笞刑の月。
今月も法令ばかり・・・。
ま、真打ちの朝鮮笞刑令や施行規則、執行心得をやったので、ちょっと満足。(笑)
でも連載終わってない辺りが・・・。

本当であれば、先月「民籍法」を取り上げたように、笞刑令で笞刑に出来る罰則規定を持つ法令を網羅できれば良いんでしょうけど、その気力も無いし。(笑)


< 2007年9月のエントリー >
併合後の法令を辿っていき、ようやく朝鮮笞刑令まで辿り着きました。
後は、廃止制令が待ってるだけ。

笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(2)~

8月29日のエントリーでは、第1条の解説しかできませんでしたが、その続きから最後までと、制定理由について。
基本的には、1909年(明治42年)10月16日『勅令第240号 韓国ニ於ケル犯罪即決令』と変わらない事が分かって、ちょっとガッカリしてみたり。(笑)


笞刑に関する整理(十) ~適用事例(1)~
朝鮮人を拷問して笞刑もする、悪辣な日帝の話。
刑法大全に基づく笞刑の適用事例が、軍法会議ってのはねぇ。(笑)
ま、普通の裁判記録やらは、韓国が奪ったままなので致し方なし。


笞刑に関する整理(十) ~適用事例(2)~

朝鮮人を拷問して笞刑もする、悪辣な日帝の話の続き。
容疑者を拷問或いは拷問した疑いで、裁判にかけられる憲兵。
有罪になった者が朝鮮人なので、刑法大全に基づいて笞刑となり、その後約1ヶ月分の給料程度の金額で収贖。
分隊長は軽謹慎5日。
隊長は進退伺いの上戒告処分。
酷い日帝。(棒


笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(1)~

朝鮮総督府裁判所令の3回の改正に関する話。
つまんない。
( ´H`)y-~~


笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(2)~

同じく、朝鮮総督府裁判所令の改正の話。
同じくつまんない。(笑)


笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(1)~

朝鮮刑事令の第1条から第10条までの紹介。
大事なのは大事なんですがねぇ・・・。
依用規定や準用規定なんかを、逐一挙げているのが、分かりやすいんだかわかりにくいんだか。(笑)
まぁ、見なくても可。


笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(2)~

朝鮮刑事令の第11条から第20条まで。
以下、上に同じ。(笑)


笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(3)~

朝鮮刑事令の第21条から第29条まで。
以下、同文。


笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(4)~

朝鮮刑事令の第30条から第38条まで。
以下、同文。


笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(5)~

朝鮮刑事令の第39条から附則の第47条まで。
ようやく朝鮮刑事令のメインの話ですね。
特に、第41条の旧韓国法規の廃止及び存続条文に関する規定と、第42条の旧韓国法規の刑罰の読み替え規定が重要な部分。


笞刑に関する整理(十三) ~犯罪即決例改正~

朝鮮刑事令の施行に伴い、内容の変化した犯罪即決例。
勿論、笞刑に関する条項が抜けてます。


笞刑に関する整理(十四) ~朝鮮笞刑令~

本題!本題!(笑)
結局、朝鮮笞刑令ってのは、刑法大全を基本に朝鮮人専用で続いてきた刑事に関する事項から、朝鮮刑事令で刑法等の日本の法律を基準とするに当たって、犯罪即決例等の日本法規、民籍令等の旧大韓帝国法規に残置していた笞刑も含めて、笞刑について統合し、基準を明文化したというだけの話。


笞刑に関する整理(十五) ~朝鮮笞刑令施行規則~

笞刑の施行規則。
笞刑執行時の体調管理、執行回数、執行日等の規則。
そりゃ興奮してやりすぎるヤツも居たかもしれないが、好き勝手にやって良いわけではない。


笞刑に関する整理(十六) ~笞刑執行心得~

日帝、細かすぎ!(笑)
基本、皮膚を損傷しないようにとあるわけで、これが遵守されればケツバット程度ってことですな。
おまけに、左右のケツ半分づつですし。
そして、これだけケツ、ケツ言うエントリーは、多分後にも先にも今回だけ。(笑)


笞刑に関する整理(十七) ~朝鮮監獄令と司法警察事務並令状執行ニ関スル件~

朝鮮監獄令は、短い割に結構面白い内容。
いや、他のがつまらないから、相対的に面白いと感じただけかも知れないけど。(笑)


笞刑に関する整理(十八) ~警察犯処罰規則~

割と、日本でも類似の警察犯処罰令が出ていた事をシカトする場合も多い、警察犯処罰規則。
条文比較すると、朝鮮だけが酷い内容なわけでも無く。
ちなみに、警察犯処罰規則を基礎に笞刑にされた事例は、裁判例で年平均10人前後。
即決の例で、年平均1,600程度となっております。


笞刑に関する整理(十九) ~裁判所令改正(3)~

朝鮮笞刑令から廃止までの間の裁判所令の改正について。
つまらないので、読み飛ばし可。


笞刑に関する整理(二十) ~刑事令改正(1)~

今度は、朝鮮笞刑令から廃止までの間の刑事令の改正から、1917年(大正6年)の改正について。
中でも、刑法大全の中で残されていた、強盗や殺人に関する条文が削除された話。
1920年(大正9年)の朝鮮笞刑令の廃止が、3.1運動や外人の圧力で行われたとすれば、刑法大全の残置条項は、何の圧力で廃止されたんでしょうねぇという疑問に、誰か答えてくれるんだろうか。(笑)


笞刑に関する整理(二十) ~刑事令改正(2)~

朝鮮笞刑令から廃止までの間の刑事令の改正について、その2。
つまらないので、読み飛ばし可。


今月は法令関係ばっかり。
こんなつまらないエントリーばっかり続けてて良いのか、俺。
まぁ、笞刑令や笞刑執行心得みたいに、地味に面白いのはあるんだけどね。(笑)



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2日に分けるつもりじゃなかったんだけどなぁ・・・。
疑問点、普通にスルーすれば良かった。(笑)
まぁ、1回の長さが長いよりは、短めの方が良い人のが多いようなので、そういう意味じゃあ良かったのかも。

ってことで、前回に引き続き朝鮮刑事令の改正についてです。
大正6年の改正の次の改正は、1919年(大正8年)制令第16号で行われます。
それでは、アジア歴史資料センターの『公文類聚・第四十三編・大正八年・第三十巻・司法二・執達吏・弁護士・公証人・司法代書人・民事・刑事/朝鮮刑事令中改正制令案(レファレンスコード:A01200174200)』から。

朝鮮刑事令中、左の通改正す。

第5条第1項に、左の1号を加ふ。
4 朝鮮総督府道森林主事
附則
本令は、公布の日より之を施行す。


理由
森林保護員に森林犯罪に対する捜査の権限を附与し、国有森林の保護を完うせむが為、今回朝鮮総督府地方官官制改正せられ、新に各道に置くこととなりたる道森林主事を、司法警察官と為すの必要あるに由る。
重要な話でも無いので取り上げませんが、一応参考までに、この時の地方官官制の改正については、『公文類聚・第四十三編・大正八年・第八巻・官職六・官制六(朝鮮総督府)/朝鮮総督府地方官官制中ヲ改正ス(レファレンスコード:A01200156200)』で見る事ができます。

ということで、「左に記載したる官吏は、検事の補佐として其の指揮を受け、司法警察官として犯罪を捜査すべし」に道森林主事も追加。
盗伐や火田なんかの取締りがメインになるのかな?

次が、朝鮮笞刑令の廃止とほぼ同時期の改正。
1920年(大正9年)制令第2号になります。
アジア歴史資料センターの『公文類聚・第四十四編・大正九年・第二十八巻・司法・裁判所・執達吏・公証人・民事(民法・戸籍)・刑事/朝鮮刑事令中改正制令案(レファレンスコード:A01200192600)』から。

