テーブルタグ使ったエントリーって、労力の割に短いのよね・・・。
( ´H`)y-~~

さて、前回のラストで言いたいことを言ったので、後は割と惰性になるんですが、取りあえず見ていきたいと思います。(笑)

それでは今日も、アジア歴史資料センター『警保局長決裁書類・大正7年/日鮮人労働者争闘度数其他調査の件・庁府県(レファレンスコード:A05032243600)』から。
11画像目、「各府県の現況に徴し、朝鮮人労働者及内地人労働者共同労働に従事するの適否」を。

道庁及
府県
北海道 多年在留者■■日本語に精通せるものは格別、新移住者は共同労働せしむるは不適当なり
東京 技術的労働者は格別なるも、土工の如きものは性質言語を異にし、共同労働は不適当と認む
京都 鮮人は労働能率低きも従順なるを以て、共同労働に従事せしむるも適当と認む
大阪 少数の場合は格別、鮮人多数にして一勢力を為すものは、絶対に不適当と認む
神奈川 内地永住者は格別、新渡来者は共同作業に従事せしむるは不適当と認む
兵庫 一利一害ありて、鮮人の長短所を取捨按配して共同労務に従事せしむるは得策ならむ
長崎 邦語に通ずる鮮人を事務員として採用し、彼我の融和を図るを得策とす。其他不適当と認むる点なし
新潟 共同労働に従事せしむるも、何等差支なし
埼玉 鮮人は従順なるを以て、共同労働に適するものと認む
群馬 新渡来者は言語不通、人情相異せるを以て不適当と認むるも、従来未だ不適当なる事実を認めず
千葉 兎角、彼我の間円満なる能はず、共同労働は不適当と認む
茨城 共同労働に従事せし■■外■■未だ之が弊害と認むべきものな■
栃木 邦語に通ずる者ならば格別。言語不通の者は不適当と認む
奈良 内地人の指導の俟つもの多きを以て、共同作業に従事せしむるを適当と認む
三重 両者の共同労働に従事するは、不適当と認む
愛知 共同労働に従事せしむるは適当なるも、共同生活を為さしむるは注意を要す
静岡 言語不通の者多きを以て不適当と認むるも、業務の配合等に注意すれば可なりと認む
山梨 少数の場合は格別、鮮人多数は往々団結して事を起すことあるを以て不適当と認む
滋賀 総て個人的指導を為し居る結果、共同労働の現況適良なり
岐阜 指導■■に努め、目下共同労働に従事するも何等弊害なし
長野 動もすれば紛擾を醸生するの虞あるを以て、共同労働は不適当と認む
宮城 鮮人少数なるを以て、従来共同労働に従事せしめ弊害あるを認めず
福島 多数鮮人を内地人と共同に労働せしむるは危険の虞あるものと認む
岩手 極めて少数の鮮人なるを以て、共同労働に従事するも弊害なし
青森 争闘を惹起するの虞あるを以て、共同労働不適当と認む
山形 内地語に通ぜざる鮮人は、共同労働に従事せしむるは不適当と認む
秋田 兎角意思疎通を欠くを以て、共同労働は不適当と認む
福井 鮮人少数ならば格別。多数の場合は団結騒擾を起し易きを以て、不適当と認む
石川 目下至って平和にして、従て共同労働に従事せしむるも適当と認む
富山 現今の状態に於ては、敢て不適当と認むる点なし
鳥取 目下の処共同労働上不適当の点を認めず
島根 争闘の虞あるも、一面同化矯正し得るを以て、服■を適当と認む
岡山 永久内地人に同化する時機なきに至■■以て共同労働■しむるを得策と認む
広島 言語不通、性質怠惰、労働能率低きを以て、共同労働は今暫く不適当と認む
山口 鮮人の猜疑心、労働能力低き点及性質怠惰なるより、内地人と共同労働せしむるは不適当と認む
和歌山 紛議を醸し易きを以て不適当と認む
徳島 内地人との間至極円満にして、共同労働は適当と認む
香川 鮮人極めて少数なると概して従順なるより、共同労働は適当なりと認む
愛媛 彼我相助け円満に業務に従事し居るを以て、更に差支えなきものと認む
高知 鮮人は比較的柔順なるを以て、共同労働せしむるも何等不適当の点あるを認めず
福岡 鮮人多数となれば放縦怠惰紛擾を生じ易きを以て、共同労働は不適当と認む
大分 言語不通の者を除くの外、共同労働は差支なきものと認む
佐賀 鮮人多数に至るときは紛擾起し易きを以て、共同労働は不適当と認む
熊本 日鮮人共同労働は適当なりと認む
宮崎 共同従業せしむるも何等の弊害なきを認む
鹿児島 従来共同労働に従事せしめ居るも、何等弊害なし
沖縄 炭坑■夫の如きは適当と認む
適当とするもの 26  不適当とするもの 21

割と、大きな事件が起きたところでも即不適当としているわけでも無いようで。
目立つのは、やはり言葉が通じないと駄目という意見。
後は、少数だからオーケーとか、多数集まると駄目という意見も多いですね。

まぁ、どちらにしろこの時点では狭い経験談に基づいて意見されてる雰囲気。

続いて、各県の移入数。

道庁及
府県
大正5年中 大正6年中 大正7年
自1月至7月
北海道 97 2,255 2,523 4,875
東京 122 295 685 1,102
京都 133 314 441 888
大阪 1,032 3,044 3,003 7,079
神奈川 114 277 238 629
兵庫 163 1,243 629 2,035
長崎 233 793 1,235 2,261
新潟 10 36 97 143
埼玉 2 2 44 48
群馬 5 22 18 45
千葉 4 129 4 137
茨城 38 100 133 271
栃木 30 36 56 122
奈良 21 77 124 222
三重 16 130 43 189
愛知 73 273 291 637
静岡 51 93 161 305
山梨 15 32 83 130
滋賀 291 275 61 627
岐阜 20 234 113 367
長野 47 632 649 1,328
宮城 21 27 12 60
福島 54 160 239 453
岩手 5 7 31 43
青森 1 93 30 124
山形 4 111 123 238
秋田 2 20 20 42
福井 121 227 260 608
石川 22 22
富山 1 84 307 392
鳥取 15 141 79 235
島根 138 829 828 1,795
岡山 22 429 393 844
広島 330 1,347 821 2,498
山口 690 757 575 2,022
和歌山 117 350 124 591
徳島 13 64 51 128
香川 10 67 78 155
愛媛 27 108 85 220
高知 5 6 45 56
福岡 980 1,889 2,088 4,957
大分 62 419 399 880
佐賀 64 172 225 461
熊本 37 50 19 106
宮崎 26 29 28 83
鹿児島 104 68 1 173
沖縄 2 2
5,368 17,768 17,492 40,628

これは、10月22日のエントリー辺りの居住者数とは違って、単純に流入してきた数でしょうね。
もちろん、流入者数が多ければ事件が発生する確率も高くなるわけで。
そういう意味では、今のところ単純に流入者数の統計としておくしか無いんですけどね。

続いては、朝鮮人労働者の衛生状態の大体。

道庁及
府県
北海道 衛生思想乏しく不潔極まるを以て罹病者多く、是が指導改善に努めつつあるも、未だ弊習を脱するを得ず
東京 衛生思想に乏しく、不潔甚しく、彼等が自発的に衛生を重んずるに至るは前途遼遠なりとす
京都 生活程度低く、粗食に甘んじ、室内の如き不潔なるも、自然内地人の同化を受け、漸次衛生を重んずる傾向あり
大阪 一般に衛生観念なく、起居身体被服の不潔甚だしきも、比較的罹病者少く漸次改善に努めつつあり
神奈川 使役者に於て厳重監督し居るを以て、衛生上批難すべき点なく、内地人と択ふ所なし
兵庫 極めて衛生観念に乏しく、不摂生甚しく、而も比較的罹病者少きは奇なり。極力改善に努む
長崎 新米者は頗る不潔を極め、不摂生甚しく、各炭坑に於ては内地人同様の取扱を為し、自然に感化せしめつつあり
新潟 暴飲暴食、衣食住共粗悪を極むるも、何れも健康にして医薬を用ゆる者稀なり
埼玉 衛生思想幼稚にして不潔を極め、洗濯を為さず入浴を嫌ふ風あり
群馬 業務に依りては内地人と異なることなきも、他の労働者は衛生思想幼稚にして粗食且不潔なり
千葉 居常不潔なるも、比較的健康なり
茨城 衛生思想に乏しきっも、内地人と共同生活をなし、自然感化を受く。敢て選ぶ所なし
栃木 概して衛生思想に乏しく不潔なるも、永く内地に居住するものは自然感化を受け、漸次良好に向ふ
奈良 衛生思想に乏しく、身体被服不潔にして不摂生甚しき状態なるも、比較的健康なり
三重 衣食住不潔にして、暴飲暴食を敢て為し、一般に不衛生なり
愛知 衛生思想に乏しく不潔を顧ざるも、彼等の多くは極めて強健にしてえ発病率少なし
静岡 暴飲暴食粗食に甘んじ、起居極めて不潔なるも、漸次内地人に同化せられ向上しつつあり
山梨 内地人に比し不潔にして、身体を洗滌せず、上厠を厭ひ且つ非常に大食を為す
滋賀 衛生思想に乏しく、身辺動作不潔なるも、多くは極めて頑強にして罹病者殆んど稀なり
岐阜 新米者は身体衣服汚穢不潔なるも、漸次内地人の指導に依り衛生思想向上する状態なり
長野 衛生観念に乏しく、汚穢不潔を事とせず、暴飲暴食を為し、極めて不摂生なり
宮城 概して入浴を嫌ひ、不潔を意に介せず、一般に衛生思想に乏し
福島 内地人に比し衛生思想に乏しく、入浴を嫌ひ、作業服の儘就寝する等未だ弊習を脱せざる風あり
岩手 衛生思想に乏しきも、内地人と共同労働に従事し居るを以て大体に於て良好なり
青森 常に粗食を為し、洗濯を為さず、入浴を厭ひ、健康には異常なきも一般衛生上不良なり
山形 一般に衛生思想乏しく、入浴洗濯を為すこと少なく、粗食にして暴飲暴食不規律不摂生なり
秋田 衛生思想に乏しく、身体起居不潔なるを意に介せず、入浴を嫌ひ、衛生状態到底内地人に及ばず
福井 衛生的観念なく、起居汚穢不潔を極め、常に改善に努むるも未だ実績を挙ぐる能はず
石川 衛生状態漸次向上の傾向あり。目下の処内地人と大差なし
富山 衛生思想に乏しく、洗濯を怠り、入浴を厭ひ、居所不潔にして動作不規律不摂生なり
鳥取 一般に衛生思想に乏しく、概して不潔なるも、漸次衛生に留意するに至り、内地人と大差なし
島根 新米者は入浴洗濯掃除不充分にして、衣食住不潔なるも、漸次同化せられ佳良に向ひつつある
岡山 新米当時は衛生思想極めて幼稚にして、放尿を各所に為し、生食を為し、其他頗る不潔なり
広島 一般に衛生思想に乏しく、如何なる不潔をも意に介せざるも、比較的疾患稀なるが如し
山口 衛生思想に乏しく不潔を極め、所嫌はず脱糞放尿し、洗濯入浴を為さず、飲食等不摂生なり
和歌山 衛生思想に乏しく、粗衣粗食に甘んじ、衣食住共極めて不潔にして、大食する者多し
徳島 粗食不潔なるも、漸次内地人に感化せられ衛生を重んずるに至れり
香川 衛生に観念せざる風習あるも、雇主の注意厳しく、衛生状態漸次向上しつつあり
愛媛 設備完全にして監督厳重なる為め、諸般の衛生に注意するに至り、内地人と大差なし
高知 初め入浴を嫌忌し居れるも、漸次内地人に同化せられ、相当注意するに至れり
福岡 大体に於て衛生思想に乏しく、衣食住劣等にして、内地人に及ばざること遠し
大分 多くは不潔不摂生にして、暴飲暴食を為し居るも、一般に頑健の者多し
佐賀 一般に衛生思想に乏しく、諸事不潔にして入浴洗濯を厭ひ居れるも、漸次同化されつつあり
熊本 内地人と同居し居るを以て、内地人と異なることなし
宮崎 不衛生なること甚しかりしも、近年著しく思想発達し、内地人と大差なし
鹿児島 衛生思想に乏しく、殊に公衆衛生に至りては遙かに欠如し居るを認む
沖縄 現在2名にして独立生活を為し、特記すべきものなし
良 7  不良40

