大阪府和泉市府中町の和泉寺跡で、8世紀前半(飛鳥時代末-奈良時代前半)に泉南地域を治めた有力豪族「珎(ちぬの)縣(あがた)主(ぬし)」と記された瓦が発掘調査で見つかり、府教育委員会が25日、発表した。同寺は文献に記録がなく「幻の寺院」とされてきたが、今回の調査で地元豪族が建立した可能性が高まった。

 出土した瓦は縦37センチ、横17センチの破片。表面には「珎縣主廣足(ひろたり)作」の6文字が、くぎのような先端のとがったもので刻まれていた。珎縣主一族の「廣足」という人物が、瓦を寄進したことを示すという。

 珎縣主については、正倉院(奈良市)に保管されている正倉院文書で、奈良時代の天平9(737)年の税に関する記録に記されており、和泉国(現在の和泉市や堺市など)を統治した有力豪族とされている。

 和泉寺跡は現在の地形の状況から、220メートル四方の規模を持つ古代寺院と推定されているが、建物跡などは見つかっておらず、実態は不明だった。

 瓦は4月10日~5月9日、大阪府河南町の府立近つ飛鳥博物館で公開される。

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