・ベル(Eric Bell)もアイルランド出身で、シン・リジー以前は、ヴァン・モリソン(Van Morrison)のゼム(Them)、脱退後スキッド・ロウ(Skid Row)に参加していた。このシングル発表当時は3人編成(ドラムのブライアン・ダウニーもアイルランド人)だったが、そののち出入りした、ブライアン・ロバートソン(Brian Robertson、ギター)はスコットランド・グラスゴー出身だった。

 

 そのブライアン・ロバートソンは、スコットランド出身でサンダークラップ・ニューマン、ポール・マッカートニー(彼もスコットランド人)のウイングスに参加していたジミー・マカラック(Jimmy McCulloch)とバンドを組んでいたし、フィル・リノットが1978年結成したグリーディー・バスターズには、同じアイルランド人のゲイリー・ムーア(Gary Moore)が参加していたりと、ケルト人脈が英国ロックに対して果たした役割は物凄く大きいのだ。


 イングランドとは、ゲルマン系「アングル族の土地」という意味だ。ブリテンとは、ケルト系「ブリトン族の土地」という意味だ。ウェールズなどで「ここはイギリスですか?」と聞くと、「いや、ブリテンだ」と地元の人々は答えるという。こういった民族性、歴史性を、私たちはちゃんと把握して生きていかなければならないと思う。



■関連リンク:Whiskey in the Jar

■関連記事:キャサリン・ジェンキンス  スカボロー・フェア  機関車トーマス  ヘビメタさん


☆音楽解析の続編は『コチラ』 にて!

【このコンテンツは批評目的によるアイルランド民謡の引用、偉大なギタリスト、エリック・ベル氏の演奏の引用が含まれています。音楽の著作権は著作権者に帰するものです。また、個人的耳コピのため音楽的には間違った解釈である可能性もありますが、故意に著作権者の音楽の価値を低めようとするものではありません。著作権者主体者の権利、音楽の美学を侵害した場合いかなる修正・削除要請にも応じます】

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2005-11-12 02:00:50
テーマ:ケルト

バニラ・コーヒー・ショコラのリキュール「ベイリーズ」

CMでおなじみのフレッシュクリームを配合したベイリーズアイリッシュクリーム 700ml 正規品
ベイリーズ アイリッシュクリーム リキュール ベビーサイズ 200ml

【このコンテンツは批評目的によるベイリーズTV=CMの音楽の引用が含まれています。音楽の著作権は著作権者に帰するものです。また、個人的耳コピのため音楽的には間違った解釈である可能性もありますが、故意に著作権者の音楽の価値を低めようとするものではありません。著作権者主体者の権利、音楽の美学を侵害した場合いかなる修正・削除要請にも応じます】


 記憶喪失ですべてを忘れた女性が、医者に過去の写真を見せられながら治療を受けているが、何も思い出せない。だが、ベイリーズのボトルを見て、「バニラとショコラの香り…」を思い出す。しかし、それ以外は何も思い出せない。


 残念ながら web 上でCM動画を見つけられなかったが、最近流れているTV-CMで印象的な、アイルランドのお酒、ベイリーズ(Baileys)のCM音楽をギターでコピー。

        Dm                A7/C#   A7
  +     +   +   +   +     +   +   +   +
e:----|-1-----0-------0-|-5---5-3---------|
B:--3-|-3-------3-------|---------5-------|
G:----|-2---2-----------|-2-------------2-|
D:----|-0---0---0---0---|-2---2---2---2---|
A:----|-0---0---0---0---|-4---4---0---0---|
E:----|-----------------|-----------------|
   Bb                Bb      A7
   +   +   +   +     +   +   +   +
e:-------1-------0-|-1-------5-------|
B:---------3---3---|-------3-2-------|
G:-3---3---3---3---|-3---3---2-------|
D:-3---3---3---3---|-3---3---2---2---|
A:-1---1---1---1---|-1---1---0---0---|
E:-----------------|-----------------|

 ベイリーズは、アルコール度17%。アイルランドでは酪農が盛んなため、ウイスキーにクリームを垂らして飲む風習があった。アイリッシュ・ウィスキーにクリーム、チョコレート、コーヒーを加えることによって、1974年にアイルランド・ダブリンのR.&A.ベイリー社が発売したのがベイリーズ。寒いアイルランドだからこその、心の底から暖かくなるような甘いお酒だ。


