患者さんが来るのは当たり前じゃない | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

大阪肛門科診療所は自由診療です。

保険が効きません。


だから

患者さんが来るのは当たり前じゃないんです。


だって

保険診療に比べると
治療費が高いです。


美容外科や矯正歯科のように

元々、保険の適応がない診療科なら分かりますが、

肛門科は保険が効きます。


ネットでも検索すると
保険の効く肛門科は
星の数ほどあります。


そんな状況の中、
大阪肛門科診療所は自由診療なんです。


だからと言って

最新の治療をしているわけでもなく
先進的な医療をしているわけでもなく
スゴイ医療機器があるわけでもない。


そう。
先進的じゃないんですよえへへ…


やっていることは
至って普通。


何も特別なことや
特殊な治療はしていないです。
(そのつもりです・・・えへへ…


保険診療では使えない治療薬を使っているわけでもなく、

適応のない特別な手術をしているわけでもない。


だから

診療所を開けていて
患者さんが来るのは
当たり前じゃないんです。


20年前、
倒産寸前の大阪肛門病院を継承した時、
電話での問い合わせで
よく訊かれました。

「どうして保険が効かないのですか?」

「保険外の治療をしてるんですか?」

「痔の手術って保険では出来ないんですか?」



投げかけられる質問に
すぐに答えられない
自分たちがいました。


なぜなんだろう?
何が違うんだろう?



自分たちで本当に悩みました。
考え抜きました。


そんなこと言われても
自分たちが自由診療の肛門科を
開業したわけじゃない・・・


ただ後を継ぐことになっただけ・・・


だから

私たちも
先代の院長に訊きたかった・・・。


だけど
どうすることも出来ず
後戻りする勇気もなく

とにかく
ただひたすら
ひたむきに

目の前の患者さんの役に立つことをしよう

どうすれば役に立てるんだろう?

どうすれば喜んでもらえるんだろう?



そんなことばかり考えて
毎日診療をしていました。


倒産寸前でしたから
一日窓口を開けていても
一人も患者さんが来ない日も
ありました。


だから

来られた患者さんには
たっぷりと時間をかけることが
出来ました。


しっかり話を聴いて
分かるまで説明して
納得のいく治療を一緒に考える



まだ駆け出しの
若い医者だった私たちは
患者さんに育ててもらいました。


患者さんは
教科書に載っていない
たくさんのことを教えてくれました。


若造の医者なのに
ちゃんと敬意を払ってくれました。


私たちの治療を
涙を流して喜んでくれました。


社会保険中央病院で研修したんだから
いつか自費から保険診療に変更する!


と意気込んでいた院長も

しばらくたってから

「保険診療にはできへん・・・」

と言いました。


あれれ〜?
あんなに言ってたのに〜?
どうしてー?


「こんな自分に高いお金払って
治療を受けてくれた患者さんを
裏切ることになる。」



と答えが返ってきました。


「値下げは裏切りだから」と。


「それに保険診療にすると
こんなに患者さんと
ゆっくり話もできへん。
数を診ないといけないから。」


と。


駆け出しだったあの頃、
患者さんが喜んでくれたのは

私たちが技術が高かったからでもなく
手術が上手いからでもなく
専門医だからということでもなく

(当時は専門医を取得してなかった。
もう取得できないとあきらめていました。)

私たちの医療を
心から喜んでくれました。


あれから20年。


いまだに考え続けてます。


なぜ自由診療なんだろう?

自由診療でしか提供出来ないことってなんだろう?

自分たちの価値って何だろう?



答えは正直、まだ分かりません。


ただ

毎日、
来て下さる患者さんの
役に立てることを
一生懸命やるだけです。


患者さんが来てくれるのが
当たり前じゃないので

こうして
毎日診療所を開けていて
患者さんが来てくれることって

本当に幸せだなぁって思います。


患者さんに感謝です。

そして

与えられた環境の中で
自分の役割は何かを考え
今の状況を感謝の気持ちで
受け止めて生きたいと思います。


blog1003

診療所のセラピードッグ「ラブ」らぶ
クイズ「ラブはど〜れだ?」トイプ-アプリコット
分かりますよね?
いつも耳をピンと立てて
人の話を聴こうとするラブトイプードル
患者さんだけでなく
私たちもどれだけ癒されていることかありがとう
いつもありがとう顔文字


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