土地調査事業って、これまでこんな低い次元でしか研究されてなかったのねと、つくづく思ったりします。
つうか、そろそろ次に何やるか考えなきゃなぁ・・・。
( ´H`)y-~~


< 2007年7月のエントリー >
土地調査事業についてが大半を占めてるわけだけど、やっぱりメインはハーグ密使事件だよね。(笑)
作業っぽい感じじゃなくウキウキしながらエントリーしたの、久しぶりだったもんなぁ。

土地調査に当たっての訓示と演説(二)

土地調査局副総裁俵孫一の、実に長い訓示がこのエントリーから始まります。
最初は、この訓示会の趣旨と土地調査事業の本質に関する訓示。
これまでの復習っぽい部分。


土地調査に当たっての訓示と演説(三)

俵孫一の訓示その2。
土地調査事業の本質に関する訓示の続きですが、割と当たり前の事しか言ってないので、ツッコミようが無い。(笑)


土地調査に当たっての訓示と演説(四)

俵孫一の訓示その3。
土地調査事業に要する経費、年限、人員と、事業が要求しているものについて。
この時点では、土地調査局の人員の89%が韓国人の予定なわけですね。


土地調査に当たっての訓示と演説(五)

俵孫一の訓示その4。
事業が要求しているものについての続きと、土地調査局の性質について。
事業総額で、大韓帝国の単年度歳入の70%にのぼる土地調査事業経費ですが、勿論内訳のほとんどは人件費。
経費削減をしようとすると人件費を抑えなきゃ駄目なわけで、そのために事業を早く終わろう、と。
でも、事業終わるとクビになっちゃうんですよねぇ・・・。(笑)


土地調査に当たっての訓示と演説(六)

うっかり、エントリーするの忘れて、大分経ってから追加されたエントリー。(笑)
俵孫一の訓示その5。
土地調査局員としての心構えの問題。
つうか、「ガンガレ、超ガンガレ」&「不正すんな」しか言ってないんですけどね。(笑)


★ハーグ密使事件100周年(一)

俵孫一の訓示をお休みして、朝鮮日報のハーグ密使事件の特集からのエントリー。
1回目は、朝鮮日報の記事の引用に終始。


★ハーグ密使事件100周年(二)

以前から、「誰が委任されたのか」という視点から疑問だった委任状の真贋について、ハンコも嘘でした、と。
さらに、僕らの李泰鎮せんせいの言を勘案すると、高宗が関与した部分の無い、白紙委任状というより単なる白い紙になってしまうハーグ密使の委任状。
イテジン、バカス!www


★ハーグ密使事件100周年(三)

ハーグ密使達は、「委任状がある!」と現地で言ってる記録はあるのに、提示された記録が無い。
口だけ大将。
で、いきなり1907年8月にニューヨークの雑誌『インディペンデント』に掲載される。
何じゃそりゃ、と。(笑)


★ハーグ密使事件100周年(四)

委任状に関する部分以外に対してツッコミまくりのエントリー。
要するに、グダグダなんだろ?と。(笑)


土地調査に当たっての訓示と演説(七)

俵孫一の訓示に戻って、その6。
土地調査局員に対する希望について。
当たり前の事を、口を酸っぱくして言わなければならない状況って、割と可哀想。(笑)


土地調査に当たっての訓示と演説(八)

俵孫一の訓示その7。
土地調査局員に対する希望についての続き。
つうか、「規律守れ」の規律の中身が、時間厳守、仕事場(作業場)に来い、ちゃんと仕事しろ、ってなぁ・・・。(笑)


土地調査に当たっての訓示と演説(九)

俵孫一の訓示その8で、土地調査局員に対する希望についての続き。
『大学』やら『論語』やらの引用で、韓国人にも分かりやすい説明をしようと努力しているらしい俵孫一。
でも、こんなに長かったら、誰も聞いてないと思うよ。(笑)


土地調査に当たっての訓示と演説(十)

俵孫一の訓示その9。
この回も、土地調査局員に対する希望についての続き。
一般人民との摩擦に対する懸念は何度も述べられていますが、そんな中でどのように「土地収奪」を行ったのか、興味津々です。(棒
( ´H`)y-~~


土地調査に当たっての訓示と演説(十一)

俵孫一の訓示その10。
更に土地調査局員に対する希望についての続き。
頑張れば頑張るほど受け取る給与総額が少なくなるけど、経費節減のために頑張れ。
経費節減のために早く事業が終わればクビになるんだから、事業が終わった時のために貯金しとけ。
日帝ヒドス(笑)


土地調査に当たっての訓示と演説(十二)

俵孫一の訓示は、このエントリーでようやく最後。
局員に対する監督方針と、訓示の結論が述べられています。
つうか、やっぱり無能な働き者って困ると思うんですがねぇ・・・。(笑)


土地調査に当たっての訓示と演説(十三)

この回は、土地測量部長土屋喜之助の演説。
聞く処に依れば、韓国古来の風俗に反すとして、設令業務に障礙あり不便を感ずるに、寛濶なる長衣を垂れて顧みず、又物品を運搬するが如き事は賤者の行為として此を厭ふと云ふ。此の如き風習は極力排斥せざるべからず。
割と「皇民化政策」。(笑)


土地調査に当たっての訓示と演説(十四)

「土地調査に当たっての訓示と演説」の最後は、調査部長の佐々木藤太郎の演説。
佐々木藤太郎、演説あまり上手くない。
内容的にも面白くない。(笑)
最後なのに、盛り上がりnothing。


外業員處務規程(一)

土地調査を実地で行う、外業員に関する処務の規程。
初回は、「第一章 通則」と「第二章 班長」について。
指示簿とか、班長の手簿とか、精査したら面白そうだよなぁ・・・。


外業員處務規程(二)

「外業員處務規程」の2回目。
「第三章 監査員」の前半分です。
何度も言うけど、何で既存の研究って小作数の増加という単純な統計上の数にしか着目せず、具体的な内容の精査をしないのか、非常に疑問。


外業員處務規程(三)

「外業員處務規程」の3回目は、「第三章 監査員」の続きと「第四章 副監査員」について。
地主総代。
郡守。
面長。
クスクス(゚∀゚)、と。(笑)


大部分、間違えて消して癇癪起こしながら再度テキスト起こした、俵の訓示。
いや、長すぎるって。(笑)



AD

前回の最後にも書きましたが、ここまで土地調査事業について見てきた中で、所謂「日帝の土地収奪」を示す具体的史料なんていくらでもありそうなもんですが、具体的事例を研究したものを見た事がありません。
今月の回顧録(2007年5月)」の『土地調査事業に関する質疑応答(三)』で趙錫坤の話を取り上げましたが、現状そんな程度でしか無いわけで。
ま、実証されていくうちに、「強制連行」のように「土地収奪」の意味自体が変わっていく予感はするんですが。(笑)
( ´H`)y-~~

さて、前回は「第三章 監査員」の第27条までを見ました。
今日は第28条からになりますね。
それでは、アジア歴史資料センター『朝鮮土地調査法関係一件/5 参考/4 外業員處務規程(レファレンスコード:B03041646500)』の6画像目より。

第28条
監査員は根宿地を定め、又は移転せんとするときは、其の時期及場所を報告すべし。

第29条
監査員は日誌を備へ、調査に関する事項、外業員の異動及其の他の事項を記載すべし。

第30条
監査員は、外業員に異動あるとき及公私の事故に依り駐在地を離れ又は駐在地に帰りたる者あるときは、其の事故、発着月日及時間を報告すべし。

第31条
監査員、毎月第5号書式外業員勤務表、第6号書式外業員患者表を調製し、翌月5日迄に報告すべし。
外業員病気其他の事故の為め、10日以上勤務すること能はざるときは、其都度報告するを要す。

第32条
監査員は、調査区域の調査結了したるときは、左の事項に付き要領を記述したる調査結了報告書を提出すべし。
但、事の急施を要し、又は重要と認むるものあるときは之を報告することを要す。
1.事業実行の状況
2.調査筆数及其の功程
3.従事人員及其異動
4.従事員の風紀及勤務の状況
5.気候及従事員の衛生
6.民情
7.面長、洞長及地主総代の勉否
8.作業用物品の適否、運搬及使用の状況
9.宿舎の状況
10.傭人使用の状況
11.金員、物品送達の状況
12.前各号の外、必要と認めたる事項
第31条
監査員は、調査区域の調査結了したるときは、其取扱たる文書類に目録を附し主務課に引継ぐべし。
但、次の調査区域に持越す必要あるものは、此の限にあらず。
んー。
前回の配分、間違えたかな?(笑)
ま、あんまり短くなったら、次に移っちゃえば良いか。

まず、第28条は、7月25日のエントリーの班長に関する第12条と同様に、根宿地を定めたり移したりした場合の報告について。
第29条が、調査に関する事項や外業員の異動その他を記載する日誌について。
第30条が外業員の異動や公私の事故のため、駐在地を離れたり帰ってきた時の報告。

第31条が、勤務成績なんかに関係する話。
「第5号書式 外業員勤務表」(18画像目)は休暇の一覧表みたいなもんで、「第6号書式 外業員患者表」(19~20画像目)は病気休暇の場合の個人票みたいなもん。
それを作って、毎月5日までに報告。
で、病気などの理由によって10日以上休んだ場合は、その都度報告する必要がある、と。