■関連リンク:ドラフトギネス  ドノバン キャサリン・ジェンキンス  サンディ・デニー  機関車トーマス

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2005-11-07 23:00:37
テーマ:ケルト

小雪&安藤美姫&エンヤ「パナソニック VIERA」


Panasonic VIERA 20V型液晶テレビ TH-20LA20

Enya
Amarantine

Enya
Amarantine

【このコンテンツは批評目的によるエンヤ氏音楽の引用が含まれています。音楽の著作権は著作権者に帰するものです。また、個人的耳コピのため音楽的には間違った解釈である可能性もありますが、故意に著作権者の音楽の価値を低めようとするものではありません。著作権者主体者の権利、音楽の美学を侵害した場合いかなる修正・削除要請にも応じます】



 勝利の女神に扮した小雪嬢、そして、安藤美姫嬢のフィギュアをフィーチャーした美しいCM、パナソニック・プラズマテレビ「VIERA(ビエラ)」(コチラで視聴 )。


 音楽は、メジャー音楽シーンで「ケルト音楽」の代名詞とされるエンヤ(Enya)、「アマランタイン(AMARANTINE)」。(11月16日発売)。CMで聴ける部分のコード進行は、キーAbメジャーで、


You know love *** ***** whispering **** *****
|4/4 Ab |Eb7/G |Fm7 |Db-Eb7|
give ***** ***** ***** *****
|Ab |Eb7/G |Db-Eb7 |Ab|

(※歌詞は聴き取ってください(笑)。著作権保護)


 Ⅰ-Ⅴ7-Ⅵm7-Ⅳ-Ⅴ7


でベースライン下降のパッヘルベルのカノン パターン。とりたてて、「ケルトらしいコード進行」でもない。


 ヌーラ・オコーナー著「アイリッシュ・ソウルを求めて」という本があるのだが、U2やヴァン・モリスンは登場するがエンヤが登場しない。ケルト音楽といえば、エンヤというほどに日本のマスコミは定義づけているのに。あとがきに茂木健氏&大島豊氏によって面白い指摘がなされている(引用します)。


 結論から言う。アイルランドとブリテンでは、エンヤの音楽はアイルランドを代表する音楽またはケルティック・ミュージックであるとは、ほとんど見なされていない。唱法や音階にケルト風味わいを少々加味しながら、緻密なスタジオ作業の積み重ねで制作された良質で心地よいポップス、あるいは環境音楽という認識が支配的だ。では、なぜ日本では”ケルト音楽=エンヤ”という奇妙な図式が成立してしまったのだろう。彼女の最初の大きな仕事が、1986年に制作されたBBCのドキュメンタリー「幻の民・ケルト人」(日本でもNHK教育で1989年に放送された)の音楽だったことも、一因だったかもしれない。(中略)ケルト音楽とはどのようなものであるかという具体的なイメージが全くつかめないまま、日本でもアルバムのセールスだけが順調に伸びてしまい、後から彼女の音楽をケルト音楽という名前で無理矢理カテゴライズしようとした結果のような気がしてならない。


 まあ、このように「ジャンル」というものは至って適当なラベルのようなものなので、注意して音楽を聴かないと。っていうか、音の構造そのものを聴かないとね。


■関連リンク:パナソニックCMギャラリー

■関連記事:燻製屋熟成ウインナー  キャサリン・ジェンキンス  パッヘルベルのカノン

■関連図書:

ヌーラ オコーナー, Nuala O’Connor, 茂木 健, 大島 豊
アイリッシュ・ソウルを求めて

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2005-10-30 22:00:50
テーマ:ケルト

キャサリン・ジェンキンス(クラッシック界のマリリンモンロー)


Katherine Jenkins
Time to Say Goodbye

Katherine Jenkins
Katherine

Katherine Jenkins
Katherine

【このコンテンツは批評目的による偉大なウェールズの音楽家、ジョン・ヒューズ氏の音楽の引用が含まれています。音楽の著作権は著作権者に帰するものです。また、個人的耳コピのため音楽的には間違った解釈である可能性もありますが、故意に著作権者の音楽の価値を低めようとするものではありません。著作権者主体者の権利、音楽の美学を侵害した場合このページに限り、いかなる修正・削除要請にも応じますので、ご教授ください】


