2010-12-28 11:55:54

花宮 夢小説

テーマ:Short Story

―――どうしたら、こんなにも人を醜くできるんだろう。


不当なバスケをする彼を見ながらぼんやりと思った。


私も人のことを言えた人間じゃないけど、これは・・・。


あ、背の高い7番の男の子が足を抱えて床に転がり始めた。


痛いだろうな――って思いながらも、私の口元がかすかにほころぶ。



人が傷つくのが好き。


それは彼と私の唯一の共通点。



視線をその7番から外し、真を見ると、ばちりと目が合った。



彼の口角がみるみる上がっていく。



好きだろ、こういうの。



と目で訴えかけてくる。誰かが壊れていくその姿が。



私はじっと彼を見つめ、やがて視線を落とした。



私も、いつか同じことをされるんだろう。徹底的に追い込まれ、彼がいないことを嘆くんだろう。


もう一度顔を上げ、彼を今度は違う目で見た。


真はそれに気付き、眉を寄せた。



傷ついて、たまるものか。



未来の自分が見える。彼に見下ろされ、泣き崩れる私。


そんなみじめな思いはしたくない。


私は立ち上がり、担架で運ばれようとする7番の男の子の方へ駆け寄った。


真の視線を感じるけど、そんなの無視だ。


「大丈夫ですか?」


と7番の男の子に声をかける。「ああ・・・酷いけが・・・」


男の子は驚いたように目を見開いた。「きみはたしか・・・」


私は首をふり、指を彼の唇に当てた。「黙って」と囁く。「今は感じるだけにして」


肩越しに振り返ると、真が目をかっと見開き、憤怒の形相で私を睨みつけていた。


裏切ったな、とその怒りに燃えた目は言っていた。このふしだらな陰険女が。俺を捨てて、その負け犬と・・・。



私は鼻を鳴らし、顎をあげ、「かかってきなさいよ」と言わんばかりに挑発した。


あんたなんかこわくない。


だが彼は立ち尽くしたまま。



追いかけてもこないので、この恋は終わりを告げた。



私は溜息をつき、中指をつきたてた。


「地獄に落ちな、クソ野郎」

















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