SEX MACHINGUNSのライブ見に行ってたら、更新遅れた・・・。
(;´H`)y-~~

さて、前回、1894年(明治27年)6月27日発『電送第256号』で「朝鮮の改革のための我々の提案について、詳細な指示は最も早い機会に文書で送られるはずだ。」という記述がありましたが、同日付で閣議決定されています。

史料は、アジア歴史資料センターの『東学党変乱ノ際韓国保護ニ関スル日清交渉関係一件 第一巻/7 明治27年6月13日から1894〔明治27〕年6月30日(レファレンスコード:B03050308100)』になるわけですが、27~29画像目が閣議決定を受けた1894年(明治27年)6月27日『親展送第76号』。
30~36画像目が、案として提出されて修正を受けた、差し替え前のもの。
37~38画像目が、当時の文部大臣井上毅の起案。
38~44画像目が、大鳥公使に送られた1894年(明治27年)6月27日起草『機密送第26号』となっています。

ってことで、その中から今日は、大鳥公使に送られた38~44画像目の1894年(明治27年)6月27日起草『機密送第26号』を見ていく事にします。
ちょっと長めなので、途中で区切りながら見ていきましょう。
んでは早速。

本大臣は茲に、廟議決定の旨に従ひ左の訓令に及候間、閣下には此際朝鮮政府に向て左記の通提議相成、尚同時に之を公文に認め、該政府に照会し、其公文の回答を取附被置候様可被成候。

曩きに帝国が貴国との旧交を尋き隣好を修むるや、深く東洋大局に顧念する所ありたるを以て、独り自ら率先して條約を訂結して平等の権利を確実ならしめ、章程を設立して通商の便益を皇張せしめ、因て以て貴国の一独立国たる事を萬国に彰表せり。
爾来我政府が貴国に向て施為するところ、一として貴国をして日々に隆盛を致して以て愈々独立自主の実を挙げしめんと勉めたるに非ざるはなし。
而して、苟も貴国政府にして内に自ら追思回顧せられたらんには、必ず歴々として其事実を識認せられずんばあらず。
然るに、貴国徒に旧章を墨守し、宿弊未だ除かず、是を以て擾乱相継ぎ、民心乖離し、国家の秩序を紊乱し、邦土の安寧を危殆ならしめ、屡々累を隣邦に及ぼす。
若し今に方て之が救済の道を講じ、振作の計を為されずんば、其極遂に収拾すべからざるの勢となり、独り自国独立の根基を寛鬆にするのみならず、延ひて大憂を東洋大局に及ぼすことあるに至るべし。
是れ、我国が隣邦の情誼に於て、又我帝国自衛の道を顧みるに於て、一日だも拱手傍観するに忍びざる所なり。
故に、我政府は此際貴国政府に向て、独立自主の実を挙げ、王室の尊栄を永遠に維持するの長計を求むるの外、更に左に列載するところの事項を勧告し、以て貴国内治の改良を促さんとす。

一.官司の職守を明かにし、地方官吏の情弊を矯正する事
一.外国交渉の事宜を重じ、職守其人を択ぶ事
一.裁判を公正にする事
一.会計出納を厳正にする事
一.兵制を改良し、及警察の制を設くる事
一.幣制を改定する事
一.交通の便を起す事
以上列載の事項を閣下より勧告せらるゝ節には、各項に付左記の理由を臚陳して、以て改良の実に已むを得ざる所以、及其一日も忽かせにすべからざる所以を辨明せらるべし。
38画像目の冒頭を見ると、この『機密送第26号』は、6月29日に栗野政務局長が携帯して京城に向かったらしいですね。

で、とりあえず前置き。
要約すると、これまで朝鮮を独立国として取り扱ってきたけど、朝鮮では昔からの掟を墨守し、古くから続く悪習を取り除かず、このため擾乱は相次ぎ、民心は離れ、国の秩序も乱れて国土の安寧を危機にさらし、しばしば隣国に迷惑かけてる。

今のうちに手を打たないと、最後には収拾がつかなくなって、単に自分の国の独立の根幹を揺るがすだけでなく、延いては東洋の火種になるかも知れない。
ってことで、隣国としての情誼上からも、日本の国防上からも放置できない。

ってことで、独立自主の実効を挙げ、朝鮮王室の尊栄を永遠に維持するための長期計画を求める以外に、更に左に列記した事項を勧告して、朝鮮の内治改良を促そうと思う、と。

2月15日のエントリーで、李鴻章の「朝鮮国は貧にして且つ弱なるは御互に知る所なれば、在京城公使の勢力を以て国王を説き、宜しく行政なり財政なり軍事なり助言勧告して隣邦の好しみを尽すは可なり。」という言葉を拾って、「李鴻章の「干渉」と「助言・勧告」の分け方が良く分からないんですが、方法については具体化してない気がするんですけどねぇ。」と書きましたが、李鴻章が「可なり」と言った方法で具体化。

日本政府は悪辣ですね!<#`Д´> (笑)

で、その勧告については、とりあえず7項目が列記されています。
1.役所・官吏の職責・職分を明確にし、地方官吏の悪弊を矯正すること。
2.外交交渉の経緯を重んじて、政府代表者としての職責を持った人物を選ぶこと。
3.裁判を公平にすること。
4.会計・出納を厳正にすること。
5.軍制を改良すること及び警察制度を設けること。
6.貨幣制度を改定すること。
7.交通の便を良くすること。

30~36画像目の案から除かれたのは、「行政官吏に対し訴訟を起すことを許す事」、「学校を設けて泰西の学術を講ずる事」、「特赦を行う事」の3点。
ちなみに、36画像目の要求事項の方は、この次の史料に出てくる事になりますので、そちらで触れたいと思います。

ってことで、勧告される事になった事項ってのは、少なくとも「独立国」としての体裁を守り、他国との交易に最低限必要な事ぐらいはしろよ、って話。

勿論、内政のみに関する事項を、そう簡単に勧告するわけにはいかないという事情はあるわけですが、別に、善政をしろと言ってるわけじゃないんですね。
そういう面から見ると、削られた項目がなぜ削られたかも納得いくはず。
当たり前の事を当たり前にやれよ、と。

まぁ、出来ないんですが。(笑)

で、その列記された7項目について大鳥から勧告する時には、各項目について左記の理由を陳述して、それらの改良を行わなければならない理由と、その改良をなおざりにしておいてはならない理由を弁明しろ、と。

ってことで、以下勧告の理由となるんですが、このまま続けると長くなり過ぎるんで、今日はここまでで終わっておこうと思います。


短めですが、今日はここまで。



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