もすかう教(狂):ジンギスカン「目指せモスクワ」
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やはり、東ヨーロッパがきているようだ。これもネタとしちゃ古いのだろうが、東欧モルドバ共和国、オゾン「恋のマイアヒ」 に先行するかたちで、1970年代末、ユーロ・ディスコでヒットしたジンギスカン(Dschinghis Khan)「目指せモスクワ(Moskau)」にリヴァイバルの兆しが出ており、ネット上で2チャンネル系猫キャラが出演するFlash動画(コチラで視聴 )が出回っている(ジンギスカンは西ドイツのバンドで、東欧と定義するのは無理があるかもしれないが、比較的ヨーロッパの東の方、ということで括る)。 さて、今日はこの曲のコード進行を検証してみよう。キーはFマイナー。4/4拍子。イントロはFmワンコードから、 |Fm|Eb7| を繰り返し、歌が入る。この地域の民謡から醸造されたポピュラー音楽のコード進行はクセがあるので、オゾンのときと同じく、FmをⅠmとせず、Ⅵmとして解析を進めよう。 【A】
Ⅵm-Ⅳ-Ⅰ-Ⅱm7 という進行。トニック→サブドミナントを2回繰り返している。その後は、 Ⅵm-Ⅲ7-Ⅵm と、完全5度上昇ののち、完全4度上昇している。先日ラフマニノフの記事(参照 )で、西洋の音楽理論上、もっとも合理的とされる完全4上昇進行でなく、その全く正反対である完全5度上昇進行ばかりが使われている点を指摘した。ラフマニノフもロシア人、東欧の定義をロシアも含めて考えるならば、どうもこのあたりの音楽は完全5度上昇進行を優先する傾向があるような気がする。
Ⅴ7-♭Ⅵdim-Ⅵm の繰り返し。♭Ⅵdimは経過音だから、基本はⅤ7-Ⅵm、これはドミナント→トニック、と考えてよいだろう。7~8小節は、Ⅳ→Ⅲ7と短2度下降。
Ⅵm-Ⅳ-Ⅰ-Ⅱm7-Ⅵm-Ⅱm7-Ⅲ7 ここも2小節目、3小節目と完全5度上昇進行が使われていることに注目しよう。5~8小節は最後の8小節目がドミナント・モーションで解決しているだけの違い。 しかし、黒人教会から発生したアーメン終止(Ⅳ→Ⅰ、参照
)も完全5度上昇での解決。黒人系音楽と東欧系の音楽は実は近いのかもしれない。すると、もっとも音楽的に正しいとされる完全4度上昇(=お辞儀終止)は、ヨーロッパのケルト系など一部の民族の文化に過ぎないのかもしれない。ここらへんは、勉強していかないとなぁ。音楽は深い。 ■関連リンク:もすかう教(狂)本山(?) もすかう狂Flash動画 ■関連記事:チェブラーシカ オゾン「恋のマイアヒ」 ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」 ワコール「デコルテメイクブラ」 ☆音楽解析の続編は『コチラ』 にて! |