 英国ウェールズ出身のメゾ・ソプラノ歌手、キャサリン・ジェンキンス(Katherine Jenkins)が11月16日に日本でデビュー、「ディーヴァ」「プルミエール(Premiere)」2枚のアルバムをリリースする。発売に先行して11月7日来日し、都内で幾つかのセッションを行う予定だ。


 現在25歳のキャサリン嬢には「グラマラス・ヴォイス、グラマラス・ディーヴァ」というキャッチコピーが付けられており、豊満なボディ(コチラを参照 )と妖艶なルックスから「クラッシック界のマリリン・モンロー」とマスコミで話題になっている。


 彼女の音楽的経歴は非常に興味深い。南ウェールズのネアス(Neath)出身。幼少よりピアノのレッスンを受け、地元の教会の合唱団に参加。2003年ラグビー世界大会では、ウェールズ・チームの公式マスコットに選ばれる。2004年4月、デビュー・アルバム「プルミエール」をリリース、クラシック部門のチャートで1位に輝く。10月リリースした2ndアルバム「セカンド・ネイチャー(Second Nature)」もクラッシック・チャート1位、ポップス部門でも20位に入った。


 クラッシック畑の活動だけでなく、ブライアン・フェリーやクリフ・リチャードのバック・コーラスを務めたりするというから、本当にキャサリン嬢、スゴイ!


 2005年4月にアメリカでデビュー・アルバム「ラ・ディーヴァ(La Diva)」をリリース。こちらにはビゼー、モーツアルト、ヴェルディの曲のほか、モリコーネの曲なども収録されている。


 その中に、「Calon Lan」が収録されている。この曲はウェールズのダウライス(Dowlais)出身で、セーラム・バプテスト教会で活動したジョン・ヒューズ(John Hughes1873-1932年)の作品。ウェールズ語で「Gwyrosydd」という曲名は「清い心」の意。英語の歌詞もあるが、彼女はウェールズ語で歌っている。キーはAbメジャー。


【A】
Nid wy'n gofyn bywyd moethus, Aur y byd na'i berlau mân:
|3/4 Ab |Ab |Fm7 |Eb7|
Gofyn wyf am galon hapus, Calon onest, calon lân. Calon
|Ab |Db |Eb7 |Ab|

【B】
lân yn llawn daioni, Tecach yw na'r lili dlos: Dim ond
|Ab |Eb7 |Eb7 |Ab|
calon lân all ganu- Canu'r dydd a chanu'r nos.
|Fm7 |Ab |Eb7 |Ab|

 ケルトの出自を大事にして、心の底から祈るような彼女の声が物凄く美しく心を打つ。真摯な彼女の活躍に本当に期待しよう。


■関連リンク:キャサリン・ジェンキンス公式サイト  キャサリン・ジェンキンスUCJ公式ページ

 Traditional Welsh Music  Calon Lan の midi  Calon Lan

■関連記事:ドノヴァン  サンディ・デニー

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2005-10-21 20:00:14
テーマ:ケルト

テイカロ:大竹佑季「スカボロー・フェア」


Simon & Garfunkel
Old Friends Live On Stage (Deluxe Edition) (2 CD/1 DVD)

Martin Carthy
Martin Carthy

●のどスーッとひんやりさわやか●ティカロ キシリクリスタルミントのど飴 70g

 美しいポーランド人モデル、アレクサンドラ(Aleksandra)が出演するテイカロ「キシリクリスタルミントのど飴」のCM(コチラで視聴 )を。曲は、イングランド民謡「スカボロー・フェア(Scarborough Fair)」 で大竹佑季が歌う。キーはBbマイナー。


Are you going to scarborough fair?
|3/4 Bbm |Bbm |Ab7 |Bbm|
Parsley, sage, rose -mary and thyme
|Bbm |Bbm |Bbm-Eb |Bbm|



 1~4小節は、Ⅰm-♭Ⅶ7-Ⅰm。

 5~8小節は、Ⅰm-Ⅳ-Ⅰm。


 スカボロー=スカーバラ(Scarborough)はイングランド北西の町。原曲は19世紀、海に出た漁師が自分の恋人を思って歌うイギリス民謡。マザーグースにも収録されているが、サイモン&ガーファンクルが映画「卒業(Graduation)」で歌ったことで有名。イギリスのフォークシンガー、マーティン・カーシイ(Martin Carthy)のヴァージョンも是非聴いてみて欲しい。ケルトの幻想的な雰囲気漂う、素晴らしいメロディだ。