日帝の悪辣な同化政策の証拠ですね!<#`Д´>
つうか、こんだけの数言われるって、どんだけ汚ねぇんだよ、と。(笑)
( ´H`)y-~~


粗食だけど暴飲暴食とか、質より量かお前等。(笑)
後は、山梨の「上厠を厭ひ」とか、岡山の「放尿を各所に為し」とか、山口の「所嫌はず脱糞放尿し」とか、やっぱりか!やっぱりなのか!と。
つうか、これだけ衛生観念が無く、実際に不潔なのに、結構健康なことを不思議がる各県担当者。(笑)

まぁ、嫌われるだけの理由ってのは、あるんじゃないかなぁ。( ´H`)y-~~

最後は、同一労働に対する賃金格差の一覧。

道庁及
府県
最高額 最低額 備考
内地人 朝鮮人 内地人 朝鮮人
北海道 4,920 3,650 820 630 炭山坑夫
東京 2,000 1,200 650 500 土工
京都 3,500 2,020 1,500 1,500 坑夫
大阪 2,500 2,500 600 600 土方
神奈川 1,600 1,600 1,300 1,300 沖人夫
兵庫 1,990 1,470 940 770
長崎 1,980 1,860 760 720 炭坑坑夫
新潟 1,400 1,200 750 520 坑夫
埼玉 1,200 580 390 460
群馬 1,300 800 400 300 坑夫
千葉 1,300 1,300 600 600
茨城 1,800 1,800 500 500
栃木 2,500 1,500 1,000 800 坑夫
奈良 1,325 840 810 560
三重 2,500 1,200 600 500 土方
愛知 2,200 2,200 1,000 800 坑夫
静岡 2,500 2,100 500 400
山梨 1,500 1,200 600 900
滋賀 1,700 1,700 1,200 1,200 坑夫
岐阜 2,300 1,500 400 300
長野 2,800 2,800 500 300
宮城 8■0 600 520 500 坑夫
福島 3,000 2,500 1,000 1,000
岩手 1,800 1,700 1,000 1,000 土工
青森 1,250 760 700 700
山形 3,000 1,700 500 400
秋田 3,000 1,500 520 450
福井 2,300 2,300 500 450
石川 1,400 1,500 800 900 坑夫
富山 2,000 2,000 800 800 坑夫
鳥取 2,000 2,000 1,500 1,500 土方
島根 2,000 1,600 600 500
岡山 2,500 2,000 1,300 1,100 土方
広島 1,250 950 750 620
山口 2,200 1,500 550 500
和歌山 1,500 1,500 850 850 土方
徳島 1,500 1,500 500 300
香川 1,060 590 440 290
愛媛 1,040 600 270 380
高知 1,500 1,000 600 500
福岡 2,700 2,100 500 400
大分 1,600 1,300 400 300
佐賀 2,650 1,715 1,075 1,065 坑夫
熊本 1,200 1,200 750 750 坑夫
宮崎 1,200 1,100 850 850 鉄道工夫
鹿児島 1,200 800 500 700
沖縄 1,500 800 800 800

業務に対する慣れ不慣れとか色々あるでしょうから、基本的には朝鮮人労働者数の多いところは賃金の格差もそれなりにありますね。
逆に、少ないところは基本的に同水準の傾向。
稀に朝鮮人の方が賃金多かったり。

これが、年を追う毎に新規朝鮮人労働者が増える訳ですから、平均値としての賃金は相対的に低下していくんじゃ無いんですかねぇ?


ってところで、「日本人労働者と朝鮮人労働者の争闘」はこれでお終い。



日本人労働者と朝鮮人労働者の争闘(一)


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今日から紹介する史料は、対して重要でも無いんですが、それなりに楽しめる史料。
というか、法規関係とか小難しい話より、見た目よっぽど分かりやすい史料かもしれません。

日本に渡航してきた朝鮮人労働者と日本人の衝突についてのお話になります。
と言っても、所謂「強制連行」の時期ではなく。
丁度、朝鮮人労働者が本格的に流入し始めた、大正中期のものです。

ってことで、早速アジア歴史資料センター『警保局長決裁書類・大正7年/日鮮人労働者争闘度数其他調査の件・庁府県(レファレンスコード:A05032243600)』から、1918年(大正7年)12月12日付『警発第301号 日鮮人労働者争闘度数其ノ他調査の件』。

警発第301号
大正7年12月12日

川村内務省警保局長

県知事殿

日鮮人労働者争闘度数其の他調査の件

本件に関し、曩に照会に対する御回報の分、別紙の通摘録候に付為御参考及送付候也。
ってことで、恐らく内務省から日本人・朝鮮人労働者間の争いについて各県に照会したんでしょう。
その回答を取りまとめたので、参考までに各県知事に送る、と。

それでは、その取りまとめた表を見ていきましょう。
一応、一覧表のうち記載事項のある道府県について、テキスト化を行ってみたいと思います。
ただ、一番上の県名の部分は、見えてる部分から類推。

まずは、1917年度(大正6年度)中の日鮮人労働者争闘度数表から。

道庁及
府県
争闘
度数
参加人員 争闘に依る死者 争闘に依る傷者 重なる原因
内地人 朝鮮人 内地人 朝鮮人 内地人 朝鮮人
北海道 11 425 848 6 11 言語不通
東京 4 6 69 3 鮮人の激情
京都 1 1 1 言語不通
兵庫 2 4 2 1 1 言語不通・鮮人を蔑視
長崎 6 9 11 2 3 鮮人を蔑視
千葉 1 6 36 1 鮮人を蔑視
栃木 1 1 1 1 鮮人の猜疑
愛知 1 1 1 1 鮮人を蔑視
静岡 1 15 5 2 言語不通・鮮人を蔑視
長野 4 3 68 3 言語不通・賃金契約
宮城 1 1 1 嫉妬
山形 2 7 33 1 1 1 3 酩酊・鮮人を蔑視
秋田 2 4 3 2 鮮人を蔑視
福井 1 1 1 酩酊
富山 1 1 2 1 内地人を脅迫
島根 1 30 62 2 3 酩酊・言語不通
岡山 1 2 2 言語不通・鮮人の猜疑心
広島 3 5 33 2 1 言語不通
福岡 12 69 69 9 13 言語不通・鮮人を蔑視
大分 9 8 83 1 2 嫉妬・酩酊
宮崎 1 3 1 酩酊・鮮人を蔑視
鹿児島 1 1 1 1 鮮人を蔑視
67 603 1,333 2 1 26 49

見てのとおり、北海道が非常に多く。
後から出てくるんですが、当時の朝鮮人労働者数は2位なんですが、それにしても割合として非常に多く。
一方で、10月22日のエントリーでもそうでしたが、この頃から既に朝鮮人労働者数第1位を誇る大阪は、1件も争闘が無いことになってるという。(笑)

他の項目については後に譲って、続いて同じく1918年度(大正7年)1月から7月までのの日鮮人労働者争闘度数表を。

道庁及
府県
争闘度数 参加人員 争闘に依る死者 争闘に依る傷者 重なる原因
内地人 朝鮮人 内地人 朝鮮人 内地人 朝鮮人
北海道 5 364 304 3 7 言語不通
京都 4 12 47 1 1 2 鮮人の激情
大阪 3 5 116 2 3 鮮人を蔑視
神奈川 1 2 10 1 言語不通
兵庫 13 57 158 1 5 10 言語不通・鮮人を排斥
長崎 8 32 149 8 3 鮮人を蔑視・酩酊
栃木 3 3 6 1 言語不通
奈良 1 1 1 1 酩酊
静岡 3 22 11 4 3 言語不通・鮮人を蔑視
長野 3 35 22 2 言語不通・鮮人を蔑視
福島 1 5 6 6 鮮人を蔑視
福井 1 1 11 1 1 酩酊
島根 3 21 60 3 9 酩酊
岡山 3 26 39 2 1 言語不通・鮮人を蔑視
広島 6 23 13 1 4 言語不通
山口 3 53 58 1 1 2 言語不通・鮮人を蔑視
和歌山 1 10 20 鮮人を蔑視
福岡 8 85 147 6 7 酩酊
大分 4 4 11 1 1 酩酊
74 761 1,189 2 3 39 61

やはりここでも北海道がダントツトップ。
というか、参加人員が多いだけで、発生度合いは中間という見方もできなくは無いですが・・・。(笑)
つうか、このまま推移していけば、トータルで前年(大正6年)の倍くらいになりそうだなぁ・・・。

というわけで、1年半分の争闘度数を見たわけですが、言語不通と朝鮮人蔑視が原因の双璧。
続いて酩酊ってところかな。
まぁ、酔っぱらって喧嘩ってのは、日本人・朝鮮人間に限る話でも無いですけどね。

で、1対1の喧嘩とか、或いは2~3人くらい参加者が増えたにしても、個人間の争いの傾向が強いと思われるわけで、問題となるのはやはり多人数間での争闘。
と、内務省が考えたのかどうかは知りませんが(笑)、特に30人以上が参加した争いに関して一覧が作られていますので、見てみましょう。
7画像目の「前表中参加人員30人以上の争闘度数及概況」より。

同庁及
府県
大正6年中 大正7年
自1月至7月
概況
北海道 4 2 言語不通、鮮人の懶■、鮮人の不平、鮮人の悪戯等より多衆争闘せり
東京 1 鮮人を殴打したるより、鮮人60名一斉に工事事務所へ押寄せたるもの
京都 1 鮮人の奸詐より、監督者との間に争闘を生じ、多数鮮人助勢したるもの
大阪 1 言語不通に因し争闘したるに、同夜多数鮮人復讎の為来襲したるもの
兵庫 4 酩酊、賃金差違、鮮人を排斥、言語不通等の為争闘を起したるもの
長崎 1 鮮人を罵倒殴打したるより、多数鮮人団結殺到したるもの
長野 1 1 言語不通、鮮人の反抗等の為、多数鮮人事務所へ押寄せたるもの
山形 1 内地人の酩酊暴行より、鮮人団結来襲争闘し、死者双方各一人を出したり
島根 1 1 鮮人間の口論を静止したる事務員に反抗し、及酩酊等の原因にて争闘したるもの
岡山 1 鮮人を侮蔑したるより争闘し、翌夜鮮人の一団復讎に来りたるもの。
内地人1名死亡す
山口 1 労働契約の相違より争闘したるもの
和歌山 1 鮮人を罵言したるより争闘したるもの
福岡 1 1 鮮人を罵詈、言語不通より、鮮人多数復讎せんとしたるもの
大分 1 鮮人の不平より争闘を惹起したるもの
10 15