第32条は、当該調査区域の調査が終了した時の、報告書の提出について。
ただ、急いでたり重要と認める事がある場合には、別途報告の必要性あり、かな?
で、特に決まった書式は無いものの、その記載内容は、事業の実行状況、調査した筆数と功程、従事した人員とその異動、従事した者の風紀や勤務の状況、天気と従事した者の健康状態、当該調査区域の民情、面長・洞長・地主総代の働き具合、作業用物品が適しているかどうかと、その運搬や使用の状況、宿舎の状況、傭人の使用状況、お金や物品がきちんと届いているかの状況など、と。
定型化していればまだ良いんだろうけど、調査区域毎だと面倒くさかっただろうなぁ・・・。(笑)

で、当該調査区域の調査が終了したら、取り扱った文書類に目録を付けて主務課に引き継ぎ。
ただし、次の調査区域に持ち越す必要がある文書類は、そのまま持ってて良いと、と。

んじゃ、このまま続けて「第四章 副監査員」に入っちゃいましょう。

第四章 副監査員

第34条
副監査員は、調査着手以前に於て、郡守、面長、其の他必要と認むる官公署に協議し、土地調査の主旨を一般に周知せしむることに努むべし。

第35条
副監査員は、実地調査に要する標杭の建設、保存、地主総代又は地主の立会に関する心得を指示し、及外業員の宿泊に充つべき家屋の供給等に関し、面長及洞長に協議して、事業進行上の便宜を図るべし。

第36条
副監査員は、第7号書式の準備調査功程簿を備へ、日々の功程を記載すべし。

第37条
副監査員は、毎月第8号書式の準備調査功程成績表及第9号書式準備調査進行図を調製し、翌月5日迄に提出すべし。

第38条
副監査員は、図根測量上の参考として、当該測地監査員又は図根測量員より面洞疆界略図寫の請求を受けたるときは、便宜之を交付すべし。

第39条
副監査員、地方庁と協議の上疆界の変更を為したるときは、参考となるべき略図を送付し、其の他調査事項を通知する等、地方庁の■理に対し成るべく便利を図ることを努むべし。

第40条
副監査員は日誌を備へ、準備調査に関する事項を記載すべし。

第41条
副監査員、準備調査を終りたるときは、一切の書類に其目録を附し、之を監査員に引継べし。
第34条は、副監査員の仕事その1。
副監査員は、調査に着手する前に郡守や面長、その他必要と思われる官公庁と協議して、土地調査の主旨を一般に周知させる事に努力すること。
地主総代。
郡守。
面長。
クスクス(゚∀゚)。

第35条は、副監査員の仕事その2。
実地調査に必要な標杭の建設と保存と、地主総代や地主の立ち会いについての心得の指示と、外業員の宿泊のための家屋の供給について、面長や洞長と協議しておくこと。
第34条と第35条を見るに、連絡調整役って感じですね。

第36条は、準備調査の功程の記録。
「第7号書式 準備調査功程簿」(21~22画像目)に、毎日の功程書け、と。
第37条も功程の記録として良いのかな?
「第8号書式 準備調査功程成績表」(23画像目)と「第9号書式 準備調査進行図」(24画像目)を作り、毎月5日までに報告。

第38条は、測量課との連携。
図根測量の参考として、測地監査員や図根測量員から面洞境界略図の写しの請求を受けた時は、便宜上交付しなさい、と。
第39条は、境界を変更した場合の取り扱い。
地方庁と協議して境界を変更した場合、参考となる略図を送付して、その他調査事項を通知するなど、地方庁が事務処理するのに対して便宜を図るように努める事。
第40条は、日誌を用意して準備調査に関する事項を書いとけ、と。
で、第41条が、準備調査終了後、総ての書類とその目録を付けて監査員に引き継げ、と。


今日はここまで。
次回で、「外業員處務規程」は終わり。



外業員處務規程(一)
外業員處務規程(二)


AD

さて。
前回は、『外業員処務規程』のウチ「第一章 通則」と「第二章 班長」までを見ました。
今日はその続き、第15条からになります。

んでは早速、アジア歴史資料センター『朝鮮土地調査法関係一件/5 参考/4 外業員處務規程(レファレンスコード:B03041646500)』の4画像目から。
第三章は長いので、半分に区切って見ていきます。

第三章 監査員

第15条
監査員は、所属外業員の事業成績及功程に注意し、竝庶務に従事すべし。

第16条
監査員は、準備調査及実地調査に関する事蹟を検査し、錯誤違例なからしむべし。

第17条
実地調査に関し検査すべき事項、左の如し。
1.概況図は実地に符合し、地主、地目、地番、一筆地区域等、調査適当なりや否
2.実地調査簿は、申告書及概況図と符合するや否
3.申告書類の住所及氏名に誤謬なきや、又捺印漏れなきや否
4.申告書に添附すべき連名書、事由書、及調書の当否
5.収穫高及地位等級調査は其当を得たるや否
6.前各号の外、成規定例に違反したるものなきや否
第18条
監督上、錯誤又は違例あることを発見したるときは、直に訂正又は再調を命じ、其の事の重大なるものは事実を具し由報すべし。

第19条
外業事務処理規程第26条に依り通告を為したる後、告発の必要あることを認めたるときは、監査員に於て其の事由を具し、稟由すべし。

第20条
調査上、疑義に渉る事項にして、事の重大なるか若は直に決定し難きものに付ては、上官の指揮を承くべし。

第21条
監査員は、 第1号書式の調査担当区域指定簿を備へ、調査員の担当区域を指定し、其関係書類を交付すべし。

第22条
監査員は、実地の状況に因り概況図を調製すべき縮尺を定め、調査員に指示すべし。

第23条
監査員は、第42条の功程簿に依り毎月事業の功程を調査し、第2号書式の実地調査功程表を調製し、翌付き5日迄に提出すべし。

第24条
監査員は、毎月事業進行の状況を調査し、第3号書式の実地調査進行図を調製し、翌月5日迄に提出すべし。

第25条
監査員に於て、調査員より受けたる概況図の検査を終りたるときは、之を当該測地監査員に送付すべし。

第26条
監査員は、紛争地に関する一件書類を調査員より受けたるときは、之が調停を為すべし。
紛争和解したるときは、当事者連署の和解書を提出せしめ、之を申告書類に添付し調査員に交付して、概況図、実地調査簿、其の他書類の整理を為さしむ。

第27条
前条の紛争和解に至らざるときは、一事件毎に第4号書式の紛争地調書を作り、申告書謄本、概況図謄本、証拠書類及当事者の陳述書を添付し、其時々提出すべし。
但、訴訟繋続中のものなるときは、其の要点、起訴番号及起訴年月日を附記することを要す。
第三章は監査員について。
簡単に見ていくことにします。

第15条は監査員の心得みたいなもん。
第16条が所掌事務で、準備調査と実地調査の検査が主業務なわけですね。
で、第17条が実地調査の検査事項。
地主、地目、地番、一筆地区域などについて、概況図と実地の突合。
実地調査簿と申告書・概況図の突合。
申告書類の住所氏名の誤りや、捺印漏れの確認。
土地申告心得」なんかで見た、申告書に添付する連名書や事由書、「土地調査外業事務處理規程(四)」の第42条なんかで見た、申告書に添付する調書が道理にかなっているかどうか。
収穫高や地位等級の調査は、道理にかなっているかどうか。
その他、成文規則や以前から定まっているやり方に違反したものが無いかどうか。
以上を検査するわけですね。
で、第18条で錯誤や違反事例があった場合には、すぐに訂正や再調査を命じて、重大な事は事実を書いて報告しろ、と。

第19条では、「土地調査外業事務處理規程(三)」の第26条で通告した後、告発する必要があると認めたら、監督員がその理由を書いて報告しろ。
第20条は、疑義照会のウチ、重大なことや決定を下しづらい事案については、上官の指揮をうける事。
第21条が、調査員の担当区域の指定の方法。
「第1号書式 調査担当区域指定簿」については省略しますので、11画像目を参照してください。
第22条が、概況図の縮尺について。
第23条は、業務功程の把握のための実地調査功程表の話。
同様に、「第2号書式 実地調査功程表」は省略しますので、12~13画像を参照のこと。
第24条は、調査の進行状況把握のための「第3号書式 実地調査功程表」(14~16画像目)についてですね。
この実地調査功程表があれば、誰の調査によって「土地を奪われた」のか、分かるんじゃね?(笑)

で、第25条は、概況図の検査終了後、その概況図を測地監査員に送れ、と。
この測地監査員は、測量課の方の監査員って事かな?

