年末だってのに、景気の良い史料(?・笑)すらなく、法規ばかりの月・・・。
笞刑関係の時もそうだったけど、誰か整理してくれてれば楽できんのに。(笑)
ってことで、あまり面白い月じゃなかった。
去年の12月を見てたら、その頃は東学党の乱で、これまた面白い月じゃなかったなぁ・・・。
( ´H`)y-~~

< 2007年12月のエントリー >
所有権確立以前の各土地関係法規って事になるのかな?
他の関連とかでも、あんまり使わなそうな雰囲気。(笑)

国有未墾地利用法

ぶっちゃけ、「開墾したら自分の土地」という朝鮮の慣習を明文化し、許可制にしただけ。
しかも、小規模開発は旧慣のまま。
何で良く批難の対象にされてるのか、良く分からんのですが。


国有未墾地利用法施行細則

第17条の国有未墾地の貸付によって、従来その土地に関して利害関係を有する者に損害があった場合、その損害の補償を命じることがあるってのは、結構面白い条文だと思うんだけどなぁ。
ただ、今月の法規全般的に言えるんですが、過渡期ということを差し引けば、変な法規って無いんですよね。
ブログとしてはネタに困るんだけれども。(笑)


森林法

森林関係の基本的なものになるので、ツッコミ所少なし。
それだけでなく、3年後には森林令に変わるんで、割と影が薄い。
たまに批難している人を見かけますが、森林法と森林令がごっちゃになってたり。
批難するにしても、もう少し真面目にヤレよ、と。( ´H`)y-~~


国有森林山野部分林規則

森林法に基づく「部分林」に関しての規則。
面白くは無い。(笑)


森林法施行細則(一)

森林山野や産物の売買に関して、売買契約書や請書、契約保証金、違約金、契約保証金の代金充当、代金規定、損害賠償請求の除外規定等、現代社会でも良く見られる言葉が並んでいます。
それだけにツッコミ所が無い。(笑)


森林法施行細則(二)

ほぼ、史料垂れ流し。
つまらん。
しかも、どうせこの3年後に廃止されるわけだしぃ~、みたいな。


森林法施行細則(三)

一言。
ツッコミ所が無い。


森林法施行細則(四)

この回もつまらない。
ぶっちゃけ、森林法とかやってる間に、200人くらい読者減ったのは内緒。(笑)


国有森林山野及産物処分規則

「共同利用の慣行ありたる森林山野を、其の共同利用を為したる道、府、郡、面又は道府郡面の1部に売却するとき」という第1条の第9号を面白いと評しましたが、どうやら日本でも入会権のある森林はその傾向が強いらしく。
日本の法規やそれによる動向と比較するのも面白いのかも。


国有森林山野処分審査会規則

国有森林として保存する必要の無い場所の決定や、保安林解除、随意契約による売却等を決める委員会の構成は、日本人5名、韓国人4名。
きっと、悪辣な日帝の陰謀とか言われるんでしょう、と。(笑)


森林山野及未墾地国有私有区分標準

国有の森林山野・未墾地に対する、国有地と私有地を分ける標準を定めた規則。
基本的に課税地は私有地。
後は、それまでの法規等で、官側から私有地認定された土地。
個人の所有でない山林は、永年禁養(他人の伐採を禁じ、自ら樹木を育てる)すれば、その山林は禁養者のものになるという習慣によるもの。
何の問題も無いと思うんだけどね、『国有地の紛糾』で見たように、そもそも、区分標準に該当するのかしないのかが分からない世界なので。(笑)


森林令

森林令には、入会権の規定がちゃんと在ります。
逆に、国有森林の譲与について、「移民団体の用に供するため」が追加されてます。(笑)


森林令施行規則(一)

こんだけ突っ込めないのは、やっぱり法的知識の不足に依るものなのかなぁ、と思ったり。(笑)


森林令施行規則(二)

やはりツッコミ所の無い回。


森林令施行規則(三)

森林令第8条の入会慣行について、「地元住民の全部又は大部分が、国有森林の一定の区域を限り永年部落用又は自家用に供すべき産物の採取、又は放牧の用に供じたる慣行を謂ふ。」と、ちゃんと規定されています。
「共有地が奪われた」という、良く聞く話は、何が元になっているのか良く分からないという。


土地家屋証明規則

施行規則の方で思いつくんですが、これ土地所有に関する制度というよりは、公正証書的な意味の方が強いんじゃない?と。
あとは、外国人の土地売買についても認める形になっていますが、韓国の各法規の遵守と引き換え。
裁判制度の整っていない当時、治外法権の撤廃は不可能ですし、そもそも民法がありませんから、各法規に対して許可と遵守の引き換え条件になってるんですね。


土地建物証明規則

土地家屋証明規則に規定された、日本の理事官側での取扱いに関する規定。
まぁそれよりも、余談の『韓国施政改善に関する協議会』の方が面白い。(笑)


土地家屋証明規則施行細則

結構細かく内容を調査する事になってるんで、この辺が後の『森林山野及未墾地国有私有区分標準』でも私有の根拠たり得ているんだろうなぁ、と。
で、さらに内容を見ていて公正証書的な制度じゃないか?という疑問が。


土地家屋証明規則関連訓令

関連訓令は、どっかの会社のマニュアルより細かい。(笑)
手取り足取りって感じ。
まぁ、「適正な判断」は期待できないだろうから、仕方ないんでしょう。


土地家屋所有権証明規則

今年最後のエントリーは、土地家屋証明規則で拾い切れて無い部分に関して、証明するよという制度について。
ツッコんでる部分はあるけど、細則の方も見てみないとなぁ、と。


この辺終わったら、次に何に手ぇ付けようかなぁ・・・。
と悩む年末。(笑)

それでは、良いお年を。



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事実上、今年最後のエントリーになります。
それが宿題ってのは、ちょっと締まりが悪いですが。(笑)

ってことで、12月17日のエントリーで出てきた最後の法規。
1908年(隆煕2年)7月20日『勅令第47号 土地家屋所有権証明規則』です。
今日も、アジア歴史資料センターの『韓国法典(レファレンスコード:A06032019200)』の422画像目と、『現行朝鮮総督府法規提要 第ニ編(レファレンスコード:A06032019600)』の452画像目の両方を見ながらテキストに起こしていきたいと思います。
では早速。

●土地家屋所有権證明規則
隆煕2年7月20日勅令第47号

朕、土地家屋所有権証明規則に関する件を裁可し、茲に頒布せしむ。

土地家屋所有権証明規則

第1條
土地又は家屋の所有権にして、左記各号の1に該当する者は、其の所有権の証明を郡守又は府尹に申請することを得。

1 土地家屋証明規則施行前に、土地又は家屋の所有権を取得したる者
2 土地家屋証明規則施行後に、売買、贈与、又は交換に依らずして土地又は家屋の所有権を取得したる者
第2條
前條の場合には、土地家屋証明規則の規定を準用す。

第3條
外国人にして、第1條の証明を受けむとする者は、之を日本理事官に申請す可し。

第4條
本令施行に関する細則は、法部大臣之を定む。

附則
本令は、隆煕2年8月1日より施行す。
要するに、土地家屋証明規則で拾い切れて無い部分に関して、証明するよという制度。
つうか、土地家屋証明規則の施行前の分ってのは理解できるんだけど、第2号の施行後に「売買、贈与、交換」以外で土地・家屋を取得した場合って、何だ?(笑)
んー、相続とか、借金精算できずに担保にしてた土地取られたとかかなぁ・・・?

で、宿題のあった当初の12月17日のエントリーをちょっと見てみます。

2 土地家屋所有権証明規則施行以前、官庁に於て私有たることを認めたる土地。

3 土地家屋証明規則、又は土地家屋所有権証明規則の証明に依り、私有たることを認めたる土地。
土地家屋証明規則と今回の土地家屋所有権証明規則での証明で私有が認められた土地は兎も角、土地家屋所有権証明規則施行以前に官庁で私有を認めた土地ってことは、今回の土地家屋所有権証明規則発布後は、その証明を得ていなければ森林山野及未墾地国有私有区分標準の区分上は、私有地には認定されないって事か?