まぁ、基本的には意思疎通が上手くいかない事や、文化の違いに起因するんでしょうし、個人の感情の問題もありますので一概には言えません。

( `H´)y-~~ 「お前、いい加減休んでないで働けよ!」
< `∀´> 「×××(そろそろ晩飯ニカ)?」
( `H´)y-~~ 「はぁ?日本語しゃべれアホンダラ!」
<;`∀´> 「×××(何か怒ってるニカ)?」

ボカッ

<#`Д´> 「×××(ウッ。殴ったね!)」
( ´H`)y-~~ 「殴って何故悪いか!貴様は良い。そうやって朝鮮語で喚いていれば気分も晴れるんだからな。」
<#`Д´> 「×××(ウリがそんなに安っぽい人間ですか。」

ボカッ

<#`Д´> 「×××(二度もぶった!アボジにもぶたれたことないのに!)」


・・・暴走して途中から話が変わりました。(笑)
が、こういうレベルのものから本当の差別意識に基づくものまで、色々あったんでしょう。
ということで、「鮮人間の口論を静止したる事務員」は取りあえず可哀想だな、と。(笑)

で、その後どうなったかというのが、9画像目の「日鮮人労働者争闘紛議発生後に於ける彼我感情の概況」になります。

道庁及
府県
北海道 時日の経過に従ひ、争闘前に比し却って両者親密の度を増したる模様なり
東京 一層鮮人の反抗心を強め、兎角感情融和せず
京都 漸次融和したるも、平素内地人の侮蔑に対し不平を抱けるものの如し
大阪 永久悪感を念頭に置く如きことなく、漸次融和するならむと認む
神奈川 感情融和せずして、動もすれば衝突を来すを持って、雇主に於て鮮人を解雇したるものあり
兵庫 双方共融和し、将来に禍根を貽すが如きことなし
長崎 爾来彼我円満にして、敢て反目嫉視するの模様なし
千葉 漸次国語に通ずるに至らば、氷解するものと認む
栃木 争闘後直に氷解し、何等隔意を存する如きことなし
奈良 其後、何等隔意なく交際し居れり
愛知 争闘せし鮮人は1名にして、其後鮮人を雇傭せず
静岡 目下彼我の間何等悪感を有するが如き事実なし
長野 彼我了解せしめたるより、反感を抱持するが如き形勢なし
宮城 爾後何等悪感を有せざるが如し
福島 鮮人等他へ転業し、又は逃走を企つる者多きに至れり
山形 日時の経過と共に漸次感情融和し、目下に於ては相互不穏の行動なし
秋田 忽ち融和し、争闘前に異ることなし
富山 争闘は誤解に出でたるものにして、彼我感情常に融和す
島根 一方は鮮人を解雇し、他は其後双方融和し、何等反目することなし
岡山 双方嫉視し居りたるも、漸次日を経るに随ひ融和し、隔意なく従事し居れり
広島 彼我感情の乖離せりと認むるものなし。然れ共、鮮人の僻見性と内地人の蔑視の為、真の融和は難し
山口 争闘後、鮮人全部退去せしも、比較的感情融和したるものの如し
和歌山 鮮人の内地語に熟するに従ひ、感情融和せるものの如し
福岡 近時鮮人は一の団体を作りて内地人に対抗し、相互の感情尚ほ緩和せざるものの如し
大分 鮮人疑心暗鬼を抱き、争闘後退去したるものあり
長崎 後日に於て相互の悪感情なし
鹿児島 其後和解したり
融和したるもの20  融和せざるもの8

まぁ、表向き融和しているように見えるってのもあるんでしょうけど、報告ですら融和していないとされるもののうち、解雇などで居なくなった県は兎も角、禍根が残ったままの東京や神奈川で、この5年後に関東大震災が起こるわけで。
反目の積み重ねって、あったんじゃないの?なんて思ったりするわけです。
これが、この史料で一番言いたかった事。(笑)


ってところで、今日はここまで。



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さて、アジア歴史資料センター『公文別録・内務省・大蔵省・陸軍省・海軍省・商工省・逓信省・大東亜省・昭和六年~昭和十八年・第一巻/朝鮮人移住対策ノ件(レファレンスコード:A03023591400)』も今日で最後。
今日は、前回の史料の最後の方で、「今回別紙の通各道に通牒し」とありましたが、その別紙に当たる部分。
警務局長、学務局長連名による、各道知事宛の1934年(昭和9年)3月5日『朝保秘第101号 内地渡航朝鮮人取締ニ関スル件』より。

朝保秘第101号
昭和9年3月5日

警務局長
学務局長

各道知事殿

内地渡航朝鮮人取締に関する件

首題の件に関しては、本府の方針に則り各道に於て夫々取締励行のことと思料せらるるも、朝鮮人の内地渡航者は依然益激増の傾向にあり、一面内地経済界の不況未だ回復せず、労働市場に於ける需要少き為、各地共多数の失業者を出しつつある状況なるを以て、渡航者の大部分を占むる労働者の多数は殆んど失業の境地に沈淪しつつありて、其の惨状、見るに忍びざるものあり。
而も、生活の窮迫は各種の弊害を醸成し、中には窃盗、詐欺、賭博等の常習者と化す者も尠からず、又留学生等に於ても経済的事情の為苦学生に転落する者多く、而も今日の状態に於ては、労働に依り学費を得ることは殆んど不可能なるを以て、自然左翼運動等に趨り、殊に其の一部は直接行動隊に利用せらるる状況にして、内地在住朝鮮人一般の信用を著しく失墜しつつあり。
最近に於ては、内地人の対朝鮮人感情甚しく悪化し、一度事件発生せんが、往年の大震災当時の情況に立至るやも計り難く、内鮮融和上、将又朝鮮統治上、洵に憂慮に堪へざるものあり。
之が対策固より一ならずと雖も、朝鮮人の内地渡航を一層制限するは、目下の緊要事と思料せらるるを以て、此の際各道に於ては、当局相互連絡し、内地在留朝鮮人労働者及学生の生活状況を一般に周知徹底せしむる一方、北鮮地方には労働力不足し相当需要あるを紹介し、極力漫然渡航者を諭止中止せしむると共に、其の結果必然的に増加を見るべき所謂密航者の取締も一層励行相成りたく。
尚、本件取締に対しては、朝鮮人側に於て常に反対し来りたること夙に御了知の通なるが、殊に最近内鮮差別撤廃の声高き折柄、本件取締の実施に当りては、其の趣旨を懇切理解せしむることに努め、徒らに民心を刺戟し、反感を招くが如きことなき様、特に留意相成りたし。

追而
本件に関し、従来「渡航阻止」なる語を使用せるが、本件取締の趣旨に鑑み、妥当ならざる嫌あるを以て、自今「渡航諭止」なる語を以て処理することに致度に付、御了知相りたし。
内地渡航朝鮮人の取締りについては、朝鮮総督府の方針に従って各道でそれぞれ取締りに励んでいると思うんだけど、朝鮮人の内地渡航者は益々激増の傾向にある。
しかし、朝鮮人内地の経済状態はまだ回復しておらず、渡航者の多数を占める労働者の多数は失業しており、その惨状は見るに忍びない。

つうか、前回の「所謂失業者と称せられつつある朝鮮人の大部分は、真剣に職を求めて得られざるに非ず」とか、性がプータローとかはどこに行った?(笑)
鮮内向けには言えないのか、日本向けの方が政策の実施を求めるための方便なのか、どっちかなぁ・・・。
個人的には、漫然渡航を差し止めるために、失業問題について強めに言ってるって方が正しい気はしますが。

で、生活の窮迫は各種の弊害を醸成し、中には窃盗や詐欺・賭博等の常習者となる者も少なくない。
また、留学生等でも経済的事情で苦学生になる者が多く、しかも現在の状態では労働して学費を得ることは殆ど不可能なため、自然と左翼運動等に走り、特にその一部は直接行動対に利用されているような状況で、内地在住朝鮮人一般の信用を著しく失墜しつつある、と。
んー、何となくデジャヴ。(笑)

って事で、内地人の対朝鮮人感情は非常に悪化し、一回何か事件が起きれば、往年の関東大震災当時の情況になるかも知れず、内鮮融和上も朝鮮統治上も誠に憂慮に堪えないものがある。
日本人は、我慢の閾値を超えると、それまでと豹変する癖がありますからねぇ。(笑)

この対策はもとから一つではないけど、朝鮮人の内地渡航を一層制限するのは目下緊要な事と思われるため、この際各道では当局と相互連絡して、内地在留の朝鮮人労働者や学生の生活状況を一般に周知徹底させる一方、北鮮地方では労働力が不足しており、相当需要があることを紹介して、極力漫然渡航者を説得して中止させ、その結果として必然的に増加するだろう所謂密航者の取締りも一層励んでもらいたい。
やっぱ、北鮮地方では労働需要あるみたいだなぁ。
つうか、朝鮮北部の工業化って、結構色々な事情がありそうな気がしてきた。(笑)

尚、漫然渡航の取締りについては、朝鮮人側で常に反対してきたことは既に知ってると思うけど、最近特に内鮮差別撤廃の声も高くなってる事だし、取締りの実施についてはその趣旨を懇切に理解させるよう努力し、徒に民心を刺激したり反感を招くような事がないように留意してくれ、と。
勿論、ここで言う差別撤廃は、法的な同等性。
選挙権や渡航制限解除のような良い方の話ばかりではなく、徴兵なんかも含めての同等性ね。
今みたく、外国人なのに法的同等性を要求して、受け入れられなければ「差別ニダ!< ;`Д´>」と叫ぶのとは、かなり事情が違う。(笑)

で、追伸として従来は「渡航阻止」という言葉を使ってきたけど、本件の取締りの趣旨に鑑みて不適当とも思われるので、今後は「渡航諭止」という言葉で処理するので、ヨロ、と。
ここで言う「渡航阻止」は、勿論「漫然渡航の阻止」でしょうね。
まぁ、それでも止められない流れのようですが。(笑)


ってことで、ちょっと早めですが、「朝鮮人移住対策の件」についてはこれでお終い。



朝鮮人移住対策の件(一)
朝鮮人移住対策の件(二)
朝鮮人移住対策の件(三)
朝鮮人移住対策の件(四)
朝鮮人移住対策の件(五)
朝鮮人移住対策の件(六)
朝鮮人移住対策の件(七)


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今日まで取り上げてきたアジア歴史資料センター『公文別録・内務省・大蔵省・陸軍省・海軍省・商工省・逓信省・大東亜省・昭和六年~昭和十八年・第一巻/朝鮮人移住対策ノ件(レファレンスコード:A03023591400)』については、もう終わっちゃっても良い気がするんですが、朝鮮総督府側の考えを垣間見られる史料が続いておりますので、一応見ておこうかと。
ってなわけで早速。