次が紛争地の取り扱い。
第26条では、監査員が調停して和解に至った場合について。
当事者が連署した和解書を提出させ、申告書類に添付後調査員に交付して、和解事項に基づいて各書類の整理を行わせる。
第27条が和解に至らなかった場合で、1事件ごとに「第4号書式 紛争地調書」(17画像目)を作り、申告書の謄本と概況図の謄本、証拠書類、当事者の陳述書を添付してその都度提出。
訴訟が継続中のものである場合は、訴訟内容の要点と起訴番号、起訴年月日の附記が必要。

これで、誰が誰とどの土地で紛争して、「朝鮮人の土地を奪った」のか分かりますね。(笑)
何で小作数の増加という単純な統計上の数にしか着目せず、具体的な内容の研究をしないのか、非常に疑問なんですが。(棒読み
( ´H`)y-~~


今日はここまで。



外業員處務規程(一)


AD

今日から新しい連載。
以前、「土地調査外業事務處理規程」というのを取り上げましたが、これは外業事務そのものについての処理手順を示した規程でした。
今回は、外業員の管掌の規程と言った方が良いのかな?
まぁ、見てもらった方が早いと思うので、早速見ていきましょう。

今回は、アジア歴史資料センター『朝鮮土地調査法関係一件/5 参考/4 外業員處務規程(レファレンスコード:B03041646500)』からとなります。
全部で57条くらいあるので、章毎に区切って見ていくことにします。

外業員処務規程

調査外業員処務規程

第一章 通則

第1条
本規程に於て外業員と称するは、班長、監査員、副監査員、調査員及附属員とす。

第2条
外業員は、其指定せられたる調査区域内に駐在し、別に定むる所の規程に依り土地調査に従事するものとす。

第3条
班長は、其の調査区域内に於ける業務施行の順序、分班の担当地域を定め、調査業務の成績竝班員の服務及風紀に関し、其責に任ず。

第4条
監査員は、準備調査及実地調査の事務竝所属外業員の服務及風紀を監督すべし。

第5条
副監査員は、監査員を補佐し、及準備調査事務に従事すべし。
副監査員は、監査員と其勤務区域を異にする場合に、監査員の事務を行ふことを得。

第6条
調査員は、監査員の監督を承け、実地調査の事務に従事すべし。

第7条
附属員は、監査員又は副監査員の指揮を承け、其の事務を補助すべし。

第8条
調査上に関し、書面を以て他官庁に照会往復する必要あるときは、本局に稟議すべし。
但事の軽易にして、処分に渉らざる通知の類は、班長又は監査員の名を以て直接に之を為すことを得。

第9条
本局に対する上申、稟議、其の他照会往復は、特別の規程あるものを除く外監督員の名を以てすべし。

第10条
班長、監査員及副監査員は指示簿を備へ、指示又は協議に係る事項の記載を受くべし。

第11条
外業員より本局に提出する書類は、総て班長を経由すべし。
第1条は、「外業員」の呼称に関する具体的役職の範囲。
第2条は、その業務担当区域に関して。
ちなみに、この第2条の「別に定むる所の規程」が、先ほど述べた「土地調査外業事務處理規程」と思われます。

第3条は、班長の業務分担。
第4条は、監査員の業務分担。
第5条が副監査員の業務分担。
第6条が調査員の業務分担。
第7条が附属員の業務分担ですね。
つうことで、土地申告書を徴取する事になる準備調査に携わるのは、監査員・副監査員と附属員もあり得るのかな。
まぁ、申告書自体は以前から明らかなように、地主総代が説明も取りまとめも行うので、大した業務量では無いんでしょうけど。

で、第8条は調査に必要な往復文書に関する規定。
調査上他の官庁に照会文書等を遣り取りする必要があるときは、土地調査局の本局に稟議が必要。
ただし、簡単で処分に関するものでない通知の類は、班長又は監督員名で直接通知できる、と。

第9条が、本局に対しての文書の発信者名に関する規定。
特別に規定がある場合を除いては、監督員名で行う、と。
監督員というのは、班長と監査員を指すのかなぁ・・・。
場合によっては副監査員も入るのかもね。

第10条は指示簿備え付けとその記載について。
班長・監査員・副監査員は指示簿を用意して、指示・協議事項について記載を受ける事。
この指示簿って、実際に内容見てみたら面白そうだよなぁ。(笑)

第11条が、外業員から本局に提出する書類は、全部班長経由で、と。
これは割と当たり前の規定ですね。

さて。
第二章は短めなので、このまま続きを。

第二章 班長

第12条
班長は、本局との交通及実地監督上の便否を考へ、一定の場所に根宿地を定め報告すべし。

第13条
班長は、常に手簿を携帯し、左の事項に関し其要領を記載すべし。
1.業務執行の順序方法を誤り、若くは其の当を得ざるものと認め、更訂を命じたる事項
2.成規定例に違反し、若くは錯誤あることを発見し、再調又は訂正を命じたる事項
3.業務上に関し、指示応答したる事項
4.前各号の外、必要と認めたる事項
第14条
班長は、業務の進行及班員執務の概況を、翌月10日迄に総裁に由報すべし。
但し、事の重大に渉り又は至急を要するものは、其の時々由報することを要す。
班長の業務について。
まず第12条では、班長は本局との交通や連絡と、実地の監督の便宜を考えて、一定の場所に根拠地を決めて報告する事、と。
出張中、連絡場所が確定していないと連絡つきませんしねぇ・・・。

第13条は、覚書みたいなものの携帯と記載について。
その記載する内容は、まず業務を執行していて手順や方法を間違えたり、適切でないと認めて、訂正を命じた事。
次に、成文規則や以前から定まっているやり方に違反したり、間違いがあることを見つけ、再調査や訂正を命じた事。
業務上で、指示したり答えたりした事。
その他、必要だと思った事を随時記載しとくわけですね。

で、第14条が、班長の報告事項について。
業務の進行状況や、班員の執務の概況を翌月10日までに総裁に報告。
勿論、重大な事や緊急を要する事については、その都度報告が必要、と。

ま、ここまであまり変わった所は無い規程ですね。


今日はここまで。




今日でようやく「土地調査に当たっての訓示と演説」も終わり。
前回は測量部の部長演説でしたが、今回は調査部の方の部長演説となります。
では早速。
アジア歴史資料センター『朝鮮土地調査法関係一件/5 参考/3 高総裁俵副総裁訓示 土地測量部長佐佐木調査部長演説(レファレンスコード:B03041646400)』の25画像目から。

佐佐木調査部長演説

既に総裁、副総裁閣下及測量部長より叮嚀懇篤なる訓示有り。
此以上、余に於て別に加ふべき辞を有せずと雖ども、唯調査部長として聊か一言すべし。
即ち、「余は諸君と共に各其分を恪守す可し」との一事是なり。
日本人には此意義は直ちに了解せらるるならんも、韓国人は或は未だ全く了解せられざるを保せず。
之を■して言へば、「其自己の職責を盡す」と云ふに帰すべし。
即ち、局員は土地調査局各機関の一部として、各過不及なく其任務を充さんことを希望するものなり。
之を譬へば、恰も吾人の身体が健全に発育活動する上に於て、身体の各機関が其職分を盡して機関の運動、血液の循環に阻害なきことを必要とするが如し。

今、本局の各機関を以て仮りに血液の運動状態に比せんが、総裁、副総裁は血液を呑吐する心臓にして、部員は血液の循環を助成する脈管に似たり。
而して、血液が毛細管に入る時は、能く循環して其本能を完ふしつつあるや否やは、肉眼に依りて此を見るを得ざるも、一たび其局部に向かふて刀を加ふる時は、血液は直ちに迸出するを見るべし。
是れ即ち、血液が間断なく循環するの証左なりとす。
然れども、若し不幸にして其機関に故障を生じ、血液の循環停止する時は、設令刀を加ふるも血液は迸出することなくして、反て或は膿汁を出すに至る事有るべし。
故に、諸君が其分を恪守して健全活発に局務を進捗するは、恰も身体に於ける機関が、個々の機能を完ふすると同一にして、其活動の状態は血液が常に循環して、人体を健全活発ならしむると一般なり。
諸君が其職分を恪守ふるには、茲の外尚ほ服従義務存在することを了得せざるべからず。
所謂、能く服従するの途を知りて、始めて人を服従せしめ得べきなり。
彼の世界三聖の一人たる孔子は、曾て委吏となりて会計能く当、司職の吏となりて獣畜能く蕃息し、令名常に■りたりと云へり。
其服従の義務を知り、其職分に盡したる好個の適例にして、其職務の如何を問ず、且命を受けたる職務は、専心一意之を充たさざるべからず。
況んや、土地調査の事業は此国の休戚に関する大事業にして、其成功名誉は実に諸君の享受すべきものなるに於ておや。

調査部諸君は、能く韓国の法規習慣を研究し、併せて日本民法等を研究することを要す。
測量部員の技術の研究を要すべきは固より当然なるも、韓国の如く法令の規定未だ完全ならず、習慣亦区々にして之を窺知するに容易ならざる国に在りては、其研究を要すること敢て多言を要せざるなり。

諸君の多くは、常に外部の野外に出ては作業に従事すべし。
故に諸君中にて、或自己の勤務状態が能く上司の知る所とならざるかを憂慮する者無きを保せず。
果して斯の如くんば、之は甚しき杞憂に属す。
今、有形的に最明瞭なる一例挙げて之を示せば、恰も此の室内に設置せられたる電灯の如し。
諸君が外部に在りて野外の勤務に従事するは、即ち電気の原動力に等しく、其一挙一動は諸種の機関を通じて彼の煌々たる電灯となり、以て総裁、副総裁閣下の眼に映すべし。
若此の原動力たる諸君の職務に怠慢有らんが、電灯は■に暗憺として煌々たる光を見る能はざるのみならず、終に其效用を認め難きに至るべし。