■関連リンク:テイカロCMギャラリー  大竹佑季公式ページ

■関連記事:サイモンとガーファンクル「冬の散歩道」  サンディ・デニー「フォザリンゲイ」



【このコンテンツは批評目的によるケルト民謡からの引用が含まれています。音楽の著作権は著作権者に帰するものです。また、個人的耳コピのため音楽的には間違った解釈である可能性もありますが、故意に著作権者の音楽の価値を低めようとするものではありません。著作権者主体者の権利、音楽の美学を侵害した場合このページに限り、いかなる修正・削除要請にも応じますので、ご教授ください】

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2005-10-05 23:00:01
テーマ:ケルト

サンディ・デニー「夕闇が包むまでに(By the Time it Gets Dark)」


Sandy Denny
A Boxful of Treasures



Sandy Denny
Who Knows Where the Time Goes (Re-Configured)


Mary Black
By the Time It Gets Dark


Julie Covington
Julie Covington...Plus

【このコンテンツは批評目的によるサンディ・デニー氏の音楽からの引用が含まれています。音楽の著作権は著作権者に帰するものです。また、個人的耳コピのため音楽的には間違った解釈である可能性もありますが、故意に著作権者の音楽の価値を低めようとするものではありません。著作権者主体者の権利、音楽の美学を侵害した場合このページに限り、いかなる修正・削除要請にも応じますので、ご教授ください】


 先日採り上げた 英国最高の女性ヴォーカリスト、そして我が心の恋人、サンディ・デニー(Sandy Denny)の名曲、「バイ・ザ・タイム・イット・ゲッツ・ダーク(By the Time it Get's Dark)」を採り上げよう。アコースティックギター一本で弾き語れるシンプルな曲だ。本当に心の癒される曲で、all music guide で試聴できるので、是非聴いてみてください。キーはDメジャー。


【I】
Baby, every
|4/4 D |D |D |D|


【A-1】

cloud has a silver lin- ing Baby every
|G |G |D |D|
dog really has his day And it matters
|Em7 |G |D |D|

 Ⅳ-Ⅰ-Ⅱm7-Ⅳ-Ⅰ

とサブドミナントとトニックを行ったり来たりするⅠ-Ⅳヴァンプ系のバース。冒頭の歌詞、「Every cloud has a silver lining」は、「どんなに黒い雲でもその裏側は太陽に照らされて銀色に輝いている」という意味のイギリスの諺。日本で言えば「苦あれば楽あり」に該当。続く「Every dog has his day」も諺で「誰でも成功する機会がある」の意。


 どんな暗雲にも光はあるわ

 誰しもいい時もあれば悪い時もあるの

【A-2】

to me to see you smiling Why don't we blow
|G |G |D |D|
all your cares away ?
|Em7 |G |D |D|

 【A】パターンの繰り返し。


 あなたの笑顔を私は見たいの

 何故あなたの心配事を吹き飛ばせないのかしら?


 その後も【A】パターンを以下の歌詞で繰り返す。

 Yesterday is gone and will be forgotten
 And today is where every new day starts
 昨日はもう過去のこと、忘れるべきよ

 今日は今日で新しい始まりなんだから


 Got to be free as the leaves in autumn
 You may be sad but it never lasts.
 秋に舞い落ちる枯葉のように自由になって

 今あなたは落ち込んでるけどそれも長続きしないわ


【B】

And may- be, by the evening we'll be
|D |D |F#m7 |F#m7|
laughing Just wait and
|G |G |D |D|
see All the changes there'll be By the time it gets
|D |D |F#m7 |Em7-A7|
dark.
|D |D |D |D|

