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2007年09月02日(日)

プラシーボ効果

テーマ:エビデンス(科学的根拠)

【Evidence based Osteopathic Therapies(根拠に基づいたオステオパシー療法)・・・④】


プラシーボ(Placebo)とは、薬などの臨床試験を行うときに用いられる「薬効の無い薬」のことで『擬似薬』とも呼ばれます。

ラテン語の「I shall please」(自らを喜ばせる)を語源にしているということですが、「効果の無い薬でも利くと思って飲めば治る」こともしばしばあります。

手技療法などでは、『暗示』などと呼ばれます。

すなわち暗示作用が働いて、身体を良くしてくれることもあるのです。

「病は気から・・・」と言います。心がけが身体を悪くしたり、回復を遅らせたりすることもあります。


「疑似薬=暗示」をプラシーボ(またはプラセボ)、

「それによる効果」をプラシーボ効果と呼びます。

少しでも理論付けると、

「先入観や暗示(他動的なものも自己暗示もあります)により、自然治癒力(Spontaneous cure=生物が本来持っているケガや病気を治す能力で“自己治癒力”とも呼ぶ)が働き、身体が良くなる」

とも考えられているのです。

(風邪の総合感冒薬なども、症状を和らげるだけであって、風邪自体を治すのは自己治癒力です。)


自然治癒力には、「自己再生機能」と「自己防衛機能(免疫)」がありますが、共同して働き身体を治してくれます。

オステオパシーでも、自然治癒力を回復させ、恒常性の維持(ホメオスターシスHomeostasis=自然治癒力が最大限に発揮される人間本来の状態)をすること目指して施術を行います。

カイロプラクティックには「第一頚椎(アトラス)・第二頚椎(アキシス)を矯正すれば、後は“イネイト(身体の内にある修復力”が身体を治してくれる」という考え方により、第一・第二頚椎の矯正のみを行う流派もあります。


このプラシーボ(疑似薬・暗示)が臨床試験ではバイアス(偏り)になってしまいますので、それを排除するために無作為管理臨床試験RCTなどがあるのです。

薬の臨床試験などではRCTにより、プラシーボ効果(暗示による効果)を術者・被験者・評価者それぞれに対してブラインド(盲検)することにより完全に排除出来ます。

手術などの臨床試験では、被験者(患者)に対してインフォームドコンセント(納得できる説明)を行わないわけにはいきませんので、ダブルブラインド(二重盲検、実際にはトリプルブラインド)では無く、評価者のみをブラインド(シングルブラインド)する方法が採られます。


手技療法の場合は、

来院した時点で「せっかく来たんだから、きっと良くなる!」

手を当てただけでも「何かしてくれたんだから、良くなっているに違いない!」

という暗示からのプラシーボ効果も考えられるのです。

修行時代は個人宅を訪問して施術していましたが、それより遠距離でも来訪してもらった方が、「せっかくわざわざ来たんだから良くなるに違いない」と暗示効果が働く場合もあるように思います。


施術業は実業であり、研究・学問ではありませんので、プラシーボ効果であれなんであれ「クライアント(患者)が良くなればそれで良い!」のですが、科学的根拠を示してゆこうとするとこのプラシーボを排除し、客観性があるデータを採ってゆく必要があります。


しかし、我々限界があります。

クライアントは研究材料ではありませんので、切羽詰って来訪されるクライアントに対して何がしかの協力を依頼するのもはばかられます。

施術中も、一つ一つどこがどうだから何をしているのかを説明しながら進めないと、クライアントに安心してもらえません。

必然的に「研究の為の臨床試験としてでは無く」、通常の業務の中で的確なデータを残す方法を採らざるを得ません。


ブラインドが無い状態でも、術前・術後を比較検証するしかありません。

 痛みや不調の主観的評価の比較。

 関節稼働域などの他動的(客観的)評価の比較。

 姿勢などのビジュアル的(客観的)評価の比較。

などが考えられます。

 

~take care~

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