余は、諸君と共に能く以上の意義を了得し、各其本分を守り、其勉むべきを勉め、以て総裁及副総裁閣下の訓示主旨に背かざらんことを期し、此事業の大成に貢献せんことを切望に堪へざるなり。
既に総裁や副総裁や測量部長から懇切丁寧な訓示がありましたので、これ以上私が特に言うべき事も無いんですが、ただ調査部長として一言だけ。
それは、私は君たちと共にその職分を遵守するつもりだという事。
日本人にはこの意味はすぐに分かるだろうけど、韓国人はもしかしたらまだ分からないかもしれない。
簡単に言えば、自分の職責を果たすという事だ。
つまり、局員は土地調査局の各機関の一部として、過不足無く任務を果たす事を希望しているのである。
例えて言えば、人体が健全に発育活動する上で、体の各器官がその職分を果たして、動作や血液の循環に阻害ない事を必要としているようなものだ、と。
んー、この人あんまり演説上手く無いねぇ。(笑)

今、土地調査局の各機関を血液の運動状態に例えれば、総裁や副総裁は心臓であり、部員は血液の循環を助ける欠陥に似ている。
そして、血液が毛細血管にまでちゃんと循環しているかどうかは、肉眼では確認することは出来ないが、切ってみれば血液はすぐに流れ出るのを見るだろう。
これは、血液が途切れなく循環している証拠である。
しかし、もし不幸にも体の器官に異常が起きて血液の循環が止まれば、例え切ってみても血液は流れ出ず、かえって膿なんかが流れ出るかもしれない、と。
つうか、血液の循環止まったら、その部分死んでるんじゃ・・・。(笑)

ってことで、君たちが職分を遵守して健全かつ活発に仕事を進めるのは、あたかも体の器官の個々の機能が完全であるのと同じであって、その活動状態は、血液が常に循環して体を健全かつ活発にするのと同様である。
俗に言う、充分に服従する方法を知って、始めて人を服従させる事ができるという事だ。

世界三聖の一人である孔子は、昔米穀の倉庫をつかさどる役人であった時には会計を上手く行い、家畜係の役人だった時には動物を上手に繁殖させ、常に良い評判を得たと言える。
これは、その服従の義務を知って職分に尽くした好例であり、その職務が何であれ、命を受けた仕事は一意専心に行わなければならない。
まして、土地調査事業は韓国の幸不幸に関する大事業であり、その成功や名誉は君たちの受けるべきものなのだから。

調査部の諸君は、よく韓国の法規や習慣を研究し、同時に日本の民法等についても研究する必要がある。
測量部員は技術の研究が必要であるのは当然だけど、韓国のように法令の規定もまだ完全ではなく、習慣もまちまちで纏まりが無く、それをうかがい知るのに簡単では無い国では、その研究が必要な事は敢えて言うまでもない。

君たちの多くは、いつも外に出て作業に従事するだろう。
ってことで、君たちの中には自分の勤務状態を上司が良く分からないのではないかと憂慮する者が居るかもしれない。
しかしこれは甚だしい杞憂である。
今、目に見える最も明瞭な一例を挙げれば、この部屋に設置された電灯のようなものだ。
君たちが外勤に従事するのは電気の原動力と等しく、一挙一動は色々な機関を通じて明るく輝く電灯となり、総裁や副総裁の目に映るだろう。
もし、この原動力である君たちが職務に怠慢であれば、電灯は暗くなって明るい光を見ることはできず、最終的に役立たずになうだろう。

私は、君たちと共に以上の意義を良く理解し、各自がその本分を守り、努力すべきところは努力して、総裁や副総裁の訓示の主旨に背かないようにして、この事業の大成に貢献することを切望するのである、と。

んー、つまんねー演説だなぁ。(笑)

ってことで、土地調査事業そのものと係わる部分は少なく、重要な部分も殆ど無かったわけですが、当時日本人と韓国人が共同で事業を行う場合の日本人の気苦労や注意しているところってのが良く分かる史料だったと思います。
つうか、大変だよね。(笑)


それでは、「土地調査に当たっての訓示と演説」は、これでお終い。



土地調査に当たっての訓示と演説(一)
土地調査に当たっての訓示と演説(二)
土地調査に当たっての訓示と演説(三)
土地調査に当たっての訓示と演説(四)
土地調査に当たっての訓示と演説(五)
土地調査に当たっての訓示と演説(六)
土地調査に当たっての訓示と演説(七)
土地調査に当たっての訓示と演説(八)
土地調査に当たっての訓示と演説(九)
土地調査に当たっての訓示と演説(十)
土地調査に当たっての訓示と演説(十一)
土地調査に当たっての訓示と演説(十二)
土地調査に当たっての訓示と演説(十三)



さて。
前回までで土地調査局副総裁の俵孫一の訓示が終わりました。
あと少しでこの史料も終わりなので、もう一がんばりしたいと思います。

それでは、いつも通りアジア歴史資料センター『朝鮮土地調査法関係一件/5 参考/3 高総裁俵副総裁訓示 土地測量部長佐佐木調査部長演説(レファレンスコード:B03041646400)』の21画像目から。
長めですが、一気に引用していきます。

土地測量部長演説

既に総裁及副総裁閣下より調査事業に関し、又職員として注意すべき事項に就き、周到なる訓示有りたり。
此訓示を体して本事業に盡力せば、其成效を期するは蓋し容易たるべし。
然れども、此事業は最も重要にして、且甚だ困難なるのみならず、其要求迅速に正確なる結果を収むるに在るを以て、吾人は充分の覚悟を以て之に従事せざるべからざるは、言を俟たざるところなり。
尚、此測量に就ては、前述の如く迅速に正確なる結果を収めざるべからざるが故に、此に従事する諸君は常に細心且周察なる考慮を盡さざるべからず。
茲に2、3の所思を敍し、諸君の注意を喚起せんとす。

幹部たるべき諸君、即監督指導の任務を有する諸子は、自己の任務に就て微事細件に至るまで、充分此を熟得了解する必要有るのみならず、其部下各人の性質竝伎倆を知悉するを要す。
若し自己の担任する業務に通暁せず、部下の性質・伎倆を知悉せざる時は、指導適切ならず。
従て部下の信用を欠き、到底誠意以て事に当らしむるを得ず。
故に幹部たる人は充分此点に注意し、能く部下をして自己に信服せしめ、各人短所は適当に此を矯正し、其長所は能く此を助長するに勉むるは、実に事業の進捗上幹部員たる諸君の忽諸にすべからざる要件なり。

直接に業務に当るところの諸君は、熱心と誠実とを以て事に服し、且常に研究心を育せざるべからず。
苟も此研究心にして萎靡せんが、真正なる練熟は決して望むべからず。
何事を為すにも研究心を以て事に当れば、不知不識之間に興味を生じ、自己の業務に興味を感ぜざれば、是は畢竟熱心と誠実をを欠きたる結果なるを自覚し、益々奮励努力して研究心を振興すべし。
興味は必ず其間に湧出すべし。
此の如く常に興味を以て事に従へば、単に精神の壮快を感ずるのみならず、能く身体の健全を保ち、技能の発達、業務の熟練を始めて企図するを得べし。

協同一致に就ては、業已に副総裁の演説に於て此を盡せり。
凡そ、礼節を重じ徳義を尊ぶは人生の常道なり。
然れども、今回の事業は職員一同の親睦和合して協同事に当、其一致を要求すること特に緊要なるを以て、諸君は深く此点に注意し、誠意忍耐以て唯一に事業の進捗に勉むるを要す。

衛生に就ては、諸君は遠く地方に出張し、到る処人民に接するが故に、若し不幸に悪疫に感染する事有らんが、但だ事業に影響を及ぼすのみならず、広く人民に伝播し、関係甚大なるべし。
各自衛生の注意を厳守し常に身体の健全を保持するは、尤も肝要とす。

今回の事業は、韓国十三道に亘りて施行するを以て、如何なる寒村僻邑とも足跡を印せざる無く偏に人民に接触することとなり、従て韓国現今の状態より云ふ時は、日韓官吏が協同して此の事業を執行するは、直接間接地方人民に与ふる感動至大にして、其影響する処決して尠少にあらざるべし。

諸君は深く此点に留意し、常に官吏たる体面を保持して言行を慎み、奮励従事せざるべからず。
諸君にして、一言一行と雖ども徳義に悖る勿く奮て活動の規範を示すは、徒だ事業の進行を有利ならしむるのみならず、一般人民に与ふる余沢甚だ偉大なるべし。
万一諸君にして官吏たる威儀を損じ、軽挙暴動或は言語の行違より意思の疎通を欠き、濫に感情に因りて事を処するが如き事有らんが、其害の及ぼすところ甚だ浩大なるべし。
宜く厳重戒飭して、常に懇切と誠実とを以て人民に接触し、理性に基き事を処するを要す。
尚且つ、今回の事業は宿舎の供給、人夫、材料の需用等、総て人民の同情を得て円満に事を処すると否とは、直接に結果の良否に関す。
諸君は自己一身の事は自己にのみ関するのみならず、其栄辱は総て局員全体の栄辱に関するを銘肝し、一言一行と雖も苟も徒然たる勿く著実に事業の進行を以て執念し、完全なる最後の成功を期し、人民に有益なる感化を与へ以て事業有終の美を収むるを切望して已不なり。