まぁ、結数連名簿に載ってたり、結税を取られている土地は私有地に区分されるのが基本なようですので、当時の朝鮮人にはあまり関係なさそうなんで、外国人で証明を受けずに土地取得していた場合ってのは、中々認定難しそう。
尤も、そういう実例があったのかどうかは不明ですが。(笑)


ってことで、今日はかなり早めにお終い。



土地家屋証明規則
土地建物証明規則
土地家屋証明規則施行細則
土地家屋証明規則関連訓令


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さて、1906年(光武10年)10月26日『勅令第65号 土地家屋証明規則』に伴って、法部から訓令が何個か出されています。
今日はそちらを見ていきましょう。

それではまず、アジア歴史資料センターの『現行朝鮮総督府法規提要 第ニ編(レファレンスコード:A06032019600)』の441画像目から。
ちょっと前文等が官報と違うようですので、本来であれば手直しして書き出すべきなんでしょうが、年末の手抜きって事で『現行朝鮮総督府法規提要』の丸写しで勘弁してください。(笑)
では、1906年(光武10年)11月12日付官報第3608号で出された、『法部訓令 土地家屋証明規則の施行に関する訓令』。

土地家屋証明規則の施行に関する訓令2土地家屋証明規則の施行に関する訓令1
(各クリックで拡大)

●土地家屋證明規則ノ施行ニ関スル訓令
光武10年11月法部訓令

観察使
府尹
郡守

我国民法未だ備らずして、従来人民の所有する土地家屋等、一切不動産の契券に付官に依りて完全に証明せられたるものなし。
為に所有権を侵奪せらるるの弊多し。
因て政府は、特に不動産法調査会を設け、先づ土地家屋証明規則を制定せしめて、頒布実施せり。
茲に、土地家屋証明規則及施行細則の正文を土地家屋証明簿、認証簿及手数料納付書と共に、管下各府郡に頒給し、併せて其の転訓を命ず。

本年12月1日より土地家屋の売買、贈与、交換及典当に関する証明は、本規定に依て遵施すべし。
左に列示するものは、其の施行に関する網目なるを以て、特に注意を加へ之を施行すべし。

左記

1 本則は、土地及家屋に付き正当の権利を有するものを保護し、其の権利を確保し、之に依り不動産上の権利の取得及移転に関し、詐偽及不正手段の行はるるを防止せむとするを目的とするものなるを以て、其の証明を為すに当りて最も鄭重に之を行ひ、勅令の主意を貫徹せしむることを力むべし。

2 調査の鄭重を要するは勿論なるも、之が為に徒に時日を遷延せしむるときは、当事者に対し其の権利の行使上に少からざる妨害を与ふるものなるを以て、此の点に留意し、調査の敏活を計るべし。

3 統首又は洞長の認証は、確的なるを要するを以て、統首又は洞長が其の洞内の土地又は家屋を認証するに当りては、事実の調査を周到にし、認証したる者及認証簿の記載に事実の錯誤なきことを力む可きこと。

4 土地家屋証明台帳及施行細則第3條の帳簿は、証明したる権利の状況を明にする為重要の帳簿なるを以て、其の保存に付て充分の注意を用ゆるは勿論、其の記入に関しては、規定に依り整齊することを力むべし。
若、錯誤ありて文字を訂正するときは、主任者に於て必ず訂正の廉に捺印を施すべし。
其の記入上に過誤失錯ありて、為に第3者に損害を加ふることありとせば、責任者たる府尹、郡守及洞長、統首は、勅令の規定に依り賠償の責任を負担するは勿論なりとす。

5 証明又は認証の様式は、施行細則の定むる所に依り決して違式且脱漏なき様用心すべし。

6 施行細則第6條に依り、郡守又は府尹が保存すべき契約書及其の証拠書類は、当事者の権利の証拠書類の最も重要なるものに属し、加之に契約書の原本の如きは、当事者の請求に対し何時にても其の正本を交付すべきものなれば、常に其の保存上に付ては厳重に用心すべし。

7 異議の申立は、当事者が権利主張の唯一の救正方法なれば、其の申立が遅滞なく呈出せられたるに際しては、精密なる調査を遂げ、其の書実の真相を発揮することを力むべし。

8 本則は、韓国の内地一般に施行す。
但し、各港の各国居留地及専管居留地は此の限に在らず。

9 本則施行の結果、土地又は家屋に付き所有権を取得したるものは、土地又は家屋に関する納租に付ては、内外人同一の負担たること。

10 本則施行の後は、従来の地契及家契に関する規則は之を廃止すること。
但し、従前発行したる地契及家契は、其の儘効力を有せしむること。

11 本則施行の結果、監督官庁に提出すべき報告書は、必ず期日を遅滞せざる様注意すべし。
しつこい位に、大事なもんだからな!大事なもんだからな!と。(笑)

面白いのは、9。
12月24日のエントリーで「寧ろそれを公認することと引き換えに、大韓帝国の法規を守らせる方が良いと判断したんですね。」の話。
この考え方が拡大していって、鉱業法・国有未墾地利用法・森林法等も、行政法規の遵守を条件に外国人に許可されていくわけです。

ということで、司法処分事項は当然領事裁判権によって大韓帝国では裁けませんが、行政法規に関しては、守らないなら許可しないよ方式を取って、順次大韓帝国法規が外国人に及ぶ範囲が広がって行くんですね。
勿論、権利と引き替えですがね。

さて、続いての関連訓令に関しては、442画像目~446画像目の1907年(光武11年)3月『法部訓令 土地家屋証明事務処理順序』があります。
事務処理の順序について、非常に細かいマニュアルになってます。
まさに、手取り足取り。(笑)
内容的には、具体的すぎて見るべきものが無いので省略。

447画像目の1907年(光武11年)4月『法部訓令 土地家屋証明規則施行細則及処理順序に関する注意の件』についても、残る細かい部分の注意点ですので、これも省略。

続いて、449画像目の1908年(隆煕2年)12月『法部訓令第8456号 府尹又は郡守事故あるとき主席官吏をして土地家屋の証明を為さしむるの件』については、タイトル通り所謂代決規定ですので、これまた省略。(笑)

次ぎの450画像目は勅令ですが、一応。
1909年(隆煕3年)10月『勅令第95号 土地家屋証明に関する事務は内部大臣之を行ふの件』。
これもタイトル通り、それまで法部大臣の所管だった土地家屋証明を、内部大臣の所管事項にしたという勅令ですね。
証明する主体が、郡守、府尹、洞長、統首ですから、内部大臣の所管に変更するって事かな。
で、内容は省略。(笑)

最後の451画像目は、併合後のもの。
1911年(明治44年)4月『官通第68号 土地家屋証明取扱方に関する件』。
所有者は異なるけど、権利移転者が同一な場合の取扱について、一纏めにしたり別々にしたり、対応が区々みたいだけど、当事者が異なる毎に別個の申請として取り扱ってね、と。
要約だけで、内容は省略。

ってことで、怒濤の省略でお終い。(笑)
つうか、このエントリーのタイトル、『土地家屋証明規則の施行に関する訓令』で良いじゃん、というツッコミは、無しの方向で一つ。


今日はここまで。



土地家屋証明規則
土地建物証明規則
土地家屋証明規則施行細則


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法律の条文ばっかりだと飽きてきますので、前回は『韓国施政改善に関する協議会』を引用して、規則制定の理由なんかを見ました。
つうか、これまで第13回の協議会しか全文を取り上げず、他は部分引用の形ばかりだった訳ですが、改めて読み返すと面白いなぁ・・・。(笑)
今度、改めて取り上げてみようっと。

ってことで、今回は12月24日のエントリーで見た1906年(光武10年)10月26日『勅令第65号 土地家屋証明規則』の施行細則について。
1906年(光武10年)11月7日『法部令第4号 土地家屋証明規則施行細則』ですね。