35画像目からですね。
この当時、朝鮮総督府警務局長だった池田清から、社会局長官丹羽七郎への1934年(昭和9年)3月20日付けの書翰より。

朝鮮総督府警務局長よりの来翰

謹啓時下愈御清祥の段奉慶賀候。
陳者内地在留朝鮮人問題に関しては、従来格別の御配慮を煩居候処、先般本官東上の際見聞したる状況及今回当局員をして大阪、兵庫、山口、福岡の各府県に亘り視察せしめたる所に徴し、爰に忌憚なき感想を申し上ぐると共に、本問題に関し一層貴官の御援助を仰がむとする次第に御座候。
先づ内地在留朝鮮人の生活状況を実地に視察したる所に依れば、今日東京■大阪等に於て所謂失業者と称せられつつある朝鮮人の大部分は、真剣に職を求めて得られざるに非ずして、朝鮮人固有の遊惰なる生活を其儘内地に延長しつつあるものにして、元来彼等は朝鮮時代の秕政の影響を受け、遊惰其の性となり、好んで遊食し、我我内地人より誠に悲惨なる生活と思料せらるる状態にも、些かも苦痛を感ぜざるものの如くに御座候。
而して、全般的には内地は鮮内に比し労銀は割高にして、又求職に容易なる為、真面目に労働する者は鮮内より常に遙に潤沢なる生活を為し得る状態に有之。
是当方に於て所謂漫然渡航者を厳に取締りつつあるに不拘、猶且渡航者の増加を見つつある最大の原因なりと被存候。
然るに、彼等の生活が上述の如く鮮内よりも余程好条件に恵まるるに拘らず、借家問題、衛生、風俗問題を中心として内地人の不人気を買ひ、或は非難せられつつある事に付ては、更に考究を要すべきものありと被存候。
由来朝鮮人は、恩に馴れ易き一面を有し、之が増長して専恣の行動多きに至るは、其の民族性とも謂ふべきものに御座候処、偶々彼等が内地官民より新附同胞なるの故を以て多少寛容に遇せらるると、尚所謂出稼人根性に支配せらるるあり。
茲に右の如き問題を発生する謂ふも、敢て過言にと存候。
御承知の如く、借家問題は東京、大阪地方に於ては既に悪化せるが、当局員が神戸及下関にて朝鮮人に多数の貸家を有する家主に付調査したる所によるも、両地亦最近頓に悪化し、中には家賃滞納勧誘宣伝するが如き不良分子も尠からずとて、何れも之が成行に対し極度に憂慮せられつつあるが、一面彼等朝鮮人の実情を見るに、通常5、6円の家賃を以て2、3戸共同生活を為すを以て、一戸当りの家賃は彼等の一両日分の労賃に相当し、之が支払不能なる理由は毫も存せず。
現に、家賃滞納者にして毎月郷里に5円乃至10円の送金を為しつつあるものも相当有之状況なるを以て、問題は前述の如き民族性の弱点と及出稼人根性に職由せる一種の悪風の流行と断じ得べく、更に衛生風俗の問題も謂はば山出しの彼等が周囲の寛容に狎れて、渡航後も郷里の風習其儘なる生活を為す為、周囲と調和せず、延いて兎角の非難を聞くに至るものと存候。
而して之が対策に付、敢て卑見を申上ぐれば、借家問題の解決には朝鮮人密集地帯に専務刑事巡査を配置し、常に家賃滞納者各個に付滞納理由、収入状況等を調査し、不心得者に戒飭を加ふると共に、苟も不良分子の介入し不法不当の奸悪手段行はるるが如き場合は徹底的に摘発膺懲し、以て家賃滞納を永続するは結局不利なることを彼等に感得せしめ、一面に於ては、善良なる者に対し住宅難緩和策を講じ、彼等をして朝鮮人なるが故の差別待遇を受くるものとの誤解を生ぜしめざる用意必要かと存じ候。
衛生問題に付ても、署に衛生係専務外勤者を置き、専ら之が指導取締に当らしめ、其の他在留朝鮮人の指導教化方面に関しては、関係施設の統制乃至拡張、殊に朝鮮人密集地に朝鮮人専門の方面委員を任命すること極めて有効なるべく、又モルヒネ中毒患者の取締等をも大いに考慮を要するものありと存候。
尚之等朝鮮人問題に対する対策に付ては、彼等の流動性又は問題の普及性に鑑み、可及的に各府県が同一歩調を採り問題の悪化を防止し、既に瀰漫せる悪風の根絶を期するの方針を樹立せらるることが、最も■■と被存候。
尚、之と共に朝鮮に於ても漫然と内地に渡航する者の取締を一層厳にするの必要なるは謂ふまでもなき所なるを以て、今回別紙の通各道に通牒し、今後一層厳重に漫然渡航者取締を励行することと致し候。
今や内地在留朝鮮人問題は、現下の情勢にては悪化の一途を辿り、延ひては朝鮮人の信用を低下せしめ、内鮮融和を阻害するの結果を招来しつつある折柄、特に貴官の御配慮を切望して止まぬ次第に御座候。
先づは貴意を得度如斯くに御座候。
敬具

昭和9年3月20日
池田清
丹羽社会局長官殿
久しぶりに長い!(笑)

まず、朝鮮人失業者の大部分は真剣に就職しようとしてできないのではなく、朝鮮人固有の遊惰な(仕事をせずにブラブラする)生活を、そのまま内地に延長しつつあるもので、元々彼等は李朝時代の秕政の影響によって遊惰な性質となり、好んで遊食し、日本人より遙かに悲惨な生活と思われる状態にも、少しも苦痛を感じないらしい状態だった。
要するに、プータローで遊びくらして、日本人から見たら凄ぇ悲惨だと思う生活でも満足してるらしい、と。
つうか、性がプータローって。(笑)

まぁ、李氏朝鮮時代の外国人の記録なんかを見ても分かってる話ではありますが、併合から24年もたった1934年(昭和9年)になっても変わらんのかねぇ。

でも、全般的に内地は朝鮮より賃金が割高で、就職も容易な事から、真面目に働く者は朝鮮より常に遙かに上の生活水準を保てる状態であり、これが所謂漫然渡航者を厳しく取締ってるのに、なおかつ渡航者が増加傾向にある最大の原因と思われる、と。
この「漫然渡航者」てのは、就職先も決まってないし、住むところも決めてないけど、内地に行きさえすれば何とかなると思って渡航する人達のことですね。
つうか、真面目に働けよ。(笑)

しかし、朝鮮よりよっぽど好条件なのに、借家問題や衛生・風俗問題を中心に日本人に不人気だったり非難されつつある事は、更に深く考えなければ駄目だ、と。
嫌韓流ですね。(笑)

元来朝鮮人は恩に馴れやすい一面を持ち、これが増長してわがままな行動が多くなるのは、その民族性とも言うべきものであり、たまたま彼等が内地の官民から新しく同胞になったからと、多少寛容に接してもらったのと、所謂出稼人根性によるものがある。
これが諸問題を発生させると言っても過言ではないだろう、と。
出稼人根性ってのは、勿論「どうせ郷里に戻るしぃ~」みたいな心理を指してるのでしょう。
小さいところでは冷蔵庫のものを勝手に持ってくとか、大きいところだと無年金問題とか、現代にも通じる所謂「ウリとナム」から来る問題点が基調になっているものと思われ。

で、借家問題については既に東京・大阪などで悪化しているけど、総督府の警務局員が神戸や下関で多数の朝鮮人に家を貸してる家主について調査した所でも、神戸や下関でも最近非常に悪化してきており、中には家賃滞納を勧誘宣伝するような不良分子も少なくないと、みんなその成り行きを極度に憂慮している有様。
つうか、これは独立闘士の陰謀?(笑)

ところが、朝鮮人の実情を見ると、通常5~6円の家賃で2~3戸が共同生活しているため、1戸当たりの家賃は彼等の1日分の労賃程度であり、この支払いができない理由は少しも無い。
現に、家賃滞納者でも毎月郷里に5~10円の仕送りをしている場合も結構あり、問題は前述のような民族性と出稼人根性による一種の悪風の流行と断じる事ができ、更に衛生・風俗問題も、田舎者の彼等が渡航後も郷里の風習そのままで生活しているため周囲と調和せず、それが非難されがちになるものと思われ、と。
現代日本でも、支払能力があるのに給食費滞納やら医療費滞納やら、笑えない事態が起こってますな。
( ´H`)y-~~

で、対策については、借家問題の解決には、朝鮮人密集地帯に専任の刑事巡査を配置して、常に家賃滞納者各個について滞納理由や収入状況を調査し、不心得者には注意し、不良分子が介入して不法・不当な行為が行われているような場合には、徹底的に摘発して懲らしめ、それによって家賃滞納を続けるのは結局不利なんだと分からせる一方、善良な者に対しては住宅難緩和策を講じ、彼等に朝鮮人だから差別待遇を受けているとの誤解を与えない容易も必要だと思う。
気ぃ使いすぎwww

衛生問題についても、署に衛生係として専任の外勤者を置いて専らその指導取締りに当たらせ、その他の在留朝鮮人の指導教化関係については、関係施設の統制や拡張を行い、特に朝鮮人密集地に朝鮮人専門の方面委員を任命する事が極めて有効であり、また、モルヒネ中毒患者の取締り等についても考慮する必要がある、と。
渡航後も郷里の風習そのままで生活>日本では問題化しているので改善策>皇民化政策ですね。(笑)

これら朝鮮人問題への対策については、朝鮮人の流動性や問題の普及性に鑑みて、できるだけ各府県が同一歩調をとって問題の悪化を防止し、既に蔓延っている悪風の根絶を期す方針を立てる事が最も必要だ、と。
総督府でも、漫然と内地に渡航する者の取締りを一層厳しくする必要がある事は言うまでもないため、今回各道に別紙のとおり通牒して、今後一層厳重に漫然渡航者の取締りに励むようにした。
えーっと、朝鮮でも漫然渡航者取り締まるから、内地の方の政策もよろしくっていう、バーターですか?(笑)

今や内地在留朝鮮人問題は、現状悪化の一途を辿り、ひいては朝鮮人の信用を低下させ、内鮮融和を阻害する結果を招きつつある時なので、時に丹羽社会局長の御配慮を切望して止みません、と。
つうか、「招来しつつある折柄」で済まないんじゃね?(笑)

ってことで、最後まで読んで思ったんですが・・・。

失業者問題については、「所謂失業者と称せられつつある朝鮮人の大部分は、真剣に職を求めて得られざるに非ず」で終わりかい!(笑)


今日はここまで。
次回で「朝鮮人移住対策の件」はお終い。



朝鮮人移住対策の件(一)
朝鮮人移住対策の件(二)
朝鮮人移住対策の件(三)
朝鮮人移住対策の件(四)
朝鮮人移住対策の件(五)
朝鮮人移住対策の件(六)



いつの間にか、”http://dreamtale.ameblo.jp/”じゃリンク飛べなくなってるし。
リンク全部”http://ameblo.jp/dreamtale/”に書き直さないと駄目って・・・。
_| ̄|○