 多分、夕方ごろには

 私たち笑顔になってるわ。

 だからゆっくり待ちましょう

 夕闇が包むまでの変化を見つめながら


 多分1~8小節がブリッジで、9~16小節がサビなのだろうが、コード進行は極めて近いのでまとめて【B】ブロックとした。1~8小節は

 Ⅰ-Ⅲm7-Ⅳ-Ⅰ

9~16小節は

 Ⅰ-Ⅲm7-Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ

で、ドミナントⅤ7を最後の最後でしか登場させないのが効果的といえる。これが一見単調に見えるコード進行のサビの輪郭を作っているのだ。


 大学受験があと3ヶ月に迫った不安定な心境でこの曲を聴いて涙がポロポロ流れた。30過ぎてサラリーマンになって本当に辛くて盲腸になって入院したころ、聴きなおしてまた泣いた

 「夕方までに多分元気になってるわ。それまでゆっくり景色でも見てましょう」という慰めの言葉が堪らなく好き。この名曲は、ケルト音楽の後継者メアリー・ブラック(Mary Black)や、初代エヴィータ(Evita)の主演を務めたジュリー・コヴィングトン(Julie Covington)によってもカバーされている。こちらも感動ものなので是非あわせて聴いてみて欲しい。本当にイイヨ!


■関連記事:サンディ・デニー「フォザリンゲイ」

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2005-09-04 13:00:12
テーマ:ケルト

ドノヴァン「日産 ラフェスタ」


(C) 日産



Donovan
Sunshine Superman


Donovan
Golden Hits


Donovan
HMS Donovan

 日産ラフェスタのCMに、英国のフォーク・シンガー、ドノヴァン(Donovan)「サンシャイン・スーパーマン(Sunshine Superman)」が使われている! 早速弾き語ってみよう。キーはCメジャー。


Sunshine came softly through my a-window today .
|4/4 C7 |C7 |C7 |C7|
Could've tripped out easy a-but I've a-changed my ways.
|C7 |C7 |C7 |C7|
It'll take time I know it but in a while,
|F7 |F7 |F7 |F7|
You're gonna be mine I know it, we'll do it in style.
|C7 |C7 |C7 |C7|
'Cause I made my mind up you're going to be mine, , I'll tell you right now
|G7 |G7 |F7 |F7|
Any trick in the book now baby a-that I can find .
|C7 |C7 |C7 |C7|

 コード進行はアーメン終止タイプのブルース進行(参照 )。だが、

 C-C-B-♭B

とメジャー7th(=B)を含みつつ半音下降するメロディ・ラインが特徴的だ。このコード進行ではM7th(=B)は不協和音になるはずだが、その違和感を活かした印象的な旋律になっている。


 「イギリスのボブ・ディラン」と呼ばれていたドノヴァンはスコットランド、グラスゴー生まれのケルト系。「サンシャイン・スーパーマン」はエレクトリック路線変更後、初の全米No. 1ヒット曲。彼はサイケデリック・フォークの象徴的存在となり、「ドラッグをやっているのでは?」と疑われたりもしたが、実際は彼はドラッグ反対派で、ドラッグ無しでの「ナチュラル・ハイ」を提唱していた。そのことは、この歌の歌詞、


> Could've tripped out easy a-but I've a-changed my ways

> 簡単にトリップする方法もあるけど、僕は違う道を選んだ


という部分にも表現されていると思う。


 1971年発表の「HMS」はケルトの妖精たちに捧げたかのような、御伽噺で綴られるフォークロックの名盤。「ハリー・ポッター」や「指輪物語」などなど、ヨーロッパの物語&御伽噺は全てケルト文化に帰す部分が多い。是非聴いてみて欲しい。

■関連リンク:日産CM情報

■関連記事:エリシャ・カスバート  サンディ・デニー「フォザリンゲイ」

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2005-08-30 22:00:04
テーマ:ケルト

サンディ・デニー「フォザリンゲイ」~レッド・ツェッペリン「限りなき戦い」の女性


Fairport Convention
What We Did on Our Holidays


レッド・ツェッペリン
レッド・ツェッペリンIV



■フォザリンゲイの作品


Fotheringay
Fotheringay

■サンディ・デニーの作品


Sandy Denny
Rendezvous


Sandy Denny
Like an Old Fashioned Waltz


Sandy Denny
Who Knows Where the Time Goes (Re-Configured)


Trevor Lucas & Friends Sandy Denny
Attic Tracks 1972-1984


Sandy Denny
The Original Sandy Denny


Sandy Denny
Sandy


Sandy Denny
Gold Dust: Live At The Royalty Theater


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No More Sad Refrains: The Anthology



