『期間限定』①

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『期間限定』①






え〜…本当にぃ〜??

チラシを見て溜息が出る。


マンション管理会社からのお知らせ。
ポストに挟まっていたチラシをカバンに突っ込んだのを仕事後に気付いた。


"月曜日からガス・水道・エレベーター点検等の工事整備の為、各々約2週間使えません"

その間の仮住まい提供しますって書いてあるけど…

"定員に達しました"って。

えーっと…どうすればいいんだろ?



前のマンションの寮ならまだ空いてるかと思って連絡したら、この時期に限っていっぱいでダメだった。


2週間もホテル住まいとなるとお金掛かるし、
朋に頼もうにもナオキくんと同棲してるし、
さすがに2週間も頼れる友だちも近くにいないし、



…臣くんに頼めない、よね〜。

臣くんの生活を邪魔したくないし、普段してたお泊りとは訳が違うし…。



はぁ〜どうしよう。
月曜日って、いきなりすぎるよ〜…今は夜だし実質明日じゃん…
時間もうないし〜!!




困った。

臣くんに頼るべき?
何でも言えって言われたけど、
わがままも言えって言われたけど…
彼氏だからって、それとこれとは別じゃない?

でも、心の何処かで一緒に住めたら楽しいだろうな〜とか下心満載な事考えちゃう自分もいて…。



はぁ〜…どうしよう〜、時間ないよ〜






「どうしたの?」

「え、あ、がんちゃん」



後ろからがんちゃんが声を掛けてきた。





「すっごい溜息だったよ(笑)?」


「え、嘘!漏れてた??」


「ナニナニ?悩み事?俺に言ってみて!!」


「実は…」




マンション工事の事を言ってみた。





「だから、どうしようかな〜って」


「じゃあ、俺んち来れば♡」


「え〜?」


「どうせ帰りも遅いし〜ほとんど家にいないしさ」


「そうかもしんないけど、がんちゃんの家行ったら片付け大変そうだもん」


「あは(笑)確かにね!来た暁には掃除して頂いて、夕食作って頂ければ♡」


「それ家政婦じゃん(笑)」


「いやいや、家政婦さんに夜のお世話は出来ないでしょ〜♡」


「…は?」




ニヤニヤ笑い出すがんちゃん。




「やっぱり二人一緒に寝なきゃね〜♡あ〜寝れないかも♡」


「ってか、行かないし!!臣くんいるし!!」


「あは、ですよね〜(笑)でも、本当に行くとこなかったら相談してね?」


「うん、ありがと」




可愛い笑顔で去ってく。


さてと、どうしようか。















「どうしたの?」


「え?」


「浮かない顔してるけど、臣と何かあった?」




途方に暮れつつあった私はチラシをこれでもかって位睨んでたようで。

そんな私に隆二くんは、臣くんと何かあったのかと心配して声をかけてくれた。




「ううん!何にもないよ!」


「そう?じゃあ…何で、」


「実は〜…」



今度は隆二くんにマンション工事の事を話した。





「それは大変だね、しかも明日とか急だし」


「そうなの!ホテルに2週間とか無理だし…朋はダメだし…」



あ〜!本当にどうしよう。



「…俺んちは?」


「…え?」


「ほとんど夜は帰れないし、ってかそもそもあんまり家にいれないから…2週間位ならいてくれても大丈夫だよ?」


「…ふ(笑)」



何て優しいんだろ、二人とも。





「がんちゃんと同じ事言ってる(笑)」


「えー、がんちゃんと?」


「ほとんど家にいないからって」


「でも、あいつのは下心満載でしょ(笑)」


「そう!だから丁重にお断りしました!」


「あはは(笑)」


「万が一、私が隆二くん家に行ったらその間どうするの?」


「さすがに一緒にはいれないから、俺は事務所で寝泊まりするよ」


「そんな事させれるわけないじゃん!ダメだよ〜!」


「そうかなぁ〜。困ったてるのにほっとけないよ」


「ありがとう、そう言ってくれただけで嬉しいよ。泊まる場所なんかどうにかなるよ」



これ以上迷惑掛けられないよ。




「臣でもダメならいつでも言って?俺は大丈夫だから」


「ありがと!」






…どうしよう。

2週間も居座り続けるのって、いくら彼女でも図々しいよね〜。


他の人にならスラスラ悩み事言えるのに、臣くんには言えない。

…ウザいとか、面倒とか思われたくないし。

いや、臣くんはそんな事思わないか。
逆にすっごい心配しちゃうから、余計迷惑掛けそうなんだよね。

たかが私のこんなことで…。


あ〜…どうしよう。








next…
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