NEVERMOREの一刀両断

政治・経済についてつたないことを書いております。H・Nの「NEVERMORE」は松室麻衣さんの楽曲から拝借したものです。


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レトロゲームの最高傑作。「ファミコン探偵倶楽部・うしろに立つ少女(総監督:横井軍平、脚本:坂本賀勇、音楽:山本健誌)」について書く。同作に関するエントリーですが、今回が最終話ということになります。何分、30代半ばになりますと仕事上も責任が大きくなってしまい、中々アメブロの方で筆を執る時間が少なくなります。中々更新ができず申し訳なく思っておりましたが、今回が最後で、時間が許せば「消えた後継者」の方も書いて行きたいと考えております🙇


生物の葉山先生の証言により、昭和46年11月10日、校内には見慣れた黒塗りの乗用車が行く手を遮るように停められており、更に浦部校長の出張は“カラ出張“だったことがわかる。更に、あの日、同じように校内に忍び込んでいた田崎さんも、自身の道具には何者かが使用した形跡があると、しげるの推理を補強した。だが、五郎が浦部を恐喝した事実や、黒塗りの乗用車の持ち主が浦部だったとしても、全て「状況証拠」
だ。決定的な物的証拠、それも金田を殺害した凶器と、しのぶの遺体、この2つを発見できれば真実の解明は間近だが、それは、一介の少年探偵に過ぎないしげるの一存では不可能だ。一度、事務所に引き上げ、空木の支持を仰ぐ必要がある。

しげるが事務所に引き上げると、空木が久しぶりに事務所に戻っており、空木は、これまでの捜査の結果、事件の核心に迫る重大な事実が判明したと語気を強める。空木は、あのイニシャルの秘密がわかったのだと言い、現状に残されていた万年筆は、10年以上前に浦部が買い求め、その際、自身のイニシャルである「T・U」の二文字を記すよう申し添えたのだと言う。それを受け、警察は正式に浦部の手配に踏み切ったと続ける。万年筆の所有者が浦部だと特定された今、浦部はもはや被疑者ではなく九分九厘本ボシだ。警察も空木も既に浦部一人に視線が集中している。しげるは、修繕された旧校舎の壁を崩すよう空木に進言したが、空木は捜査が大詰めに差し掛かった為、これから署に行かなければならないと言い、足早に事務所を後にしてしまう。

事務所に一人残されたしげるは、決定打とも言うべき万年筆の事実を目の当たりにしても、浦部主犯説に確信が持てないでいた。洋子の無念や田崎さんの覚悟について滔々と語る浦部の姿は、少なくともしげるにはウソは感じられなかった。その一方で、浦部は妙なことも口にしている。しげるが、失踪したしのぶについて尋ねた際、浦部は、




「大切なものを失った」





とはっきりと断定していることだ。状況から言っても、しのぶの生存は9分9厘絶望だろうが、浦部が巷間言われるような、人一倍生徒を思いやる教育者であるならば、遺体が発見される、その瞬間までは、「生存を信じる!」、こう応えるのが自然ではないか! にも関わらず「失った!」と無意識に口にしまったのは、その“死の原因“について、浦部自身が最も強く知り得る立場にあったからではないのか?!

更に、田崎さんの為に嘘の証言をしたことは結果的にしろ、田崎さん個人に恩を売ったばかりか自身のアリバイをも補強させたことは間違いなく、それどころか捜査はこの15年間まんまと撹乱されたわけだ・・・

それから、一連の事件の真犯人が浦部だと断定するとして、動機ははっきりしている。15年前の金田事件の口封じで、洋子にしろ五郎にしろ、真実に辿り着いた瞬間、凶行に直面している。それでも一つだけわからないことがある。それは、全ての発端となった金田殺害の動機だ!・・・ しげるが思案していると、事務所の電話のベルが突然鳴り響く。しげるが受話器をとると、50代~60代ぐらいと見られる男性が謎めいた言葉を口にする。