終に臨み、一言韓国人たる官吏諸君に注意すべし。
土地調査に関する事業は尤も重要なる者なれば、此に従事する者は其業務に尤も忠実ならざるべからず。
従て、労働は神聖にして決して卑むべき者にあらざることを服膺すべし。
聞く処に依れば、韓国古来の風俗に反すとして、設令業務に障礙あり不便を感ずるに、寛濶なる長衣を垂れて顧みず、又物品を運搬するが如き事は賤者の行為として此を厭ふと云ふ。
此の如き風習は極力排斥せざるべからず。
勿論国家従来の風習慣行は此を尊ぶべきも、時世の進歩に伴ひ不適当なるものは改良するを要す。
苟も業務を執するに不便なる長衣を纏ひ、或は器械材料の携帯を忌避するが如き思想は、断然此を矯正すべし。
今や韓国の開発は、各人の奮励労力を須つこと切なり。
諸君は人民の上流に立ち此に模範を示す位置に在るを以て、率先此に当り、因て以て一般の風習を改善し、指導するに勉むるは、諸君当然の責務に在るべし。
余は、諸君にして事業の進捗に妨害なる風俗習慣を固守し、毫も価値なき威儀を繕ふて、以て能事となすが如き思想を有する者は、此事業に従事する資格を有し、且業務に忠実なる者と認むるを得不。
此点に就ては、特に予め注意するを要す。
キモは最後の段落。(笑)
まぁ、他の部分は俵の訓示と被る部分が多いので、簡単に段落ごとにまとめる程度で進んで行きましょう。

土地測量部長ってことで、恐らくは土屋喜之助の事と思われます。
まずは、高総裁と俵副総裁から訓示があったけど、その通りにしとけば成功は簡単だろう。
でも、土地調査事業って重要だし、難しい仕事だし、早さと正確性も要求されるんだから、相当の覚悟と細心の注意と手落ちの無い考慮を持って仕事してね。
ってことで、2、3思うところを述べて注意を喚起します、と。

次の段落は、幹部職員に向けて。
監督・指導をする立場の者は、自分の任務について詳細を熟知するだけでなく、部下の性質や技量も良く知っておかなければならない。
自分の業務が良く分からず、部下の性質や技量を知らなければ指導も適切に出来ず、そうなれば部下の信用も失い、到底誠意を持って仕事をさせることはできない。
その辺に充分注意して、部下を自分に心服させ、部下の短所を矯正して長所を伸ばす事は、事業の進捗上幹部職員のないがしろに出来ない要件だ、と。

続いては、現場作業職員に対して。
熱心さと誠実さを持って仕事をし、常に研究心を持っていなければならない。
研究心が無ければ、熟練者にはなれないよ。
後は俵の訓示にもあったとおり、何をするにも研究心を持ってやれば、自然とそこに興味が生まれる。
自分の仕事に興味を感じなければ、それは熱心さと誠実さを欠いていると自覚し、さらに奮励努力して研究心を振興しなさい。
そうすれば必ず興味が湧いてくるだろう、と。

一致協力して事業をするってのは、もう副総裁の演説で言い尽くしてるけど、礼節を重んじて徳義を尊ぶのは、人生において普通の話だよね。
そうなんだけど、今回の事業では職員一同が仲良く仕事して、一致協力する事は特に緊要なので、そこに留意して誠意と忍耐を持ってひたすら事業の進捗に勉めなければならない、と。

次が、衛生について。
諸君は地方出張して至る所で人民と接するため、もし不幸にも悪い疫病に感染するような事があれば、ただ事業に影響を及ぼすだけでなく、広範囲な感染を招くだろう。
ってことで、各自衛生に注意して、常に健康を保持するのが最も重要だ、と。

で、土地調査事業は全国にわたって施行するため、どんな寒村僻地でも行って人民に接触することとなる。
韓国の現在の状態から言えば、日韓官吏が協同して土地調査事業を行うのは、直接・間接に地方人民に与える感動はこの上なく大きく、その影響も決して少なくないだろう、と。
いや、それはどうかなぁ。(笑)

ってことで、みんなこの辺留意して、常に官吏として相応しい言行に努め、 奮励して仕事しなければならない。
諸君が一言一行であっても徳義にもとるような事が無く、活動の規範を示せば、単に事業の進行を有利にするだけでなく、一般人民に与える恩恵も偉大だろう。
逆に、万一諸君が官吏の威儀を損ない、軽挙暴動や言葉の行き違いで意思の疎通を欠き、妄りに感情で対処するような事があれば、その弊害も非常に大きい。
ってことで、厳しく慎んで、常に懇切と誠実によって人民に接し、理性に基づく対処が必要だ、と。
いやぁ、その「理性に基づく」ってのが難しい要求なんじゃないかと。(笑)

さらに、今回の土地調査事業は宿舎の供給や人夫・材料の用意など、総て人民の賛意を得て円満に対処するかそうでないかは、直接結果に影響する。
諸君は、自分の事は自分だけに関するのではなく、その栄光や恥辱は全て局員全体のものだと肝に銘じ、着実な事業の進行に専念し、完全な成功を期し、人民に有益な感化を与えて事業の有終の美を飾る事を切望して已まない、と。

で、ようやくメインディッシュです。(笑)
最後に韓国人官吏に対する注意。
土地調査事業は最も重要な事業であり、これに従事する者はその業務に最も忠実でなければならない。
従って、労働は神聖なものであって、決して卑しむべきものではない事を忘れてはならない。
聞くところによれば、韓国古来の風俗に反するとして、たとえ業務に支障があり不便を感じても、ゆったりとした長衣を着たままであり、また物品を運ぶような仕事は賎しい者の行為であるとして、これを嫌がるという、と。

キタ━━━━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━━━!!!!!!!!!!(笑)

長衣
(イメージ画像)

これ、どう考えても邪魔だろ。(笑)
一方、両班が運搬をはじめとする労働を忌むという事に関しては、イザベラおばさんの「朝鮮紀行」を始め多数の史料が残っています。
当然、改善が必要な部分ではあるんですが、「労働は神聖にして」ってのは日本人だけに通じる考えじゃないだろうか。(笑)

で、勿論従来の風習や慣行は尊ぶべきものではあるけど、時代の進歩に従って不適当なものは改良が必要だ、と。
今、韓国の開発は各人の奮励労力が必要であり、諸君は人民の上流に立って模範を示す立場なのだから、率先して働いて、それによって一般の風習を改善して指導する事に勉めるのは、当然の責務だ。
私は、諸君の中で事業の進捗に有害な風俗慣習を固守し、少しも価値のない面子を繕って、それをなすべき事とするような思想を持つ者は、この事業に従事する資格も、業務に忠実な者と認める事も出来ない。
この点については、特に前もって注意が必要だ、と。


長くなりましたが、今日はここまで。
次回で終わり。



土地調査に当たっての訓示と演説(一)
土地調査に当たっての訓示と演説(二)
土地調査に当たっての訓示と演説(三)
土地調査に当たっての訓示と演説(四)
土地調査に当たっての訓示と演説(五)
土地調査に当たっての訓示と演説(六)
土地調査に当たっての訓示と演説(七)
土地調査に当たっての訓示と演説(八)
土地調査に当たっての訓示と演説(九)
土地調査に当たっての訓示と演説(十)
土地調査に当たっての訓示と演説(十一)
土地調査に当たっての訓示と演説(十二)



遂に今日で俵副総裁の訓示が終われる(予定)。
えらい長かったよう・・・。
(; THT)y-~~

ってことで、今日もアジア歴史資料センター『朝鮮土地調査法関係一件/5 参考/3 高総裁俵副総裁訓示 土地測量部長佐佐木調査部長演説(レファレンスコード:B03041646400)』を見ていきましょう。
今日は、「第八」からになります。
では、早速。

第八 局員に対する監督

最後に余が局員に対する監督方針の一端を述ぶるは、敢て蛇足にあらざるべきを信ず。
余は、不能を以て人を責めず。
寧ろ、其至誠を盡さざるを責めんとす。
本来、人の賢愚、才不才、能不能は、多く其人の天性に属す。
不才と雖も熱誠以て事に従ふ時は、終に効果の見るべきもの有るべし。
愚と雖も、努めて息まざる時は、又若干の成績を挙げ得■ざるにあらず。
是を以て各人の效績は、其賢愚を以て論ずべきにあらず。
寧ろ熱誠の程度に依り之を定む。
至誠を以て至善を為すは、其監督者たると被監督者たるとを問はず執務上均しく守るべき要件にして、人若し一事を為さば、能ふ限りの熱誠を以て全力を該事に傾注せざるべからず。
是れ、実に其效果を完全にする所以なり。
斯の如くするも尚ほ及ばざる所有らんが、萬不得已の者として此を寛仮せるを得べく、或は全然不可能の事を以て人を強ひたるの罪に帰する事有るべし。
然れども、為可き余地有るに之をなさず、盡すべき余力有るに之を盡さざらんが、設令職務上著しき過失無きも、未だ以て充分其職責を重ずる者と云べからず。
況んや、悪事醜行を敢てし怠慢奸黠の行跡有るに於ては、之が処分を断行して毫も仮借する所無かるべきは、余の断言して憚らざる所なり。
されば、諸君が職務に従事するに当りては、常に各自の至誠を盡し全力を傾注するを以て旨とし、諸君の行動は上司に於て厳正公平に之を監督しつつ在るを忘るべからず。
最後は、局員に対する監督の方針。
今で言うと、人事評価の基準みたいなもんかな?