■フェアポート・コンヴェンション



Fairport Convention
Heyday: BBC Radio Sessions, 1968-1969


Fairport Convention
Unhalfbricking


Fairport Convention
liege & lief


Fairport Convention
Live Convention


Fairport Convention
Rising For The Moon

 自分が「心の恋人」と思っているアーティスト。あくまでも自分勝手に一方的にだが。


 サンディ・デニー(Sandy Denny)。レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)の「Ⅳ」、「限りなき戦い」でヴォーカルを取っているイギリスの女性アーティストだ。また、ジュディ・コリンズがカヴァーした「時の流れを誰が知る(Who Knows Where the Time Goes)」の作曲者としても知られている。


 今日は彼女の曲、「フォザリンゲイ(Fotheringay)」(フェアポート・コンヴェンション Fairport Convention の2ndアルバム収録)を採り上げる。


 この曲は、歌詞の物語性+情緒性、繊細で知的なアコースティック・ギター、そしてサンディのこの上なく美しい声が織りなす超名曲。「こんな曲を書けたら死んでもいい」と思えるほど、美しい曲なのです。そして、歌詞はヨーロッパを舞台とした幻想小説のような光景を描いている。キーはAマイナー。3/4拍子。


作詞:サンディ・デニー(Sandy Denny)

作曲:サンディ・デニー(Sandy Denny)


【I】イントロ

   Am            Dm
   +   +   +     +   +   +
e:---------0---|-------------|
B:-----1-3-----|-----3-------|
G:-----------0-|-2-----------|
D:-------------|-----0---0---|
A:-0-----2-3---|---0---------|
E:-------------|-1-----------|
   Em            Am
   +   +   +     +   +   +
e:-------------|-------------|
B:-0-1-0-------|-------0-1---|
G:-0-----0---0-|-----2-----2-|
D:---------2---|---2---------|
A:-------------|-0-----------|
E:-0-----------|-------------|


 アコースティック・ギターの素晴らしい伴奏。サンディが在籍したフェアポート・コンヴェンション、この時期3人の偉大なギタリストが在籍していた。イアン・マシューズ(Ian M.Matthews)サイモン・ニコル(Simon Nichol)そしてリチャード・トンプソン(Richard Thompson)だ。この曲ではアコースティック・ギターは二本鳴っているようだが、おそらくリチャードの演奏だと思う。


 コード進行は


 Ⅰm-Ⅳm-Ⅴm-Ⅰm


マイナーばかりでのスリーコード。幾らマイナー曲とはいえ大抵ドミナントはⅤ7でメジャーのままだが、Ⅴ7をⅤmに代理させて、とてつもなく暗い曲することも可能。その手を使っている。コレを2回繰り返し、歌に入る。2回目は最後のAmを1小節追加する。


【A-1】
How often *** *** ***
|3/4 C |G |F |Am|
*** *** *** ***
|Em |Am |Em |Am|
*** *** *** ***
|Am |D7 |Em |Am|


 歌開始部分(How often~)から第一回目の部分手前までが【A-1】ブロック。歌部分は基本的にこのコード進行を繰り返す、シンプルな構造。色々な音楽の構造を探求してきたが、個人的には、【A】→【B】→【C】ってタイプの曲より、【A】→【A】→【A】ってタイプの曲(参照 )のほうに好感が持てる。


 前者は意外と姑息な手が利くのだ。いやらしい話、【ある曲からのパクリA】→【別の曲からのパクリB】→【またまた別の曲からのパクリC】っていう手が利くのだ。そういう曲、世の中にゴマンとあるでしょ?


 ソレに反して、【A】→【A】→【A】は一発勝負で潔い。【A】をパクればすぐばれるし、【A】に説得力がないと曲が成り立たない。


 いつとなく熱く語ってしまうのだが、冷静にコード進行の構造を。1~4小節目は

 ♭Ⅲ-♭Ⅶ-♭Ⅵ-Ⅰm

ちょっと解りにくいがこの部分だけAマイナーのメジャー、キーCに転調していると考えると、Ⅰ-Ⅴ-Ⅳ-Ⅵmだ。5~8小節は、

 Ⅴm-Ⅰm-Ⅴm-Ⅰm

ドミナントモーションの繰り返し。9~12小節は、

 Ⅰm-Ⅳm-Ⅴm-Ⅰm

とトニック→サブドミナント→ドミナント→トニックの全マイナー・ヴァージョン。


 作曲法はイギリスの伝統的なバラッド形式を用いており、同コードパターンの繰り返しのなかで、1つの物語が語られ、展開していく。歌詞の内容は(筆者による拙訳&大意)、


 何度彼女は、その城の窓から下界を眺めたことだろう?