「水木さんかい、あんたに誰も知らない話を教えてやろう! 丑美津高校の浦部はな、昔、金田のサギに手を貸していたんだぜ!」






その言葉にしげるは驚きを隠せなかったが、サギに加担と言っても話は漠然としていて、これだけでは何とも判断のしようがない。しげるは電話の主に姓名を尋ねたが、男は




「あの善人面した浦部を心から憎んでる者」




だと応え、浦部は今校内にいると申し添える。しげるは、この瞬間、重大な事実を見逃していたことに気づいた。しげるが学校を後にする直前、生物の葉山先生は、何者かが通路に見慣れた乗用車を放置させていると話していたことを思い出したからだ。その乗用車というのは、浦部校長の黒塗りの乗用車と見て間違いない。浦部はいつの間にか校内に舞い戻っていたのだ‼️ となると、あゆみちゃんの身が危ないっ‼️ 私は、以前のエントリーで、新たな登場人物はさや姉が最後だと申し上げました。となると、この謎めいた電話の主はと言うと・・・

しげるが、大急ぎで学校に向かうと、校門の前にはあゆみと日比野の姿があった。ついさっき、追試が終わった模様だ。しげるは、あゆみに浦部校長の姿を見なかったかと尋ねたが、追試を受けていた為、全くわからないという。しげるは、傍らにいた日比野にも尋ねたが、日比野は校長はまだ出張先から戻られていないと返す。日比野は完全に浦部の嘘を信じ切っているが、しげるは、浦部の出張が“カラ出張“で、アリバイは完全に崩れていることを告げ、自分が学校に来たのは浦部が学校にいるという匿名のタレコミがあった為だと続ける。しげるは、浦部の居所が校長室ではないかと察し、あゆみと日比野に一緒に来るように促した。

同作が「神作品」だと声望を集めている理由は、これ以降の衝撃的な展開で、先入観なくプレイした人ほど、その衝撃は大きい。しかも、上記の動画で実況プレイをされたファミ女子部のお二人などは、リアクションのお一つお一つが感情豊かな為、より視聴者には感情移入しやすい。



しげるらが校長室の前まで来ると、内側から鍵がかけられていることがわかる。浦部の居所がここしかないと確信しているしげるは、校長室の扉を激しく蹴破り中に入った。しげるは、空手3段の腕前の為、扉一つをブチ破るくらいは造作もない。だが、校長室の中でしげるたちが目の当たりにしたのは衝撃的な光景で、何と浦部が血にまみれた状態で既に事切れていたからだ。真犯人は浦部、誰もがそう確信する中、目の当たりにしたのは突然の浦部の死。これが、自殺なのか他殺なのかは即断できないが、部屋には内側から鍵がかけられていた上、窓は完全に締め切られている。3人の中で、最も衝撃を受けていたのは、浦部を神様の如く慕う日比野で、日比野は蘇ることのない“神様“の無念に拳を握りしめワナワナと身体を震わせている。

事切れている浦部の死体はまだ温かく、浦部が絶命したのは、ほんの数分、数十分前だと思われる。そして、その死が他殺ではなく「自己完結」であることが、浦部の“遺書“によって裏付けられる。浦部が命を絶ったテーブルには、封筒が置かれており、その封筒の中には、文字通り浦部の最後の言葉が綴られた数枚の便箋が認められていたからだ。









「皆さん、私は教育者として、いや、人間として許されぬ罪を幾つも犯しました。 私は金田のサギに手を貸しておりました。やがて、金田が邪魔になった私は、15年前の11月10日、彼をナイフで刺し殺したのです! その時金田の家には浅川しのぶがおりました。一部始終を見てしまった彼女を、私は車で追いかけ刎ねた上、動かなくなった彼女を連れ、現場から逃げました! 15年たった今、私の犯罪に気づいた2人の人間が現れました。一人は小島洋子です。彼女は何かのきっかけで事件を調べ始め、全てを知ってしまいました。もう一人は金田五郎です。事件の夜、現場から逃げる私を見た金田五郎は、今になって私をゆすり始めました。事実が明らかになることを恐れるあまり私は、この2人までも手にかけました。 そして、愚かにもその後で気づいたのです。自分の運命がここまでだと・・・ 隠し通せるわけがない、こんな簡単なことに、何故早く気づかなかったのか悔やまれます。 こんな私を信じ、そして・・・慕って下さった皆様にお詫びするためにはこうするより仕方がなかったのです。 -浦部忠志- 」







(生き仏の正体は殺人者!)








