今日は前置き無しで。

まずは電信関係から見ていきますかね。
アジア歴史資料センターの『日清韓交渉事件ノ際二於ケル軍用電線架設関係雑件/1.軍用電信線架設ノ件(レファレンスコード:B07090434500)』より。
16画像目。
陸奥から大鳥への、1894年(明治27年)7月4日発『電送第292号』。

(27) Referring to my telegram 5.
軍用電信隊 already arrived in Corea and I should like to know how it was decided whether Corean Government will repair telegraph line with their help or the work be taken into our own hands; and in whichever way it was decided the work ought to be commenced at once at the both end.
第5号電信に関連。
軍用電信隊は既に朝鮮に到着した。
朝鮮政府が彼らの助けにより電信線を修復するか、それとも我々自らの手で作業すべきか、どのように決めれば良いのか知らせて欲しい。
どちらにしろ、作業は両端から早急に開始する事を決めた、かな?

my telegram 5」ってのは、4月25日のエントリーで「この史料の右側とか2画像目とか見ると、大鳥から修繕用の材料や技術者派遣の要請が来てたのね」と言ってた、それ。

つうか、面倒くさがらずに後からでもテキストにしておけば良かった。(笑)

で、同じ4月25日のエントリーの1894年(明治27年)6月24日発『電送第244号』の中で、陸奥から「貴下の裁量に任せる」って言われてた筈ですが・・・。
ま、その6月24日以降の事態の推移を見れば、手法について確認するのは妥当かも知れません。

続いて、『韓国内政改革ニ関スル交渉雑件 第一巻/2 明治27年6月20日から1894〔明治27〕年7月12日(レファレンスコード:B03050308200)』から。
23画像目右側→22画像目。
陸奥から大鳥への、1894年(明治27年)7月4日発『電送第293号』より。

Otori
Seoul

28. Received your telegram 17.
If there is any fear that Corean Government might return the draft you presented without giving reason, you will at once strongly impress upon not only 外務督辨 but also influential men in and out of Corean Government that such act will make the situation very serious and that it will necessarily prolong keeping troops in Corea, because Japanese Government do not in that case feel security for future of Corea.
If Corean Government seem to entertain above proposal present the draft 栗野 takes to you as details of the proposal but in case the above fear exists keep on proposing the latter draft verbally until you seize favorable opportunity to present it in writing.
For my reply to Russian Minister mentioned in my telegram 26 see telegram 24.

Mutsu
「17」ってのは、9月1日のエントリーの1894年(明治27年)7月3日発『電受第360号』ですね。
それを受け取った。

もし、貴下の提示した草案を朝鮮政府が理由無しに返却する懸念があるなら、外務督辨だけでなく、朝鮮政府内外に大きな影響力のある人物にも、そのような振る舞いは事態を深刻にし、その場合日本政府は朝鮮の将来を不安視し、必然的に朝鮮への駐兵を長引かせるだろうと、直ちに強く印象づける事。

もし朝鮮政府が前述の提案を受け入れるようであれば、草案を伝えること。
栗野が貴下に提案の詳細を持って行くが、前述の懸念が存在する場合に備えて、文書による草案提出の良い機会をつかむまで、口頭で後者の草案を提出し続けること、かな?
つうか、「above」とか「latter」とか、どの草案だか分かんねぇぞ!(笑)

で、前回の1894年(明治27年)7月4日発『電送第290号』で言及したロシア公使に対する回答は、8月27日のエントリーの1894年(明治27年)7月2日発『電送第279号』を見ろ、と。

次は、『東学党変乱ノ際韓国保護ニ関スル日清交渉関係一件 第一巻/9 明治27年6月19日から明治27年7月3日(レファレンスコード:B03030205500)』の19画像目右側。
陸奥からロシアの西公使への、1894年(明治27年)7月4日発『電送第294号』より。

Nissi
Petersburg

After I sent reply, Russian Minister seems to have applied to his Government for instructions.
Use your best effort to find out what course Russian Government would likely adopt and what would be nature of instructions to Russian Minister.
Report the result to me and at same time to 在英公使.

Mutsu
私が回答を伝えた後、ロシア公使は本国政府に指示を問い合わせたようだ。
ロシア政府が採用しそうな方向性と、ロシア公使に出されるであろう指示の性質の割り出しに最大限の努力を傾けること。
その結果を私と青木公使に報告すること、と。

まぁ、いくら遠回しとは言え、あの強烈な勧告に対して拒否回答したわけですから、ロシアの動向を探るのは当然ですわな。

んじゃ、次。
同じく19画像目左側。
陸奥から青木への、1894年(明治27年)7月4日発『電送第295号』。

在英公使

After I sent reply, Russian Minister seems to have applied to his Government for instruction.
在露国日本公使 will telegraph you what he could find about future course of Russia.
My proposal to 在清英国公使 is the utmost limit Japan can concede.
So if England is disposed to give good offices, endeavor to induce British Government to instruct 在清英国公使 in that sense.
Impress upon British Government that Japan has been repeatedly imposed upon by China regarding Corean affairs, and this time Japan does not feel at liberty to withdraw troops unless and until definite arrangement will be made about future security and good Government in Corea.

Mutsu
出だしは先ほどの西への電報と同じ。
私が回答を伝えた後、ロシア公使は本国政府に指示を問い合わせたようだ。
その電文中で西に訓令されてたとおり、西公使がロシア政府が採用しそうな将来的方向性について貴下に電信する筈。

で、在清イギリス公使に対する私の提議は、日本が譲歩できる最大限であり、もしイギリスが調停する意向があるなら、その意味で在清イギリス公使に指示するよう、イギリス政府に勧めるよう努力しろ、と。

最後に、日本は朝鮮問題に関して清国に繰り返し騙されてきた。
今回は、朝鮮の将来の安全保障と望ましい政府に関して、明確な協定が成り立つまでは、日本は撤兵するわけにはいかないことを、イギリス政府に印象づけること、と。

日本側の撤兵条件提示と、最大限の譲歩である旨の宣言ですね。
こういったのが、後々ボディーブローのように効いていくわけですが。(笑)


ってところで、今日はここまで。



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