 囚われの壁の中に日の光が過ぎていくのを。

 彼女を気にとめる者は一人もいなかった。


いきなり空想の世界へ。拡がる情景。物悲しいアルペジオ・プレイをメインとしたギターの伴奏が素晴らしい。

   C             G
   +   +   +     +   +   +
e:-------------|-------------|
B:-------0H1---|-------0-3-0-|
G:-----0-----2-|-----0-------|
D:---2---------|-------------|
A:-3-----------|---2---------|
E:-------------|-3-----------|
   F             Am
   +   +   +     +   +   +
e:-------------|-------------|
B:-------0-1---|-------0-1---|
G:---0-2-------|-----2-----2-|
D:-----------2-|-------------|
A:-------------|---0---------|
E:-1-----------|-0-----------|
   Em            Am
   +   +   +     +   +   +
e:-----0-------|-------------|
B:---------0-3-|-1-----0-1---|
G:-------0-----|-----2-----2-|
D:---2---------|---2---------|
A:-------------|-0-----------|
E:-0-----------|-------------|
   Em            Am
   +   +   +     +   +   +
e:-------------|-------------|
B:-0-------0---|-------0-1-0-|
G:-----0-------|-2---2-------|
D:-------------|---2---------|
A:---2---2---2-|-0-----------|
E:-0-----------|-------------|
   Am            Dm
   +   +   +     +   +   +
e:---------0-1-|-------------|
B:-----1-3-----|-----3-------|
G:---2---------|---------2---|
D:-------------|---0---0---0-|
A:-0-----------|-0-----------|
E:-------------|-------------|
   Em            Am
   +   +   +     +   +   +
e:-------------|-------------|
B:-0---0H1---0-|-------0-1---|
G:-------------|-2---2-----2-|
D:---2-----2---|---2---------|
A:-------------|-0-----------|
E:-0-----------|-------------|


  【I】を挟んで2番(歌詞「The evening hour」から間奏手前まで)へ。


【A-2】

The evening hour *** *** ***
|C |G |F |Am|
*** *** *** ***
|Em |Am |Em |Am|
*** *** *** ***
|Am |D7 |Em |Am|

歌詞の大意は、


 夕暮れ時は沈む夕日を見ていて過ぎる

 残り火も消えていく寂しい瞬間

 小鳥の群れも飛び去っていく


情景描写が淡々と続く。【I】を挟んで3番へ。


【A-3】

Her days of *** *** ***
|3/4 C |G |F |Am|
*** *** *** ***
|Em |Am |Em |Am|
*** *** *** ***.
|Am |D7 |Em |Am|