浦部の遺書にはこのように綴られていた。一連の連続殺人の真犯人は自分自身であり、自己完結に至ったのは前非を悔いての結論。だからこそ、最後は衝動に素直(笑)になってしまったのか・・・一見すれば筋が通っているようにも思えるが、疑問点は少なくない。まず、金田のサギに加担したと言っても、どのような形でサギに加担したのかの言及はなく、それが「地位利用」なのか、金銭的な授受を含むものなのかはこれだけではわからない。それから、書面の中では失踪したしのぶについても言及がなされてはいるが、しのぶの死体をどう、何処に遺棄したかの言及は一切ない。更に、洋子についての言及は、まるで他人事のようにも思え、具体的なことは五郎に対する箇所のみだ。 そして、しげるは全てを悟った。あの謎めいたタレコミをしてきた男性が浦部自身で、故意に自らの犯行を告げた後、覚悟の自殺を遂げた事を・・・

実際、“ファミ女子部の杉下警部“・ともしびさんも、これが真実とは見ていない。まだ最後に“一波乱“あるのではと言い、遺書にしても手を加えることは可能なのではという。事実、その直感は正しく、その数秒後にはゲーム史上最も衝撃的な光景を目の当たりにすることになるからだ(笑)




「こっ、校長は犯人なんかじゃないっ!!」





他方、日比野は浦部の自己完結へのショック😱から、依然、身体を震わせ立ち上がることができないでいる。しげるは、日比野が泣き崩れているため、警察への通報は自分がすると言い部屋を出て行こうとした。だが、その瞬間、一筋の雷鳴が轟き、その稲光に導かれるように日比野は悪鬼羅刹へと豹変してしまう。







「なぜならっ! 本当は全て俺が殺したからだっ!!」







日比野の豹変と犯行の告白に、しげるとあゆみは驚きを隠せず、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。温厚な人間、引っ込み思案な人ほど、一旦タガが外れれば制御不能になるというが、日比野はまさしくその典型で、今の日比野は目の前の人間を殺すことしか頭に無い。日比野の左手には、浦部を自己完結させたナイフが握られており、刃物を前にしては、空手3段の腕前を持つしげると言えども軽々に動くことはできず、ここは日比野を下手に刺激しないことが得策だ。 ちなみに、日比野の豹変は最上段の動画の9分55秒目ぐらいです。心臓の弱い方は御覧にならない方がいいかもしれません。現実に「たった2人の特命係」のお2人も、日比野の豹変には絶句しており、ほうすけさんのナレーションは心なしか、パンチ力が弱まって行くことがわかります。 同作におけるハイライトは改めてこの一幕であると痛感させられます。






自らの犯行を告白した日比野は、うわ言のように





「お前らさえいなければっ! お前らさえっ!」





「金田源次郎、あいつさえあらわれなければっ! 親父もしのぶもっ・・・」





そうつぶやくと、15年前の「あの日」、について滔々と口を開き始める。15年前の11月10日、姿をくらませていた父の内田は、生活苦と捜査の手が迫った絶望から自死への強固な意志を固めていた。内田は自己完結への決意を息子の日比野に電話で告げた後、自ら命を絶った。その父の「最後の言葉」が日比野の凶行を決意させることになり、日比野は金田を殺害し自分も父の後を追う決意を、父の親友だった浦部に告げると金田の自宅を襲撃、多くの人間の人生を狂わせてきた金田だったが、まさか16歳の少年に命を狙われているなどとは夢想だにしてはおらず、滅多突きの末殺害された。札付きの悪党も最後は呆気ないものだ・・・。だが、本当の悲劇はここからで、その日比野の凶行の一部始終を、五郎の帰宅を待っていたしのぶが目撃していたと言うのだ! 恐怖のあまり身体を震わせていたしのぶは、








