中国当局から自宅軟禁に置かれているチベット人女性作家が、米国務省から国際女性勇気賞を受賞 | チベットとビルマの難民支援 難民支援NGO"Dream for Children"公式ブログ

中国当局から自宅軟禁に置かれているチベット人女性作家が、米国務省から国際女性勇気賞を受賞




北京在住のチベット人作家ツェリン・オーセル(44)が国際女性勇気賞を受賞した。オーセルは、賞をチベット人焼身自殺者に捧げると語った。チベットでの焼身自殺者は100人を越えている。

オーセルは、中国当局から自宅軟禁に置かれている。オーセルは、アメリカ国務省からの賞の授与について「複雑な気持ち」だと語った。

「私個人としては大きな名誉です。」

「作家として書くもののコンセプトにこだわってきました。旅人の目から、巡礼者の目から、目撃者の目から作品を描いています。旅、巡礼、目に入る物は相互に関係しています。実のところ、目にするということは声をあげることなのです。」

アメリカ国務省による受賞発表は4日に行われた。「中国で暮らすチベット人の人権について口にする最も傑出した活動家」が受賞理由だ。

アメリカ国務省は、オーセルのホームページ "Invisible Tibet"、詩作、ノンフィクション作品、ソーシャルメディアでの言論活動を評価している。

「中国政府の情報統制にもかかわらず、オーセル女性は、声なき数百万人のチベット人の声を世界に届けています。」

「厳しい監視下、自宅軟禁下にあるにもかかわらず、ツェリン・オーセルは、勇敢にもチベット人の状況を発信し続けています。彼女は、『目撃することは声を与えること』と語っています。また、次のようにも語っています。『100人以上のチベット人が弾圧に抗議すべく、炎に体を投じています。だから、私は書くことをやめないのです。妥協はしません。』」

"Invisible Tibet"は、昨年、ドイツのラジオ局Deutsche Welleのベストブログコンテストにも選ばれた。

オーセルはアメリカに感謝をしながらも、今回の受賞はチベットの焼身自殺に国際的な懸念が集まっているためだと語った。

「国際女性勇気賞に選んでくださったアメリカ政府に感謝しています。」

「この賞は、チベットでの焼身自殺に対する懸念も反映していると思います。」

「この賞を焼身自殺を行った人、その家族に捧げます。」

2009年以降、107人ものチベット人が中国のチベット統治に抗議して焼身自殺を行っている。彼らは、チベットの自由とダライ・ラマのチベットへの帰還を求めていた。

オーセルは、授賞式に参加できないのは残念だと語った。

「あいにく、授賞式には参加できません。自宅軟禁の身だからです。」

今年の受賞者10人は、3月8日に、ジョン・ケリー国務長官から賞を授与される。また、ミシェル・オバマ大統領夫人も出席予定だ。

アメリカ国務省の国際女性勇気賞は、女性の人権と啓蒙のために勇気と指導力を発揮した人に授与される。2007年にこの賞が始まってから、45か国の67人がこの賞を受賞している。

オーセルが授賞式に参加できないのはこれが初めてではない。昨年、オランダのプリンス・クラウス基金のプリンス・クラウス賞も受賞している。2007年には、ノルウェー作家連合の表現の自由賞、2010年には、国際女性メディア財団のジャーナリズム勇気賞を受賞している。

【亀田浩史訳】

元の英文記事はこちら




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