朝鮮刑事令中、左の通改正す。

第4条中、「朝鮮総督府警務総長は」を「朝鮮総督府道知事は、各其の管轄地内に於て」に改む。

第5条中、「朝鮮総督府警務部長」を「第三部長たる朝鮮総督府道事務官」に、「朝鮮総督府警視、警部」を「朝鮮総督府道警視、道警部、道警部補」に改む。

附則
本令は、公布の日より之を施行す。


理由
大正8年8月勅令第387号を以て朝鮮総督府警察官署官制廃止せられ、朝鮮総督府警務総長、同警務部長は当然廃官となり、同時に勅令第391号を以て朝鮮総督府地方官官制を改正し、各道知事をして管内の警察事務を管理し、所属官吏の指揮監督せしめ、又新に各道に於て、第三部長たる朝鮮総督府道事務官が、警察事務の執行に関し知事の命を承け部下の警察官吏を指揮監督することとなりたるに付、刑事訴訟法第47条所定の如く、知事は一面司法警察官として犯罪を捜査するに付、地方法院検事と同一の職権を有せしめ、第三部長たる道事務官は、一面検事の補佐として其の指揮を受け、司法警察官として犯罪の捜査を為さしむる必要あるに依る。
ちなみに、警察官署官制の廃止は、『御署名原本・大正八年・勅令第三百八十七号・朝鮮総督府警察官署官制廃止明治四十三年勅令第三百二号(朝鮮総督府警務総長、警務部長、警視、警部ノ任用及分限ニ関スル件)、大正二年勅令第十九号(国境ニ於ケル朝鮮総督府税関出張所在勤ノ監視監吏ノ特別任用ニ関スル件)中改正(レファレンスコード:A03021212700)』。
朝鮮総督府地方官官制の改正は、『公文類聚・第四十三編・大正八年・第八巻・官職六・官制六(朝鮮総督府)/朝鮮総督府地方官官制○朝鮮総督府逓信官署官制中ヲ改正シ○台湾総督府海軍幕僚条例○明治三十六年勅令第二百九十六号台湾ニ台湾守備軍司令官ヲ置クノ件ヲ廃止ス・・・(レファレンスコード:A01200156700)』で見ることができます。

要するに、朝鮮総督府中央にしかなかった警察権が、日本で言う都道府県警のように、各道知事にまで降りてきたわけです。
で、それに伴って朝鮮刑事令も改正された、と。

以上が、朝鮮笞刑令の廃止までの間の刑事令の改正という事になります。


かなり早めですが、今日はここまで。



笞刑に関する整理(一) ~序~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(1)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(2)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(3)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(4)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(5)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(6)~
笞刑に関する整理(三) ~民籍法(1)~
笞刑に関する整理(三) ~民籍法(2)~
笞刑に関する整理(四) ~韓国司法及監獄事務委託~
笞刑に関する整理(五) ~統監府裁判所令~
笞刑に関する整理(六) ~韓国人ニ係ル司法ニ関スル件~
笞刑に関する整理(七) ~統監府監獄事務取扱ニ関スル件~
笞刑に関する整理(八) ~犯罪即決令~
笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(1)~
笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(2)~
笞刑に関する整理(十) ~適用事例(1)~
笞刑に関する整理(十) ~適用事例(2)~
笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(1)~
笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(2)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(1)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(2)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(3)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(4)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(5)~
笞刑に関する整理(十三) ~犯罪即決例改正~
笞刑に関する整理(十四) ~朝鮮笞刑令~
笞刑に関する整理(十五) ~朝鮮笞刑令施行規則~
笞刑に関する整理(十六) ~笞刑執行心得~
笞刑に関する整理(十七) ~朝鮮監獄令と司法警察事務並令状執行ニ関スル件~
笞刑に関する整理(十八) ~警察犯処罰規則~
笞刑に関する整理(十九) ~裁判所令改正(3)~
笞刑に関する整理(二十) ~刑事令改正(1)~


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さて、前回は朝鮮笞刑令が廃止される事になる1920年(大正9年)までの裁判所令の改正を見ましたが、今回は同じく朝鮮笞刑令が廃止される事になる1920年(大正9年)までの、朝鮮刑事令に関する改正について。
ってことで、前回ほどではありませんが、今回もそれほど重要な話では無いので、興味無い人は飛ばしてオッケーです。(笑)

まず最初の改正は、1917年(大正6年)の制令第3号になるんですが、その分だけが何故かアジ歴では公開されていませんので、nominally氏からもらった官報から見ていきたいと思います。
それでは、1917年(大正6年)『制令第3号 朝鮮刑事令中改正』より。

朝鮮刑事令改正(クリックで拡大)

制令第3号
朝鮮刑事令中、左の通改正す。

第21条中、「第12条」を「第12条、第17条」に改む。

第21条の2
第12条第2項、第17条又は刑事訴訟法第147条の規定に依り司法警察官の為す処分には、立会人を要せず。

第35条第2項に左の但書を加ふ。
但し、上告裁判所の検事の附帯上告は、其の趣意書を上告裁判所に差出すに依りて之を為す。

第41条第2項及び第3項を削る。

附則
本令は、大正6年12月10日より之を施行す。
本令施行前に朝鮮刑事令第41条第2項の罪を犯し、未だ確定判決を経ざる者に付ては、朝鮮刑事令に依り之を処断す。
つうか、最初から意味わかんね・・・。_| ̄|○

朝鮮刑事令の第21条は、9月12日のエントリーで取り扱った「刑事訴訟法第92条の規定は、第12条及前2条の場合に之を準用す。」。
「第12条」を「第12条、第17条」に改むですから、「刑事訴訟法第92条の規定は、第12条、第17条及前2条の場合に之を準用す」となります。

その刑事訴訟法第92条は何かというと、「予審判事臨検、捜索、物件差押又は被告人、証人の訊問を為すには、裁判所書記の立会を必要とす。書記は調書を作り予審判事と共に署名捺印す可し。」「裁判所外に於て、急遽の際書記の立会を得ること能はざるときは、立会人2名あるを要す。但、監獄署に就て被告人を訊問するときは、其監獄署の官吏1名をして立会はしむ可し。」「前項の場合に於ては、予審判事自ら調書を作り之を読聞かせ、立会人と共に署名捺印す可し。書記又は立会人なくして為したる処分は、其効なかる可し。」の3項。

ところが、第21条の2として、「第12条第2項、第17条又は刑事訴訟法第147条の規定に依り司法警察官の為す処分には、立会人を要せず。」が新設されてるわけで。
刑事訴訟法第92条って、まさに立ち会い人の規定ちゃうのん?と。

この部分について、大正6年の『朝鮮総督府施政年報』には、「既往の実験に徴して、同令中訴訟手続に関する規定を改正し、司法警察官に於て現行犯の仮予審処分又は非現行犯の急速処分等を為す場合には立会人を要せず」とされています。
裁判所書記をそれに立ち会わせたり、立会出来ない場合には2人の立会人が必要だったりというのが、運用上困難だったって事ですかね。

でも、やっぱり何で第21条に第17条をわざわざ挿入して、第21条の2で除外するという形になったのか不明。
従来のままで良かったじゃん、と。
単に法令上の整理のためなんかな?
ま、悩んで答えが出るほど法学に詳しいワケでもないんで、疑問だけ提示しとこうっと。

続いての第35条に但し書きを加える方は、簡単な話。
元々第35条では、附帯上告は趣意書を原裁判所に出すと規定されてたわけですが、上告裁判所の検事がこの規定に従うと、原裁判所に趣意書出した後すぐ自分の方に還ってくるわけで、この無意味なワンクッションを省いた、と。

で、次の「第41条第2項及び第3項を削る」が、今回の改正のメインですね。
第41条については、9月14日のエントリーで取り上げています。
第2項では、殺人や強盗傷害等のそれまで絞首刑に該当していたような凶悪犯罪に刑法大全を適用し、第3項では当該罪に類似の物は引用するけど、死刑に該当する事例では引用できないという規定でした。

つまり、刑法大全の残置を規定していた条文を削除した事になります。

これに関して、先ほどの大正6年『朝鮮総督府施政年報』から少し引用してみます。

明治45年朝鮮刑事令の実施と共に、旧韓国刑法大全を廃止し、原則として一般に刑法其の他刑事に関する内地法を引用施行したるも、朝鮮人間に行はるる殺人強盗罪は、犯情極めて兇悪なるもの多きを以て、之に対しては従前の如く特に其の制裁を峻厳にするの必要あるを認め、此の2種の犯罪に関する刑法大全の規定に限り、当分の間除外例として其の效力を存続せしめたり。
然るに、近時時勢の進運に伴ひ、犯情兇悪なるもの著しく減少したるに依り、内地刑法を以て之に臨むも治安保持上何等障害を及ぼさざるものと認め、本年12月制令を以て朝鮮刑事令を改正し、此の除外例を削除して其の刑罰を緩和すると共に、従来内鮮人間に残存せし唯一なる実体法上の区別を撤去し、茲に法規統一の目的を達成せり。
1920年(大正9年)の朝鮮笞刑令の廃止が、3.1運動や外人の圧力で行われたとすれば、刑法大全の残置条項は、何の圧力で廃止されたんでしょうねぇ?(笑)