今回もアジア歴史資料センターの『韓国法典(レファレンスコード:A06032019200)』の411画像目と、『現行朝鮮総督府法規提要 第ニ編(レファレンスコード:A06032019600)』の434画像目の両方を見ながらテキストに起こしていきたいと思います。
では早速。

●土地家屋證明規則施行細則
光武10年11月7日法部令第4号

第1條
土地家屋証明規則第1條の証明を受けんとする者は、売買贈与及交換する場合には2通、典当する場合には3通の契約書を調製し、文記其の他の証拠書類を添付して、先ず証明を受くべき土地家屋所在地の統首或は洞長に呈示すべし。
前項の場合には、手数料金50銭を納むべし。

第2條
統首及洞長が前條の呈示を受けたる時は、契約書の事項が事実に適合するや否を調査し、其の適合せるを認めたる時は、契約書各通に認証し、当事者に交付す。
前項の場合に事実が適合せりと認め能はざる時は、其理由を附し認証を拒絶す。

第3條
統首及洞長は、前條の認証を施す時は帳簿を設けて左の事項を記載す。

1 土地には、種目、所在地名、地番号(字号等)、面積(卜数斗落歩数等)及四標
 家屋には、種目、所在地名、戸番号(統戸等)及面積
2 当事者の族籍住所及氏名
3 認証の年月日及番号
第4條
当事者は、第2條に依り認証を受けたる時は、即時其の契約書の証明を受くる土地或は家屋の所在地を管轄する郡守或は府尹に提出す。
前項の場合には、左の手数料を納むべしと雖も、最低額金50銭を下ることを得ず。

1 土地或は家屋の売買、贈与、交換に関しては、其の土地又は家屋の価格1000分之2
2 土地或は家屋の典当に関しては、其債権額1000分之2
第5條
郡守及府尹は、前條の契約書を受理する時は、左の事項を遅滞なく調査す。

1 当事者が正当なる権利者たるや否
2 土地及家屋に関する表示が、事実に適合せるや否
3 契約成立に関して、錯誤、詐偽、脅迫及暴行等の事実の有無
4 契約の虚示なしや否
5 当事者の能力に欠缺なしや否
6 其の他法律行為の要件が欠缺、或は事実に不適合なる事項の有無
第6條
前條の調査を了して契約書の確実なることを認めたる時は、其各通に証明を施すべきと雖も、売買、贈与及交換の場合には、其の1通を買主、受贈者或は交換を受けたる者に交付し、典当の場合には其2通を当事者に交付し、他の1通は文記其の他証拠書類と同じく此を保存す。
調査したる結果に、証明を施し能はざることを認めたる時は、其理由を附して証明を拒絶す。

第7條
郡守及府尹は、前條の証明を行ふ時、及土地家屋証明規則第8條末項に依り、日本理事官より知照を受けたる時は、即ち土地家屋証明簿に左の事項を記載す。

1 土地には、種目、所在地名、番号(字号等)、面積(卜数斗落歩数等)及四標
 家屋には、種目、所在地名、戸番号(統戸等)及面積
2 売買代金、交換物、贈与の條件及債権金額其還償期日
3 当事者及保証人の族籍、住所及氏名
4 其他契約書中に特に記載を要する者と認たる事項
5 認証の年月日及番号
第8條
郡守及府尹は、第5條の調査を行ふに必要と認むる時は、当事者、利害関係人或は参考人を召喚詢問し、或は吏員をして実地に臨検調査せしむることを得。

第9條
土地家屋証明規則第7條に依り、異議の申告が有る時は、監督官庁は其の申告を審査し、理由有りと認めたる時は、統首、洞長、郡守或は府尹に対して、其の処分の繳消或は変更を命ず。

第10條
土地家屋証明簿の閲覧を求むる者は、手数料金10銭を納むべし。

第11條
第6條の証明を受けたる当事者は、左の場合に遅滞なく証明を施したる郡守或は府尹に、其の意を申告す。

1 証明を受けたる権利が、消滅或は移転したる時
2 証明を受けたる土地或は家屋に関して、第7條各号に掲示したる事項に変更の生じたる時
前項各條の場合は、其の原因を記載し、且証拠書類を添付す。
第1項の申告義務を怠緩して、他人に損害を加へたる者は、此損害を賠償する責に任ず。

第12條
郡守及府尹は、前條各号の申告に対して其の原因を調査し、其の事実有りと認めたる時は、即ち土地家屋証明簿に記載し、第6條の証明を施したる契約書に其の旨を附記す。

第13條
郡守及府尹は、当事者の申請に依り正当なる理由有ることを認たる時には、第6條の証明を施したる契約書の正本を下付することを得。
前項の場合に、申請する者は手数料金50銭を納む。

第14條
此規則に定めたる手数料は、収入印紙を以て手数料納付書に添付納入す。
前項の手数料納付書には、左の事項を記載す。

1 手数料の金額
2 第1條、第10條、第13條の場合には其の件数、第4條の場合には土地家屋の価額或は債権額
3 納付人の氏名及納付の年月日
附則

第16條
此規則は、光武10年12月1日より施行す。
以下の様式集は省略。

12月24日のエントリーでは、「勿論、所有権そのものの確認は「町会長クラスの認証」がメインになるんでしょうから、非常に危ない制度な気はするんですけどね。(笑)」なんて笑ってみたんですが、第5条あたりを見ると結構細かく調査する規定になってるんですねぇ・・・。
最も、ちゃんと調査されるかどうかは別問題ですが。(笑)

つうか、12月17日のエントリーで私有の根拠とされているんで、土地制度的な意味で見てたんですが、それは第2条や第5条の調査で担保されているだけであって、第6条の「売買、贈与及交換の場合には、其の1通を買主、受贈者或は交換を受けたる者に交付し、典当の場合には其2通を当事者に交付し、他の1通は文記其の他証拠書類と同じく此を保存す。」とか、そもそも典当(抵当・担保)契約も証明してるとか。

これ、大韓帝国用にカスタマイズされてるけど、土地制度というよりは公正証書みたいな制度じゃね?

法律はあまり自信ないので、読者の中に法律に詳しい人がツッコんでくれるとありがたい。
いや、もしそうだとしても、だから何?という話ではあるんだけど。(笑)

つうか、その手数料が「土地又は家屋の価格1000分之2」って、500分の1じゃ駄目なのか?(笑)


ってことで、今日はここまで。



土地家屋証明規則
土地建物証明規則


土地建物証明規則


このブログ、季節感も糞も無ぇ~なぁ~等と思いつつ。(笑)
まぁ、日記と銘打っておきながら、日記じゃないわけなんで、仕方ないですけど。

さて、前回は1906年(光武10年)10月26日『勅令第65号 土地家屋証明規則』を取り上げました。
その第8条に、外国人の土地建物関係の契約に対する証明は、日本理事官の査証を受けるという話がありました。
ってことで、今回はまず、それに基づく日本側の規則を取り上げようか、と。

それでは、アジア歴史資料センター『現行朝鮮総督府法規提要 第ニ編(レファレンスコード:A06032019600)』の430画像目より。
1906年(明治39年)11月『統令第42号 土地建物証明規則』。

●土地建物證明規則
明治39年11月統令第42号

土地建物証明規則、左の通定む。

第1條
土地又は建物を売買、贈与、交換し、又は典当と為したる場合に於て、其の当事者の一方が韓国臣民に非ずして、韓国勅令土地家屋証明規則に依り郡守又は府尹の証明を受けたるものは、更に理事官の査証を受くべし。
当事者の雙方が韓国臣民に非ざるときは、理事官の証明を受くることを得。

第2條
前條の査証及証明に付ては別に定むるものの外、韓国勅令土地家屋証明規則及法部令土地家屋証明規則施行細則の規定に従ふ。
但し、認証及手数料納付書に関するものは、此の限に在らず。

第3條
査証手数料は50銭とす。

第4條
理事官が査証を為したるときは、其の旨を郡守又は府尹に通知すべし。
理事官が証明を為す場合に於ては、土地建物証明台帳に記載すべき要項を、先づ郡守又は府尹に通知すべし。