 歌詞の大意は、

 彼女の大切な自由は、ずっと昔に剥奪され

 格子戸の中の無意味な生活が始まった。

 だけど、こんな日日も長くは続かない。


 この後ギターソロ+コーラスの【B】パートに入る。


【B】間奏

   Am            
   +   +   +     +   +   +
e:-------------|-------------|
B:-----2-0-2-3-|-5---3---2---|
G:---2-2---2-2-|-2---2---2---|
D:-------------|-------------|
A:-0-----------|---0---0---0-|
E:-------------|-------------|
   Dm
   +   +   +     +   +   +
e:-----1-0-1---|-----1-0-1---|
B:-----3-3-3---|-----3-3-3---|
G:---2-------2-|---2-------2-|
D:-0-----------|-0-----------|
A:-------------|-------------|
E:-------------|-------------|
   G
   +   +   +     +   +   +
e:-------------|-------------|
B:-----0---1---|-0-----------|
G:---0---------|-----2---0---|
D:-------0---0-|---0---0---0-|
A:-------------|-----0---2---|
E:-3-----------|-3-----------|
   C
   +   +   +     +   +   +
e:-------------|-0-----------|
B:-----1-0-1-3-|-----2---1---|
G:---0---------|-------------|
D:-------------|---2---2---2-|
A:-3-----------|-3-----------|
E:-------------|-------------|
   Am
   +   +   +     +   +   +
e:-------------|-------------|
B:-----1-0-1---|-----1-0-1---|
G:---2---------|---2---------|
D:-----------2-|-----------2-|
A:-0-----------|-0-----------|
E:-------------|-------------|
   E7
   +   +   +     +   +   +
e:-------------|-0-------0---|
B:-------------|---0---0---0-|
G:-2---1-------|-----1-------|
D:-2---2---4---|-------------|
A:---2---2---2-|-------------|
E:-0-----------|-0-----------|
   Am  G   F     F   E7
   +   +   +     +   +   +
e:-------------|-------------|
B:-1---0-------|-------------|
G:-2---0---2---|-2---1---1---|
D:-2---0---3---|-3---2---2---|
A:---------3---|-3---2---2---|
E:-------------|-------------|
   A
   +   +   +     +   +   +
e:-------------|-------------|
B:-------0-02--|-----2-0-2---|
G:-----2-----2-|---2-2-2-2-2-|
D:---2---------|-------------|
A:-0-----------|-0-----------|
E:-------------|-------------|


 この部分、コード進行の素晴らしさに注目して欲しい。初めの1~4小節は

 Ⅰm-Ⅳm-♭Ⅶ-♭Ⅲ

と完全4度上昇進行の繰り返し。歌詞と相俟って「何や? 何や?」と物語がクライマックスへと進むのを予感させる。5~8小節は、

 Ⅰm-Ⅴ7

と、これまでずっとマイナー化されてきたドミナントがメジャー・コードとして姿をあらわす。多少、光明が差し込んできた感じ。そして、9~12小節、

 Ⅰm-♭Ⅶ-♭Ⅵ-Ⅴ7-Ⅰ

マイナー版循環コード(参照 )の後、トニックに戻ったとたんに同主調転調でメジャーのⅠ(=A)に!!


 滅茶苦茶暗い曲調であっただけに、この土壇場での同主調転調によるメジャー化は物凄く効果的で、美しい。フェアポート・コンヴェンションやサンディ・デニーは、ブリティッシュ・トラッド=ケルト系、アイリッシュ系のバンドである。ケルトのトラディショナル・バラッドには、こういったメジャー・キーへの同主調転調を最後の最後で行うパターンが結構多く、彼女はこの手法を作曲に応用している(ケルト民謡については、今後も継続的に解析を進めていくつもり。本当に深い)。そして4番へ。


【A-4】

Tomorrow,at this *** *** ***
|3/4 C |G |F |Am|
*** *** *** ***
|Em |Am |Em |Am|

 歌詞の大意は、


 昨日のちょうどこの時刻、彼女は遠くへ旅たった。

 この国の島遥か遠く、一人、フォザリンゲイへ向けて。


 物語の終わり。フォザリンゲイは空想の地名だったっけ? もう20年この曲に惚れ込んできたが、忘れてしまった。彼女の空想物語に付き合うのに、些細なことは忘れても全然いいや。


 サンディ・デニーは幻想小説家、というかメルヘンチックな少女漫画家みたいだ。そして、彼女は優秀なヴォーカリスト、作詞家、作曲家であり、また、優秀なピアニスト、ギタリストでもあった。ずっと乙女の心を持っていた。無邪気な笑顔でいつも笑っていた(写真を見ただけだが)。


 彼女はこの曲名をバンド名にしたフォザリンゲイを結成後、ソロ活動を開始。フォザリンゲイのギタリストであったトレヴァー・ルーカス(Trevor Lucas)と結婚。子供を出産した9ヵ月後、階段から転げ落ち頭を打って急死した(1978年、享年31歳)。


 彼女の声は「塩辛い声」と評される。それは私たちの人生の苦味、辛さを痛切に歌い、一縷の光明を確実に与えてくれる救いの声。エンヤなどでブリティシュ・トラッドに興味を持っている人は、是非サンディ・デニーの作品を聴いてみて欲しい。



■関連記事:フェイセズ「ウー・ラ・ラ」  黄桜酒造「かっぱの歌」

☆音楽解析の続編は『コチラ』 にて


ps. 2005/12/10 著作権を鑑み、文面に加筆修正を行い、原作歌詞の掲載を極力最小限に抑えました。ご了承ください。

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