切っ掛けとなったのは明らかですが、ずっと残すつもりも無かっただろう、と。


ってことで、ちょっと早めですが今日はここまで。



笞刑に関する整理(一) ~序~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(1)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(2)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(3)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(4)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(5)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(6)~
笞刑に関する整理(三) ~民籍法(1)~
笞刑に関する整理(三) ~民籍法(2)~
笞刑に関する整理(四) ~韓国司法及監獄事務委託~
笞刑に関する整理(五) ~統監府裁判所令~
笞刑に関する整理(六) ~韓国人ニ係ル司法ニ関スル件~
笞刑に関する整理(七) ~統監府監獄事務取扱ニ関スル件~
笞刑に関する整理(八) ~犯罪即決令~
笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(1)~
笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(2)~
笞刑に関する整理(十) ~適用事例(1)~
笞刑に関する整理(十) ~適用事例(2)~
笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(1)~
笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(2)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(1)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(2)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(3)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(4)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(5)~
笞刑に関する整理(十三) ~犯罪即決例改正~
笞刑に関する整理(十四) ~朝鮮笞刑令~
笞刑に関する整理(十五) ~朝鮮笞刑令施行規則~
笞刑に関する整理(十六) ~笞刑執行心得~
笞刑に関する整理(十七) ~朝鮮監獄令と司法警察事務並令状執行ニ関スル件~
笞刑に関する整理(十八) ~警察犯処罰規則~
笞刑に関する整理(十九) ~裁判所令改正(3)~


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以前、9月6日のエントリー9月7日のエントリーで取り上げた事のある裁判所令の改正。
その際には、朝鮮笞刑令のだされた1912年(明治45年・大正元年)までの改正を取り上げましたが、今度は朝鮮笞刑令が廃止される事になる1920年(大正9年)までの改正について、簡単に見ていこうかな、と。

まぁ、大した話でも無いので、今日のエントリーは読み飛ばしてOK。
( ´H`)y-~~


ってことで、まずはアジア歴史資料センターの『公文類聚・第三十七編・大正二年・第十九巻・衛生・人類・獣畜、司法・裁判所・民事・刑事/朝鮮刑事令中改正制令案(レファレンスコード:A01200097600)』から、1913年(大正2年)制令第4号。

朝鮮総督府裁判所令中、左の通改正す。

第20条の2
朝鮮総督府司法官試補より、新に朝鮮総督府判事又は朝鮮総督府検事に任ぜられたる者を補すべき欠位なきときは、朝鮮総督は欠位ある迄、予備判事又は予備検事として地方法院、地方法院支庁又は其の検事局に勤務せしむ。

第20条の3
地方法院長又は検事正は、必要ある場合に於ては、予備判事又は予備検事をして、地方法院又は其の支庁の判事又は検事を代理せしむることを得。

第21条の2
朝鮮総督府裁判所及検事局に朝鮮総督府司法官試補を置く。
司法官試補は、地方法院又は其の支庁の判事又は検事の監督を受け実務を修習す。
司法官試補は、奏任官の待遇とす。

第21条の3
司法官試補は、其の修習を監督する判事の命令あるときは、司法事務を取扱ふことを得。
但し、如何なる場合に於ても、裁判又は登記を為すことを得ず。

第21条の4
朝鮮総督は、司法官試補をして地方法院又は其の支庁の検事の職務を代理せしむることを得。
但し、第4条第1項の各号に掲ぐる事件に付ては、此の限に在らず。

附則
本令は、公布の日より之を施行す。


理由
朝鮮総督府裁判所判事及検事の補充上、内地と同じく司法官試補竝予備判事及予備検事を置くの必要あるに依る。
簡単に言うと、内地同様の判事・検事の見習い制度の導入。
司法事務が委託されてから4年。
韓国併合から3年かぁ。
丁度、新しい司法官試補が出てきた頃なのかもね。

第21条の2を見ると、奏任官待遇だったようです。
割と良い待遇。(笑)

続いての改正は、1920年(大正9年)まで飛びます。
1920年(大正9年)には2度改正が行われているんですが、朝鮮笞刑令が廃止になる1920年(大正9年)4月の段階ではそのうちの一方しか出されていませんので、そちらの方のみ御紹介を。
アジア歴史資料センターの『公文類聚・第四十四編・大正九年・第二十八巻・司法・裁判所・執達吏・公証人・民事(民法・戸籍)・刑事/朝鮮総督府裁判所令中改正制令案(レファレンスコード:A01200192100)』から、1920年(大正9年)制令第3号。

朝鮮総督府裁判所令中、左の通改正す。

第4条中「前2号」を「前3号」に改め、同条第1項第5号の次に左の1号を加ふ。

5の2 短期1年に満たざる有期の懲役若は禁錮又は罰金に該る犯罪事件にして、予審を経たるもの
同条第1項の次に、左の1項を加ふ。

登記事務は、裁判所書記をして之を取扱はしむることを得。
第25条 削除

附則
本令は、公布の日より之を施行す。
本令施行前、地方法院又は其の支庁に於て公判に着手したる第4条第1項第5号の2の事件は、従前の例に依り之を完結す。


理由
1 第4条第1項改正の理由は、短期1年に満たざる有期の懲役若は禁錮又は罰金に該る罪と雖、予審を必要とするが如き事件は、内容錯雑紛糾して事実の真相を捉ふるに困難なるもの多きが故に、合議制に依り慎重に裁判権を行ふの必要あるに由る。
同条第2項追加の理由は、判事に差支を生じ登記事務の取扱に支障を来す場合に処する為にして、殊に地方法院支庁の如き、其の大部分は判事1名を配置せるのみなるを以て、病気、出張、その他の事故に因り判事が事務を執ること能はざる場合に、最も必要を感ずるに由る。

1 第25条を削除する理由は、朝鮮人たる判事、検事の学識技能漸く発達し、之をして内地人又は外国人関係の事件に付裁判事務を取扱はしむるも、毫も裁判の威信を傷くるの虞なしと認むるに由る。
9月7日のエントリーで裁判所令は大幅に変わり、第4条もそのうちの一つでした。
で、第4条では基本的に、地方法院では判事単独で裁判をする事になっているわけですが、その中の例外として3人による合議制で行う事件が規定されたんでしたね。
で、そこに「1年以下の懲役・禁錮や罰金刑に該当する犯罪で、予審をしたもの」というのが加わったわけです。
理由は、予審しなきゃ駄目なような事件は、面倒くさい事件が多いから。(笑)

で、「前2号」が「前3号」に変わってますので、1年以下の懲役・禁錮や罰金刑で予審をした事件の共犯事件も3人による合議制になった、と。

更に、登記事務については、裁判所書記に取り扱わせる事ができるという1文を挿入。
理由は、地方法院支庁なんかは判事が1名しかいない所が殆どであり、何かの理由で判事が事務を執ることができないような状態の場合に不便だから、と。
勿論、直接裁判に係わる事務ではなく、登記事務だけ。
やっぱり、人手は足りないんだろうなぁ・・・。

で、第25条を削除。
8月24日のエントリーの法令本文と9月6日のエントリーでの改正条文から、削除された第25条は、以下のとおりとなります。

第25条
朝鮮人にして判事又は検事たる者は、民事に在りては原告被告とも朝鮮人たる場合、刑事に在りては被告人朝鮮人たる場合に限り其の職務を行ふ。
ということで、「朝鮮人たる判事、検事の学識技能漸く発達」したため、朝鮮人限定でしか仕事できなかったこの条文を解除。
併合から10年にしてやっとという気もしますが。(笑)


ってことで、今日はここまで。



笞刑に関する整理(一) ~序~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(1)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(2)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(3)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(4)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(5)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(6)~
笞刑に関する整理(三) ~民籍法(1)~
笞刑に関する整理(三) ~民籍法(2)~
笞刑に関する整理(四) ~韓国司法及監獄事務委託~
笞刑に関する整理(五) ~統監府裁判所令~
笞刑に関する整理(六) ~韓国人ニ係ル司法ニ関スル件~
笞刑に関する整理(七) ~統監府監獄事務取扱ニ関スル件~
笞刑に関する整理(八) ~犯罪即決令~
笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(1)~
笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(2)~
笞刑に関する整理(十) ~適用事例(1)~
笞刑に関する整理(十) ~適用事例(2)~
笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(1)~
笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(2)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(1)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(2)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(3)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(4)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(5)~
笞刑に関する整理(十三) ~犯罪即決例改正~
笞刑に関する整理(十四) ~朝鮮笞刑令~
笞刑に関する整理(十五) ~朝鮮笞刑令施行規則~
笞刑に関する整理(十六) ~笞刑執行心得~
笞刑に関する整理(十七) ~朝鮮監獄令と司法警察事務並令状執行ニ関スル件~
笞刑に関する整理(十八) ~警察犯処罰規則~



今日も笞刑に直接関係する話では無いんですが、朝鮮笞刑令による対象拡大には繋がる話。
それが今回の警察犯処罰規則です。
日本内地では警察犯処罰令が出されてたわけですが、その朝鮮版ですね。

しかし、これは「朝鮮総督府令」でして、アジ歴にも制定当時の史料は無く。
ってことで、代わりに『大正13年版 朝鮮法令輯覧(レファレンスコード:A06032017900)』の324画像目を見ていく事にします。
それでは、1912年(明治45年・大正元年)『総令第40号 警察犯処罰規則』より。