最後に副総裁俵孫一の局員に対する監督方針の一端を述べる事は、蛇足ではないと思う。
・・・。
「ここまで来たら勝手にやってくれ」と投げるのか、「まだ終わんねーのかよ」と思うのかは、自由ダァ~!!!
訓示 is freedom、訓示 is freedom。
でも、これで終わりだと我慢してても、さらに訓示続く事あるで。

・・・さてと。
私は、無能によって人を責めず、寧ろ誠実でない事を責める。
本体、人の賢愚や才能の有無、できるできないという事の多くは、その人の天性に属するものだ。
才能が無くても熱心に心を尽くして仕事をすれば、最終的効果で見るべきものがあるだろう。
愚かであっても自彊不息を続けていれば、少しは成績を挙げられるだろう、と。

えーっ!
ゼークト先生が怒りますよ。(笑)


しかし俵は、各人の功績は賢愚によって語るべきではなく、熱心に、真面目にやっているかどうかで決まると言うわけです。
いや、普通は能力にも真面目かどうかにも関係なく、結果で決まると思うんですが。(笑)

で、最善の努力をする事は、その監督する人される人を問わず執務上同様に守るべき要件であり、人がもし何かをなす時には出来る限り一所懸命全力を注がなければならない。
これがその効果を完全にする理由である。
そこまでしてまだ出来ない所があれば、それはやむを得ないものとして看過されるし、あるいは最初から無理な事を人にやらせた罪に帰する事もあるだろう。
ああ、朝鮮人に日本人になれと言った日帝は、罪人ですね。(笑)

しかし、為すべき余地があるのにやらなかったり、余力があるのに全力を尽くさなければ、例え職務上著しい過失が無くても、充分にその職責を重んじている者とは云えない。
悪事や醜行をあえてし、怠慢や悪賢い行跡があった場合、その処分を断行して少しも許される部分が無いというのは、私が断言して憚らない所だ。
だから諸君が仕事をする場合には、常に各自の真心を尽くして全力を注ぐ事をメインに、諸君の行動が上司によって厳正公平に監督される事を忘れてはならない、と。

要するに、手抜きしないで真面目に仕事やれよ、と。(笑)

さて、次で俵孫一の訓示はラストになります。
「第九」

第九 結論

以上、長時間に亘る説示は、諸君に対し必ず悉く快感を与へたるもののみにあらざるべし。
然れども、是れ偏に本事業の円満なる成功を冀望するの余り、其出発点に於て具さに警告を与へ、牢乎たる局風を作らんと欲するに外ず。
幸いにして、諸君の協力に由り完全に円満に、且経済的に本事業の遂行することを得ば、是れ独り総裁、副総裁、各部長の名誉なるのみならず実に局員全部の名誉にして、此国100年の長計を確立し、国民をして永く仁政の恩沢に浴せしむる所以たらずんばあらず。
願くば、諸君は常に以上余の述ぶる所を服膺し、其実践躬行を期せられんことを望む。
終りに臨んで、諸君の静聴を謝す。
以上、長時間にわたる説示は、諸君に対し全てが良い話ではなかった。
いや、長さだけで充分不快ですが。(笑)

しかし、これはひとえに土地調査事業の円満な成功を希望するあまり、その出発点において詳細に警告を与え、しっかりとした局風を作ろうという思いに外ならない。
幸い、諸君の協力によって完全に円満に、且つ経済的に土地調査事業を遂行できれば、これは総裁や副総裁、各部長などの管理職だけの名誉ではなく土地調査局全員の名誉であり、韓国100年の長計を確立し、国民に永く仁政の恩恵を与える理由でなければならない。
「此国100年の長計」>確かに、最近まで使ってたし。(笑)

で、願わくば諸君はいつも私の述べた事を心に留めて忘れず、その実行を期す事を臨む。
静聴に感謝する、と。

寝てたんじゃね?(笑)


今日はここまで。



土地調査に当たっての訓示と演説(一)
土地調査に当たっての訓示と演説(二)
土地調査に当たっての訓示と演説(三)
土地調査に当たっての訓示と演説(四)
土地調査に当たっての訓示と演説(五)
土地調査に当たっての訓示と演説(六)
土地調査に当たっての訓示と演説(七)
土地調査に当たっての訓示と演説(八)
土地調査に当たっての訓示と演説(九)
土地調査に当たっての訓示と演説(十)
土地調査に当たっての訓示と演説(十一)



飽きた飽きたとばかりも言っていられないので、さっさと先に進みましょう。
ってことで、今日は前置き無しで。
アジア歴史資料センター『朝鮮土地調査法関係一件/5 参考/3 高総裁俵副総裁訓示 土地測量部長佐佐木調査部長演説(レファレンスコード:B03041646400)』より。
今日は「七」からですね。
では、早速。

七、自己の慰安に対する注意
品性の修養、身体の攝生に就ては既に之を述べたり。
尚ほ、茲に一言すべきは、諸君の慰安方法是なり。
諸君に支給すべき俸給、旅費、手当等は、今日の生活状態に於て敢て不足無きを信ず。
然れども、諸君は多く外業に従事し、具さに艱難を嘗めざるべからず。
加之、事業頗る煩雑にして心身を労すること甚だ大なり。
故に諸君の自衛上相当慰安の方法を講ずること頗る緊要なりと信ず。
慰安の方法は、尤も高尚なる者を択び、真正に身心を慰じ、元気を回復し得べき方法を講ずること必要なり。
論語に曰く、「楽んで淫ず、哀んで傷まず」と。
斯の如くにして始めて真正の慰安と云べきなり。
又、一面には本事業は一定の年限を有する臨時事業なり。
当さに他日の備へあることを要す。
依て、諸君が受ける処の給与は、各月其幾分を割き貯蓄に努め、以て事業の終了に際し歓で命を待つの覚悟あることを要す。
あーあ、言っちゃった。(笑)
最初にツッコみたい処をグッと我慢して、頭から見ていきます。

7番目は、自分に対する慰安に対する注意。
品性の修養や身体の攝生については既に述べた。
もう一つ言っておくのは、諸君の慰安の方法についてだ。
諸君に支給される給料や旅費、手当等は、現在の生活状況においては不足が無いと思う。

しかし、諸君は外回りの仕事が多く、細かい艱難辛苦も嘗めなければならず、事業も煩雑であり、身心の疲労も大きい。
従って、諸君の自衛上、相当の慰安の方法を考える事が非常に緊要だと思う。
慰安の方法には、最も高尚なものを選び、正しく身心をなぐさめ元気を回復できる方法を講じる事が必要だ。
論語にも「樂而不淫 哀而不傷」とあり、このようにして始めて真正の慰安というべきである、と。
つうか、引用が『大学』に『論語』って、かなり韓国人官吏に気をつかってる気がするなぁ・・・。(笑)

で、次が「言っちゃった」部分。
また、一面には土地調査事業は一定の期限がある臨時事業であり、それが終わる時のための備えが必要だ。
従って、諸君がもらう給料から毎月いくらかを貯金して、事業が終わる時には歓んで命令を待つ覚悟が必要だ、と。

いやね、7月5日のエントリー辺りでは「もし局員の頑張りで迅速に事業を進めて、俸給や旅費の1割、つまり7~8ヶ月事業期間を短縮できれば、87万6,970円の経費節減」とか言っちゃうわけで・・・ねぇ?
頑張れば頑張るほど受け取る給与総額が少なくなって、更に事業が終わる時のために貯金しとけ、と。
日帝ヒドス(笑)

さて、次の「八」が「第七 局員に対する希望」の最後になります。
ようやく。(笑)

八、部下に対する注意
諸君は上官有り、同僚有り、部下有り、其何れに対するも誠心誠意を以てす可きは、共通の必要事項なり。
就中、部下に対しては誠意と懇切を旨とし、一視同仁の眼を以て統一的に指導監督するを要す。
統率其宜きを欠き各人区々の行動を為すが如きは、団体的事業を遂げる所以にあらず。
又、最も慎む可きは傲慢不遜の態度にして、是れ実に人を御するの道にあらず。
常に自ら省みて、実践躬行以て人に臨む時は、期せずして事績は自ら挙るを見るべし。
局員に対しての希望の最後は、部下に対する時の注意。

諸君には上官がおり、同僚がおり、部下がいる。
その全てに誠心誠意を持って対するのは共通の必要事項だ。
その中でも特に、部下に対しては誠意と懇切をメインに、差別なく平等に見て、統一的に指導監督をする事が必要だ。
統率が適切さを欠いて、各人がそれぞれ別々な行動をするようであれば、団体的事業を成功させる事が出来るわけがない。
また、最も慎むべきなのは傲慢不遜の態度であり、これは人を思い通りに動かせる方法ではない。
常に自省して、自分から率先して実行して人に対すれば、自然と事績は挙がっていくだろう、と。

んー。
ここまで、全体的にはかなり良い事言ってるよなぁ。
長いけど。(笑)


かなり短めですが、区切りを考えて今日はここまで。



土地調査に当たっての訓示と演説(一)
土地調査に当たっての訓示と演説(二)
土地調査に当たっての訓示と演説(三)
土地調査に当たっての訓示と演説(四)
土地調査に当たっての訓示と演説(五)
土地調査に当たっての訓示と演説(六)
土地調査に当たっての訓示と演説(七)
土地調査に当たっての訓示と演説(八)
土地調査に当たっての訓示と演説(九)
土地調査に当たっての訓示と演説(十)