さて今日は、10月16日のエントリーでちょっと触れた社還米制度についての解説部分。
アジア歴史資料センター『公文別録・内務省・大蔵省・陸軍省・海軍省・商工省・逓信省・大東亜省・昭和六年~昭和十八年・第一巻/朝鮮人移住対策ノ件(レファレンスコード:A03023591400)』の、32画像目からの部分ですね。

まぁ、社還米制度の詳しい解説は、同じくアジア歴史資料センターの『旧慣制度調査書-社還米制度(レファレンスコード:A06032005400)』の方を見て貰った方が良いと思いますが、取りあえずは『朝鮮人移住対策ノ件』の方で話を進めていきたいと思います。
では、32画像目から。

「社還米制度」に就て

朝鮮に於ける社還米制度は、李朝の初期支那より伝はりたる備荒救歉の施設として、官費又は部落民共同の費用を以て創められたるものにして、其の制度の概要は、里民凡そ100戸を以て1社とし、社民は毎年応分の穀物を醵出し、春季其の醵出穀物の半分の還付を受け、残り半分は社倉に貯蔵し、社内貧民に低利を以て貸付けたるものなるが、李太王31年(明治37年)本制度の鞏固を図り社還条例を発布せるも、往々不正官吏の私腹を肥す具となり効果挙らざりし処、偶々隆熙の政変に因り、本施設は中絶するに至れり。
然るに、元来朝鮮人は貯蓄心に乏しく、且小農の農家経済の疲弊は著しきものあり。
故に春窮期(2、3月頃より麦の収穫迄の食物不足期)に於ては、小農は已むなく地主より米麦を借入れ、収穫時に於て借入穀物1斗に対し1斗5升乃至2斗を支払ふ有様なるを以て益々困窮する状態に鑑み、朝鮮総督府は昭和8年度以来本制度を復活し、別紙要領により毎年46万石の貸付を為す計画なり。
要するに、穀物を貯蔵して翌年の春に半分を(恐らく種まき用に)還付し、残り半分は貧民に低利で貸し付けする制度だった、と。
自家採種よりは良い結果になる予感。(笑)

で、この制度を強固にするために社還条例が出されたものの、不正官吏の私腹を肥やす道具となっただけで効果が挙がらない。
そこへ、「隆熙の政変」によって社還制度は杜絶。
つうか、「隆熙の政変」って第三次日韓協約とかあの辺?
じゃあ、1909年(隆熙3年)4月の内部大臣及度支部大臣訓令号外『社還条例施行に関する件』とか、併合時の特別減免措置って何やねん、と。(笑)

で、元々朝鮮人は貯蓄心に乏しい上に、小農の農業経済疲弊は著しく、春窮期に地主から米や麦を借りる。
50~100%の利息。
高ぇ。(笑)

で、昭和8年にこの社還米制度を復活し、別紙のとおり毎年46万石の貸し付けを行う計画、と。
では、続いてその別紙要領を。

道費に依る米穀の貸付要綱

一.趣旨
一定時期に道費に於て米穀を買取り、春窮期に小農に対し食糧として貸付を為し、秋収期に利子を附し現品にて回収するものとす。

二.事業主体
道費より資金■借り受け、邑、面の事業とす。

三.借受人
 (一) 小農たること
 (二) 勤勉にして償還の可能性あるものたること

四.買取の時期
可成秋収期■出廻旺盛期に籾の買取を為すこと。

五.貸付迄の保管方法
購入籾は、可成売却者の倉庫若くは邑面の倉庫、其他費用を要せざる方法に依り保管を為すこと。

六.貸付時期
春窮に於て貸付を為すこと。

七.回収期
12月末迄に籾(現品の利子を附し)回収を為すこと。

八.回収籾の保管方法
最寄の経費を要せざる倉庫に、又は野積保管を為すこと。

九.貸付利子
貸付期間に対し、大体月1分5厘の割合にて現品利子を徴すること。

一〇.道費の借入金
 (一) 銀行、金融組合等より借入を為すこと
 (二) 利子は可成低利に借入れること

一一.借入金に対する利子補給
借入■に対し、年利4分の割合を以て国費より利子の補給を為すこと。

一二.回収の余剰処分
回収に依り現品利子が借入金の利子及欠損を差引き、尚余剰ありたる場合は、欠損の補填として貯蓄をなすこと。
春窮期の食糧として、か。
種籾としてでは無いんだねぇ・・・。
で、秋の収穫期に現物で回収、と。

事業主体は邑・面。
だから中々日本側の史料に出てこないのかもなぁ。
早く総督府文書返せ。(笑)

借りることができるのは、小農であり、勤勉で償還する可能性があるもの。
返せそうなヤツ。(笑)

貸すための籾は秋の収穫期に買い取り、なるべく売却者の倉庫や邑・面の倉庫などの、お金がかからない方法で保管。
勿論、貸し付けは春窮の時。
12月末迄に、月1.5%の利子付きで現物回収。
回収した籾は、最寄りのの経費が要らない倉庫か、野積み保管。
一応、次の春窮に使うのかな?
つうか、野積みって。(笑)

で、道費での借入金は、銀行や金融組合から借り入れし、なるべく低利息で借りること。
その借入金に対しては、年利4%で国費から利子を補給する。
この頃の銀行とかの利息って、結構高いんじゃないのかなぁ・・・。

最後に、貸し付け回収の余剰分については、借入金の利子や欠損分を差し引いて、さらに余剰がある場合には欠損の補填用に貯蓄すること、と。
まぁ、いくら返せそうなヤツに貸すって言っても、返せない場合は多いでしょうから、その補填用に基金じゃないけど積み立てとけってことですね。

つうか、朝鮮の農民ってマジで種籾まで喰っちゃうわけで。
春窮期の食糧として貸し付けても、どっちにしろ全部喰っちゃう予感。(笑)
自分でちゃんと確保してれば良いんだけどねぇ・・・。


今日はここまで。



朝鮮人移住対策の件(一)
朝鮮人移住対策の件(二)
朝鮮人移住対策の件(三)
朝鮮人移住対策の件(四)
朝鮮人移住対策の件(五)



さて、前回まででアジア歴史資料センター『公文別録・内務省・大蔵省・陸軍省・海軍省・商工省・逓信省・大東亜省・昭和六年~昭和十八年・第一巻/朝鮮人移住対策ノ件(レファレンスコード:A03023591400)』の主要な部分は終わったわけですが、今回からは参考として添付されている感じの、各種資料の方も見ていきたいな、と。
まぁ、蛇足な気がしないでもないですが。(笑)
一応、画像としてあげておきますが、見づらいと思ったらアジ歴で該当画像をどうぞ。

それではまず、19~20画像目の「朝鮮各道別人口密度」から見てみましょう。

朝鮮各道別人口密度(クリックで拡大)

「昭和6年末」という事らしいですが、当該年の『朝鮮総督府統計年報』が見あたらないので未照合。
ただ、その他の年の統計を見ても、傾向としては似たような推移を示しています。
京畿道、忠清南道、全羅南道、全羅北道、慶尚南道が多く、忠清北道、慶尚北道、黄海道、平安南道がこれに次ぎ、平安北道、江原道、咸鏡南道、咸鏡北道はかなり低い数になっていますね。

この辺が、北鮮移民の奨励される所以なんでしょうけど、主産業が農業である以上、農業しやすい地方に集中するのはしょうが無いとは思うんだけどねぇ。

続いて、21画像目の「内地在住朝鮮人各年別数調」。

内地在住朝鮮人各年別数調 (クリックで拡大)

急激に伸びる年と鈍化する年があります。
渡航抑制策によって伸びが鈍化したのか、逆に景気動向によって急増しているだけなのかは分かりませんね。
ただ、継続的に伸びが見られる事から、恐らくは景気の動向の影響の方が強いんじゃないかとは思いますけどね。

次は、22~23画像目の「内地在住朝鮮人府県別人員調」。

内地在住朝鮮人府県別人員調 (クリックで拡大)

内地在住の全朝鮮人のうち、約1/3を占める140,277人が大阪在住。
大阪と、東京・愛知・京都・兵庫のベストファイブで277,437人。
約60%ということになります。
で、我が青森県は・・・下から3番目の376人。
テラスクナスwww

続いて23画像目の「内地在住朝鮮人戸数及人員調」。

内地在住朝鮮人戸数及人員調 (クリックで拡大)

文字の擦れ等で良く見えませんが、24画像目を見るに、上から順に「一戸を構へ居住する者」「一戸を構へざるも90日以上同一市町村に居住するもの」「その他」で、一番下が「合計」となっていると思われます。

昭和8年12月の時点で、大体2/3くらいが一戸を構えて居住している形。
一戸を構えていなくても、3ヶ月以上定住している人と合わせると、90%近くが定住傾向。
いや、3ヶ月居るだけで定住傾向と言って良いかは分かりませんが。
つうか、10%が3ヶ月すら定住せずにプラプラしてる方が問題なのか?(笑)

次に、24画像目~25画像目の「月別内地入国朝鮮人数」、「月別内地出国朝鮮人数」、「鮮人入国出国者超過数調」をまとめて見ていきましょう。

月別内地入国朝鮮人数
月別内地出国朝鮮人数
鮮人入国出国者超過数調
 (各クリックで拡大)

一見して分かるとおり、田植え終わったから来たとか、収穫終わったから来たとかいうよりは、それと関係ない月の出入国数の方が目立ちますね。
これは、恐らく旧正月に関係していると思われます。
12月~1月にドカッと朝鮮に帰り、2月~3月に旧正月等を終えて日本に来る、みたいな。
これに関しては、1924年(大正13年)に大阪市社会部調査課による『労働調査報告 第28号』でも同様の分析をしていますね。

まぁ、就職先さえ確保していれば、割と出入り自由だったりするわけで。
つうか、それ以前にそんなに休めて羨ましくて。(笑)

次が、26~27画像目の「内地在住朝鮮人職業別調」です。

内地在住朝鮮人職業別調 (クリックで拡大)

これまた非常に見づらいんですが、乞う御容赦。
まぁ、流石に年によって結構増減があったりするんですが、自由労働者と職工が非常に数が多く、炭坑夫ってのは思ったより少ない。
で、昭和3年くらいから急激に無職が増え、最終的には自由労働者数をも逆転しています。

ただ、合計人数が先ほどの23画像目の「内地在住朝鮮人戸数及人員調」の合計人数と同数になっていることから、妻や子供などの扶養家族も対象(無職にカウント)としている模様。
恐らく、次の失業者数と無職者数が合わないのは、そういう理由からでしょう。

ということは、昭和3年くらいから失業による無職者数の増加と共に、家族を内地に呼び寄せる、あるいは一家で渡航してくるというパターンが増えてきたんじゃないかな?と予想。

で、続いてその27~28画像目の「失業状況(推定)月報中の朝鮮人数」。

失業状況(推定)月報中の朝鮮人数 (クリックで拡大)

総務省統計局の労働力調査によれば、平成19年8月の完全失業者で249万人だそうで。
就労可能人口とか、一次産業従事者数とか、単純に人口比では考えられないんでしょうが、それでも「ウワッ!多い!」とビックリするような数でも無いような・・・。