「ひ、と、ご、ろ、し」









そうつぶやくと、しのぶは家の外に飛び出して言ったと言う。日比野は、金田を殺害したあと放心状態となっていたが、その直後の急ブレーキの激しい音が現実の世界に自分を引き戻したと続ける。家の外に出ると、見慣れた乗用車の下にしのぶが倒れていた。その乗用車は無論、浦部のもので、浦部は日比野から犯行への決意を聞かされていた為、日比野を制止するために現場に現れたわけだが、その思いとは裏腹に、事態は既に殺人へと発展していた。これがまず「第一の悲劇」。そして「第二の悲劇」が、過失致死とは言え、浦部がしのぶを刎ね、死に至らしめたことだ。浦部は、日比野の将来を考え、日比野とモノ言わぬ姿となったしのぶを連れ現場から一旦離れ学校へと向かう。浦部はある教室で、金田を殺害した凶器と返り血を浴びた学生服を預かり、日比野を着替えさせ一旦部屋を後にしたという。日比野は金田を殺害する前後から、心ここにあらずと言った精神状態で殺害したことに後悔も恐怖も感じていない口ぶりだったが、その日比野が何より恐怖を感じたのは、浦部が部屋を後にした瞬間、しのぶが突然息を吹き返したことだと言う。日比野は、傍らに横たわるしのぶに目をやったが、しのぶの姿はなく、そのしのぶは窓越しに何かを訴えかけていたと続ける。日比野が窓の下に目をやると1人の女子生徒の姿があった。この女子生徒こそが、若き日の葉山先生である。犯行が露見することを恐れた日比野は、傍らにあった花瓶で、しのぶを夢中で殴打したと言う。それ以降は、しのぶは二度と息を吹き返すことはなかったと言う。しのぶを殺害した後、日比野は夢中で学校を後にした。となると、しのぶの死体遺棄は浦部の犯行で、しげるを含め捜査関係者にとって盲点だったのが、手を下した者と、死体を遺棄した者が別人だと言う「第4のカテゴリー」だ。 日比野は恐怖のあまり、とても寝付ける状態ではなかったが、翌日、日比野は登校するや否や、即座に浦部に会った。浦部に1分でも1秒でも寄り添ってもらわなければ、とても正気を保つことなど出来なかったからだ。すると浦部は、日比野をこう言って“励ました“というのだ。







「忘れなさい! 全て!」







だが、犯行現場から走り去る様子を、あの五郎が覚えており、しげるが察したように、それをネタに浦部を揺すり始める。日比野は浦部の窮状を察し、五郎も自分がやったと語気を強めて言う❗️





「あんな奴、もっと早く殺しておけばっ•••>_<」






その瞬間、日比野が僅かにしげるらから視線を逸らす。日比野への刺激を避けてきたしげるは、この機に乗じ、あゆみの手を取り部屋を脱出した。だが、弾かれたような、しげるの早業は見事だったが、良くなかったのがしげるが逃げた方角だ。しげるは生徒ではない為、校内の構造には疎い。







「しげるくんダメっ! そっちへ逃げちゃ!!」






あゆみが声を上げたのは、その方角が校門とは真逆の方向だったからだ。しげるらが駆け出した先は、生前、洋子が謎めいた言葉を口にしていた、あの大鏡の前で、逃げ道は閉ざされた格好だ。そして、最早二人を殺すことしか頭にない日比野が一歩一歩着実に間合いを詰めてくる。黒いシルエットの日比野が大鏡の階段を一歩一歩駆け下りて来る様は、豹変時以上に恐怖を誘うもので、この一幕は最上段の動画の14分25秒目あたりからです。しかも、日比野が一歩一歩間合いを詰めてくる一幕で、何より恐怖を誘うのは、間合いを詰めてくる際の日比野の靴音や狂気を補強するかのような雷鳴などの演出。その意味では、脚本以上に神がかっているのがこうしたきめ細かな演出。視聴者の潜在意識に訴えかけるような演出だ。