何故か「土地調査に当たっての訓示と演説(六)」をエントリーせずに飛ばしてた事に、今日気付いた。(笑)
タイトルだけじゃなく、記事そのものも抜かしてた。
誰か気付いてよ。(笑)
ってことで、7月6日にコッソリ追加しました。

っていうか、何でこんなもん10日もやんなきゃ駄目なのか、かなり疑問に思ってきた。(笑)
俵孫一が全部悪いってことで。
( ´H`)y-~~

さて、前回までで副総裁俵孫一の訓示の「第七 局員に対する希望」の「一、職責の自覚」、「二、品性修養」、「三、身体の攝生」までが終わりました。
割と、その項目だけ見れば分かるような話ですが、取りあえず今日も続きを見ていきたいと思います。
今日は「四」からですね。
アジア歴史資料センター『朝鮮土地調査法関係一件/5 参考/3 高総裁俵副総裁訓示 土地測量部長佐佐木調査部長演説(レファレンスコード:B03041646400)』より。

四、和衷協同
土地調査局は多数の局員より成り、且其団体が常に積極的活動を要するは、前に之述べたり。
而して其要求を充たさんが為めには、即ち局員の和衷協同を以て最も必要の条件なりとす。
詳言すれば、多数の局員は一個の有機体として其行動常に一致するを要す。
一員の不行績、不調和は、即ち団体の障礙となり苦痛となること、恰も吾人身体の一局部の不調和が、直ちに全身に不快を感ずるに異ず。
身体各部、常に調和協同せざれば、快活なる動作を為すを得ざるが如く、局員各自和衷協同の念を以て業に従ふに非ざれば、本局の円満なる活動は得を期すべきにあらず。
故に諸君は、堅忍不抜の意思と公平無私の態度を以て克く其本分を守り、其職責を完ふするに留意し、勤勉誠実事に従ふと同時に、亦善く和衷協同の精神を発揮し、以て本事業の大成を期せんことを切望に堪へざるなり。
思い出したくなかったけど、この途中までが消しちゃったとこ・・・。
( ´H`)y-~~
えーっと、端的に言えば「仲良く協力してやってね」で終わっちゃうわけですが。(笑)

土地調査局には多数の局員がおり、且つ常に積極的活動の必要性については既に述べた。
そして、その要求を充たすためには、局員が心を合わせて互いに協力することが最も必要な条件だ。
詳しく言えば、多数の局員は1つの有機体として、その行動が常に一致することが必要。
1人の不行績や不調和が全体の障害となり苦痛となるのは、あたかも人体の1局部の不調和が、すぐに全身に不快を与えるのと異ならない。
身体の各部分が常に和衷協同しなければ、快活な動作が出来ないように、局員各自が和衷協同の心をもって仕事をしなければ、土地調査局の円満な活動は期待できない。
ということで、諸君は堅忍不抜の意思と公平無私の態度で、よくその本分を守り、職責を全うすることに留意し、勤勉誠実に仕事をするのと同時に、和衷協同の精神を発揮して、土地調査事業の完成を期すことを切望する、と。

最後、今までのまとめみたいになってますね。
でも、これで終わらないんです。(笑)

続いて「五」。

五、一般人民に対する注意
本局員は、地方に出でて人民と直接交渉する機会頗る多きを以て、此場合に於ては宜しく親切叮嚀事に従はんことを要す。
彼の申告書を徴し、土地を調査し、所有権を確定する事業は、人民の利害に関係すること極めて大なるを以て、彼等は動もすれば自己の利益に熱中し、感情に制せられ、遂に本事業に対し不満の念を抱くに至る者無きを保せず。
此時に当り、本局員の挙動をして懇切を欠く事有らんが、益益彼等の誤解を招き、悪感を買ひ、不測の蹉跌に陥る事有るやも知るべからず。
由来、本事業は世人の疑惑と誤解とを招き易きを以て、諸君は人民に接するに当り寧ろ同情ある説明者たり、仲介者として常に本事業の真意を周知せしを以て、一般人民を安堵せしむると同時に、本事業の進行を容易ならしめざるべからず。
特に現今に在りては、国内不良の徒、妄に浮説流言を擅布し、総て現政府の施政を批難攻撃する者多きを以て、諸君は充分這般の消息を了解し、些細の悪感・誤解等に因り、意外の失敗を誘致すること無きを萬萬注意せざるべからず。
従来韓国に在ては、官吏妄りに其権威を弄じ人民の悪感を買ふ事少しとせず。
是れ本局員の最も戒心せざる可らざる処なりとす。
民心の赴く所を察して恩威並び行ふは即施政の要訣にして、濫りに威圧を以て之に臨むは、行政の正道にあらず。
諸君は、外業に従事し、一地方に淹留すること数個月之永きに渉る事有るべし。
宜しく地方の人情風俗に稽へ、苟も地方人民をして本事業に対する嫌忌の念を起さしむ可からず。
就中、物品の購入、飲食物の代価等、金銭の授受については最も注意するを要す。
■きに総裁閣下の訓示の如く、従来韓国に於ける量地事業の屡々失敗したるは、其原因実に此処に在りとす。
諸君が出張中、生活費の如きも相当之官給しあるものなれば、苟も卑劣貪婪の所為在る可からず。
今度は、一般人民に対する注意。
土地調査局員は、地方に出張して人民と直接交渉する機会が非常に多いため、この場合には親切丁寧な仕事をしなければならない。
申告書を集め、土地を調査し、所有権を確定する事業は、人民の利害に非常に大きな関係があるため、人民はややもすれば自分の利益に熱中し、感情のままに動き、ついには土地調査事業に対して不満の念を持つに至る者が無いとは言えないだろう。
そういった場合、局員の挙動が懇切でなければ益々彼等の誤解を招き、悪感情を買い、不測の失敗に陥る事があるかもしれない。

元々、この事業は人民の疑惑と誤解を招きやすいため、諸君は人民に接する時には寧ろ思いやりのある説明者となり、仲介者として常に土地調査事業の真意を周知することによって人民を安堵させると共に、事業の進行を容易にしなくてはならない。
特に昨今では、国内のタチの悪いのが妄りに浮説流言を広げ、李完用政権の施策を非難攻撃する者が多いため、諸君は充分にその辺の事情を理解し、些細な悪感情や誤解等によって意外な失敗を招く事が無いように、充分注意しなければならない、と。

この「国内不良の徒」が何を指すのかは、考えると面白いなぁ。
基本的には国民大演説会、大韓協会、李完用を刺した勢力等と考えるのが筋なんだろうけど、国民大演説会や大韓協会には李完用が資金援助している噂もあるし、当時は李完用を刺したのも一進会と思われていたり、そもそも合邦の上書が政権転覆を目論んだ物だと噂されており、「国内不良の徒」が一進会を指している可能性もあるわけで。
ま、政権を攻撃する勢力には事欠かない状態だったので、確定するのは難しいんですけどね。

で、元々韓国では官吏は妄りにその権威を弄び、人民の悪感情を買う事が少なくなかった。
これは、土地調査局員が最も戒めなければならない事だ。
一般人民がどのように思っているかを察して、温かい情けと厳しい態度の両面を並行するのが施政の重要なところであり、みだりに威圧によって臨むのは行政の正道ではない。

訓示の間中ずっとそうなんですが、李朝~大韓帝国の轍を踏むなよ、と。(笑)

諸君は外回りの仕事に従事し、1つの地方に数ヶ月も滞在する事もあるだろう。
ってことで、地方の人情や風俗をわきまえて、地方人民に土地調査事業に対する嫌忌の念を起こさせないようにしなければならない。
とりわけ、物品の購入や飲食物の代価など、金銭の授受を伴うものは最も注意が必要である。
高永喜総裁も言ってるとおり、従来韓国の量地事業が失敗してきた原因は、そこにある。
諸君が出張中は、生活費も相当額支給されているのだから、いやしくも卑劣で欲深い行為があってはならない、と。

いや、旧来の韓国の量地事業の失敗の直接原因ではないだろ。
最も、金払わないってのは、俵が心配しているとおり相当あったらしいけど。(笑)

続いて、「六」に移ります。

六、他官庁に対する注意
本事業進捗するに従ひ、各種官公署との関係、愈愈複雑となるに至るべし。
即、観察、道財務監督局、財務署、郡衙、警察官署等其関係する処広きを以て、事件の交渉に際しては慎重なる態度を以て円満なる商議を遂げ、意思の疎通に勉め、事業の進捗に阻礙なからしめんことを希望す。
各官庁自らの所有である土地の調査や立ち会いも含め、何か事件が起きた場合や参考資料が必要な時等、様々な場面で各地方の官庁と連携が必要なのは言うまでも無い話。

ってことで、土地調査事業が進めば、各種官公庁との関係も段々複雑になってくるだろう。
観察使や道財務監督局、財務署、郡衙、警察官署等、関係する処が多いため、事件の交渉については慎重な態度で円満な相談を行い、意思の疎通につとめて事業の進捗に障害が無い事を希望する、と。

役所に横の連携って、今でも怪しいしねぇ。
かといって、協力無しには進まないわけで。
その辺含んで、ヨロシクって事でしょうね。


ってところで、今日はここまで。



土地調査に当たっての訓示と演説(一)
土地調査に当たっての訓示と演説(二)
土地調査に当たっての訓示と演説(三)
土地調査に当たっての訓示と演説(四)
土地調査に当たっての訓示と演説(五)
土地調査に当たっての訓示と演説(六)
土地調査に当たっての訓示と演説(七)
土地調査に当たっての訓示と演説(八)
土地調査に当たっての訓示と演説(九)