次の28~29画像目の府県別の失業者数は、数字自体も見づらいですし、それほど重要なわけでもないので割愛。
ただ、在住朝鮮人数の多さに比べて、朝鮮人失業者の数はそれほどでも無い大阪。
そりゃ集まりますわね。( ´H`)y-~~
そして、青森にいる376人は全員職にありついてるらしい。(笑)

29~30画像目が、「失業応急事業等に使用の労働手帳受有者中朝鮮人数調」。
30~31画像目は、昭和9年5月末時点の府県別の労働手帳受有者数。
ただ、府県別の方は、先ほどの府県別の失業者数同様に割愛したいと思います。

失業応急事業等に使用の労働手帳受有者中朝鮮人数調 (クリックで拡大)

「失業応急事業等に使用の労働手帳」については今のところ詳細不明。

ただ、失業対策について、1925年(大正14年)くらいから日雇労働者に対する失業救済事業についての登録制度がありました。
最初は、東京・大阪等の大都市部に限って行われた制度で、各職業紹介所で予め失業救済事業への就職希望者を登録して、失業対策事業に使用するといったものでした。
恐らく「失業応急事業等に使用の労働手帳」ってのは、それが全国に対象範囲を広げたものではないかと予想。

で、先ほどの「失業状況(推定)月報中の朝鮮人数」による朝鮮人失業者数の約半分が、当該労働手帳をもらってる形ですね。
総数から朝鮮人失業者を差し引くと、失業者中30%程度が労働手帳受有者という事になります。

ちなみに、割愛した府県別の手帳受有者をみると、青森では失業者の60%超が労働手帳受有者であり、かなり優遇されてますね。ホルホルホル (笑)


ってところで、今日はここまで。



朝鮮人移住対策の件(一)
朝鮮人移住対策の件(二)
朝鮮人移住対策の件(三)
朝鮮人移住対策の件(四)



史料で、区切りの良いところを主眼にすると、妙に長い回と妙に短い回になる事って、結構あります。
今のところは、どうせ二回に分かれるんだったら分量的に同じくらいの所が良いだろうと思って、多少強引に分割して書いてみてますが、長短があっても区切れが良いところで区切った方が分かりやすくて良いかもしれません。
ちょっと検討中。

ってことで、前回は『朝鮮人移住対策ノ件』の説明中、「別紙」にあたる朝鮮人内地移住対策について参考までに取り上げ、「一.朝鮮人の内地渡航を一層減少すること」の途中までで終わりました。
今日は、その続きから。
アジア歴史資料センター『公文別録・内務省・大蔵省・陸軍省・海軍省・商工省・逓信省・大東亜省・昭和六年~昭和十八年・第一巻/朝鮮人移住対策ノ件(レファレンスコード:A03023591400)』から、1934年(昭和9年)10月30日の閣議決定『朝鮮人移住対策ノ件』より。

4.密航の取締を一層厳重にすること。
渡航減少策の強化は、必然的に密航者の増加を来すべきに依り、其の取締を厳重ならしむる要あり。
だから、「密航」って何?と。(笑)
まぁ、ここまで見てうっすらとは分かるんですがね。

渡航の減少に向けた政策を取れば、当然密航者が増加すると考えられるので、その取締りを厳重にする必要がある、と。
でも、送還するだけで罰則規定は無いんだろうなぁ・・・。
( ´H`)y-~~

5.内地に在りては、朝鮮人の内地渡航に付左の措置を採るべきこと。

(イ) 朝鮮警察官憲より内地渡航希望者に関する照会ありたるときは、内地警察官憲は速に調査の上回答を為すこと
(ロ) 内地に於ける雇傭者が、朝鮮より新に人を求むるものなる場合、雇傭者を諭示して内地在住朝鮮人又は内地人を雇傭せしむる様勧告すること
(ハ) 密航者の朝鮮送還に付、出来得る限り人心を刺戟せざる方法を以てすること
さて、これまでの4つは、主として朝鮮における対策だったわけですが、今度は内地での対応。
一つ目は、「奥書紹介」に関する照会があった場合、内地の警察官憲は速やかに調査して回答すること、と。
んー、やっぱり正規就労の場合は可とするしか無いんだろうねぇ。

二つ目は、密航者を送還する場合には、できる限り人心を刺激しないような方法をとること、と。
何故でしょうねぇ?
一罰百戒の効果を狙って、酷い有様にしてやれば良いのに。(笑)
まぁ、外地であっても「同胞」「内鮮融和」「同化」「処遇改善」といった前提があるわけで、内地への密航だけを以て厳罰に処するようなやり方は、政治上宜しくないってことでしょうかね?

6.本問題に関する内地及朝鮮の警察官の認識を深むる措置を講ずること。
素直に見れば、基本的に失業問題なので警察官の認識が浅いということなのでしょうが、逆に「奥書紹介」の関係で便宜を図って見返りもらってる警察官がいたりするんじゃないかと思ったり。(笑)
いずれにしても、警察官の認識を深める措置を講じること、と。

二.内地に於ける朝鮮人の指導向上及其の内地融和を図ること。

1.朝鮮人保護団体の統一強化を図ると共に、国、公共団体に於て其の指導奨励監督の方法を講ずること。

2.朝鮮人密集地帯の保安衛生其の他生活状態の改善向上を図ること。

3.朝鮮人を指導教化して内地に同化せしむること。
之が為、朝鮮人密集地帯を担当する方面委員等をして、朝鮮人問題に対する理解を深めしむると共に、内鮮融和の為の諸団体の活動を促すこと。
この辺は、10月17日のエントリーと殆ど変わらないので、華麗にスルー。(笑)

4.失業疾病等の為帰鮮せんとする者にして、旅費を有せざる者に対しては、事情を酙酌し、帰還旅費の支給、鉄道運賃の減免等の方法を講ずること。
失業や病気等で朝鮮に帰りたいのに旅費を持って無い者に対しては、事情を斟酌して帰りの旅費支給や鉄道運賃の減免等の方法を講じること、と。
つうか、現代日本の行旅人の援助制度よりも優遇されてるし。(笑)

5.モルヒネ販売の取締を一層厳重にすると共に、モルヒネ患者に対する保護施設の設置を奨励すること。
朝鮮人に対する指導向上と内地融和のために、モルヒネ販売の取締りの厳重化ねぇ・・・。(笑)
で、モルヒネ中毒患者に対する保護施設の設置奨励、と。
先ほどの4番と共に、閣議決定の文面には無かった話ですね。

三.朝鮮人を満州及北鮮に移住せしむる措置を講ずること。

1.農業移民を奨励すること。

(イ) 満州に対する農業移民を奨励し、殊に人口稠密なる南鮮地方の農民を満洲及北鮮に移住せしむること
(ロ) 前記移民の保護助成に付、適当なる施設を講ずること
2.労働者の移民を促進すること。

(イ) 満州、殊に東部地方に於ける各種土木事業に、一定数の朝鮮人労働者を使用せしむる方途を講ずること
(ロ) 北鮮開拓に伴ふ各種土木事業に従事する労働者は、主として南鮮に於ける農民中より之を供給するの方途を講ずること
(ハ) 労働者を移動する場合には、朝鮮総督府に於て之が統制を為すこと
(ニ) 移動に方りては、朝鮮総督府に於て適当なる助成の方途を講ずること
ここも全体として10月17日のエントリーと同様なので、このままスルー。

四.朝鮮内に於て朝鮮人を安住せしむる措置を講ずること。

1.農村振興及自力更生の運動を一層強化徹底すること。

2.春窮期に於て、窮民の救済を積極的に行ふこと。

(イ) 朝鮮総督府に於て、春窮期に於ける窮民に対し、社還米制度の普及其の他一層有効なる救済の方途を講ずること
(ロ) 春窮期に土木事業其の他の授職事業を実施すること
3.北鮮開拓鉄道敷設計画の実施を促進すること。

4.窮民救済事業を引続き施行し、且之が施行に方りては、救済の効果を一層挙げしむる様措置すること。

(イ) 南鮮地方に於ては、可及的労力費多き砂防事業を施行すること
(ロ) 直営施行を主とすること
1番から3番までは、10月16日のエントリーとほぼ同じですね。

で、4番目が窮民救済事業の実施について。
一つめが、朝鮮南部では出来る限り労力費の多い砂防事業を行う事。
確かに人手はかかりそうだよなぁ・・・。
つうか、なんで道路改修とか河川改修じゃなくて、砂防なんだろ?
期間の問題かな?

で、二つめは直営による施行を主体にすること、と。
基本はやっぱり入札等による公共事業工事なんでしょうが、窮民救済を目的とする場合、事業主の取り分が無い方が良いって事でしょうね。

五.本件施行に方り必要なる経費は、政府に於て特に考慮すること。
最後はやっぱり経費について。
予算無いとできないもんねぇ・・・。

ってことで、1934年(昭和9年)10月30日の閣議決定『朝鮮人移住対策ノ件』については、就職先の確定している朝鮮人以外は渡航が難しそうではありますので、「渡航制限」と呼んでも良い気はします。
最も、密航しても送還だけということであれば、効果も薄い気はするのですが。


今日はここまで。



朝鮮人移住対策の件(一)
朝鮮人移住対策の件(二)
朝鮮人移住対策の件(三)



さて、前回までで『朝鮮人移住対策』の方策4点についてが終わりました。
だから、伊藤博文が言ったように保護国のままにしときゃ、こんなに悩まなくても良かったのにと思ったり。(笑)

さて、今日からはアジア歴史資料センター『公文別録・内務省・大蔵省・陸軍省・海軍省・商工省・逓信省・大東亜省・昭和六年~昭和十八年・第一巻/朝鮮人移住対策ノ件(レファレンスコード:A03023591400)』から、1934年(昭和9年)10月30日の閣議決定『朝鮮人移住対策ノ件』の残りを見ていきたいと思います。
まずは、8画像目
この対策案についての説明からですね。
では、早速。

最近、殊に昭和7年、8年、本年に亘り、朝鮮人労働者の内地に渡来する者極めて多数に上り、其の内地在留者は、最近毎年7、8万人位宛増加しつつあり。
昭和8年末に於ては其の数45万と報告せらるるも、実数は50万を突破せるものと認めらる。
而して、之が為内地人労働者は勿論、従来より内地に在留する朝鮮人労働者の失業者及就職困難を深刻ならしめつつあり。
蓋し内地企業者は、内地人労働者の失業者及従来より内地に在留する朝鮮人の使用を好まず、能ふれば朝鮮より新に渡来する者を使用せんとするの傾あり。
従って、新に渡来する者は差当り職業に就き得るも、一面多数の失業者を増しつつあり。
然も最近に於ては、朝鮮人は土木、建築、鉱山は勿論、工場方面にも相当進入し来り。
此の状勢を以て進むときは、将来職工及農村子女の職業も漸次奪はれんとするやも計り難し。
又、多数朝鮮人の失業に伴ひ、朝鮮人関係の掻払其の他の犯罪、家賃踏倒し・借家の損壊等の借家紛議、衛生、風俗上の問題等各般の問題を惹起し、又借家の困難に伴ひ縦に土地を不法占拠し、狭隘不潔なる陋屋を密集して建つる等、内地治安上其他に憂慮すべき事態を生じつつあるのみならず、内鮮融和を阻害すること尠からざるものあり。
将来益々此の状勢を以て推移するときは、拾収すべからざる事態に立ち至り、社会上政治上重大なる問題となるに至ることなきを保し難し。
予て、朝鮮総督府に於て朝鮮人の内地漫然渡航を取締りつつありたるが、現在の状勢に鑑み、此の際尚一層之を徹底すると共に、更に広き見地より、朝鮮人の鮮内安住、北鮮及満州地方移住等、諸般の対策を統一的に行ひ、以て内地に対する朝鮮人の渡来を緩和減少すること必要なるを以て、当省に於ては先に朝鮮総督府及拓務省と協議し、別紙朝鮮人内地移住対策案を作成したり。
ここ3年くらい、特に内地に来る朝鮮人労働者が増え、内地在留者は毎年7~8万人づつ増加しつつある。
1933年(昭和8年)末では、内地在留者は45万人とされているけど、実数は50万人を突破しているものと認められる。
しかし、そのために内地人労働者は勿論、以前から内地に在留する朝鮮人労働者の失業や就職困難を深刻にしつつある。
企業側は、内地人の失業者や以前から内地に在留する朝鮮人の使用を好まず、できれば朝鮮からの新規渡航者を雇いたがる傾向がある、と。