附則
本規則は、明治39年12月1日より之を施行す。
ああ、前回の条文だと分かりづらかったけど、郡守・府尹の証明→日本理事官の査証か。
で、その査証を受けたら郡守・府尹に通知という流れ。

双方が外国人の場合は、理事官はまず土地家屋証明簿の記載に必要な事項を郡守・府尹に通知して、その記載後に証明。

で、第2条の「別に定むるもの」はありませんので、基本的には査証や証明については土地家屋証明規則と施行細則の規定どおり。
査証手数料は50銭、と。

これが、前回の1906年(光武10年)10月26日『勅令第65号 土地家屋証明規則』と同様に、1906年(明治39年・光武10年)12月1日から施行されるわけです。

ってことで、規則の内容的にはこれで終わり。(笑)

さて、前回の『土地家屋証明規則』と今回の『土地建物証明規則』の制定が必要になった理由について、1906年(明治39年)7月23日の『韓国施政改善に関する協議会』に見ることができますので、それを『統監府文書1』から抜粋して見ておきましょう。

 (前略)

伊藤統監
森林問題は暫く之を他日に譲り、茲に諸君に協議したきは土地に関する一問題なり。
尤茲に所謂土地なるものは、軍収用地又は鉄道敷地の謂にあらず。
韓人の私有地に関する問題なり。
是れ強て韓人のみを悪しと断ずべからず。
日本人も亦、全然其の罪なしとは言ひ難かるべしと信ずるも、聞く所によれば、韓人は往々地券を偽造して日本人に質入れ又は売買を為すの結果、真実の持主は、之を知らざる間に其の所有地が他人の有に帰したるが如きことありと云ふ。
尚又特許の如きも韓国に於ては其の制度紊乱し、宮中よりも政府よりも各種の内外人に之を与へ、甚しきは韓国の人夫の如きものに対してすら之を許すの状況なり。
然れども、特許問題は暫く之を措き、専ら私有地問題に就き協議せしに、土地を担保として日本人より借金を為す勿れと禁止することは到底不可能なるべく、又相当の理由なくして私有地の売買を禁止することも出来ざるべしと雖、責めて詐偽を予防するに足るべき方法は之を設けたれば存ず。
諸君の御高見如何。

此の時閔度相・李軍相・李内相等室の一隅に於て互に意見を交換したる後

閔度相
私有地の事に付き、我が国に於ては、古来左に開陳する如き習慣あり。
即ち、大家の子弟にして地券の家券を詐偽の手段に依り売買したる事実発見せば、其の大家の主人は無償にて其の土地を取戻すことを得たり。
而して、右の大家は概ね両班なるを以て、互に相警戒して斯かる災厄に遭遇せざる様力めたれば、今日の如く詐偽事件の起ることなかりしも、其の後外国人の本邦に来位するに及び、其の相手が外国人なるときは古来の慣例を踏襲する能はず。
隨て、今日の如き有様となりたるなり。
故に法律を以て之を禁止するの必要ありと信ずるに依り、梅博士に依頼して調査せしめては如可。
又特許権に関しては、従来種々の弊害ありたるを以て、政府に於て取扱ふ特許は必ず閣議に提出することとし、之に関する勅令案を起草したるが故、追て統監の高見に供したる上実施せんと欲す。
此の案に依れば、各部より許可したる特許は毎年5月31日を以て内閣に報告し、5年毎に之を摠括して一の完全なる報告書を調製する予定なり。

伊藤統監
斯の如き方法は無効なりと信ず。
1年と云ひ5年と云ふも事の起れる後の報告書は、決して特許の濫用を予防し得るものにあらず。
然れども、自分は茲に特許問題を議論せんとするものにあらざるか故に、是は別問題として他日に譲るべし。
要するに、特許は官衙と人民との関係なれば、政府に於て注意すれば之を取締るの方法なきにあらず。
然れども、質入売買は個人間の関係なるが故に、相当の方法を設けて之が制裁を附せざるべからず。
自分は是迄、韓国には地券なるもの無しとのみ思ひ居りたるに、聞く所に依れは矢張韓国にも之に代はるべき旧文件ある由なるに付き、売買質入の際は此の文件を郡守に提出し、其の正確なるや否を証明することとせば、偽造の弊害を予防することを得べし。
勿論郡守は、之か証明を為すに先だち、当該村落に就て調査するの要あるべし。
聞くが如くんば、各村には洞長ありて地券の正確なるや否は判明し居る由。
諸君にして幸に御同意あらば、郡守をして之が証明を為さしむることとし、若し此の証明を経ず、偽造券を担保として受取るとも其は当事者の損失に帰せしむることとし、統監府よりも亦此の如き法規を作りて、之を韓国に在留する日本人に公布すれば、此の弊を予防し得べきにあらずや。

各大臣
至極御名案なり。
而も本案は、最至急を要することと信ず。

閔度相
之に関する法律の起草は、梅博士の調査に付せしめては如何。

伊藤統監
今俄に綿密なる法律を作るも、郡守に於て之を施行すること難かるべし。
卑見に依れば、此の法律は至極簡単なるものにて可なりと信ず。
梅博士の調査は、永遠に瀰るの法律なるが故に最綿密なる調査を要すれども、本案は只目下の急に応ぜしめんとするに過ぎざるものなり。

李法相
本件は法部に於て為すべき事業なり。
甞て某会社の申請に依り、法部に於て之が予防法を講ぜんと目論見たることあり。
然るに、茲に考慮を要すべきは、郡の下に面なるものあり。
面の下に郷なるものあり。
面長又は郷長に於て速に其の手続を運べば可なりと雖、往々私怨の為に容易に証明を与へざることあるべし。
之が為、却て弊害を醸すの虞なきにあらず。
故に証明の期間を、例へば5日間と定め、此の期間に於て必ず証明をなすべき旨を法律に規定するの必要あるべし。

伊藤統監
法部大臣の説は御尤なり。
然れども、其は細目に入りての問題なり。
要するに、大体斯の如き方法を以てせば眼前の弊害は之を予防し得べしと愚考す。
諸君の高見如何哉。

李法相
大体上至極宜かるべしと思ふ。
尚、詳細なる手続に至ては、種々規定を要すべきものありと信ずるに依り、自分に於て之か起稿の任に当るべし。

伊藤統監
然らば左様致すべし。

此の時、国分書記官傍より、法相の説の如く相当の規定を設け置かざれば、却て種々の弊害を生ずるの虞あることを説明し、例へば郡守・面長・郷長等は当事者に対して何等私怨を挿むことなしとするも、当該村落が共同して日本人をして土地を所有せしむることを好まさる為、郷内又は親族に於て予め之を買収するが如きことを為し、時に排日的契定に陥ることなきを保せずと注意す。

伊藤統監
兎に角、本問題は懸案として御互に尚熟考致すべし。

李法相
兎も角も、法部に於て草案を起稿すべし。

 (後略)
家族が勝手に家の権利証持ち出して売買や抵当に入れても、朝鮮の慣習では取り戻すことが出来るけど、外人相手だと慣習が通用しないってことですね。
増して民法が存在しないわけで。
さらに偽造等の問題もあったり。
ってことで、詐欺・偽造による契約を予防するための制度が必要、と。

で、郡守等の証明を受ける事や、郡守等の事務遅延防止など、基本的な部分については既にこの時点で話し合われ、その後の協議会や梅謙次郎等との話し合いによって、最終的に前回のような形で発布へと至るのでした。

つうか、余談を話すとそれに食いついて横道に逸れるのを見ていると、エンコリの韓国人と変わらんなぁ、と。(笑)


余談の方が長くなりましたが、今日はここまで。


土地家屋証明規則


土地家屋証明規則


本当はシカトぶっここうかと思ったんですが、もう既に年末ですし、新しい事始めるのも何だなと思うわけで。(笑)
仕方がないので12月17日のエントリーで話の出た法令について。