逃げ道が閉ざされる形となった、しげるとあゆみはすっかり蒼白になっている。空手3段のしげるでさえ、刃物だけはどうにもならない。だが、あゆみだけでも救わなければならない! 万事休すかっ•••。 一方、日比野は、洋子を手にかけたあの日についても、薄ら笑いを浮かべながら滔々と語り始める。あの夜、洋子は、この大鏡の前に日比野を呼び出し、こう質したと言う









「先生、先生は昔、人を殺したわね!!」





日比野を質した洋子の口調は、殺害されたしのぶそのもので、その言葉がしのぶの“祟り“のように映った日比野は、







「そうだっ!! 15年前にお前を殺したのはこの俺だっ!!!」







日比野は洋子を殺害する際、そう語気を強め、夢中で絞め殺したと笑みを浮かべる。洋子の殺害を笑みを浮かべながら告白した日比野だったが、何故死体が遠く離れた河原で発見されたのかがわからないと続ける。しげるは、死体を遺棄したのは、日比野の犯行だと察した浦部の仕業だと察したが、日比野の足音はもう水際まで迫ってきている。また、しげる同様、死の恐怖に直面していたあゆみだったが、日比野が薄ら笑いを浮かべながら洋子の殺害を口走った際には、怒りを露わにした。歩みをしげるらの水際まで狭めた日比野は、自らの心の弱さを棚に上げるかのようにこう言い放つ!







「くっくっく、でももうどうだっていい! お前らさえ余計なことをしなければ校長は死なずに済んだんだ!」







これなどは、「おまゆう」(~_~;)としか言いようがない妄言で、ともしびさんなども呆れ顔だが、2人を射程圏内に収めた日比野は、









「おっお前ら、
お前らもっ、••••• 殺してやるっ!!!」










そう語気を強めナイフを振り下ろしたが、しげるは首の皮一枚でその凶刃をかわした。日比野が振り下ろした凶刃は大鏡を直撃した。だが、渾身の力が込められていたため大鏡は鮮やかに吹き飛び、その大鏡の中からミイラ化した少女の死体が姿を現した。







•日比野「しっ、しのぶっ!!!」








鏡の中から飛び出した死体は日比野に覆いかぶさるように倒れ、殺意を漲らせていた日比野だったが、しのぶの死体を前にし足が竦んで動けないでいる。同作における最終盤が衝撃的な点は少なくとも4点に集約されるかと思う。まず一つが、誰もが真犯人だと考えていた浦部が犯人ではなく、しも最後は自ら命を絶ったということ。二つ目が、手を下した人物と死体を遺棄した人物が別人だというケースが皆想定外だったこと。プレイヤーの大半は少年、少女であるため、その発想はなかなかない。3つ目が言うまでもなく日比野の豹変と犯行の告白だ。だが、これもよく見てみると意外感はなく、日比野はしげると対面した際にも自らの殺意を何ら否定してはおらず、更に日比野は「最初にお会いした時、あなたはこうおっしゃいました!」をやっている。













「なっ何故こんなことになったんだっ?! しっ、しかもこんな場所でっ•••?!」








これは文字通りし「秘密の暴露(真犯人しか知り得ない情報の吐露)」で、日比野を真犯人だと見立てる状況証拠はもう一つある。それは、葉山先生の生徒の一人が転落する際目撃した背後霊だ。しげるは当初、然程気に留めてはいなかったが、今にして思えば、あの背後霊はまさしくしのぶで、腹せぬ恨みを抱え未だ成仏できないしのぶの怨念がそうさせたのではないのか?! そして、4つ目の衝撃が、しのぶの死体が旧校舎の修繕された壁の中ではなく、鏡の中に隠されていたこと•••。その意味では、試されたのはプレイヤーの「頭脳」だったと言えよう。そして、しげるとあゆみも悟った。あの日、洋子が口にしていた謎めいた言葉の意味を••• 「うしろに立つ少女」の真の意味は、鏡に映った自分の後ろという意味だったのだ。その時、空木と丸山警部が捜査員らを引き連れ現場に現れ、日比野達也は現行犯逮捕された。これにより、15年前の金田事件に端を発する連続殺人は終結した。日比野の逮捕により、張り詰めていた糸が切れたあゆみは倒れこんでしまった。しげるは、あゆみを抱きかかえ、血生臭い現場を後にする。