警察犯処罰規則
明治45年3月
総令第40号

第1条
左の各号の1に該当する者は、拘留又は科料に処す。

1 故なく人の居住又は看守せざる邸宅、建造物及船舶内に潜伏したる者
2 一定の住居又は生業なくして諸方に徘徊する者
3 密淫売を為し又は其の媒合若は容止を為したる者
4 故なく面会を強請し又は強談、威迫の行為を為したる者
5 合力、寄附を強請し、強て物品の購買を求め又は技芸を演じ若は労力を供給して報酬を求むる者
6 収利の目的を以て強て物品、入場券等を配付したる者
7 乞丐を為し又は為さしめたる者
8 団体加入を強請したる者
9 濫に市場其の他之に類する場所に営業者の出品若は入場を強請し、又は物品売買の委託を強請したる者

10 入札の妨害を為し、共同入札を強請し、落札人に対し其の事業、利益の分配若は金品を強請し又は落札人より故なく之を受けたる者
11 入札者通謀して競争入札の趣旨に反する行為を為したる者
12 財物を売買し又は労力を受給するに当り、不当の代償を請求し若は相当の代償を支払はずして不正の利を図りたる者
13 他人の事業若は私事に関し、新聞紙、雑誌其の他の出版物に掲載せざることを約し、又は新聞紙、雑誌其の他の出版物に虚偽の事実を掲載し、若は掲載することを約して金品を受け、其の他不正の利を図りたる者

14 申込なき新聞紙、雑誌其の他の出版物を配付して、其の代料を請求し、又は強て其の購読の申込を求めたる者
15 申込なき広告を為して其の代料を請求し、又は強て広告の申込を求めたる者
16 誇大又は虚偽の広告を為し、不正の利を図りたる者
17 他人の業務又は其の他の行為に対し、悪戯又は妨害を為したる者
18 故なく他人の金談取引等に関渉し、又は濫に訴訟、争議を勧誘教唆し、其の他紛擾を惹起せしむべき行為を為したる者
19 濫に多衆聚合して官公署に請願又は陳情を為したる者
20 不穏の演説を為し、又は不穏の文書、図画、詩歌の掲示、頒布、朗読若は放吟を為したる者

21 人を誑惑せしむべき流言浮説又は虚報を為したる者
22 妄に吉凶禍福を説き、又は祈祷、符呪等を為し、若は守札類を授与して人を惑はしむべき行為を為したる者
23 病者に対し禁厭、祈祷、符呪又は精神療等を施し又は神符、神水等を与へ医療を妨げたる者
24 濫に催眠術を施したる者
25 故らに虚偽の通訳を為したる者
26 自己又は他人の業務に関し、官許ありと詐称したる者

27 官公職、位記、勲爵、学位、称号を詐り、又は法令の定むる服飾、徽章を僭用し、若は之に類似のものを使用したる者
28 官公署に対し不実の申述を為し、若は其の義務ある者にして故なく申述を肯ぜす、又は情を知りて不実の代書を為したる者
29 本籍、住所、氏名、年齢、身分、職業等を詐称して投宿又は乗船したる者
30 故なく官公署の召喚に応ぜざる者
31 官公署の榜示し、若は官公署の指揮に依り榜示せる禁条を犯し、又は其の設置に係る榜標を汚涜若は撤去したる者
32 警察官署に於て特に指示若は命令したる事項に違反したる者
33 不正の目的を以て人を隠匿したる者

34 徒弟、職工、婢僕、其の他労役者若は被雇者等に対し、故なく其の自由を妨げ又は苛酷の取扱を為したる者
35 濫に他人の身辺に立塞り、又は追随したる者
36 祭事、葬儀、祝儀又は其の行列に対し、悪戯又は妨害を為したる者
37 夜1時後、日出前、濫に歌舞音曲其の他喧噪の行為を為し他人の安眠を妨害したる者
38 劇場、寄席、其の他公衆会同の場所に於て、会衆の妨害を為したる者
39 公衆の自由に交通し得る場所に於て喧噪し、横臥し又は泥酔して徘徊したる者
40 公衆の自由に交通し得る場所に於て、濫に車馬、舟筏、其の他の物件を置き又は交通の妨害と為るべき行為を為したる者
41 公衆の自由に交通し得る場所に於て危険の虞あるとき、点灯其の他予防の装置を為すことを怠りたる者
42 官署の督促を受けて、崩壊の虞ある建造物の修繕又は顛倒の虞ある物件の積換等を怠りたる者
43 雑沓の場所に於て制止を肯ぜず、混雑を増すの行為を為したる者
44 出入を禁止したる場所に濫に出入したる者
45 水火災其の他の事変に際し、制止を肯ぜずして其の現場に立入り、若は其の場所より退去せず、又は官吏より援助の求を受けたるに拘らず故らに之に応ぜざる者
46 街路に於て夜間灯火なくして諸車又は牛馬を使用したる者
47 許可を得ずして路傍又は河岸に露店等を開きたる者
48 制止を肯ぜずして路傍に飲食物其の他の商品を陳列したる者
49 電線の近傍に於て紙鳶を揚げ、其の他電線の障害となるべき行為を為し、又は為さしめたる者
50 石戦其の他危険の遊戯を為し、若は為さしめ、又は街路に於て空気銃吹矢の類を弄び、又は弄ばしめたる者

51 濫に犬其の他の獣類を嗾し又は驚逸せしめたる者
52 猛獣、狂犬又は人を咬傷する癖ある獣畜等の繋鎖を怠りたる者
53 闘犬又は闘雞せしめたる者
54 公衆の目に触るべき場所に於て、牛馬其の他の動物を虐待したる者
55 危険の虞ある精神病者の監護を怠り、屋外に徘徊せしめたる者
56 公衆の目に触るべき場所に於て、袒裼、裸裎し、又は臀部、股部を露はし其の他醜態を為したる者
57 街路に於て屎尿を為し、又は為さしめたる者
58 他人の身体、物件又は之に害を及ぼすべき場所に対し、物件を抛澆し又は放射したる者
59 濫に禽獣の死屍又は汚穢物を棄擲し、又は之が取除を怠りたる者
60 人の飲用に供する浄水を汚穢し、又は其の使用を妨げ、若は其の水路に障碍を為したる者
61 河川、溝渠又は下水路の疏通を妨ぐべき行為を為したる者
62 溝渠、下水路を毀損し、又は官署の督促を受けて其の修繕若は浚渫を怠りたる者
63 官署の督促を受けて道路の掃除若は撒水を為さず、又は制止を肯ぜず、結氷期に於て道路に撒水したる者
64 官署の督促を受けて煙突の改造、修繕又は掃除を怠りたる者

65 濫に他人の標灯又は社寺、道路、公園其の他の公衆用の常灯を消したる者
66 神祠、仏堂、礼拝所、墓所、碑表、形像其の他之に類する物を汚穢したる者
67 濫に他人の家屋其の他工作物を汚涜し、若は之に貼紙、張札等を為し、又は他人の標札、招碑、売貸家札其の他榜標の類を汚涜し、若は撤去したる者
68 濫に他人の田野、囲囿に於て菜果を採摘し、又は花卉等を採折したる者
69 他人の所有又は占有したる土地を冒して工作物を設け、軒楹を出し、牧畜を為し又は耕作其の他現状に変更を来すべき行為ありたる者
70 電柱、橋梁、掲示場其の他の建造物に濫に牛馬を繋ぎたる者

71 橋梁又は堤防を損壊するの虞ある場所に舟筏を繋ぎたる者
72 濫に他人の繋ぎたる牛馬其の他の獣類又は舟筏を解放したる者
73 濫に他人の田圃を通行し、又は之に牛馬諸車を侵入せしめたる者
74 自己占有の場所内に老幼、不具又は疾病の為救助を要する者、若は人の死屍、死胎あることを知りて、速に警察官吏又は其の職務を行ふ者に申告せざる者
前項の死屍、死胎に対し、警察官吏又は其の職務を行ふ者の指揮なきに其の現場を変更したる者
75 人の死屍若は死胎を隠匿し、又は他物に紛はしく擬装したる者
76 許可を得ずして人の死屍若は死胎を解剖し、又は之が保存を為したる者
77 一定の飲食物に他物を混じて不正の利を図りたる者
78 病斃したる禽獣の肉類、又は不熟の果物、腐敗の飲食物其の他健康を害すべき物を飲食物として営利の用に供したる者
79 埋棄したる牛、馬、羊、豚、犬等の死屍を発掘したる者
80 炮煮、洗滌、剥皮等を要せず、其の侭食用に供すべき物に覆蓋を設けず、店頭に陳列し又は行商したる者
81 自己又は他人の身体に刺文したる者
82 家屋其の他の建造物若は引火し易き物の近傍又は山野に於て濫に火を焚きたる者
83 石灰其の他自然発火の虞ある物の取扱を忽にしたる者
84 濫に鉄砲の発射を為し、又は火薬其の他劇発すべき物を玩ひたる者
85 許可を得ずして煙火を製造し、又は販売したる者
86 許可を得ずして劇場其の他の興行場を開きたる者
87 渡船、橋梁其の他の場所に於て、定額以上の通行料を請求し、若は定額の通行料を支払はずして通行し、又は故なく通行を妨げ、若は通船の求に応ぜざる者