恐らく、企業側から見れば、この時期同盟罷業(ストライキ)、怠業(サボタージュ)等の労働争議が増えた事によって、単価も上がり、スレて使いづらい内地人や従前からの朝鮮人より、新規渡航者の方が安くて使いやすいって事なんでしょうね。
この時期、移民問題や労働問題ってのは世界的な潮流で、それが国際労働総会で話し合われて採択される諸条約に繋がっていくわけですが、それはまた別の話。
つうか、新規渡航朝鮮人が好まれる原因はこの史料に書かれてないんで、推測に過ぎないですけどね。
( ´H`)y-~~

ってことで、新規渡来者は当面の職業に就くことはできるが、反面多数の失業者を増やし、しかも最近の朝鮮人は、土木・建築・鉱山は勿論、工場方面にも相当入ってきている。
このまま進めば、将来職工や農村子女の職業も次第に奪われていくかもしれない、と。
まぁ、この辺も企業側の労働単価と労働内容の天秤によるって事になるんでしょう。

で、多数の朝鮮人失業に伴って、朝鮮人によるかっぱらいその他の犯罪や、家賃の踏み倒しや借家の損壊といった借家紛議、衛生・風俗上の問題を引き起こし、そういった問題もある上に失業してますから家を借りるのも困難になるわけです。
そこで、土地を不法占拠して、狭隘で不潔な家を密集して建てるなど、内地の治安上やその他に憂慮すべき事態を生じつつあるだけでなく、大きく内鮮融和を阻害するものだ、と。
不法占拠は戦後期だけじゃ無いらしいですね。(笑)

以前から朝鮮総督府で、職も決まってないのに内地に漫然と渡航する朝鮮人を取り締まって来たけど、現在の状勢に鑑みてこの際一層これを徹底すると共に、更に広い見地から朝鮮人の内地安住と北鮮及び満州地方への移住等、諸般の対策を統一的に行って、内地への朝鮮人の渡来を緩和・減少することが必要なため、内務省では朝鮮総督府や拓務省と協議し、別紙朝鮮人内地移住対策案を作成した、と。

で、恐らくはその「別紙」にあたる朝鮮人内地移住対策が、次の10画像目からになると思われます。
その対策案の基本的な事項に関しては、前々回前回でやった閣議決定の『朝鮮人内地移住対策ノ件』とほぼ同様なんですが、各対策について若干細部が記載されています。
実際にどのように実施されていくのかは今のところ不明ですが、参考にはなると思いますので見ていくことにします。

ただ、前文に関しては、10月16日のエントリーの前文と若干言い回しが違うだけなので省略し、12画像目からの直接の対策を取り上げて行きたいと思います。
長いので、分割しながら。

 (前略)

一.朝鮮人の内地渡航を一層減少すること。

1.朝鮮内に於ける内地渡航熱を抑制すること。

(イ) 漫然渡航は勿論、譬へ一時就職の見込ある場合と雖、早晩失業困窮するものなること及苦学は不可能なることを朝鮮内に徹底せしむると共に、内地渡航に付ては奥書紹介状を必要とすることを充分周知せしむること
(ロ) 内地渡航の有利なることを、紊りに吹聴又は通信し、朝鮮人の渡航心を唆る行為を為す者に対しては、之を諭止すること
最初は、内地渡航の減少策。

まずは、内地渡航熱の抑制について。
一つ目として、就職先も未定のまま漫然と渡航するのは勿論、たとえ一時就職の見込みがある場合でも、早晩失業して困窮するということと、働いて学費や生活費を稼ぎながら勉強するのは不可能だという事を朝鮮内に徹底すること。
内地への渡航には奥書紹介状が必要である事を充分に周知させること、と。

「東京に行けば職がある」と思う青森県人みたいなもん。(笑)
まぁ、就職については脅し文句ではなく、実態としてそうなんでしょうがね。

で、「奥書紹介状」。
この場合は、官公署の証明がある紹介状ってことかな?
それが渡航に必要ってことは、「奥書紹介状」が無い場合には「密航」になる?
んー、やっぱり根拠法規が分からんと分からん。

二つ目は、内地への渡航が有利だと言いふらし、朝鮮人の渡航心を煽る者については諭止しろ、と。
まぁ、マスコミの世論誘導には叶わないでしょうけど、口コミも馬鹿に出来ない時代なわけで。
つうか、今でも馬鹿にできないけど。

2.内地渡航諭止に関する現在迄の協定事項は、今後も一層之を励行すること。
「内地渡航諭止」についての協定事項って何だべ?
もしかして、先ほども言ったり、前回も不明としておいた、「密航」とかの根拠法規の話かな?
まぁ、これまで同様、内容が分からなければツッコミ様も無く・・・。(笑)

3.朝鮮内に於ける地元諭止を一層強化する。
内地渡航出願者に付、必ず其の渡航先内地警察官署へ渡航を認むべきや否やを照会し、其の回答を俟って奥書紹介を与ふること。
但し、左に該当する者に対しては、之を除外す。

(イ) 官公吏
(ロ) 著名の人士
(ハ) 新聞記者
(ニ) 学生 <在学証明書の発給に付、文部省に於て従前より一層適切なる措置を講ずること>
(ホ) 商用の為の一時旅行者
(ヘ) 其の他右に準ずる者
朝鮮内での地元諭止をさらに強化するって事なんですが、こっちの方に先ほどの「奥書紹介」について書いてたね。
内地への渡航を出願 → 渡航先の警察官署に渡航を認めるかどうか照会 → 回答によって奥書紹介を与える、という流れなわけですね。
しかし、この後の渡航者数の推移から見れば、やはり正規雇用者は拒めない予感がするなぁ。

で、官公吏や新聞記者、学生、商用のための一時旅行者、またはそれらに準じる者については、地元諭止から除外。
就労目的による渡航では無いと認められるから、かな?
だから、この中で一番労働者に変わりそうな学生については、在学証明書の発給について適切な措置を講じることを求めてるんでしょうねぇ。


ってところで、中途半端ですが取りあえず今日はここまで。



朝鮮人移住対策の件(一)
朝鮮人移住対策の件(二)



1934年(昭和9年)10月30日の閣議決定『朝鮮人移住対策ノ件』についての2回目。
つうか、史料の分量からしたら、全く進んでない気もしますが。(笑)

さて、前回は、朝鮮人の内地移住の抑止として挙げられた、朝鮮人の鮮内安住、満州・北鮮への移住、内地渡航の減少の3点と内鮮融和のうち、朝鮮人の鮮内安住についてを取り上げました。

今日はまず、満州・北鮮への移住について。
それでは今日もアジア歴史資料センター『公文別録・内務省・大蔵省・陸軍省・海軍省・商工省・逓信省・大東亜省・昭和六年~昭和十八年・第一巻/朝鮮人移住対策ノ件(レファレンスコード:A03023591400)』から、1934年(昭和9年)10月30日の閣議決定『朝鮮人移住対策ノ件』の続き。

二.朝鮮人を、満洲及北鮮に移住せしむる措置を講ずること。

(一) 農業移民の保護助成に付適当なる施設を講じ、殊に人口稠密なる南鮮地方の農民を満洲及北鮮に移住せしむること。
満洲移民に付ては、満洲国との関係及内地人移民との関係を考慮し、関係諸機関と連絡の上実施すること
(二) 満洲、殊に其の東部地方及北鮮に於ける各種土木事業に従事する労働者に付ては、能ふ限り南鮮に於ける農民中より之を供給すること。
之が為労働者を移動する場合には、朝鮮総督府に於て之が統制及助成に付適当なる方途を講ずること
一つ目は、農業移民の保護・助成について適当な施設を講じて、特に人口が稠密な朝鮮南部の農民を、満州や北朝鮮に移住させること。
ただ、満州移民については、満州国との関係や日本人の移民との関係を考慮して、関係諸機関と協議して実施すること、と。

朝鮮人の満州移住についてはかなり複雑。
元々、間島問題・間島協約等に見られるように、李朝時代や大韓帝国時代を通じて朝鮮人の入植者ってのは多かったわけです。
さらに、第一次世界大戦後、日本への渡航同様に満州移民が増加し、大正10年前後には馬賊や匪賊の横行で帰ってきたり。
有名な事件だけでも張鼓峰事件、万宝山事件、満州事変が起きています。

で、政策としては治安に関する事は勿論として、教育施設や衛生施設、資金援助を含めた経済的施設の設置、鮮人民会や保民会といった救済・取締の団体設置などの諸施策が、これ以前にもとられてきているわけです。
ま、本当に目に付く部分だけの話で、実際にはもっと色々な状況変化はあるわけで、詳述してたら一連載どころの話じゃなくなるわけで。(笑)

兎も角、その保護助成に対して適当な施設を講じと言われても、満州の場合、既にやってる事の拡充くらいしか無いんですよねぇ。
朝鮮北部への移住に対する保護助成ってのは、同一行政機関管内ですので更に難しいでしょうし。(笑)
誘導政策としては、非常に難しい所だと思います。

1936年(昭和11年)5月13日の京城日報なんかを見ると、移住者に対する助成金制度なんかが行われたようですけどね。

二つ目。
満州、特に満州東部地方や、朝鮮北部の各種土木事業に従事する労働者は、出来る限り朝鮮南部の農民から供給すること。
そのために労働者を移動する場合には、朝鮮総督府で統制や助成など適当な方途を講じること、と。

満州及び朝鮮北部への「強制連行」であり、日本も「積極的に関与」した証拠ですね。(笑)

つうか、労働者の供給って、朝鮮北部の公共事業で「尚、人夫等工事に要する労務者は、○○道から募集するように努める事」みたいな入札条件つけるとか、そんな感じかと思ってたんですが、良く考えたらそれだと朝鮮北部民の働き口を奪うわけで、あんまり利口な解決策とは言えないかなぁ、と。(笑)
やはり先ほどの京城日報の記事のように、移民政策をメインとして働き口も斡旋しますよという感じが強いのかも知れません。
最も、「南鮮に逆もどりする人も非常に少くなった」とありますので、季節労働者・出稼ぎという面は当然あるんでしょうけどね。
まぁ、総督府の移民事業の担当課の話ですので、移民の話の方が中心になるのも当然と言えば当然かもしれませんし、この辺もう少し実施された政策が具体的に分からなければ、何とも言えませんけどね。

三.朝鮮人の内地渡航を一層減少すること。

(一) 朝鮮内に於ける内地渡航熱を抑制すること
(二) 朝鮮内に於ける地元諭止を一層強化すること
(三) 密航の取締を一層厳重にすること
(四) 内地の雇傭者に諭止し、其の朝鮮より新に労働者を雇入れんとするを差控へ、内地在住朝鮮人又は内地人を雇傭せしむる様勧告すること
続いては、内地渡航の減少に関する件。

まずは、朝鮮内での内地渡航熱を抑制すること。
どうやって?
つうか、ここで「現代韓国ですら逃げ出して海外移住する輩が多いわけで、鮮内安住って無理だろ。(笑)」と突っ込むべきだったのに、前回のラストで使ってしまった。(笑)

まぁ、実際には内地の失業問題や朝鮮の雇用拡大の宣伝ぐらいしか無いんだろうなぁ。

二つめは、地元諭止の強化。
「やめとけって。」みたいな。(笑)
つうか、他の政策と違って、一向に具体策が思い浮かばない。(笑)
出国っつうか渡航差し止め処分みたいな、行政処分とかなら分かるけどなぁ。
どの程度の権限あったのかな?