今回は、「土地家屋証明規則」。
12月17日のエントリーで1906年(光武10年)12月1日施行の『勅令第65号 土地家屋証明規則』と述べたやつですね。

さて、この規則をアジア歴史資料センター『現行朝鮮総督府法規提要 第ニ編(レファレンスコード:A06032019600)』の433画像目から見ていこうと思ったんですが、画像中で「土地建物証明規則」となっています。
下の官報画像を見てもらえれば分かるとおり、勿論これは誤り。

土地家屋証明規則 (クリックで拡大)

ってことで、官報や同じくアジア歴史資料センターの『韓国法典(レファレンスコード:A06032019200)』の411画像目とも対比しながら、まずは改正前の条文としてテキスト化していこうと思います。
では、1906年(光武10年)10月26日『勅令第65号 土地家屋証明規則』。

●土地家屋證明規則
光武10年10月勅令第65号

第1條
土地家屋を売買、贈与或は典当する時は、其契約書に統首或は洞長の認証を経たる後に、郡守或は府尹の証明を受くることを得。

第2條
前條の証明を受けたる契約書は、完全なる証拠となる。
但し、其正本に依り当該官庁に於て既に施行力を有す。

第3條
郡守及府尹は、土地家屋証明簿を備寘し、第1條の証明を施したる時は、既に其要項を記載す。

第4條
何人と雖も、郡守或は府尹に申請し、土地家屋証明簿の閲覧を求むることを得。

第5條
第1條の認証証明及前條の土地家屋証明簿閲覧を申請する者は、別に定めたる手数料を納む。

第6條
統首洞長郡守及府尹の故意過失にて、権利無き者の請求に依り認証或は証明を施し、又は無故認証或は証明を拒絶或は怠緩し、又は土地証明簿に不実なる記載を行ひ、又は土地家屋証明簿の閲覧を拒みたる時は、此に由り損害を受けたる者に賠償の責に任ず。

第7條
統首洞長郡守及府尹の処分に対し異議有る者は、其監督官庁に直に申出ず可し。

第8條
当事者の一方が外国人にして、本則に依り証明を受けんとする時は、日本理事官の査証を受く。
若し理事官の査証を受けざれば、第2條の効力を生ぜず。
当事者の両方が外国人にして証明を受けんとする時は、日本理事官に具申し、日本理事官先づ当該郡守或は府尹に知 照して、土地家屋証明簿に記載したる後証明す。

附則

第9條
本令は、光武10年12月1日より施行す。

第10條
本令施行に関する細則は、法部大臣之を定む。
で、1907年(隆煕元年)12月に改正が行われるわけです。
残念ながら、改正に関する官報が見つからないので、先ほどの条文との差し引き、つまり第3条の2項以下について、更にテキスト化しておきます。

土地家屋証明簿の全部或は一部が滅失したる時は、所有者或は典当権者は、法部大臣の定むる期限内に更に郡守或は府尹の証明を受けざれば、証明の効力を失ふ。
但し、期限後と雖も、其権利と抵触すべき証明の申請無き間は、再次証明を受けて其権利を保存することを得。
そんでは、元の条文の第1条から。
そもそもこの土地家屋証明規則ってのは、土地や家屋を売買したり、贈与したり、抵当に入れる時に、その契約書について町会長クラスの認証を受けて、市町村長クラスの人から証明を受ける事ができる制度。
基本的には、売買等に対する公的お墨付きをもらう制度って言った方が良いのかな?

勿論、所有権そのものの確認は「町会長クラスの認証」がメインになるんでしょうから、非常に危ない制度な気はするんですけどね。(笑)

しかし第2条で、その証明を受けた契約書は完全な証拠となるわけです。
本当は国有地なのに、売買契約書に証明しちゃった場合とか、ありそうな予感。(笑)
この場合、善意の第三者として有効あつかいされるんでしょうかねぇ・・・。

で、第3条は、郡守や府尹は土地家屋証明簿を備え付けて、第1条の証明をした場合には、その要項を書いておけ、と。
さらに改正では、その土地家屋証明簿の全部か一部が無くなった時は、所有者や抵当権者は、法部大臣の定める期間内に更に郡守や府尹の証明を受けなければ、その効力を失う。
自分らで原簿なくしておきながら、もう一回届けなきゃ証明の効力失うって・・・。
すげぇ強引。(笑)
何で改正されたのかと言えば、やっぱり無くしちゃうヤツ多かったんじゃないかなぁ。(笑)

で、但書として、期限後であってもその権利に抵触するような証明の申請が無い間は、もう一回証明を受けてその権利を確保できる、と。
つうか、「その権利に抵触するような証明の申請が無い間」ってなぁ・・・。
やっぱ、土地調査事業必要だろ、これ。(笑)

第4条は誰でも申請して土地家屋証明簿の閲覧を求める事ができ、第5条では第1条の認証・証明と第4条の閲覧申請のためには、別に定める手数料を納めろ、と。

次が先ほども触れた第6条ですね。
統首、洞長、郡守、府尹の故意又は過失のせいで、本当は権利が無いものの請求によって認証や証明をしたり、理由もなく認証や証明を拒絶又は怠慢な事務処理をしたり、土地証明簿に不実記載をしたり、土地家屋証明簿の閲覧を拒んだ時には、そのために損害を受けた者に対する賠償責任を取らせる、と。
つうかさぁ、ちゃんとした所有権が確立してないのに、「権利無き者の請求に依り認証或は証明」による賠償責任って、酷じゃね?(笑)

で、第7条では、統首、洞長、郡守、府尹の処分に対して異議がある者は、その監督官庁に直に申し出ること。

最後の第8条では、契約当事者の一方が外国人であり、この規則によって証明を受けようとするときは、日本の理事官の査証を受けること。
その査証を受ける事が出来なければ、第2条の「完全なる証拠」にはならない、と。
で、当事者の両方が外国人の場合には、日本理事官に具申し、日本理事官はまずその地域の郡守か府尹に知らせて、土地家屋証明簿に記載した後に証明する、と。

勿論、大韓帝国の外交は、第二次日韓協約によって日本が担当する事になっていますので、そういう形。
ただ、それだけでも無く。

えー、実はですね。
当時、朝鮮・大韓帝国と諸外国との条約で、居留地外10里(日本里で1里)以上の地は、土地所有どころか基本的に出歩けなかったわけです。
逆に韓国側では、韓国人が土地を外国人に売る事を禁止してるんですね。

まぁ、日本の場合、居留地等の制約は厳守されて、最終的には治外法権の撤廃なんかと引き換えに居留地も撤廃されるわけですが、朝鮮の場合、清国が好き勝手やってやらせるもんで、他の国に対しても抗弁できない状態になった事と、高宗を初めとした朝鮮側が鉱山特許なんかを売っちゃったりで、なし崩し的に有名無実な話に。

ってことで、日本人は勿論、宣教師なんかも含めて、実態として内陸地に外国人が居住しちゃってるわけです。
それだけでなく、売買されたり、担保物件になったり、賃借されたり。
治外法権の引き換え材料となるどころか、もし買い戻したり損害賠償を払わなければならない状況になれば、もの凄い経費がかかる状態なわけです。
ってことで、寧ろそれを公認することと引き換えに、大韓帝国の法規を守らせる方が良いと判断したんですね。


ってところで、長くなりましたが今日はここまで。




前回前々回の続きです。
入会の話があるはずなんで、これまでの2回よりは、若干面白い部分があると思われ。

んでは、今日もアジア歴史資料センター『大正13年版 朝鮮法令輯覧(レファレンスコード:A06032017900)』から、384画像目。

第五章 国有森林の入会及保護

第35條
森林令第8條の入会慣行とは、地元住民の全部又は大部分が、国有森林の一定の区域を限り永年部落用又は自家用に供すべき産物の採取、又は放牧の用に供じたる慣行を謂ふ。