第2条
本令に規定したる違反行為を教唆し又は幇助したる者は、前条に照し之を罰す。
但し、情状に依り其の刑を免除することを得。

附則
本令は明治45年4月1日より之を施行す。
長いし、取りあえず読んだままなので解説は無しで。(笑)

ちなみに、太字の部分は日本の1908年(明治41年)『内務省令第16号 警察犯処罰令』に、類似項目が無い部分。

逆に、1908年(明治41年)『内務省令第16号 警察犯処罰令』にはあって、1912年(明治45年・大正元年)『総令第40号 警察犯処罰規則』には無い項目は一つだけ。
開業の医師、産婆、故なく病者又は妊婦、産婦の招きに応ぜざる者」。
まぁ、この頃はまだ、医師免許や産婆免許といった、資格を持っている人自体が少なかったってのもあるんでしょうけど。

で、1912年(明治45年・大正元年)『総令第40号 警察犯処罰規則』では、大雑把に言って不正利得や虚偽申告、公共的概念に関する部分なんかが、大目に増えている事が分かります。

中でも特徴的なのは、「23 病者に対し禁厭、祈祷、符呪又は精神療等を施し又は神符、神水等を与へ医療を妨げたる者」。
まぁ、閔妃の祈祷の話や一昨年の4月30日のエントリーの卜筮巫女が頻繁に出入りする話等、「まじない」に関する話は結構目にするわけで、「そういう世界だから良いんじゃね?」で済めば良いんでしょうけど、村山智順の調査なんかを見ても、伝染病でこれやられたら、たまったもんじゃ無いしねぇ。(笑)

後は、「53 闘犬又は闘雞せしめたる者」かなぁ。
負けた方の犬、補身湯(ポシンタン)にされて喰われたりしないよなぁ、とか思いつつ。(笑)


今日はここまで。



笞刑に関する整理(一) ~序~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(1)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(2)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(3)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(4)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(5)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(6)~
笞刑に関する整理(三) ~民籍法(1)~
笞刑に関する整理(三) ~民籍法(2)~
笞刑に関する整理(四) ~韓国司法及監獄事務委託~
笞刑に関する整理(五) ~統監府裁判所令~
笞刑に関する整理(六) ~韓国人ニ係ル司法ニ関スル件~
笞刑に関する整理(七) ~統監府監獄事務取扱ニ関スル件~
笞刑に関する整理(八) ~犯罪即決令~
笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(1)~
笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(2)~
笞刑に関する整理(十) ~適用事例(1)~
笞刑に関する整理(十) ~適用事例(2)~
笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(1)~
笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(2)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(1)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(2)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(3)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(4)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(5)~
笞刑に関する整理(十三) ~犯罪即決例改正~
笞刑に関する整理(十四) ~朝鮮笞刑令~
笞刑に関する整理(十五) ~朝鮮笞刑令施行規則~
笞刑に関する整理(十六) ~笞刑執行心得~
笞刑に関する整理(十七) ~朝鮮監獄令と司法警察事務並令状執行ニ関スル件~



今日は、明治45年に行われた大規模な行政整理の残りのうち、司法に関して重要と思える話2つについて。
1912年(明治45年・大正元年)『制令第14号 朝鮮監獄令』と『制令第26条 司法警察事務並令状執行ニ関スル件』をお送りしたいと思います。

まずは、1912年(明治45年・大正元年)『制令第14号 朝鮮監獄令』について。
アジア歴史資料センターの『公文類聚・第三十六編・明治四十五年~大正元年・第十六巻・衛生・人類・獣畜、願訴、司法・裁判所~刑事/朝鮮監獄令ヲ定ム(レファレンスコード:A01200089500)』と、国会図書館の近代デジタルアーカイブから、朝鮮総督府の出した『明治四十五年行政整理顛末書』から見ていきたいと思います。

では早速。

勅令第14号
朝鮮監獄令

第1条
監獄に関する事項は、本令其の他の法律に特別の規定ある場合を除くの外、監獄法に依る。

第2条
監獄法中、主務大臣の職務は朝鮮総督之を行ふ。

第3条
拘置監には、笞刑の執行を受くべき者を留置することを得。

第4条
新に入監する者伝染病に罹りたる者なるときは、入監せしめざることを得。

第5条
在監者には、糧食の自弁を許すことを得。

附則
本令は、明治45年4月1日より之を施行す。
第1条は、朝鮮監獄令と他の法律に特別な規定がなければ、監獄法で処理。
監獄法ってのは、1908年(明治41年)『法律第28号 監獄法』の事で、どうやら刑事施設について世界で最初に規定された法律らしい。
それを朝鮮にも適用。

第2条では、主務大臣の職務、つまり司法大臣の職務は朝鮮総督が行う、と。

第3条は笞刑の話。
拘置監には、笞刑の執行を受けるべき者を留置できる、と。
朝鮮笞刑令の第8条「笞刑の言渡を受けたる被告人、朝鮮内に一定の住居を有せず又は逃走の虞あるときは、検事又は即決官署の長は之を監獄又は即決官署に留置することを得。」及び、第9条の「笞刑の言渡確定したる者は、其の執行を終る迄之を監獄又は即決官署に留置す。第3条の規定に依り換刑の処分を受けたる者亦同じ。」の場合でしょうね。

で、この笞刑執行対象者を留置できる「拘置監」について。
監獄法の第1条を見て貰った方が早いと思いますので、そちら(レファレンスコード:A03020743400)を見ることにします。

第1条
監獄は、左の4種とす。

1 懲役監
  懲役に処せられたる者を拘禁する所とす
2 禁錮監
  禁錮に処せられたる者を拘禁する所とす
3 拘留場
  拘留に処せられたる者を拘禁する所とす
4 拘置監
  刑事被告人及び死刑の言渡を受けたる者を拘禁する所とす
拘置監には、懲役、禁錮又は拘留に処せられたる者を一時拘禁することを得。
警察官署に附属する留置場は、之を監獄に代用することを得。
但、懲役又は禁錮に処せられたる者を、1月以上継続して拘禁することを得ず。
ってことで、「拘置監」というのは、刑事被告人、死刑囚の拘禁と、懲役・禁錮・拘留に処せられた者の一時拘禁ができる所ですね。
まぁ、笞刑も普通に進めば、最高の100回の者でも4日で終わりますからね。
特に変わった規定でも無く。

続いての第4条は、新規入監者が伝染病に罹っている場合、入監させない事ができるという、割と当たり前の話の規定。
つうか、監獄法に無いものが特に規定されているって事は、そういう伝染病に罹っている事例が多いって事だろうなぁ。

で、最後の第5条は、在監者には自分でメシを用意する事を許可できる、と。
日帝、優しいのか金無ぇのか、良くわかんねぇ。(笑)

さて、続いては、1912年(明治45年・大正元年)『制令第26条 司法警察事務並令状執行ニ関スル件』について。
制定時の史料はちょっとアジ歴で見つからなかったので、代わりに『大正13年版 朝鮮法令輯覧(レファレンスコード:A06032017900)』の873画像目を見てみる事にします。

司法警察事務竝令状執行に関する件
明治45年7月 制令第26号

司法警察官の職務は、已むを得ざる場合に於ては、巡査又は憲兵上等兵をして之を行はしむることを得。
勾引状又は勾留状の執行は、已むを得ざる場合に於ては、巡査補又は憲兵補助員をして之を為さしむることを得。

附則
本令は公布の日より之を施行す。
憲兵については、警察官の職務に関しては9月4日のエントリーで。
司法警察官の職務については、9月10日のエントリーで触れました。
で、特に今回の司法警察官については、9月10日のエントリーでは「憲兵下士」までが、検事の指揮を受けて司法警察官の職務を執行する事が出来るとされていました。

んで今回は、やむを得ない時には、巡査及び憲兵上等兵が司法警察官の職務を執行させることができる。
同じく、やむを得ない時には、巡査補や憲兵補助員に勾引状や勾留状の執行をさせることができる。
限定的権限とはいえ、巡査補や憲兵補助員まで狩り出さなきゃならないってのは、いかにも人手不足だよなぁ・・・。


ってところで、今日はここまで。



笞刑に関する整理(一) ~序~
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笞刑に関する整理(十五) ~朝鮮笞刑令施行規則~
笞刑に関する整理(十六) ~笞刑執行心得~



朝鮮笞刑令』、『朝鮮笞刑令施行規則』ときて、今回は笞刑の執行心得についてです。

今日もnominally氏のスレッドで挙げられていた、総督府官報を元にテキスト化したいと思います。
んでは早速。
『朝鮮総督府訓令第40号 笞刑執行心得』。

笞刑執行心得(クリックで拡大)