事件解決から数日が経ち、空木としげるは、事件について語り合っていた。空木は、その後の捜査の結果、大鏡の内側から金田を殺害した凶器と、返り血を浴びた日比野の学生服が発見されたと話す。しげるは、しのぶの死体が旧校舎ではなく大鏡の内側に隠されていたことに驚きを隠せなかったが、田崎さんは旧校舎の壁には何ら手が加えられた形跡はないとも証言していた。これには、しげるだけではなく恐らく全てのプレイヤーが引きずられた筈だ。空木の話では、日比野の現行犯逮捕で幕を閉じた同事件は、“幾つかの疑問“をまだ残しながら送検への動きが進んでいるという。ここで言う幾つかの疑問というのは、しのぶの殺害に関してで、日比野は、しのぶの直接的死因は自分が花瓶で殴打した結果だと供述したが、検死の結果、しのぶの遺体にはそうした外傷は全く見られなかったという。しのぶは浦部が車で刎ねた際、既に死亡していたというのが警察の結論で、そうなると、同件の基礎案件は殺人容疑3件、殺人未遂の現行犯が1件(日比野)で送検•起訴、業務上過失致死(しのぶ)1件、死体遺棄2件(浦部)、但し、後者は被疑者死亡の為、書類送検•不起訴の運びになる。日比野の死刑はこれだけでも免れない状況だが、だからこそ、自身に更に不利になる供述を行った日比野の言葉はタワゴトとは思えない。それに、日比野の供述をタワゴトだと片付けてしまえば、犯行同夜の葉山先生の目撃も説明がつかなくなる。

もう一つの疑問が、例の万年筆に刻まれたイニシャルだ。しげるをはじめ捜査当局が皆、浦部に釘付けとなったのは、あの万年筆を特注したのが浦部だった為だ。その疑問には、日比野が供述の中で回答している。何でも、日比野の大学入学祝いに合わせ、浦部が特注させたものだというのだ。だが、日比野は転校を機に内田から日比野に改正した後だ。日比野の為に殺人の揉み消しまで行った浦部が忘れるものだろうか•••?!

3つ目の疑問が、危険を冒してまで日比野を庇い続けた理由だ。空木は一にも二にも「世間体」ではないかという。意図せざる過失とはいえ、しのぶを刎ねてしまったことは事実。社会的地位を守りたい防衛本能がそうさせたとの見立てだが、世間体第一の人間が命を経ってまで護ろうとするだろうか•••?! 事実、警察の捜査の結果、浦部が詐欺事件とは無関係であることが判明する。。となると•••

しげるとの雑談の途中で空木は、今日は君に紹介したい人がいると切り出す。しげるがドアにめをやると、あゆみの姿があり、空木は、本日只今から彼女を助手として加えたと話す。あゆみは2人に挨拶を済ませると、自分が引っかかっていたのは、洋子が金田事件について知り過ぎていたことだと言い、一度は自分に刃を向けた日比野に関しても気遣う様子を見せる。

空木によると、逮捕後の日比野は取り調べにも素直に応じているだけでなく、何か呪縛から開放されたかの雰囲気だという。3人もの人間を手にかけた日比野の死刑は不可避だと思うが、言い方を変えれば、死に直面した状況が却って日比野を精神的に楽にしたとも言える。日比野の時間は、16歳のあの時から、止まっていたのだから•••。

空木はそう語ると、助手としての加入祝いにあゆみにご馳走したいと言い、2人で食事へと出かけてしまった。しげる一人が事務所に残された格好だが、しげるには何より達成感があった。事件を解決した達成感と、何より日比野自身が最後は人の心を取り戻しはじめたことに対してだ•••。