前回は土地調査局副総裁俵孫一の訓示のウチ、「第七 局員に対する希望」の「一、職責の自覚」までを終わらせました。
今日は、「二」からですね。
ってことで、前置き無しでアジア歴史資料センター『朝鮮土地調査法関係一件/5 参考/3 高総裁俵副総裁訓示 土地測量部長佐佐木調査部長演説(レファレンスコード:B03041646400)』から、続きを早速。

二、品性修養
本局員は常に地方に出張して多くの人に接し、諸種の事物に触るるを以て、常に品性を高潔にし、悪風に感染せざることに勉めざるべからず。
即ち、
また、中途半端な所で切れますが、やはりこれも次からは「品性修養」に関する項目列記になっていきますので、一旦区切っておきます。

土地調査局員は、常に地方に出張して多くの人に接し、色々な事物に触れる事になるのだから、常に品性を高潔に保ち、悪風に感染しないように努力しなければならない、と。
大韓帝国人に「品性」ねぇ・・・。(笑)

ってことで、項目の方を見ていきましょう。

(イ)独りを慎むべし
独を慎む者は、決して其身を過つこと無し。
実に総裁閣下の訓示の如く、独りを慎むは即ち品性修養の第一要義なりとす。
大学に曰く「小人は閑居すれば不善をなす」。
又曰く「君子は必ず其独を慎む」と。
一人一個の行動が、直ちに自己の団体に影響を及ぼす者なることは既に述べたるが如くにして、諸君の了得せし処。
所謂「意誠にして心正し、心正くして後身修る。身修めて後家斉ふ。家斉ふて後国治る。国治て後天下太平なり。」と。
蓋し、之を謂へるに外ならざるなり。
由来韓国に於ては、他人の請託に由て事を2、3にするの弊頗る多し。
是れ、本局員の最も戒むべき事にして、此の如く弊風は宜しく慎独の徳に依て全然之を矯正せざるべからず。
四書五経(朝鮮では四書三経)のウチの『大学』を元にした訓示。
この「小人は閑居すれば不善をなす」ってのは、割と間違った使われ方をされる慣用句で、「小人は暇を持て余すとろくな事はしないのだから、一生懸命働け」という意味で使われる事が多いわけですが、本来は「君子は必ず其独を慎む」とあわせて、「君子は独りでいる時に必ず慎み深くするが、小人は他人の目がないと悪い事をする」という意味ですね。
つまり、「天の目」ではありませんが、誰も見ていないときでも行動を慎め(悪いことすんな)、と。

この場合、どちらの意味で述べているのか聊かハッキリしませんが、恐らく現代の御用ではなく、元々の意味であると捉えて書いてみます。
一人で居るときも身を慎むようであれば、決して身を誤る事がない。
高総裁の訓示のように、誰の目も届かない所でも身を慎むってのは、品性修養の第一に重要な事だ、と。
6月29日のエントリーで取り上げた、高永喜総裁の訓示の後半部分の事を言ってるのかな?

で、『大学』で「君子必慎其独也 小人閑居為不善」って言ってる。
一人の一つの行動が直ぐに自分の所属する団体に影響を及ぼすってのは前に述べた事で、諸君も分かってるところ。

次も『大学』からですね。
「意誠而后心正 心正而后身修 身修而后家斉 家斉而后国治 国治而后天下平」。
この前に「物格而后知至 知至而后意誠」が付くんですがね。
心に嘘や誤魔化しが無ければ心の均衡が保たれ、心の均衡が保たれれば身を修めたと言うことができる。
身を修めた後に始めて身内の事でも公正に判断でき、身内の事でも公正に判断できるようになって始めて国が治まり、国がおさまった後に天下を平和にできる。
正にこの事を言っているのだ、と。

元々韓国では、他人から特別な計らいをお願いされて翻すという悪習が非常に多い。
これは土地調査局員の最も戒めるべき事であって、このような悪習は慎独の徳によって完全に矯正しなければならない、と。

やっぱり心配だよねぇ。(笑)

(ロ)酒色を慎む可し
各人の行動に就き、慎むべきこと夥多なりと雖ども、就中最も戒べき事は酒と色とに在り。
余は、諸君に対し自ら律するに、釈迦、孔子の如くなるべしと云ふにあらず。
要は乱に陥らず、弊に流れざるの覚悟有らんことを希望する者なり。
殊に、諸君は各地に出張して其土地住民に近昵し、従て亦諸種の誘惑に遭遇するの機会多かるべきを以て、特に予め諸君に警戒を与ふるに過ず。
論語に曰く「君子三戒あり。少き時は血気未だ定まらず。戒むる色にあり。其壮に及んでや、血気方に剛なり。之を戒むる闘にあり。其老に及んでや、血気既に衰ふ。之を戒むる得にあり。」と。
蓋し、少年は劣情に走り易く、壮年に及んでは争闘紛議を為し易く、老年に及んでは利慾に迷ふに至るは、実に古今の通弊にして、人間の最も謹むべき弱点なり。
局員たる者、宜しく相警戒して、■に公人としてのみならず、私人として其一身を完ふせんことを望む。
次は先ほどと違って分かりやすいですね。
酒色を慎め、と。

各人の行動について慎むことは多いけど、最も戒めなければならないのは酒と女である。
勿論、諸君に対して聖人君子のようになれと言っているわけではない。
要は、混乱に陥らず、悪習に流れない覚悟を持つ事を希望しているのである。
特に諸君は各地に出張して地元の住民に親しむわけで、そういった種類の誘惑に遭遇する機会も多いだろうから特に警告を与えているに過ぎない。

で、今度は『論語』の引用。
「君子有三戒 少之時血気未定戒之在色 及其壮也血気方剛戒之在闘 及其老也血気既衰戒之在得」ですね。
少年は劣情に走りやすく、壮年になれば争闘や紛議を起こしやすく、老年になれば利欲に迷うってのは、古今の通弊であり人間が最も慎むべき弱点だ。
土地調査局員はその辺を注意して、単に公人としてだけではなく、私人としてもまじめでなければならない、と。

ま、ほどほどに、と。(笑)

続いて、三に移ります。

三、身体の攝生
既に述べたるが如く、本事業は毫も静止の状態に在るを許さず、常に活動するを要し、一年を通して休止するを得ざる性質を有す。
是を以て之に従事する局員は、篤く其身を愛して健康を保持するに努めざる可からず。
規律的執務は、心身の健全を待って始めて之を為すを得べく、最後の勝利は実に身体の健康に在り。
然も、諸君が其健康を保持するは、諸君の私事にあらずして公事なり。
諸君の健在なると否とは、本事業の進捗に多大の影響を及ぼす以上は、諸君が其身体を自重すべきは誠に一個の公義務なり。
妄りに其身を軽んずるは、即ち公義務を怠るものと云はざるべからず。
例之せば、其親に孝養を盡さんことを欲する者は、必ず先づ其身体を自重せざるべからざると同じ、諸君は常に山野を跋渉しに艱苦に耐へ欠乏を忍ばざるべからず。
身体健全なるにあらざれば、何ぞ能く其任に堪ゆることを得んや。
或は気候の変化に従ひ、或は風土の異なるに応じ、衣服飲食等に多大の注意を為す可きは勿論、日常薬餌を携帯して応急の用意に怠るなく、常に身心の健全を謀り、其任を完ふせんことを望む。
職責の自覚、品性修養ときて、3番目は体の節制。
7月5日のエントリー辺りでも既に述べたように、土地調査事業は少しも静止状態になる事を許さず、常に活動する必要があり、1年を通して休止できない性質を持っている。
そのため、土地調査事業に従事する局員は、自愛して健康を保つように努力しなければならない。

規律的な執務は、身心が健全であって始めて出来るものであり、最後の勝利は身体の健康にある。
しかも、諸君が健康を保持するというのは、諸君の私事ではなく公事である。
諸君が健在かそうでないかは、土地調査事業の進捗に大きな影響を及ぼす以上、諸君がその身体を自重すべきであるのは一つの公義務である。
ということで、妄りにその身を軽んじるのは、即ち公義務を怠っていると言わざるを得ない。

例えて言えば、親孝行しようと思う者はまず自分の身体を自重しなければならないのと同じである。
諸君は常に山野を歩き回り、艱難辛苦に耐え、不足をがまんしなければならない。
身体が健全でなければ、どうしてその任務に良く堪える事ができるだろうか。
あるいは気候の変化に伴い、あるいは風土の違いに応じて、衣服や飲食等に注意すべきなのは勿論、日頃から薬を携帯して応急の用意を怠ることなく、常に身心の健全をはかって任務を全うして欲しい、と。

一言で言うと「病気にならないように注意しろ」、ですね。
それをくどい言い方で言うと、こうなるよ、と。(笑)


今日はここまで。



土地調査に当たっての訓示と演説(一)
土地調査に当たっての訓示と演説(二)
土地調査に当たっての訓示と演説(三)
土地調査に当たっての訓示と演説(四)
土地調査に当たっての訓示と演説(五)
土地調査に当たっての訓示と演説(六)
土地調査に当たっての訓示と演説(七)
土地調査に当たっての訓示と演説(八)