笞刑執行心得

第1条
笞刑は、受刑者の両手を左右に披伸し、刑盤上に莚を敷きて伏臥せしめ、両腕関節及両足に窄帯を施し、袴を脱し臀部を露出せしめて執行するものとす。

第2条
笞刑執行者は、右手に笞を携へ、之を垂下して受刑者の左側に進み、其の腕を延長して笞頭の受刑者右臀に接触すること約3寸の距離に於て位置を定め、同時に左足を約一歩後ろへ引き、其の足尖を外側に向け、左手は肘を軽く張り、拇指を背ろにして(執行者帯剣の場合は左手に剣柄を握り)之を臗骨の側方に当て、体の重みを右膝に托し、稍々前方に傾くの姿勢を為すべし。

第3条
笞の鞭下は、笞刑執行者自ら笞の裏面を頭上に接するの度に於て、上方より表面にて受刑者の右臀に対し1鞭毎に、自ら発声して笞数を算しつつ之を連行すべし。

第4条
受刑者の左臀に対し鞭を加ふるときは、第2条、第3条の方法に依り、受刑者は右側より之を行ふべし。

第5条
笞刑執行2回以上に亘るものに対しては、毎回左臀右臀の一方を交互に執行すべし。

第6条
笞刑執行1回限りの者に対しては、其の笞数を折半して左右の臀に執行すべし。
笞数を整数に折半し能はざるときは、最初に奇数を執行すべし。

第7条
受刑者、一方の臀に異状ありて執行に差支あるときは、他の一方のみを執行することを得。

第8条
笞刑は、食後1時間以上を経過して執行し、執行前成るべく大小便を為さしむべし。

第9条
打方は終始寛厳の差なく、且受刑者の皮膚を損傷せざる様注意し、引き打又は横打を為すべからず。

第10条
執行数回に亘る場合に在りては、必要に依り執行後臀部に冷却方法を施すことを得。

第11条
笞場に飲水を供へ、随時受刑者に与ふることを得。

第12条
執行中、受刑者号叫する虞あるときは、湿潤したる布片を之に噛ましむることを得。

第13条
執行猶予の為、受刑者を拘置せざるときは、其の住所を定め指定の期日に出頭すべきことを誓はしめ、成るべく相当の保証人を立てしむべし。
第1条から第6条までは、細かい執行方法について。

第1条では、まず刑盤上に莚を敷いて、両手を横に伸ばした状態でうつぶせに。
両腕関節と両足を細い帯で刑盤に縛り、ズボンを脱がせてケツを露出して執行。

第2条。
執行者は、右手に笞を持って下に垂れ下げて受刑者の左側に進み、腕を伸ばして笞頭が受刑者の右のケツに3寸くらい接触する距離で、左足を一歩引いて足先は外側に向ける。
左手は肘を軽く張って親指を後ろにして腰にという、銭湯上がりに牛乳飲むときの左手のように。(笑)
帯剣している場合であれば、剣柄を握る。
で、体重は右膝に預けてやや前傾姿勢。

細かすぎるわっ!!!
( `H´)y-~~


第3条では、笞を振り下ろす時には、笞の裏側が執行者の頭に接するような状態から、上方から笞の表面で受刑者の右のケツに。
その場合、1回毎に自分で回数を発声しながら執行。
つうか、「連行」って何だ?

続いて第4条。
第3条では右のケツに打ち下ろしてましたが、今度は左のケツの場合。
やり方は同じで、右側に立つだけ。
第5条は、笞刑の執行が2回以上、つまり30回を超える笞刑の場合には、左と右のケツに交互に執行。
第6条は、笞刑の執行が1回で終わる場合には、その笞数を半分にして左右のケツに交互に執行。
もし笞数が奇数の場合には、最初に奇数を執行。
つうことは、奇数の場合には右側のケツが1回多くなるのかな?

第7条は、どっちか一方のケツに異状があり、笞刑の執行に差し支えがあるときは、片方のケツだけに出来る。
第8条は、笞刑は食後1時間以上経ってから執行し、執行前にはなるべく大小便をさせる事。

第9条では、笞の打ち方は初めから終わりまで一定の力で行い、且つ受刑者の皮膚を損傷しないように注意し、引き打ちや横打はしてはならない、と。
引き打とか横打って、何だ?

次の第10条では、執行が数回にわたる場合、必要に応じて執行後にケツを冷やす事ができる。

第11条では、刑の執行場所に飲み水を用意し、随時受刑者に与える事ができる。

第12条は、執行中に受刑者が号叫する場合には、濡らした布を口に噛ませる事ができる。
口はみをして食いしばると、痛みへの耐性が向上しますし、舌を噛んだり歯を折ったりという事も無くなりますからね。

hitkot氏の「■笞刑 ( ´H`)y-~~ nominally 君に言い訳の奇怪(ママ)を。w」によれば、かの有名な朴慶植は、史料が読めないのかワザとなのかは知りませんが、「泣き叫ぶ声を抑えるために水を濡らした布で口を塞ぐことが指示されていた」なんて言ってるそうで。
朴慶植バカスwww

んで、最後の第13条は、何故か前回の朝鮮笞刑令施行規則の第2条と全く同じ、執行猶予で拘置しない場合の取扱について、と。
何でこの条文あるんだ?(笑)

つうか、これだけケツ、ケツ言うエントリーは、多分後にも先にも今回だけだと思う。(笑)


今日はここまで。



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笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(1)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(2)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(3)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(4)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(5)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(6)~
笞刑に関する整理(三) ~民籍法(1)~
笞刑に関する整理(三) ~民籍法(2)~
笞刑に関する整理(四) ~韓国司法及監獄事務委託~
笞刑に関する整理(五) ~統監府裁判所令~
笞刑に関する整理(六) ~韓国人ニ係ル司法ニ関スル件~
笞刑に関する整理(七) ~統監府監獄事務取扱ニ関スル件~
笞刑に関する整理(八) ~犯罪即決令~
笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(1)~
笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(2)~
笞刑に関する整理(十) ~適用事例(1)~
笞刑に関する整理(十) ~適用事例(2)~
笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(1)~
笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(2)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(1)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(2)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(3)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(4)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(5)~
笞刑に関する整理(十三) ~犯罪即決例改正~
笞刑に関する整理(十四) ~朝鮮笞刑令~
笞刑に関する整理(十五) ~朝鮮笞刑令施行規則~



今回は、笞刑令の施行規則です。
施行規則は総督府令になりますので、アジ歴でも中々見かけないわけなんですが、8月10日のエントリーで紹介した、今回の連載の切っ掛けとなったnominally氏のスレッドで、総督府官報が提示されていますので、そちらをお借りしてテキスト化を。

それでは早速、1912年(明治45年・大正元年)3月19日付朝鮮総督府官報号外から、『朝鮮総督府令第32号 朝鮮笞刑令施行規則』について。

朝鮮笞刑令施行規則(クリックで拡大)

朝鮮笞刑令施行規則

第1条
笞刑を執行せむとするときは、医師をして毎回受刑者の身体を診査せしめ、其の健康笞刑を受くるに堪へ難きものと認むるときは、執行を猶予すべし。
但し、医師をして診査せしむること能はざるときは、立会官吏の認定に依り直に執行し、又は執行を猶予することを得。

第2条
執行を猶予したる為受刑者を留置せざるときは、之をして住居の場所を定め、指定の期日に出頭すべきことを誓はしめ、且相当の保証人を立てしむべし。

第3条
笞刑の執行中、受刑者の心神又は身体に著しき障害ありと認むるときは之を停止し、必要なる場合に於ては第1条の手続を為すべし。

第4条
笞刑を免じ、若は笞刑の執行を免ずる処分は、検事又は即決官署の長之を行ふ。

第5条
笞刑の執行には、典獄、看守長又は即決官署の長又は其の代理官立会ひ、受刑者に笞刑を執行すべきこと。
並其の笞数を告知したる後、所属官署の吏員をして之を執行せしむ。

第6条
笞刑の執行は、大祭祝日、1月1日、1月2日、12月31日並日出前日没後に之を為すことを得ず。

第7条
笞刑の執行中は、執行に従事する者の外其の場内に入ることを得ず。
但し、立会官吏の許可を得たる者は此の限に在らず。

第8条
笞刑の執行を受くべき者同時に2人以上あるときは、1人宛執行し、其の間他の受刑者を執行の場所に入らしむべからず。

第9条
笞刑の執行2回以上に亘るときは、連日之を執行すべし。
但し、事情に依り隔日之を執行することを得。

第10条
笞刑の執行を終りたるときは、立会官吏其の始末書を作り、署名捺印すべし。

第11条
笞は長さ1尺8寸、厚さ2分5厘、濶さ笞頭7分、笞柄4分5厘にして、竹片を以て之を作り、疎節を削除し麻を以て縦に之を裹み、笞頭は断余を片頭に1寸2分を剰じ、笞柄は6分を剰じ、麻糸を以て密に其の外部を横纏し、1纏毎に背部に交結して以て一条稜を成し、長さ5寸布片を以て其の笞柄を包み、外径は笞頭2寸2分、笞柄1寸5分とす。