三つ目は、密航取締強化。
つうか、何を以て「密航」なのか、良く分からないんですよねぇ。
10月15日のエントリーの『旅行取締規則』はもう廃止されてますし・・・。
1925年(大正14年)にも渡航制限があるらしいですが、具体的なものはサッパリわからず。
まぁ、追々調べていきますか。

四つ目が、内地の雇い主側に、朝鮮から新規労働者を雇い入れるのを差し控え、内地在住の朝鮮人か内地人を雇用するように勧告すること。
まぁ、「外地」ではあっても「外国」では無いですからねぇ。
内地の企業側が正規に募集し、それに朝鮮人が応じた場合ってどうしようもないわけで。

つうか、「内地在住の朝鮮人」でもOKなのね。(笑)
要は、内地人・朝鮮人関係無しに、失業者対策って事だろうなぁ。

四.内地に於ける朝鮮人の指導向上及其の内地融和を図ること。

(一) 朝鮮人保護団体の統一強化を図ると共に、其の指導、奨励、監督の方法を講ずること
(二) 朝鮮人密集地帯の保安、衛生、其の他生活状態の改善向上を図ること
(三) 朝鮮人を指導教化して、内地に同化せしむること
最後は、在日朝鮮人の指導と向上と内地融和。

一つ目は、朝鮮人保護団体の統一強化と、その指導・奨励・監督の方法を講じること。
先ほど述べたように、満州では「鮮人民会」や「保民会」があったわけですが、内地の保護団体って何だろう?
「協和会」はもうあるんだっけっか?
まぁ、この辺もまだあまり深入りする気無し。(笑)

二つ目が、朝鮮人が密集する場所の保安、衛生、その他生活状況の改善、向上を図ること。
まぁ、内地人の対朝鮮人感情は良くなるかも知れませんが、その辺改善したらもっと寄ってこないですかね?
いや、出来なくって面倒臭くなって逃げ出す?(笑)

最後は、朝鮮人への指導と教化による同化。
「同じ日本人なんだから」と言うには、まだまだ壁が大きいわけで。
つうか、割と不可能に近いのにねぇ、と。(笑)


ってところで、今日はここまで。



朝鮮人移住対策の件(一)



さて、前々回までの1918年(大正7年)2月『朝鮮総督府令第6号 労働者募集取締規則』は、単なる悪質な募集者の取締りであり、前回の1919年(大正8年)4月『警務統監部令第3号 朝鮮人ノ旅行取締ニ関スル件』は、不逞鮮人の取締りではないかという疑義まで進みました。
この後は、5月5日のエントリーで「下関に於て朝鮮人入国を拒絶すること。」とあるように、関東大震災に関連しての規制があるようですが、現在のところ詳細不明。

いや、元々時系列順に話を進めていくのは無理だと思って、不定期に、見つけた史料をアップしているわけで、順番に進めようという意図はあまり無いんですけどね。(笑)
で、手持ちの史料でそれらに続くのが、今回の1934年(昭和9年)10月30日の閣議決定『朝鮮人移住対策ノ件』ということになります。

ってことで、史料はアジア歴史資料センター『公文別録・内務省・大蔵省・陸軍省・海軍省・商工省・逓信省・大東亜省・昭和六年~昭和十八年・第一巻/朝鮮人移住対策ノ件(レファレンスコード:A03023591400)』より。
ちなみに、閣議決定に関するテキストデータは、国立国会図書館の「日本と世界の議会・法令・官庁資料(議会官庁資料室)」の「閣議決定等文献リスト及び本文」、「朝鮮人移住対策ノ件」から見る事ができます。

それでは、内務大臣及び拓務大臣からの請議に基づいて、1934年(昭和9年)10月30日に閣議決定された、『内甲第149号 朝鮮人移住対策ノ件』。
解説が長くなりそうなんで、分割しながら見ていくことにします。

朝鮮南部地方は人口稠密にして生活窮迫せる者多数存し、之が為、南鮮地方民の内地に渡航する者最近極めて多数に上り、啻さへ甚しき内地人の失業及就職難を一層深刻ならしむるのみならず、従来より内地に在住せる朝鮮人の失業をも益々甚しからしめつつあり。
又、之に伴い朝鮮人関係の各種犯罪、借家紛議、其の他各般の問題を惹起し、内鮮人間に事端を繁からしめ、内鮮融和を阻害するのみならず治安上にも憂慮すべき事態を生じつつあり。
之に対しては、朝鮮及内地を通じ適切なる対策を講ずるの要あり。
即ち、朝鮮人を鮮内に安住せしむると共に、人口稠密なる地方の人民を満洲に移住せしめ、且内地渡航を一層減少すること緊要なり。
而して是等方策は、内地朝鮮全般の利益の為、一体として之を実施すること必要にして、財政の許す範囲に於て左記要目に掲ぐる事項を実施すべきものとす。
まず前書きとして、朝鮮の南部地方、つまり現在の韓国に当たる地方は人口が稠密であり、生活に行き詰まる者が多数いる。
そのため、朝鮮南部地方民で内地に渡航する者が、最近非常に増加しており、ただでさえ甚だしい日本人の失業及び就職難を一層深刻にするだけでなく、従来から内地に在住している朝鮮人の失業も益々甚だしくさせている。
それに伴って、朝鮮人関係の各種犯罪や借家紛議、その他様々な問題を惹起し、日本人・朝鮮人間の事件のきっかけを多く作り、内鮮融和を阻害するだけでなく、治安上にも憂慮すべき事態を生じつつある。
ということで、朝鮮と内地双方において、適切な対策を講じる必要がある、と。

で、対策として、朝鮮人の鮮内安住、満州・北鮮への移住、内地渡航の減少の3点と、内鮮融和が取り上げられています。
まずは、朝鮮人の鮮内安住について。



朝鮮人移住対策要目
一.朝鮮内に於て朝鮮人を安住せしむる措置を講ずること。

(一) 農村振興及自力更生の趣旨を一層強化徹底すること
(二) 春窮期に於ける窮民の救済の為、社還米制度の普及、土木事業、其の他有効なる方途を行ふこと
(三) 北鮮開拓、鉄道敷設計画等の実施を成るべく促進すること
朝鮮人の鮮内安住についての一つ目は、農村振興及び自力更生の趣旨のさらなる強化徹底について。
農村振興と自力更正については、1932年(昭和7年)の宇垣総督時代に農山漁村振興運動、自力更生運動として始まったのが嚆矢とされるようです。
勿論、世界恐慌の余波による穀価低下が農村疲弊の主要因なわけで、日本も例外ではなく、類似の「農山漁村経済更正」を同年に始めています。

具体的には、官制の改革、朝鮮農地令や朝鮮金融組合連合会令の施行等、様々の法令的措置の他に、自作農創設などの政策も実施されたものの、これは予算不足のため小規模に終わった模様。
最も成功したのは、低金利貸付による高利債の借り換えと、「舎音」という中間搾取層の排除だったようです。
つうか、深入りすると嵌りそうなんで、この辺で自重。(笑)

二つ目は、春窮期の窮民救済のための社還米制度の普及と、土木事業等の実施。
まぁ、ウチのブログの読者さんなら分かってると思いますけど、「春窮」は前年に収穫した米も食べ尽くし、6月頃に薯や麦が収穫できるまでのハングリーな時期。

社還米制度ってのは、元々は還穀と呼ばれ豊作年に余剰穀物を保管して凶作年に備えるという趣旨の、随分昔からあった制度のようです。
で、例によって悪徳官吏の横行や財源不足によって廃止されたり復設されたりで紆余曲折を経て、1895年(明治28年)に『社還条例』として整理されますが、ご多分に漏れず実施されない甲午改革。(笑)

つうか、後で出てくる社還米制度の解説だと社還条例がだされたのは明治37年となっていますが、高宗31年だと1894年になります。
恐らくは明治37年となっているのは、明治27年の間違い。
でも、いずれにしろ1895年の旧暦の閏5月に度支部令第3号として出された、が正解の筈。

1909年(隆熙3年)4月になって、内部大臣及度支部大臣訓令号外として『社還条例施行に関する件』が出され、その後併合時の租税等の特別減免措置の中で社還米の返済は免除。
で、1917年(大正6年)10月1日に何故かこの社還条例が廃止された模様。
・・・で、その後が良く分からない。(笑)
『米穀自治管理法』ってのがあるんですが、これは1936年(昭和11年)の制定ですしねぇ・・・。
ま、ここも深入りせずに収めておきます。

土木事業ってのは、要するに公共事業ですよね。
窮民の救済のための土木事業は、既に農村復興運動より早い1931年(昭和6年)から第一次窮民救済事業として始まり、道路改良・河川改修・漁港修築をメインに行われたようです。
で、朝鮮人が「宵越しの銭を持たない」ってのは割と様々な史料で散見されるわけで、一気に使ってしまっては窮民の救済は不完全なわけで、一部は必ず貯金するように指導されてたりします。(笑)
余談ですが、「宵越しの銭を持たない」のは男性の場合であって、大正時代から紡績工なんかで日本に来た女性朝鮮人については、半島家族への送金や、貯金に熱心であるとされてたりします。

三つ目は、朝鮮北部の開拓・鉄道敷設計画等の実施をなるべく促進すること。
「国土の均衡ある発展」じゃないだろうけど。(笑)
南鮮地方の人口稠密が内地渡航の主要因の一つとされているわけで、朝鮮北部を開拓して、人口分散を図るってのは政策として有りだとは思うんですが、動機付けとしては弱いよね。
寧ろ、半島最高の教育機関が平安道や咸鏡道に!って方が、群がってきそうな。(笑)

鉄道敷設計画の実施は・・・鮮内安住に何の関係があるんだろ?(笑)
工事そのものによる雇用確保が目的なわけじゃないだろうし・・・。
あ、もしかして、田舎に新幹線ひくような感じか?(笑)

つうか、現代韓国ですら逃げ出して海外移住する輩が多いわけで、鮮内安住って無理だろ。(笑)


ってことで、今日はここまで。