残された疑問の一つが、何故既に事切れていたしのぶが突然息を吹き返し葉山先生に何かを訴えかけたのか、そして殺害される直前の洋子がまるでしのぶに憑依されたかのように不気味な雰囲気を醸し出していたのかだが、私なりの答えはこうだ。我々がこうして生きている以上、肉体だけではなく霊魂もまた存在するのだろう、そう考える方が余程合理的だからです。亡くなられた方も、今を生きている方も、これからお生まれになる方も等しく票を有していると考えるのがバーキアンの精神ですが、この考えはそれ以上に日本の死生観に沿うもので、ましてやしのぶはその1票を行使できないまま無念の死を強いられた以上、現世への執着がそうさせたと考えるのが自然というものです!! また、それ以外の中後者に対する疑問。何故浦部校長が自らの命を絶ってまで護ろうとしたのかだが、以前、駒田先生が浦部が奥様に先立たれた経緯を話していたことを覚えているだろうか?! しげるは、その子供は亡くなったとばかり考えていたが生存していたのだ。浦部校長は、子供がいないことに悩んでいた親友夫妻に我が子を託していたのだ。それが日比野その人で、善意から出た養子縁組が日比野自身を殺人者にまで追い込んだことに浦部は悔やんでいた。金田を殺害した際も、洋子を殺害した際も、浦部が日比野の将来を考え揉み消しを謀り、最後はその罪まで被ったのは、自分の選択に対する悔恨の念からだ。「聖人」が1人の弱い人間に戻る時、それは父親に戻る時以外にない! 同時に、私などは一連の連続殺人を振り返るにあたり、犯人は一体誰なのか?!と考えてしまう。無論、最も糾弾されるべきは実行に移さない分別を持たなかった日比野だ。次に、多くの人たちを自らの欲望の為に犠牲にした金田親子、加えて犯行の揉み消しを謀った浦部校長だ。だが、私などは彼らと肩を並べる程罪が大きいのは、日比野の育ての母だという気がしてならない。金田を殺害したあの日、(金田を殺害した凶器と返り血を浴びた制服は浦部が既に隠している)ただならぬ様子で帰宅した我が子を見て何も感じなかったのだろうか?! 彼女自身、まさか日比野が手を下したことなど想像できないにせよ、もし一言問い質していれば、日比野は精神的にそれで解放されただろう。そうすれば、第二、第三の凶行は起こらなかった筈だ。日比野が二人の父親を誇らしげに語る傍、育ての母に対しては言葉少なだ。ただ一言「とかく世間体ばかりを気にする人」 だったと••• この言葉には、お互いの愛情の薄さが示されている。浦部が、我が子を内田夫妻にあえて託したのは、内田に対する友情以上に、日比野に自分には担えない母親の温もりを与えたかったからに違いない。だが、その善意こそがボタンの掛け違えだったのだ••••


そして、あの万年筆のイニシャルには、決して表に出すことができない父親としての思いが込められていた。日比野達也でもなく、内田達也でもなく、




「浦部達也! そう、彼の本当の息子へ」






完!!






それから2年後の昭和63年春、事務所の電話のベルが鳴り響く。電話の主は日本を代表する名家の一つである綾城家の関係者からで、その人物は田辺善蔵だと名乗り。同家の執事を長年務めていると話す。同家の当主•綾城キクが遺言公開を控える中急死したが、その死に不信な点が見られるため相談に乗って欲しいというのだ。しげるは、相棒のあゆみに調査に行くと言い残し、単身明神村へと向かった。

-ファミコン探偵倶楽部•消えた後継者へ続く-

同シリーズはDQのロト伝説や、宇宙刑事と同様に全3部作から成り、時系列的には、「うしろに立つ少女」(昭和61年)→「雪に消えた過去(もう、お子ちゃまやね、の柿沢議員のことではありませんので、予めご了承下さい(笑))」(昭和62年)→「消えた後継者」(昭和63年)



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