附則
本令は明治45年4月1日より之を施行す。
まずは第1条。
笞刑執行時の体調管理ですね。
笞刑を執行しようとするときは、医者に毎回受刑者の体を診察させ、その健康状態が笞刑を受けるのに堪えられないと判断されたら、執行を猶予すること。
但し、医者に診察させる事ができない場合には、立会官吏の認定で執行又は執行猶予できる、と。

第2条は、執行を猶予し受刑者を留置しない時には、受刑者に居場所を確定させ、指定の期日に出頭する事を誓わせ、相当の保証人をたてる事、と。
これで受刑者がトンズラぶっこいたら、保証人が代わりに笞刑にされたりして。(笑)

第3条では、刑の執行中に受刑者の心身に障害があると認めた場合には、刑の執行を停止し、必要な場合には第1条の手続きをとること。

第4条では、笞刑を免じたり、笞刑の執行を免じる処分は、検事または即決官署の長が行う。

第5条は、笞刑の執行には、典獄か看守長か即決官署の長またはその代理官が立ち会って、受刑者に笞刑を執行すること。
で、その笞数を告知した後、所属官署の吏員に執行させること、と。

第6条では、大祭祝日、1月1日、1月2日、12月31日、日没から日の出までの間は、笞刑を執行できない。

第7条は、笞刑の執行中は、執行する者以外その場内に入ることはできない。

第8条は、笞刑の執行を受けるべき者が同時に2人以上いても、1人づつ執行して、その間は他の受刑者を執行場所に入れてはならない、と。

第9条では、笞刑の執行が2回以上、つまり30回を超える笞刑については、連日で執行する事。
但し、事情によって1日おきに執行する事ができる、と。

第10条は、笞刑の執行が終わったら、立会官吏はその始末書を作って署名捺印。

最後の第11条は、笞そのものに関する規定。
長さ1尺8寸ってことは、約55cmくらい。
8月14日のエントリーで見た、刑法大全における笞は78cmくらいなので、一回りか二回り短い笞になりました。
で、その笞の作り方も詳細に決められてますね・・・。
読んでも良く分かんないくらい。(笑)


ってことで、前回長かった分、今日は簡単に。



笞刑に関する整理(一) ~序~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(1)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(2)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(3)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(4)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(5)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(6)~
笞刑に関する整理(三) ~民籍法(1)~
笞刑に関する整理(三) ~民籍法(2)~
笞刑に関する整理(四) ~韓国司法及監獄事務委託~
笞刑に関する整理(五) ~統監府裁判所令~
笞刑に関する整理(六) ~韓国人ニ係ル司法ニ関スル件~
笞刑に関する整理(七) ~統監府監獄事務取扱ニ関スル件~
笞刑に関する整理(八) ~犯罪即決令~
笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(1)~
笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(2)~
笞刑に関する整理(十) ~適用事例(1)~
笞刑に関する整理(十) ~適用事例(2)~
笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(1)~
笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(2)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(1)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(2)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(3)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(4)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(5)~
笞刑に関する整理(十三) ~犯罪即決例改正~
笞刑に関する整理(十四) ~朝鮮笞刑令~



嗚呼。
先月中頃に思い立って以来、ようやくここまで辿り着きました。(笑)
ってことで、朝鮮笞刑令です。

では早速、アジア歴史資料センターの『公文類聚・第三十六編・明治四十五年~大正元年・第十六巻・衛生・人類・獣畜、願訴、司法・裁判所~刑事/朝鮮笞刑令ヲ定ム(レファレンスコード:A01200089300)』と、国会図書館の近代デジタルアーカイブから、朝鮮総督府の出した『明治四十五年行政整理顛末書』を見ながら、1912年(明治45年・大正元年)『制令第13号 朝鮮笞刑令』。

制令第13号
朝鮮笞刑令

第1条
3月以下の懲役又は拘留に処すべき者は、其の情状に依り笞刑に処することを得。

第2条
100円以下の罰金又は科料に処すべき者、左の各号の1に該るときは、其の情状に依り笞刑に処することを得。

1 朝鮮内に一定の住居を有せざるとき
2 無資産なりと認めたるとき
第3条
100円以下の罰金又は科料の言渡を受けたる者、其の言渡確定後5日内に之を完納せざるときは、検事又は即決官署の長は其の情状に依り笞刑に換ふることを得。
但し、笞刑執行中未だ執行せざる笞数に相当する罰金又は科料を納めたるときは、笞刑を免ず。

第4条
本令に依り笞刑に処し、又は罰金若は科料を笞刑に換ふる場合に於ては、1日又は1円を笞1に折算す。
其の1円に満たざるものは、之を笞1に計算す。
但し笞は5を下ることを得ず。

第5条
笞刑は、16歳以上60歳以下の男子に非ざれば、之を科することを得ず。

第6条
笞刑は、笞を以て臀を打ち、之を執行す。

第7条
笞刑は、笞30以下に在りては之を1回に執行し、30迄を増す毎に1回を加ふ。
笞刑の執行は1日1回を超ゆることを得ず。

第8条
笞刑の言渡を受けたる被告人、朝鮮内に一定の住居を有せず又は逃走の虞あるときは、検事又は即決官署の長は之を監獄又は即決官署に留置することを得。

第9条
笞刑の言渡確定したる者は、其の執行を終る迄之を監獄又は即決官署に留置す。
第3条の規定に依り換刑の処分を受けたる者亦同じ。

第10条
検事又は即決官署の長は、受刑者の心神又は身体の障礙に因り笞刑を執行するに適当ならずと認むるときは、3月以内執行を猶予することを得。
猶予3月を超え、猶笞刑を執行するに適当ならずと認むるときは、其の執行を免ず。
前項の規定に依り執行を猶予せられたる者に付ては、前条の規定に依らざることを得。

第11条
笞刑は、監獄又は即決官署に於て秘密に之を執行す。

第12条
笞刑の時効は、各本刑に付定めたる例に依る。

第13条
本令は朝鮮人に限り之を適用す。

附則
本令は、明治45年4月1日より之を施行す。
まず第1条は、3ヶ月以下の懲役または拘留に処すべき者は、その情状によって笞刑に処する事が出来る。
第4条で出てきますが、1日は笞1回に換算ですので、大抵の場合は90回以下の笞刑になると思われます。

第2条では、100円以下の罰金又は科料に処すべき者であり、さらに住所不定と無資産の場合には、その情状によって笞刑にする事ができる。
つまり、住所不定でも無資産でも無い「100円以下の罰金又は過料に処すべき者」は、そのまま罰金や科料が言い渡される事になります。
これも、第1条と同じく第4条によって1円1回に換算されますので、100回以下の笞刑になりますね。

次の第3条は、その「100円以下の罰金又は過料」の言い渡しを受けたけど、確定後5日以内に全部収めることが出来ない場合、検事や即決官署の長は、情状によって笞刑に換える事ができる。
ただし、その笞刑執行中に、まだ執行してない笞数に相当する額を納めれば、残りの分の笞刑免除、と。

つまり、第1条と第2条では、言い渡しは「笞刑」。
第3条では、言い渡しは「罰金や科料」で、その後笞刑に代わる形になります。

第4条は先ほどから述べている刑の換算ですね。
1日・1円が笞1回で、1円未満の場合も笞1回に計算。
で、笞は5以下にできないってことですので、拘留5日とか罰金3円とかの場合には、笞刑にできないって事かな?