第36條
森林令第10條に依り国有森林の保護を命ぜられたる者は、左の義務を負担す。

1 火災の予防及消防
2 盗伐、侵墾、其の他加害行為の予防及防止
3 有害動物の加害予防及駆除
4 境界標其の他標識の保存
5 稚樹の保育
6 前各号の外、森林の保護に関し地方長官の命令する事項
前項の義務者は、地方長官の許可を受くるに非ざれば、森林手入の為伐木し、又は生枝を採取することを得ず。

第37條
左の各号の1に該当する場合に於ては、前條の義務者は直に地方長官に届出づべし。

1 保護すべき森林又は其の立木に異状を生じたるとき
2 森林手入其の他命令せられたる行為を終りたるとき
第38條
左に掲ぐる産物は、第36條の義務者の所得とす。

1 枯木、倒木及枯枝
2 森林手入の為伐採する樹木及枝條
3 土地の形質を変せずして採取し得べき副産物
前項の外、地方長官は特に自家用若は部落用に供すべき産物を譲与することを得。

第六章 森林警察

第39條
警察官吏、森林令第18條に依り火入を許可したるときは、火入許可証を交付すべし。
前項の許可証は、火入者に於て火入の際之を携帯すべし。

第40條
火入の許可を受けたる者は、接近する森林の所有者又は管理者に対し、予め其の期日を通知すべし。

第41條
他に延焼の虞ありと認むるときは、警察官吏は火入者に対し火入の方法若は期日の変更を命じ、又は相当の設備を為さしむることを得。

第七章 罰則

第42條
左の各号の1に該当する者は、100円以下の罰金又は科料に処す。

1 第13條、第19條、第23條又は第36條第2項の規定に違反したる者
2 第17條第2項、第26條、第27條又は第41條の命令に違反したる者
3 第25條又は第34條第1項の指定、制限、停止又は禁止に違反したる者
第43條
第10條、第12條、第15條、第29條、第37條、第39條第2項又は第40條の規定に違反したる者は、科料に処す。

附則

第44條
本令は、森林令施行の日より之を施行す。

第45條
国有森林山野及産物処分規則、国有森林山野部分林規則及森林法施行細則は之を廃止す。

第46條
森林令第29條に該当する場合に在りては、貸付料を徴収せず。
前項の借受人、同令第7條の譲与を受けむとするときは、図面を添付し、朝鮮総督に願出づべし。
今日もポイントだけ。

まずは第35条の、森林令第8条の入会慣行について。
地元住民の全部又は大部分が、国有森林の一定の区域を限り永年部落用又は自家用に供すべき産物の採取、又は放牧の用に供じたる慣行を謂ふ。」と。
まぁ、そのままです。

次に、同じく森林令の第10條、「朝鮮総督は、地元住民をして国有森林の保護を為さしめ、報酬として其の産物の一部を之に譲与することを得。前項森林の保護に付ては、地元住民連帯にて其の責に任ず。地元住民故意又は重大なる過失に因り、森林に損害を生ぜしめたるときは、之を賠償せしむることを得。」について。
第36条でその保護義務について謳われていますが、特に難しい話でもなく。
で、第38条で所得として、枯れ木・倒木・枯れ枝・手入れのために伐採する樹木や枝・土地の形を変えないで採取できる副産物が挙げられ、更に地方長官は特に自家用若は部落用に供すべき産物を譲与することが出来る、と。
入会の慣習が無くても、普通に地元住民共同で保護さしてくれ!で良くね?
( ´H`)y-~~

次ぎに、第42条。
100円以下の罰金又は科料に処す」です。
当然、1912年(明治45年・大正元年)の『制令第13号 朝鮮笞刑令』以降は、第2条及び第3条により笞刑の対象になりえます。
同じく1912年(明治45年・大正元年)の『犯罪即決例改正』の第1条第3項「3月以下の懲役、禁錮若は拘留又は100円以下の罰金若は科料の刑に処すべき行政法規違反の罪」にも該当しますので、即決処分が行われる対象ですね。

ということで、10月4日のエントリー及び10月5日のエントリーで指摘されたとおり、賭博よりは大幅に少なく、窃盗より若干大目という、笞刑執行罪名第2位の地位を占めるわけです。(笑)

まぁ、単なる勝手に開墾ではなく、火を入れちゃうと懲役ですので、本当の意味での「火田」の場合には、基本的に笞刑以上の罪になるんですけどね。

最後に、第45条。
国有森林山野及産物処分規則』も、『国有森林山野部分林規則』も、『森林法施行細則』も、みな廃止。
たった3年しか経ってないのに・・・。
僕の努力、水の泡。(笑)

ちなみに、この後385画像目で1911年(明治44年)8月『総告第272号 森林令及森林令施行規則に依る出願其の他の様式』が。
同じく386画像目から、1911年(明治44年)8月『総訓第73号 森林令施行手続』が掲載されています。
勿論これらは、森林令に関連するものなんですが、中身的にそれほど重要ではないと思われるので省略。


ってことで、今日はここまで。



森林令
森林令施行規則(一)
森林令施行規則(二)



前回の続きです。
つまんないので、さっさと始めます。
アジア歴史資料センター『大正13年版 朝鮮法令輯覧(レファレンスコード:A06032017900)』の384画像目より。

第四章 国有森林及其の産物の売却

第18條
左の各号の1に該当する場合に於ては、一定の区域に於ける国有森林の主産物を其の種類及数量を指示し、10年を超えざる期間に於て毎年分割引渡を為すの方法に依り年期売却に付することを得。

1 特別の設備を施ずに非ざれば、産物の利用困難なるとき
2 特別の設備を施すときは、産物利用の程度を著しく増進すべきこと
第19條
年期売却を受けたる者、事業計画を変更したるときは、朝鮮総督に届出づべし。
但し、設備の変更に付ては、朝鮮総督の許可を受くべし。

第20條
国有森林又は其の産物に付、売却の許可を受けたる者は、朝鮮総督又は地方長官の指定したる期間内に、其の指定の契約保証金を納付すべし。
但し、公用若は公益事業の為にする売却又は代金100円に満たざる場合に在りては、契約保証金を徴収せざることあるべし。
契約保証金は、国債を以て之に代用することを得。
契約保証金は、産物売却の場合に在りては、其の産物の搬出を終る迄之を還付せざることあるべし。

第22條
年期売却の場合に於ては、朝鮮総督は毎年引渡すべき主産物の種類、数量、代金、斫伐箇所、其の他契約履行に必要なる事項を定め、買受人に通知す。
当該官吏の測定したる前項主産物の数量に対しては、買受人は異議を述ぶることを得ず。
買受人は前項の測定に立会を為すことを得。

第23條
買受人は、売却物件の引渡又は採取の許可を受くるに非ざれば、其の物件に対し一切の処分を為すことを得ず。

第24條
売却物件の数量、品質若は面積に錯誤あり、又は其の物件に隠れたる瑕疵あるも、買受人は異議を唱ふることを得ず。
年期売却の場合に於て、営林計画の変更に因り売却物件の数量又は斫伐面積に変更を生じたるとき亦同じ。

第25條
朝鮮総督又は地方長官は、営林上必要ありと認むるときは、産物の買受人に対し伐採、採取又は搬出の方法を指定又は制限することあるべし。

第26條
朝鮮総督又は地方長官は、産物買受人の抛棄したる物件が、営林上著しき障礙ありと認むるときは、買受人に其の障礙物を除去せしむることあるべし。

第27條
朝鮮総督又は地方長官は、産物の買受人に於て其の伐採、採取又は搬出に当り、不正行為ありと認むるときは、其の物件を差押へ又は伐採、採取又は搬出の停止を命ずることあるべし。

第28條
売却したる産物の搬出又は採取期間は、主産物に在りては引渡後3年内、副産物に在りては採取許可の日より1年内に於て指定す。
買受人、已むを得ざる事由に因り、指定の期間内に搬出又は採取を終らざるときは、其の出願に依り特に延期を許可することあるべし。

