前回の記事 にとてもアクセスが多かったので、アスクレピオス事件について、再度
構図をまとめてみましょう。産経新聞の記事 からの図の転用です。



まず、この図でぼやかされている個別名を明らかにしておきましょう。

 1.複数の投資家
   メデカジャパン(ジャスダック)     35億円
   フィンテック・グローバル(マザーズ) 21億9000万円 (上場株式19億円を担保設定している)
   リーマンブラザーズ           400億円 (うち50億円は償還済; 320億円が回収不能?)
   ゴールドマンサックス           数十億円 (その後全額回収)

 2.投資事業組合       = ファイティング・ブル・インベストメント
 3.建設設計コンサル会社 = 不明(靖国神社近くの雑居ビル4階; 社長は60才)
 4.病院              = 兵庫県の広野高原病院、大阪府の今川病院 等


次に、騙しの手口です。出資を煽るためのビジネスモデルの説明は以下でした。

「経営不振の病院に、備品や医療器材の仕入れ先を変更させ、丸紅が安い価格で資材を
一括納入
することで、経営を再生させる」

そして、このビジネスモデルを補完するものとして、「丸紅が出資金を保証する」という普通では
ありえないオプションをつけます。しかし、これを信じさせるために、次のようなミーティングが
開かれたようなのです。

 場所:   丸紅本社
 出席者:  投資家(リーマン)、丸紅(契約)社員2人、建設コンサル会社社長、アスクレ社社長
 書類:   偽造稟議書(丸紅副社長名)

さらに、リーマンに対しては一回50億円を償還して見せて信用させると言う、なんといいますか、
古典的な詐欺の手口を使ったようです。リーマンは、とにかく損失を少なくするために、カネを
取れるところから取ろうということで丸紅を提訴、投資銀行らしいやり方です。

この先、詐欺事件の主人公たちがどうなるか、見ものともいえますね。