第5条は笞刑の年齢制限で、16歳以上60歳以下の男子限定。
第6条は、笞打つ場所についての規定で、ケツ、と。

第7条は笞刑の回数制限で、1日につき1回、笞30を上限に執行。
最高の笞100回でも、最短で4日で終わる計算ですね。

第8条は、笞刑の言渡を受けた被告人が、住所不定だったり逃走する恐れがあるときは、監獄や即決官署に留置できる。
即決例による場合、9月3日のエントリーで見たとおり、第3条で正式裁判が請求でき、第5条で直接言い渡ししたら3日以内、言渡書の送達の場合は5日以内にその手続きを執らない時に確定しますので、それまでの期間の留置に関して。
朝鮮刑事令による場合には、刑事訴訟法に基づくわけですので、控訴の場合で言い渡しから5日以内(第252条)ということですので、それが過ぎるまでの留置に関して、という事になります。

第9条は、今度は確定した場合。
笞刑の言渡が確定したら、その執行終了まで監獄または即決官署で留置。
第3条によって、罰金や科料から笞刑に換わった場合も同様、と。

第10条は執行猶予規定。
受刑者の心身に不具合があり、笞刑を執行するのに適当な状態ではないと判断した場合、3ヶ月以内で執行を猶予できる。
3ヶ月を超えてもまだ執行するのに適当な状態ではないと判断すれば、笞刑の執行免除。
また、そのようにして執行猶予を受けた者は、第9条の刑終了まで留置の規定は適用しない事ができる、と。

第11条は、笞刑は公開刑では無く非公開刑として執行する。

第12条は時効についてですが、元々懲役・拘留・罰金・科料が主であり、単に情状によるか、お金を払えない時に笞刑になるだけですから、その主刑で定めた例による、と。

で、第13条はたまに話に挙がる、朝鮮笞刑令は朝鮮人にだけ適用。
流れとしては、今回「笞刑に関する整理」として取り上げてきたように、ずっと刑法大全を基本に朝鮮人専用で続いてきたわけです。
それが、同日施行の朝鮮刑事令で、刑法等の日本の法律を基準とするに当たって、犯罪即決例等の日本法規、民籍令等の旧大韓帝国法規に残置していた笞刑も含めて、笞刑について統合し、基準を明文化したというだけの話。

前提を理解していないと、突然笞刑が朝鮮人にだけ適用されたように見えますが、そういう話でも無く。
ま、主刑が主刑ですので、笞刑になりうる範囲は広がってますけどね。
( ´H`)y-~~

最後に、提出理由を見てみましょう。

朝鮮には、古来微罪に科するに笞刑を以てするの慣例あるを以て、刑事令に対する例外として、朝鮮人に限り、3月以下の自由刑及100円以下の財産刑に処すべき場合に於て、之に換ふるに笞刑を以て得せしめむとするに由る。
創氏改名で、朝鮮の慣習を壊して日本的イエ制度を押しつけたと批難する水野直樹せんせいなんかは、きっと朝鮮の慣習を壊して1920年に笞刑を廃止した事にも否定的な筈。(笑)
( ´H`)y-~~


今日はここまで。



笞刑に関する整理(一) ~序~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(1)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(2)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(3)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(4)~
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笞刑に関する整理(三) ~民籍法(2)~
笞刑に関する整理(四) ~韓国司法及監獄事務委託~
笞刑に関する整理(五) ~統監府裁判所令~
笞刑に関する整理(六) ~韓国人ニ係ル司法ニ関スル件~
笞刑に関する整理(七) ~統監府監獄事務取扱ニ関スル件~
笞刑に関する整理(八) ~犯罪即決令~
笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(1)~
笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(2)~
笞刑に関する整理(十) ~適用事例(1)~
笞刑に関する整理(十) ~適用事例(2)~
笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(1)~
笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(2)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(1)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(2)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(3)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(4)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(5)~
笞刑に関する整理(十三) ~犯罪即決例改正~



|H`)......コッソリ
17日に上げる筈の「犯罪即決例改正」を14日に。
14日に上げる筈の「朝鮮刑事令(5)」を17日にあげてたので、コッソリ差し替えマスタ。

|H`)......

|≡3 ピュー

前回までは、1912年(明治45年・大正元年)『制令第11号 朝鮮刑事令』を見てきました。
今日は、続いての「制令第12号」の方を見ていきたいと思います。
それが、1912年(明治45年・大正元年)『制令第12号 犯罪即決例中改正ノ件』ですね。

残念ながら、アジア歴史資料センターではまだ公開されていないようですので、前回同様国会図書館の近代デジタルアーカイブから、朝鮮総督府の出した『明治四十五年行政整理顛末書』から拾っていきたいと思います。
では、早速。

制令第12号
犯罪即決例中、左の通改正す。

第1条中「、笞刑」を削り、第3号以下を左の如く改む。
3 3月以下の懲役、禁錮若は拘留又は100円以下の罰金若は科料の刑に処すべき行政法規違反の罪
第3条及第6条中「区裁判所」を「地方法院」に改む。

第7条中「、禁錮又は禁獄」を「又は禁錮」に改む。

第8条第2項を削る。

第11条
第8条の規定に依る留置の日数は之を拘留の刑期に算入し、第9条の規定に依る留置の日数は、1日を1円に折算して之を罰金又は科料の金額に算入す。

附則
本令は、明治45年4月1日より之を施行す。
まずは、第1条。
笞刑が条文から削除され、刑法大全に依拠していた第1条第3号が削られました。
朝鮮刑事令の第42条は、「本令施行後仍効力を有する旧韓国法規の刑」の読み替えでしたので、日本の法規に関しては別に読み替えるか、削除する必要があるわけで。
今回の場合は、削除ということですね。

続いての第3条及び第6条は、1911年(明治44年)『制令第4号 裁判所令中改正』を受けての、裁判所名の読み替え。
第7条は、韓国法規に基づく「禁獄」という刑罰名が無くなった事からの削除。

第8条第2項は、「笞刑の言渡を受けたる被告人に付ては、笞5を1日に折算し、前項の規定を準用す。」でしたので、これも笞刑の規定を含んでいますので、削除。
第11条についても、笞刑に関する部分を整理した条文に変わっています。

ということで、今回は以上。
と終わっても良いんですが、折角ですので改正後の条文に直して挙げ直してみたいと思います。

犯罪即決例

第1条
警察署長又は其の職務を取扱ふ者は、其の管轄区域内に於ける左の犯罪を即決することを得。

1 拘留又は科料の刑に該るべき罪
2 3月以下の懲役、又は100円以下の罰金、若は科料の刑に処すべき賭博の罪、及拘留又は科料の刑に処すべき刑法第208条の罪
3 3月以下の懲役、禁錮若は拘留又は100円以下の罰金若は科料の刑に処すべき行政法規違反の罪。
第2条
即決は、裁判の正式を用いず、被告人の陳述を聴き証憑を取調べ、直に其の言渡を為すべし。
被告人を呼出すの必要なきとき、又は之を呼出すも出頭せざるときは、直に其の言渡書の謄本を本人又は其の住所に送達することを得。

第3条
即決の言渡を受けたる者之に服せざるときは、管轄地方法院に正式裁判を請求することを得。

第4条
即決の言渡書には、被告人の氏名、年齢、身分、職業、住所、犯罪の事実、適用したる法條、言渡したる刑、正式裁判を請求することを得べき期間竝言渡を為したる官吏の官職氏名及年月日を記載すべし。

第5条
正式の裁判を請求する者は、即決の言渡を為したる官署に申立書を差出すべし。
其の期間は、第2条第1項の場合に於ては、言渡ありたる日より3日、同条第2項の場合に於ては言渡書謄本の送達ありたる日より5日とす。
前項の期間内に正式裁判を請求せざるときは、即決の言渡は確定したるものとす。

第6条
前条の申立を受けたる官署は、速に関係書類を管轄地方法院検事に送致すべし。

第7条
懲役又は禁錮の言渡を受けたる被告人に対しては、警察署長又は其の職務を取扱ふ者は、勾留状を発することを得。

第8条
拘留の言渡を為したる場合に於て必要なるときは、第5条に定めたる期間内被告人を留置することを得。
但し、言渡したる刑期に相当する日数を過ぐることを得ず。

第9条
罰金又は科料の言渡を為したる場合に於ては、其の金額を仮納せしむべし。
若納めざるときは、1円を1日に折算して被告人を留置す。
其の1円に満たざるものと雖、尚1日に計算す。

第10条
留置せられたる者正式裁判を請求し、呼出状の送達ありたるときは、直に其の留置を釈くべし。

第11条
第8条の規定に依る留置の日数は之を拘留の刑期に算入し、第9条の規定に依る留置の日数は、1日を1円に折算して之を罰金又は科料の金額に算入す。
ってことで、条文中から「笞刑」が抜けたのでした。


今日はここまで。



笞刑に関する整理(一) ~序~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(1)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(2)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(3)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(4)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(5)~
笞刑に関する整理(二) ~刑法大全(6)~
笞刑に関する整理(三) ~民籍法(1)~
笞刑に関する整理(三) ~民籍法(2)~
笞刑に関する整理(四) ~韓国司法及監獄事務委託~
笞刑に関する整理(五) ~統監府裁判所令~
笞刑に関する整理(六) ~韓国人ニ係ル司法ニ関スル件~
笞刑に関する整理(七) ~統監府監獄事務取扱ニ関スル件~
笞刑に関する整理(八) ~犯罪即決令~
笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(1)~
笞刑に関する整理(九) ~犯罪即決例(2)~
笞刑に関する整理(十) ~適用事例(1)~
笞刑に関する整理(十) ~適用事例(2)~
笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(1)~
笞刑に関する整理(十一) ~裁判所令改正(2)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(1)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(2)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(3)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(4)~
笞刑に関する整理(十二) ~朝鮮刑事令(5)~