第29條
産物の買受人其の搬出、若は採取、又は第26條に規定する造林障礙物の除去を終りたるときは、朝鮮総督又は地方長官に届出づべし。

第30條
産物の買受人、指定の期間内に搬出又は採取を終らざるときは、其の権利を抛棄したるものと看做す。

第31條
随意契約に依る産物の買受人は、朝鮮総督又は地方長官の許可を受くるに非ざれば、搬出、若は採取未済の産物、又は年期売却契約に依り生じたる権利を譲渡し、又は担保に供することを得ず。

第32條
左の各号の1に該当する場合に於ては、朝鮮総督又は地方長官は、森林又は其の産物の売却契約を解除することあるべし。

1 指定の期間内に売却代金を納付せざるとき
2 第23條の規定に違反したるとき
3 買受人に於て、法令又は契約上の義務に違反したるとき
前項の規定に依り契約を解除したるときは、契約保証金は国の所有に属し、契約保証金なきときは違約金として売却代金の100分の10に相当する金額を徴収す。

第33條
特に用途を定め国有森林、又は其の産物の売却、若は譲与を受けたる者は、朝鮮総督又は地方長官の許可を受くるに非ざれば、之を其の用途外に使用し、又は譲渡することを得ず。
前項の規定に違反したる場合に於ては、違約金として売却代金の半額又は物件の相当価格を徴収することあるべし。

第34條
年期売却を為したる後、法令の結果又は公用若は公益上の必要に依り、朝鮮総督に於て斫伐の制限停止、又は禁止を為すことあるも、買受人は異議を述ぶることを得ず。
代金納付済に係る物件にして、前項の制限、停止又は禁止に依り斫伐を為すことを得ざるものあるときは、相当代金を還付し、其の物件は国の所有とす。
森林法施行細則や国有森林山野及産物処分規則なんかと比べると、農商工部大臣が「朝鮮総督又は地方長官」に変わってる感じ。

あとは、例の国有森林山野処分審査会に関する話が無くなってるとこかな?
まぁ、森林令の第14條「国有森林の売却、交換若は貸付又は其の産物の売却に関する方法は、朝鮮総督之を定む。」とされていますので、森林令の施行規則ではなく、別に売却に関する法規が出されてるんでしょうね。


ってところで、あまりツッコミ所も無いまま、今日はここまで。



森林令
森林令施行規則(一)



何やら、wikiから僕のブログに貼られていたリンクが、一斉に削除されたようで。
独自研究の排除」は理解しますが、僕が出してる史料群って、使ってる研究者ほとんど見たこと無いわけで、その組み合わせって「特定の観点を推進するような、発表済みの情報の合成」に当たるんじゃないの?と。(笑)
まぁ、リンクして欲しいわけでは無いので、リンク削除自体は良いんですが、人のブログ参考にして史料パクるだけで、リンクは外すってのがムカツクのは事実。
wikiには関係ありませんが、裏付け史料が一切無くても、「説がある」と憶測書けば良い「研究者」は、もっとムカツク。
以上、愚痴。( ´H`)y-~~

さて、12月7日から12月12日までやった『森林法施行細則』が、非常に長い上に面白さに欠けた上、発布当時の条文が見つからないんで、取り上げようかどうしようか非常に迷ったんですが、一応取り上げておこうと。

まぁ、今回もつまらんよ、と。(笑)

ってことで、1911年(明治44年)6月『総令第74号 森林令施行規則』です。

今回もアジア歴史資料センターの『大正13年版 朝鮮法令輯覧(レファレンスコード:A06032017900)』から見ていくわけですが、条文そのものは大正10年1月府令第10号で改正された以降のものという事になります。
それでは、384画像目より。

●森林令施行規則
明治44年6月総令第74号

改正 大正8年6第105号、9年4第44号、10年1第18号

森林令施行規則、左の通定む。


森林令施行規則

第一章 総則

第1條
左の各号に関する事項は、地方長官之を処理すべし。
但し、別に指定する国有森林に付ては、此の限に在らず。

1 面積50町歩を超えざる国有森林の貸付竝其の国有森林に関する第16條、第17條及森林令第7條の処分
2 森林の産物にして、価額500円以下又は材積500尺締以下のものに関する処分
3 面積10町歩を超えざる国有森林に関する処分
4 森林令第4條及第9條の処分
地方長官前項の処分を為したるときは、之を報告すべし。

第2條
国有森林の売却、交換、譲与若は貸付又は其の産物の年期売却を受けむとする者は、図面を添へ、朝鮮総督又は地方長官に願出づべし。
其の貸付又は年期売却の場合に在りては、事業計画書をも添付すべし。
前項の出願人又は其の出願に基く契約の当事者2人以上なるときは、1人の代表者を定め届出づべし。
本令に依り朝鮮総督に差出すべき書類にして、前條第1項但書に依り指定したる国有森林に関するものは、其の森林の事務を分掌する朝鮮総督府農商工部山林課出張所を経由すべし。

第3條
前條の出願人又は契約当事者朝鮮に住居を有せざるときは、仮住所を定め、朝鮮総督又は地方官に届出づべし。
出願人又は契約当事者2人以上なるときは、前項の規定は其の代表者に限り之を適用す。

第4條
森林令又は本令に規定する森林、土地若は立木の権利義務は、其の所有権又は占有権と共に継承人に移転す。

第5條
森林令又は本令の規定に依り為したる手続き其の他の行為は、森林、土地若は立木の所有者又は占有者の継承人に対し、其の効力を有す。

第6條
森林令又は本令の規定に依る書類の送達を為すこと能はざるときは、朝鮮総督府官報又は地方官庁の公布式に依り之を公示し、其の公示日より30日を経過したるときは、其の末日に於て到達したるものと看做す。

第7條
森林令及本令は、山野に之を準用す。
森林令中、保安林に関する規定は、森林山野以外の土地に之を準用す。
前項の規定に依り保安林に編入せられたる土地に付ては、森林令第4條、第18條乃至第23條、本令第9條、第10條及第39條乃至第43條の規定を準用す。

第8條
営林廠所管森林に於ける産物の売却に関しては、別に定むる所に依る。

第二章 保安林

第9條
保安林の編入又は解除は、地域を指定し、朝鮮総督府官報を以て之を告示す。

第10條
保安林の所有者若は占有者に変更を生じたるとき、又は其の地形若は林相に著しき異状を生じたるときは、所有者又は占有者は遅滞なく地方長官に届出づべし。
但し、所有者又は占有者の変更の場合に在りては、相続に依る場合を除くの外、新旧権利者の連署を要す。

第11條
森林令第5條の禁止又は制限に付ては、第9條の規定を準用す。

第三章 国有森林の貸付

第12條
国有森林の貸付を受けたる者は、直に境界標を建設すべし。

第13條
国有森林の借受人は、朝鮮総督の許可を受くるに非ざれば、契約に明示したるものを除くの外、其の産物の取得を為すことを得ず。

第14條
造林の目的を以て国有森林の貸付を為したる場合に於て、其の森林の天然稚樹は、成林したるとき借受人の所有とす。

第15條
国有森林の借受人は、貸付地に異状を生じたるとき、又は管理人を置きたるとき、若は之を変更したるときは、其旨朝鮮総督又は地方長官に届出づべし。

第16條
国有森林の借受人は、許可を受くるに非ざれば其の森林を転貸し、又は其の権利を譲渡し、若は担保に供することを得ず。

第17條
左の各号の1に該当する場合に於ては、貸付地の全部又は一部を返還せしむることあるべし。

1 指定の期間内に貸付料を納付せざるとき
2 造林又は牧畜の為貸付を為したる場合に於て、事業進捗せず、又は成功の見込なしと認めたるとき
3 法令又は契約に定めたる事項に違反したるとき
4 錯誤に依り貸付を為したるとき
5 公用又は公益事業の用に供する必要を生じたるとき
前項第1号乃至第3号の場合に於て貸付地の返還を命じたるときは、借受人に対し其の貸付地より得たる不当利益の返還、立木の棄■又は工作物の撤去、其の他原状回復の為必要なる措置を命ずることを得。
第1項第4号又は第5号に依り貸付地を返還することあるべし。
取りあえず前半戦まで。

特記しておくことは、第4条と第5条かな?
「占有者」と「継承人」って誰?と。(笑)
「継承人」は、恐らく森林法を初めとする、旧法令で権利を得た者だとは思うんですが、「占有者」については色々思い浮かびすぎて、具体的に何を想定しているのか分からず。
勿論、具体的に想定するものが無く、単純に法的な権利として明記しただけかも知れませんが。


ってところで、今日はここまで。



森林令


森林令


前回の宿題。
というか、普通に取り上げる必要のある法令ですね。
1911年(明治44年)6月『制令第10号 森林令』です。
まぁ、条文で非常に面白い部分があるんですが。(笑)

では早速、アジア歴史資料センターの『大正13年版 朝鮮法令輯覧(レファレンスコード:A06032017900)』の383画像目より。

●森林令
明治44年6月制令第10号

森林令、明治44年法律第30号第1條及第2條に依り、勅裁を得て茲に之を公布す。


森林令

第1條
朝鮮総督は、国土の保安、危害の防止、水源の涵養、執行の目標、公衆の衛生、魚附又は風致の為必要ありと認むるときは、森林を保安林に編入することを得。

第2條
保安林に於ては、地方長官の許可を受くるに非ざれば、森林の手入に非ざる木竹の伐採若は開墾を為し、落葉、切芝、土石、樹根、草根の採取若は採掘を為し、又は放牧を為すことを得ず。

第3條
朝鮮総督は、公益上の必要ありと認むるとき、又は保安林として存置するの必要なしと認むるときは、保安林を解除することを得。

第4條
朝鮮総督は、林政上必要ありと認むるときは、森林の所有者又は占有者に対し営林方法を指定し、又は造林を命ずることを得。

第5條
朝鮮総督は、第1條の目的の為必要ありと認むるときは、保安林以外の森林に付開墾の禁止又は制限を為すことを得。

第6條
国有森林にして、国土保安の為又は森林経営の為国有として保存するの必要あるものは、公用又は公益事業の為にする場合を除くの外、之を売却、交換又は譲与することを得ず。

第7條
朝鮮総督は、造林の為国有森林の貸付を受けたる者に対し、事業成功したる場合に於て特に其の森林を譲与することを得。

第8條
国有森林に入会の慣行ある地元住民は、慣行に従ひ其の森林の副産物を採取し、又は之に放牧を為すことを得。
朝鮮総督は、前項に規定する入会の区域を指定、又は変更することを得。

第9條
朝鮮総督は、前條の地元住民に対し其の入会区域に造林を命ずることを得。
前項の命令を受けたる者、事業成功したるときは、其の土地に於て之に譲与することを得。

第10條
朝鮮総督は、地元住民をして国有森林の保護を為さしめ、報酬として其の産物の一部を之に譲与することを得。
前項森林の保護に付ては、地元住民連帯にて其の責に任ず。
地元住民故意又は重大なる過失に因り、森林に損害を生ぜしめたるときは、之を賠償せしむることを得。

第11條
朝鮮総督は、公用若は公益事業の為、又は移民団体の用に供する為必要あるときは、国有森林を譲与することを得。

第12條
国有森林の譲与を受けたる者、其の譲与の条件に違反したるときは、之を返還せしむることあるべし。
前項の規定に依り返還せしめたる場合に於ては、其の森林の上に設定したる第三者の権利は消滅す。

第13條
朝鮮総督は、左の各号の1に該当する場合に於ては、国有森林の産物を譲与することを得。

1 公用又は公益事業の為必要あるとき
2 非常の災害ありたる場合に於て、其の罹災者に建築修繕の材料又は燃料を供給する為必要あるとき
前項に規定するものの外、森林手入の為使用したる地元住民に対し、報酬として其の採取したる産物を譲与することを得。

第14條
国有森林の売却、交換若は貸付又は其の産物の売却に関する方法は、朝鮮総督之を定む。

第15條
地方長官は、森林の使用収益に関する弊害を矯正し、又は害蟲を駆除若は予防する為、公益上必要なる命令を発することを得。

第16條
朝鮮総督は、森林の所有者若は占有者、第9條又は第10條の地元住民をして、共同して森林の保護又は造林の事業に従事せしむる為、必要なる命令を発することを得。

第17條
朝鮮総督は、本令に規定する職権の1部を地方長官に委任することを得。

第18條
警察官吏の許可を受くるに非ざれば、森林又は之に接近する土地に火入を為すことを得ず。

第19條
他人の森林に放火したる者は、10年以下の懲役に処す。
自己の森林に放火したる者は、3年以下の懲役又は300円以下の罰金に処す。
因て他人の森林を焼燬したる者は、5年以下の懲役に処す。

第20條
森林に於て其の産物を窃取したる者は、3年以下の懲役又は300円以下の罰金に処す。

第21條
前2條の未遂罪は之を罰す。

第22條
左の各号の1に該当する者は、200円以下の罰金に処す。

1 造林命令若は営林方法の指定に違反し、又は第2條の規定に違反したる者
2 第5條の禁止又は制限に違反したる者
3 第18條の規定に違反したる者
4 森林に於て火を失し、又は濫に焚火を為したる者
5 濫に他人の森林を開墾したる者
第23條
他人の森林に設けたる標識を、移転、汚損又は毀壊したる者は、50円以下の罰金又は科料に処す。

第24條
朝鮮総督は、必要ありと認むるときは、命令を以て原野、山岳、其の他の土地に付本令の全部又は一部を準用することを得。

附則

第25條
本令施行の期日は、朝鮮総督之を定む。

第26條
隆煕2年法律第1号森林法は之を廃止す。

第27條
本令施行の際、現に保安林たるものは、本令に依り保安林に編入せられたるものと看做す。

第28條
本令施行前設定したる部分林に付ては仍従前の規定に依る。
前項の部分林に付ては、第7條の貸付を受け部分林に関する権利義務を消滅せしむることを得。

第29條
本令施行前永年禁養したる国有森林は、第7條の貸付を為したるものと看做す。

第30條
旧法令に依り為したる国有森林山野の貸付又は其の産物の売却は、之を本令に依る貸付又は売却と看做す。
結構『森林法』と変わってますね。

とりあえずポイントだけ。
まず目に付くのは第8条~第10条の規定。
所謂入会権に関連した条項です。

12月5日のエントリーでも触れたわけですが、民法の規定のみならず、森林令にもちゃんと入会の規定があるわけで。
国有森林に入会の慣行がある地元住民は、その慣行に従って森林の副産物、つまり枯れ木や落ち葉や木の実やキノコなんかを採取したり、放牧したり出来るんですね。

ちなみに、条文として「国有森林」に限られているのは、私有林は民事による争いになるわけで、それこそ純粋に民法上の問題になるからでしょう。

ということで、森林法による3年間の私有地届出期間 → 3年後に森林令で国有林の入会権規定 → 私有林は民法上での入会権 → 森林山野及未墾地国有私有区分標準で標準区分って流れになります。
で、この後林野調査ですね。

根拠が江宮隆之の小説『白磁の人』なのか何なのか知りませんが、「無主公山が届出されず国有地となった」は事実でしょうけど、入会権は奪われて無いのでヨロシク、と。
( ´H`)y-~~


続いて第11条。
公用もしくは公益事業のため、又は移民団体の用に供するために必要があるときは、国有森林を譲与出来る、と。
移民団体って、東拓?東拓?(笑)

後、面白いのは第29条かな?
形式的には造林のために国有森林の貸付されてる状態と見なすって事ですね。
ってことは、事業が成功してれば譲与されるのかな?
ただ、前回の「永年樹木を禁養したる土地」は私有地とする旨の条文は、どうなるんかなぁ・・・。

大体こんなところかな?

まあねぇ。
入会権関係の裁判って全員一致の原則重視ですので、韓国人にはソレ無理っていうなら、話は分かるんですがねぇ。(笑)


条文のせいで非常に長くなりましたが、今日はここまで。